ブルーベリーは目にいい? 品種による抗酸化成分の違い、吸収されやすい食べ方、冷凍のほうがいいのか、食べ続けた人の研究まで

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「ブルーベリーは目にいい」「冷凍したほうが栄養の吸収がよくなる」「毎日食べると血圧が下がる」。ブルーベリーには、よい話がたくさんあります。
どこまで本当なのでしょうか。この記事では、
- ブルーベリーの品種で、抗酸化成分(アントシアニン)の量はどれくらい違うのか
- アントシアニンを体に取りこみやすい食べ方はあるのか
- 冷凍したほうが吸収がよくなるのか
- 食べ続けた人の研究では、期間ごとにどんな変化が出たのか
- ブルーベリーを食べると目がよくなるのか
- 輸入の冷凍ベリーの安全性と、ドライブルーベリー・ジャムの裏面の読み方
を、論文と国のデータで確かめます。
結論
- アントシアニンはヨーロッパの野生種ビルベリーが多く(生100gあたり285mg)、スーパーで売っている栽培ブルーベリーや北米の野生種(ワイルドブルーベリー)は150〜163mg で近い値です。日本で育てた51品種では最大5.8倍の差があり、ラビットアイ系のほうが多い結果でした
- アントシアニンは、そのままの形では食べた量の1%前後しか吸収されませんが、体内で分解された物質まで数えると約12%です。「この食べ方がいちばん吸収される」と言える人の試験はありません。加熱・乾燥・ジャムでは減ります
- 「冷凍すると吸収がよくなる」の元は、査読のない学部生の研究で、測ったのは実から取り出せた量でした。人の吸収を比べた研究はありません。査読のある研究では冷凍しても減らないところまで分かっています
- 食べ続けた人の試験は、多くが粉末で、業界団体の資金によるものです。血管の広がりやすさは数時間後から6か月まで良くなる方向で一致していますが、血圧や血糖は結果が分かれ、いちばん長い6か月の試験では主な目的の項目(インスリンの効き)は変わりませんでした
- 「目にいい」の研究は、ほとんどがビルベリーのエキスです。夜の見え方は厳密な試験で変わらず、目の疲れやピント調節はエキスで改善したという企業の試験があります。栽培ブルーベリーの実を食べて目を調べた試験は見つかりませんでした。機能性表示食品も、関与成分が「ブルーベリー」のものは0件でした
- 冷凍の輸入ベリーは海外でA型肝炎やノロウイルスの食中毒の原因になったことがあり、フィンランドやデンマークは加熱を勧めています。日本ではベリーが原因の食中毒は報告されていません。ドライブルーベリーの多くは砂糖と油入りで、食品成分表の「乾」(無糖・無油)とは別物です
この記事で紹介しているもの
記事の中で、論点に合わせて次のものを紹介しています(楽天市場のリンクです)。
| こんな人に | 紹介しているもの | 場所 |
|---|---|---|
| アントシアニンが多い野生種を食べてみたい | 有機JAS の冷凍ワイルドブルーベリー(カナダ産) | アントシアニンの量:ビルベリーが多く、栽培種3つは近い |
| 旬の時期以外も国産を使いたい | 国産の冷凍ブルーベリー(埼玉県産または千葉県産) | 冷凍したほうが吸収率が上がる? |
| 砂糖も油も入っていないドライがほしい | 原材料が「ブルーベリー」だけのドライブルーベリー | ドライブルーベリーは原材料を見る |
ブルーベリーの品種と、抗酸化成分の違い
ブルーベリーには大きく4つの種類がある
「ブルーベリー」と呼ばれるものは、植物としては同じ仲間(スノキ属)の別の種です。
| 種類 | どんなもの | 主な色素(アントシアニン) |
|---|---|---|
| ハイブッシュ | 栽培種。スーパーの生のブルーベリーに多い。食品成分表の「ブルーベリー 生」もこの分析値 | マルビジン系が中心 |
| ラビットアイ | 栽培種。日本の研究でハイブッシュ系より多い結果(後述) | マルビジン系が中心 |
| ローブッシュ(ワイルドブルーベリー) | 北米の野生種。小粒。日本では冷凍品やドライで売られている | マルビジン系が中心 |
| ビルベリー | ヨーロッパの野生種。果肉まで紫色。サプリメントの原料 | シアニジン系・デルフィニジン系が中心 |
