日本と海外の違い確認日 2026.10.01

なぜ九州は焼酎どころなのか。焼酎の歴史・プレミア焼酎(森伊蔵・魔王・村尾)・海外での広がりを国の資料で読み解く

PR この記事には、楽天市場のアフィリエイト広告のリンク(「楽天市場で見る」)を含みます。書いている内容は、広告の有無と関係なく、国税庁・県・研究機関の資料をもとにしています。お酒は20歳になってから。

焼酎といえば九州、とくに鹿児島・宮崎です。日本で「焼酎」という文字がいちばん古く残っているのも、鹿児島の神社の柱に大工が書いた落書きでした。

この記事では、次のことを国の資料と県の資料で整理します。

  • 焼酎はいつ、どこから伝わり、どう広まったのか
  • なぜ九州(とくに南九州)が焼酎どころになったのか
  • どの県がどれだけ造り、どれだけ飲んでいるのか
  • 森伊蔵・魔王・村尾・百年の孤独などの「プレミア焼酎」は、なぜ手に入りにくいのか
  • 海外では、どのくらい飲まれているのか

焼酎の種類と人気ランキングは焼酎の種類の記事、体への影響は焼酎と健康の記事で書いています。日本酒の歴史は日本酒の歴史と文化の記事をどうぞ。

結論

  • 蒸留の技術は、琉球(沖縄)・朝鮮半島・中国などのルートで伝わったという説があり、どれか1つに決まってはいません。琉球では遅くとも15世紀に泡盛が造られ始めたとされます
  • 日本でいちばん古い「焼酎」の文字は、1559年、鹿児島県伊佐市の郡山八幡神社の大工の落書きです。「座主がけちで、一度も焼酎を飲ませてくれなかった」という内容です
  • 南九州が焼酎どころになったのは、国の資料によると、①日本酒の黄麹ではもろみが腐りやすかった、②火山灰のシラス台地と台風で米が作りにくく、さつまいもが広まった、③黒麹・白麹で腐りにくい造り方が確立した、などのためです。ただし北部九州(福岡など)は日本酒どころでもあります
  • 本格焼酎をいちばん造っているのは宮崎県、成人1人あたりいちばん飲んでいるのは鹿児島県(年19.0L、全国平均の約5.6倍)です
  • プレミア焼酎が手に入りにくいのは、造る量が少なく、売り方が抽選や特約店に限られるためです。森伊蔵の一升瓶の蔵元価格は3,630円(税込)ですが、電話の抽選でしか買えません
  • 焼酎の輸出は2025年に19.6億円で、日本酒(459億円)の約23分の1。2024年には焼酎・泡盛の造りもユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」に含まれました

この記事で紹介しているもの

記事の中で、論点に合わせて次のものを紹介しています(楽天市場のリンクです)。

こんな人に 紹介しているもの 場所
「焼酎」の文字が残る町の焼酎を飲んでみたい 落書きの町、伊佐市の芋焼酎(黒伊佐錦) 1559年:いちばん古い「焼酎」の文字
鹿児島の飲み方を家で試したい 黒ぢょか(薩摩焼・美濃焼) 焼酎の飲み方と酒器
焼酎の歴史をもっと知りたい 『焼酎の履歴書』 もっと知りたい人へ

焼酎の歴史

時代 出来事
13〜14世紀 中国(元)に蒸留の技術が入る。華南・福建から琉球へ直接、またはシャム(タイ)を経て琉球へ伝わったという説がある
1404年 李氏朝鮮から対馬の宗氏へ、返礼の品として「焼酒」が贈られる(『朝鮮実録』)
15世紀 琉球王国で泡盛が造られ始めたとされる(遅くとも15世紀後半)
1534年 明の使者が「琉球の酒は透明でとても強い。もとはシャムから来たようだ」と記録
1546年 ポルトガルの船長ジョルジェ・アルヴァレスが、薩摩の山川(いまの指宿市)で「米から造る蒸留酒」が飲まれていると記録。焼酎(蒸留酒)の最古の記録とされる
1559年 鹿児島県伊佐市の郡山八幡神社に、大工が「焼酎」と書いた落書きを残す。「焼酎」という文字の最古の記録
1671年 琉球から将軍への献上品の中に「泡盛」の名が見られる
1698年・1705年 さつまいもが琉球から種子島(1698年)、山川(1705年)へ伝わる
1795年 芋焼酎の造り方を記した最古の記録『金薯録』
1899年 自家用の酒づくりが全面的に禁止される。この年、酒税が国の税収の1位に
1903〜1912年ごろ 鹿児島で「二次仕込み」が始まり、芋焼酎に定着
1910年代 河内源一郎らが、黒麹を鹿児島の芋焼酎に広める。その後、白麹を見つける
1972年ごろ 減圧蒸留機が入り、軽い味の焼酎が造られるようになる
1973年 二階堂酒造(大分)が麦100%の麦焼酎を、宮崎県五ヶ瀬町でそば焼酎を造り始める
1979年 三和酒類(大分)が麦焼酎「いいちこ」を発売
1984年 宝酒造が「タカラcanチューハイ」を発売
2003年度 焼酎(甲類と本格焼酎の合計)の課税数量が、初めて日本酒を上回る
2007年度 本格焼酎の課税数量がピーク(56.9万kL)
2024年 ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」に、焼酎・泡盛の造りも含めて記載

