農薬データベース除草剤確認日 2026.10.01
グリホサート
Glyphosate
植物だけが持つアミノ酸の合成のしくみを止める。グリホサート・グルホシネート・スルホニルウレア系など。
日本では
- 登録
- 農薬として登録されている(初めての登録 1980年9月22日)。この成分を含む製剤は 119 種類。
- 主な適用作物
- 樹木等、水田作物、かんきつ、樹木類、水田作物、畑作物、たまねぎ など(適用表に出てくる作物名 73 種類)
- 毒性の区分
- 成分そのもの:グリホサートアンモニウム塩:普 / グリホサートイソプロピルアミン塩:普 / グリホサートカリウム塩:普 / グリホサートナトリウム塩:普製剤(薄めて売られる商品)119種類の区分:普通物 119毒物及び劇物取締法による区分。
- ADI(一日摂取許容量)
- 体重1kgあたり1日 1 mg
- ARfD(急性参照用量)
- 設定の必要なし
- 評価
- 食品安全委員会 2016年7月12日
ADI:一生、毎日食べ続けても健康への影響がないとされる量。ARfD:一度に(24時間以内に)食べても健康への影響がないとされる量。どちらも食品安全委員会が動物試験などから決める。
国の残留農薬検査で(令和6年度)
| 農産物 | 検出/検査 | 検出割合 | 基準値超過 |
|---|---|---|---|
| 輸入 | 18 / 99 | 18.2% | 0件 |
輸入で見つかった食品:大豆、小麦、茶(最大 1.0ppm)
検査数は「農薬×検体」の延べ数。少しでも見つかれば「検出」に数える(基準値を超えたという意味ではない)。上位20に入らない農薬は、全体版の食品別の表を合算した値。
消費者庁のマーケットバスケット調査(令和6年度、ふだんの食事から実際にとっている量)では、ADI に対して 0.012〜0.014%。
海外の評価では
- WHO の急性毒性の区分
- III(やや危険)・LD50 4230 mg/kg薄める前の成分を、主にラットに一度に飲ませたときの毒性(LD50=半数が死ぬ量。小さいほど急性毒性が強い)による区分。食品に残る量の安全性の評価ではない。
- EU
- EUで承認(承認の期限 2033年12月)EU の ADI:0.5 mg/kg bw/day、ARfD:1.5 mg/kg bw
- IARC(発がん性)
- グループ 2A(ヒトに対しておそらく発がん性がある)Glyphosate: Vol.112(評価2015)IARC の分類は「発がん性があるか」の根拠の強さで、食品からとる量でのリスクの大きさではない。
知っておきたいこと
- IARC(国際がん研究機関)は2015年、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」(グループ2A)に分類した。一方、EFSA(2015年)は「ヒトに発がんのハザードをもたらす可能性は低い」と結論し、食品安全委員会も発がん性は認められないと評価している。同じ成分でも、機関によって評価が分かれている。
- 北米などでは、小麦などの収穫前に散布して作物を枯らし、収穫をそろえる使い方(プレハーベスト)がある。小麦の残留基準値は、日本では2017年に5ppmから30ppmに改められた。
- 日本の食品安全委員会では、再評価が審議中(令和5年1月受理)。
関連する解説
出典
- FAMIC(農林水産消費安全技術センター)農薬登録情報(2026年9月30日現在)
- 食品安全委員会 グリホサートの評価書(2016年7月12日)
- 厚生労働省『令和6年度 食品中の残留農薬等検査結果』
- 消費者庁『令和6年度 食品中に残留する農薬等の一日摂取量調査結果』
- WHO Recommended Classification of Pesticides by Hazard 2019
- EU Pesticides Database(Glyphosate)
- IARC(国際がん研究機関)List of Classifications
最終確認日 2026.10.01。登録や評価は変わることがあります。
日本で登録されている農薬は、国が使える作物・量・回数・収穫前の日数を決めて認めたものです。このページは、法令と公的機関の評価に書かれている事実を並べたもので、良し悪しを判定するものではありません。