(アントシアニンの種類は USDA フラボノイドデータベース Release 3.3、日本の品種は Shibata 2021、ビルベリーの果肉は Dare 2022 から)
アントシアニンの量:ビルベリーが多く、栽培種3つは近い
- 米国農務省のデータベースの平均値では、ビルベリーが100gあたり285mgで、栽培ブルーベリー(ハイブッシュ163mg、ラビットアイ149mg)や野生のローブッシュ(150mg)の約1.7〜1.9倍です
- ただし、これは多くの研究の平均値で、1つの種類の中の幅がとても大きいことに注意が必要です。たとえばハイブッシュのデルフィニジンは、最小3mg から最大187mg まで報告があります
- 同じ研究室・同じ方法で比べたカナダの研究(Kalt 2001)では、野生のローブッシュが栽培のハイブッシュより一貫して多いという結果でした。データベースの平均値だとほぼ同じなので、比べ方で結果が変わります
- 「小粒のほうがアントシアニンが多い」とよく言われますが、実の大きさと量は「関係なし」という研究(Kalt 2001)と、ハイブッシュの中では関係があるという研究(Moyer 2002)があり、はっきりしません
日本で育てた51品種では、最大5.8倍の差
千葉県の農業大学校で、同じ条件で育てた51品種を調べた研究(Shibata 2021)では、アントシアニンが100gあたり74mg から427mg まで、約5.8倍の差がありました。ラビットアイ系のほうがハイブッシュ系より多い結果でした。いちばん多かったのはラビットアイ系の「スワニー」、少なかったのはハイブッシュ系の「バークレー」です。
また、同じ品種でも、実が青くなってから収穫するまでの日数で量が変わります。ラビットアイの2品種では、青くなった直後より49日後に収穫した実のほうが、アントシアニンが3.6倍・2.8倍でした(Prior 1998。数値は論文の要旨による)。
「抗酸化」の主役はビタミンCではない
ブルーベリーの抗酸化力(試験管で測る数値)は、アントシアニンなどのポリフェノールの量とよく一致します。ビタミンCはイチゴやラズベリーの約4分の1(カナダの分析)しかなく、抗酸化力に占める割合は1割未満でした(Kalt 1999)。
| 生100gあたり | ブルーベリー(生) | いちご | りんご(皮つき) | キウイ(緑) | バナナ |
|---|---|---|---|---|---|
| エネルギー | 48kcal | 31kcal | 56kcal | 51kcal | 93kcal |
| 食物繊維 | 3.3g | 1.4g | 1.9g | 2.6g | 1.1g |
| ビタミンC | 9mg | 62mg | 6mg | 71mg | 16mg |
| ビタミンE(α-トコフェロール) | 1.7mg | 0.4mg | 0.4mg | 1.3mg | 0.5mg |
| カリウム | 70mg | 170mg | 120mg | 300mg | 360mg |
(文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」から。アントシアニンは成分表の項目にありません)
抗酸化成分をいちばん取りこめる食べ方は?
「吸収率1%」は、何を測ったかで大きく変わる
- 野生ブルーベリー189gを食べた高齢女性6人の尿に、元の形のまま出てきたアントシアニンは、食べた量の0.004%でした(Wu 2002)
- 野生ブルーベリーの粉末25gの試験では、元の形のまま吸収された量は1.1%でした(Zhong 2017、北米ワイルドブルーベリー協会などが資金)
- 目印(炭素13)をつけたアントシアニン500mg を8人が飲んだ試験では、体内で分解されてできた物質まで数えると12.38%でした。分解物は食べてから約10時間後に血液中で最も多くなり、48時間ほど残りました(Czank 2013)
アントシアニンは、そのままの形ではほとんど血液に入らず、腸内細菌などで分解された物質(馬尿酸やフェルラ酸など)として体に入ります。「吸収率が低いから意味がない」「12%も吸収される」のどちらも、測ったものが違う数字を比べていることになります。分解物が体の中で何をしているかは、まだ研究の途中です。
牛乳と一緒に食べると?