1559年:いちばん古い「焼酎」の文字

鹿児島県伊佐市の郡山八幡神社では、1954〜55年に本殿を修理したとき、柱の飾りの裏から大工の落書きが見つかりました。

国税庁の調査報告によると、書かれていたのは「其時座主ハ大キナこすてをちやりて一度も焼酎ヲ不被下候 何共めいわくな事哉」。永禄2年(1559年)8月11日の日付と、作次郎・靏田助太郎という2人の名前があります。

意味は「そのときの座主(工事を頼んだお寺の僧)はとてもけちで、一度も焼酎を飲ませてくれなかった。なんとも迷惑なことだ」。

  • 社殿を直しに来た大工が、焼酎をふるまってもらえなかった恨みの落書きです。神さまに焼酎を供えた記録ではありません
  • 国税庁の報告は、当時の薩摩では焼酎が庶民にまで知られていた一方、庶民がいつも飲めるほどではなく、貴重な酒だったと考えられる、としています
  • この木片は2015年に鹿児島県の有形文化財に指定されました。保護のため一般には公開されていません
  • 伊佐市は「焼酎発祥の地」とPRしていますが、これは文字の記録が最も古い場所という意味です。蒸留酒の記録としては、1546年の山川のほうが古くなります

落書きが見つかった伊佐市には、いまも焼酎の蔵があります。

さつまいもと芋焼酎

さつまいもは、1698年に琉球から種子島へ、1705年に琉球から山川へ伝わりました。山川の船乗り・前田利右衛門が持ち帰って広めたと伝えられ、いまも「甘藷翁(からいもおんじょ)」として神社に祀られています(ただし、記録上は種子島のほうが早い)。

江戸時代の芋焼酎は、度数が低く独特のにおいがあり、米焼酎より下に見られていました。幕末の藩主・島津斉彬は、米が足りない薩摩で、米焼酎に代わる良い芋焼酎を研究するよう命じています。

2回の焼酎ブーム

清酒と焼酎の課税数量の推移(1970〜2024年度)国税庁「酒のしおり」令和8年7月「酒類課税数量の推移(国税局分)」。単位は千kL、年度。清酒は1975年度の1,747千kLから2024年度376千kLへ。本格焼酎(単式蒸留焼酎)は1970年度52千kLから増え、2007年度に569千kLでピーク、2024年度353千kL(ピークから約38%減)。連続式蒸留焼酎(甲類)は1985年度363千kL、2004年度431千kL、2024年度265千kL。焼酎の合計(連続式+単式)が清酒を初めて上回ったのは2003年度(900千kL>841千kL)。1975〜1985年度は5年おき、1989年度の次は1993年度の値で、間の年度は線でつないでいる。お酒の課税数量(千kL、年度)04008001,2001,6001970198019902000201020242007年度 5692003年度 焼酎の合計が清酒を上回る清酒連続式(甲類)本格焼酎(単式)1975〜85年度は5年おき、1989年度の次は1993年度の値(間は線でつないだ)
国税庁「酒のしおり」令和8年7月「酒類課税数量の推移(国税局分)」。年度(4月〜翌3月)
  • 1回目(1970年代後半〜80年代前半):軽い麦焼酎や、焼酎を炭酸で割るチューハイが広まり、九州の外でも飲まれるようになりました。1980年度から1985年度で、本格焼酎は約2.4倍、甲類は約2.6倍になっています
  • 2回目(2000年代はじめ):芋焼酎など、香りの強い本格焼酎が人気になりました。本格焼酎は2002年度の39.4万kLから、2007年度の56.9万kLでピークに
  • 2003年度には、甲類と本格焼酎を合わせた焼酎が、初めて日本酒を上回りました。ただし、本格焼酎だけで日本酒を上回った年度はありません
  • その後は減り、2024年度の本格焼酎はピークから約38%少ない35.3万kLです