- ブルーベリー200gを水と一緒に食べると、血液の抗酸化力の数値が上がりましたが、全乳200mlと一緒だと上がりませんでした。血液中のカフェ酸のピークは約半分(−49.7%)でした(Serafini 2009、11人・1回だけの試験)
- ただし、この試験はアントシアニンそのものの量は測っていません。試験管で消化をまねた別の研究では、牛乳を混ぜても「腸から吸収されうる量」は変わりませんでした(Cebeci 2014)
「牛乳と一緒はだめ」とまでは言えません。気になる人は、ヨーグルトや牛乳と混ぜる日と、そのまま食べる日を分ける、という選び方もあります。
スムージー・ジュース・丸ごと
- ブルーベリー入りのジュースとスムージーを比べた試験では、アントシアニンの吸収に差はありませんでした(Kuntz 2015、10人)
- 「バナナと一緒にスムージーにすると吸収が84%下がる」という話は、カカオのフラバノール(別のポリフェノール)の試験で、ブルーベリーのアントシアニンは測っていません。筆頭著者を含む3人は、ココア事業を持つ Mars 社の所属です(Ottaviani 2023)
- 丸ごと食べる場合とジュースの吸収を直接比べた人の試験や、よく噛むかどうかを比べた試験は見つかりませんでした
果物のジュースについては、アメリカの大規模な観察研究で、ジュースを多く飲む人ほど2型糖尿病が多かったという結果もあります(Muraki 2013。後の章で紹介)。果汁の糖については果物の果糖の記事も参考にしてください。
加熱・乾燥・ジャムで減る
| 加工 | アントシアニンの変化 | 研究 |
|---|---|---|
| 冷凍(−20℃・3か月) | はっきりした減少なし | Lohachoompol 2004 |
| 熱風で乾燥 | −41% | 同上 |
| 糖液に漬けてから乾燥 | −49% | 同上 |
| 焼き菓子にする | −42% | Rodriguez-Mateos 2014 |
| ジャムにする | 加工で減り、室温で6か月置くとさらに大きく減る。冷蔵(4℃)のほうが多く残った | Howard 2010 |
量と時間
血管の広がりやすさの試験では、飲み物に含まれるポリフェノールが766mg までは量に比例して数値が上がり、それ以上では頭打ちでした(Rodriguez-Mateos 2013)。数値が上がったのは食べて1〜2時間後と6時間後です。
分けて食べるか一度に食べるかを28日間比べた試験では、1日分を一度に飲んだほうが、24時間の尿に出る量が多い結果でした。ただし、人による差が10倍ありました(Kalt 2017)。
まとめると、「この食べ方がいちばん吸収される」と言える人の試験はありません。分かっているのは、加熱や乾燥・ジャムで減ること、冷凍では減らないこと、牛乳と一緒だと血液中の一部の成分が減ったという小さな試験がある、というところまでです。
冷凍したほうが吸収率が上がる?