なぜ九州は焼酎どころなのか

国の資料で言えること

南九州が焼酎どころになった理由を、国税庁の調査報告などから5つ並べた図。1は日本酒の麹では腐りやすかったこと。明治の終わりまで沖縄以外の焼酎も黄麹を使い、もろみが腐る「腐造」が多かったと考えられている。2はシラス台地と台風で米が作りにくく、さつまいもが広まったこと。3は琉球と近く、蒸留の技術にもさつまいもにも琉球から伝わったという説・記録があること。4は黒麹のクエン酸がもろみを守り、1910年代に鹿児島で広まって、腐りにくい造り方が確立したこと。5は黒瀬杜氏・阿多杜氏など焼酎の杜氏がいたこと。注意として、北部九州の福岡県は日本酒どころでもあり、「暑いから日本酒が造れない」は言い過ぎ。造る量の1位は宮崎(115,154kL)、成人1人あたり飲む量の1位は鹿児島(19.0L、全国平均3.4L)。
図:南九州が焼酎どころになった5つの理由と、造る量・飲む量の1位(押すと拡大)

国税庁の調査報告などから、南九州が焼酎どころになった理由をまとめると、次のようになります。

理由 中身
日本酒の麹では腐りやすかった 明治の終わりまで、沖縄以外の焼酎も日本酒と同じ黄麹を使っていて、もろみが雑菌で腐る「腐造」が多かったと考えられている。麹菌は温暖な気候が向いているとも説明される
米が作りにくく、さつまいもが育った 火山灰のシラス台地は水はけがよく、台風も多いため米づくりにあまり向かない。代わりにさつまいもが広まった。薩摩は米が足りず、ほかの藩から買っていた
琉球と近かった 蒸留の技術にも、さつまいもにも、琉球から伝わったという説・記録がある
黒麹・白麹で、腐りにくい造り方ができた 黒麹のクエン酸がもろみを守り、品質と量が安定した。1910年代に鹿児島で広まり、二次仕込みと合わせて焼酎独自の造り方が確立した
焼酎の杜氏がいた 鹿児島の黒瀬杜氏・阿多杜氏が九州一円で働いた。台風を避けて稲刈りが7月下旬〜8月上旬と早く、芋焼酎の仕込みが農作業の少ない時期に重なった

「九州は暑いから日本酒が造れない」は言い過ぎ

  • 国税庁の報告は「腐造が多かったと考えられる」という書き方で、断定はしていません
  • 北部九州の福岡県は、日本酒どころです。日本酒の酒かすから造る「粕取り焼酎」は、福岡を中心に発達しました
  • 焼酎どころなのは、とくに南九州(鹿児島・宮崎)と、麦の大分、米の熊本・球磨、麦の長崎・壱岐です
  • 鹿児島県で成人1人あたりの日本酒の消費は年1.1Lで全国でいちばん少ない一方、鹿児島でも清酒造りを復活させた蔵があると報じられています

数字で見る九州

本格焼酎をたくさん造っている県(2024年度)国税庁統計年報 令和6年度「酒税 都道府県別の製成数量」。単式蒸留焼酎(本格焼酎・泡盛など)の製成数量等。宮崎115,154kL、鹿児島103,645kL、大分69,481kL、福岡39,585kL、熊本12,348kL、沖縄10,374kL、佐賀3,057kL、長崎2,358kL。全国計は358,024kLで、熊本・大分・宮崎・鹿児島の4県で約84%。単式蒸留焼酎の製成数量(2024年度、kL)宮崎宮崎:115,154kL115,154kL鹿児島鹿児島:103,645kL103,645kL大分大分:69,481kL69,481kL福岡福岡:39,585kL39,585kL熊本熊本:12,348kL12,348kL沖縄沖縄:10,374kL10,374kL佐賀佐賀:3,057kL3,057kL長崎長崎:2,358kL2,358kL全国計 358,024kL。宮崎・鹿児島・大分・熊本の4県で約84%
国税庁統計年報 令和6年度「酒税 都道府県別の製成数量」。単式蒸留焼酎の製成数量等
成人1人あたりの本格焼酎の消費(2024年度)国税庁「酒のしおり」令和8年7月「都道府県別の成人1人当たりの酒類販売(消費)数量」。2024年度の単式蒸留焼酎。鹿児島19.0L、宮崎14.5L、熊本8.1L、大分7.7L、福岡5.8L、長崎5.7L、佐賀5.3L、全国平均3.4L(全国平均に沖縄県は含まない)。鹿児島は全国平均の約5.6倍。成人1人あたりの単式蒸留焼酎の消費(2024年度、L)鹿児島鹿児島:19.0L19.0L宮崎宮崎:14.5L14.5L熊本熊本:8.1L8.1L大分大分:7.7L7.7L福岡福岡:5.8L5.8L長崎長崎:5.7L5.7L佐賀佐賀:5.3L5.3L全国平均全国平均:3.4L3.4L全国平均に沖縄県は含まない。鹿児島は全国平均の約5.6倍
国税庁「酒のしおり」令和8年7月「都道府県別の成人1人当たりの酒類販売(消費)数量」。単式蒸留焼酎、2024年度
  • 本格焼酎(単式蒸留焼酎)を造っている量は宮崎県が1位、鹿児島県が2位。熊本・大分・宮崎・鹿児島の4県で全国の約84%です
  • 成人1人あたりの消費は鹿児島県が1位(19.0L)で、全国平均(3.4L)の約5.6倍です
  • 総務省の家計調査(2023〜2025年の平均)で、焼酎への支出がいちばん多い都市は宮崎市(年12,067円)、2位が鹿児島市(11,351円)です
  • 「焼酎の消費量日本一」は、どの数字で比べるかで、鹿児島にも宮崎にもなります
  • 鹿児島県には本格焼酎の蔵が110あり、全国でいちばん多い県です(鹿児島県の資料)

プレミア焼酎

森伊蔵・魔王・村尾(3M)

森伊蔵・魔王・村尾の3つの芋焼酎は、ローマ字の頭文字がMであることから「3M」と呼ばれ、2000年代の焼酎ブームのころ、手に入りにくい焼酎として知られました(誰がいつ言い始めたかは、はっきりしません)。

銘柄 蔵(所在地) 原料 手に入りにくい理由・売り方
森伊蔵 森伊蔵酒造(鹿児島県垂水市) 芋 一升瓶は電話の抽選だけ(毎月15〜25日に申し込み)。蔵元はインターネットでは販売していないと案内している。ほかに一部の百貨店で扱い、1998年から日本航空の国際線の機内でも販売
魔王 白玉醸造(鹿児島県錦江町) 芋 扱う店が限られると報じられている
村尾 村尾酒造(鹿児島県薩摩川内市) 芋 造る量が限られると報じられている
  • 森伊蔵の一升瓶(1,800ml)の蔵元での価格は3,630円(税込)です(森伊蔵酒造の公式サイト)。一方、ネットのオークションなどでは、その10倍前後の値がつくことがあると報じられています
  • 森伊蔵の公式サイトは「転売目的のお申込みは固くお断り」と書いています

百年の孤独

宮崎県高鍋町の黒木本店の「百年の孤独」は、麦と麦麹で造り、樫の樽で長く貯蔵した40度の麦焼酎です(公式サイト)。名前は、ガルシア=マルケスの小説から取られたと紹介されています。黒木本店は「特約店」を通して販売しています。

なぜ「プレミア」になるのか

日本酒のプレミア酒と同じく(日本酒の歴史と文化の記事)、造れる量が少ないのに、売り方が抽選や特約店に限られていることが、手に入りにくさのもとです。高い値段で売られているものの多くは、蔵が決めた値段ではなく、転売の値段です。

このサイトでは、蔵が決めた売り方以外での購入はおすすめしていないため、プレミア焼酎の販売リンクは載せていません。

焼酎の飲み方と酒器

お湯割りの「ロクヨン」

日本酒造組合中央会は、25度の焼酎なら焼酎6:お湯4(ロクヨン)をすすめています。アルコールは約15度になり、日本酒のお燗くらいの温度になる、と説明しています。「お湯を先に入れる」とよく言われますが、中央会の公式ページには書かれていません。

地域の酒器

酒器 地域 使い方
黒ぢょか(黒千代香) 鹿児島 薩摩焼の土瓶。焼酎を入れて、火にかけてゆっくり温める
ガラとチョク 熊本・球磨人吉 かつて35〜40度の焼酎を温めて飲んだ酒器
鳩徳利 宮崎 鳩の形をした徳利
カラカラ 沖縄 泡盛を入れる酒器

(日本酒造組合中央会「焼酎・泡盛の酒器」)

  • 鹿児島では晩酌のことを「だれやめ」と言います。「だれ(疲れ)」を「やめる(取る)」という意味です。宮崎では「だれやみ」と言います

黒ぢょか(黒千代香)は、鹿児島で焼酎を温めるのに使われてきた酒器です。

海外での焼酎

輸出は日本酒の約23分の1

焼酎の輸出金額の推移(2015〜2025年)焼酎の輸出金額(億円)。2015年15.7億円、2016年14.7億円、2017年15.4億円、2018年15.3億円、2019年15.6億円、2020年12.0億円、2021年17.5億円、2022年21.7億円(この期間の最高)、2023年16.4億円、2024年17.2億円、2025年19.6億円。2025年の日本酒の輸出は458.8億円で、焼酎は約23分の1。財務省貿易統計(国税庁「最近の日本産酒類の輸出動向について」2026年2月)。焼酎の輸出金額(億円)5101520252015年:15.7億円15.715年2016年:14.7億円14.716年2017年:15.4億円15.417年2018年:15.3億円15.318年2019年:15.6億円15.619年2020年:12.0億円12.020年2021年:17.5億円17.521年2022年:21.7億円21.722年2023年:16.4億円16.423年2024年:17.2億円17.224年2025年:19.6億円19.625年2025年の日本酒の輸出は458.8億円。焼酎はその約23分の1
財務省貿易統計(国税庁「最近の日本産酒類の輸出動向について」2026年2月)。1月〜12月の値

焼酎の輸出は、2025年に19.6億円(前年より13.9%増)でした。日本のお酒の輸出全体(1,494.8億円)の約1.3%で、日本酒(458.8億円)の約23分の1です。

順位 輸出先(2025年) 金額
1 中国 5.41億円
2 アメリカ 4.67億円
3 韓国 2.49億円
4 台湾 1.38億円
5 香港 0.98億円

韓国の「ソジュ」とのちがい

韓国の焼酒(ソジュ)は、英国の業界誌の集計で、ブランド「JINRO(眞露)」が25年続けて世界でいちばん売れている蒸留酒とされています(韓国の新聞の報道による)。主流のソジュは、高い度数のアルコールを水で薄めて造るもので、日本の甲類に近いタイプです。

アメリカ・カリフォルニア州の規則

カリフォルニア州では2024年から、アルコール分24%以下の輸入の焼酎を、ワインを出せる免許の飲食店でも出せるようになりました(州の酒類管理局)。アメリカ全体の制度ではありません。

ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」

2024年12月、麹菌を使った日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に記載されました。国税庁は、この技術が日本酒・焼酎・泡盛・みりんなどの造りに受け継がれてきたと説明しています。

焼酎の小ネタ

  • 11月1日は「本格焼酎&泡盛の日」:新酒が飲めるのが11月1日ごろであることから、1987年に九州の本格焼酎の生産者の団体が決めました
  • 沖縄の泡盛は、祈りの場にも:観光庁の解説文は、泡盛が御嶽(うたき)と呼ばれる聖地や、墓前、家の仏壇に供えられると紹介しています。北部九州では、酒かすの焼酎が田植えのあとの祝いの酒(早苗饗(さなぶり)焼酎)になってきました(国税庁の報告)。ただ、神社の御神酒(おみき)として全国で供えられてきたのは、主に米から造る日本酒です
  • 「下町のナポレオン」は「いいちこ」:二階堂酒造のキャッチコピーと思われがちですが、三和酒類の「いいちこ」のコピーです
  • 焼酎の税金:25度の一升瓶にかかる酒税は450円です(2026年10月からの税率で計算)

もっと知りたい人へ

焼酎の歴史をもっと知りたい人には、次の本があります。

ご注意 お酒は20歳になってから。20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。ここで紹介した商品は、健康によいことを示すものではありません。価格・送料は変わることがあります(送料は地域で変わります)。

まとめ

  • 蒸留の技術は琉球・朝鮮半島・中国などから伝わったとされ、1546年に山川で米の蒸留酒、1559年に伊佐の神社で「焼酎」の文字が記録された
  • 南九州が焼酎どころになったのは、黄麹では腐りやすかったこと、シラス台地と台風で米が作りにくくさつまいもが育ったこと、黒麹・白麹で造り方が確立したことなど。北部九州は日本酒どころでもある
  • 造る量は宮崎、飲む量は鹿児島が1位
  • プレミア焼酎は、造る量が少なく売り方が限られるため手に入りにくい。森伊蔵の蔵元価格は一升3,630円
  • 輸出は日本酒の約23分の1。焼酎・泡盛の造りもユネスコ無形文化遺産に含まれた

参考にした資料

関連する読みもの・データベース

この記事は、公的機関の資料と研究をもとに表示のルールや評価を整理したもので、特定の食品や添加物の安全性・危険性を判定するものではありません。制度や海外の規制は変わることがあります(確認日 2026.10.01)。