「冷凍で増える」話の出どころ
「冷凍するとアントシアニンが増える」という話は、アメリカのサウスダコタ州立大学が2014年に出した発表がもとです。
- 中身は、学部生の卒業研究(査読なし)です(Plumb 2013)
- 測ったのは、実験室で薬品を使って実から取り出せたアントシアニンの量です。生で1gあたり3.32mg、133日冷凍したもので8.89mg でした。ただし、冷凍したものは測定のばらつき(±3.56mg)が大きい結果でした
- 大学の発表では、氷の結晶が実の組織をこわし、色素が出やすくなったと説明しています
- 本人の結論は「約2か月までなら、冷凍は保存方法として問題ない」という控えめなものでした
査読を受けた研究では「減らない」まで
- オーストラリアのハイブッシュを−20℃で1か月・3か月冷凍した研究では、アントシアニンにはっきりした減少はありませんでした(乾燥重量1gあたり 生7.2mg、1か月8.1mg、3か月7.9mg)(Lohachoompol 2004)
- 冷凍したブルーベリーを食べた人と、生を食べた人の吸収を比べた試験は見つかりませんでした(2026年9月30日、PubMed で検索)
「実から取り出しやすくなる」ことと、「人の体に吸収されやすくなる」ことは別の問題です。冷凍で吸収率が上がるとは言えませんが、冷凍しても大きく減らないので、旬の時期以外は冷凍品を使う、という考え方はできます。
ビタミンCは、冷凍品のほうが冷蔵で数日置いたものより多かったという研究があります(Bouzari 2015、冷凍食品業界の財団が資金)。ただ、もともとブルーベリーのビタミンCは多くありません(上の表)。
食べ続けた人の研究:期間ごとに何が変わったか
まず知っておきたいこと:試験の多くは「粉末」と「業界団体の資金」
人の試験の多くは、生のブルーベリーではなく、凍結乾燥した粉末(1日22〜26g が多い)を使っています。論文自身の換算では、26g の粉末が生の実およそ178g(Wood 2023)、24g が生の実およそ1カップ(Miller 2018)にあたります。
また、介入試験の多くは米国ハイブッシュブルーベリー協会(USHBC)や北米ワイルドブルーベリー協会(WBANA)が資金や試験用の粉末を出しています。資金の出どころが結果を決めるわけではありませんが、この記事では論文に書かれている資金元を並べて書きます。

数時間後:血管の広がりやすさが一時的に上がる
- 健康な男性21人の試験で、ブルーベリーの飲み物をとると、1〜2時間後と6時間後に血管の広がりやすさ(FMD。血管の内側の働きの指標)が上がりました。ポリフェノールの量が766mg までは量に比例し、それ以上では頭打ちでした(Rodriguez-Mateos 2013)
- 7〜10歳の子ども21人では、凍結乾燥のワイルドブルーベリー(15g・30g)を飲んだ約1〜3時間後に、単語を覚える課題などの成績が良くなりました(Whyte 2016)
6〜8週:結果が分かれる
| 試験 | 対象 | 量・期間 | 変化があった | 変化がなかった | 資金 |
|---|---|---|---|---|---|
| Stull 2010 | 肥満でインスリンの効きが悪い32人 | 粉末入りスムージー1日2回・6週 | インスリンの効きやすさ | 体脂肪、炎症の指標 | 共著者が USHBC から研究資金 |
| Stull 2015 | メタボリックシンドローム44人 | 同上・6週 | 血管の働き(RHI) | 血圧、インスリンの効きやすさ | USHBC、米国立衛生研究所 |
| Johnson 2015 | 血圧が高めの閉経後の女性48人 | 粉末22g/日・8週 | 収縮期血圧 138→131mmHg、拡張期 80→75mmHg、動脈の硬さ | ― | USHBC と米国農務省(報道による。論文での記載は未確認) |
| Stote 2020 | 2型糖尿病の男性52人 | 粉末22g/日・8週 | HbA1c(7.5% に対し 7.1%)、中性脂肪 | 空腹時血糖、コレステロール、血圧、体重 | USHBC |
12〜24週:記憶の課題と血管
- 65〜80歳の健康な61人が、凍結乾燥のワイルドブルーベリー26g(生の実178g 相当)を12週とった試験では、血管の広がりやすさ(+0.86%)、24時間の収縮期血圧(−3.59mmHg)、単語をすぐ思い出す課題が改善しました。脳の血流と腸内細菌は変わりませんでした(Wood 2023、WBANA が資金)
- 同じ研究グループが血圧高めの閉経後の女性43人で行った12週の試験では、血管の働きは改善しましたが、血圧は下がりませんでした(Woolf 2023)。8週の試験(Johnson 2015)とは結果が違います
- 記憶に変化が出始めた高齢者の試験(Krikorian 2010)は、9人だけで、同時に比べる対照群がありません
6か月:いちばん長い試験では、主な目的の項目は変わらなかった
現時点でいちばん長い人の試験は、メタボリックシンドロームの115人を6か月追ったもの(Curtis 2019)です。
- 1日1カップ(150g)相当の粉末をとった人で、血管の広がりやすさが +1.45%、HDL(善玉)コレステロールが上がりました(スタチンを飲んでいない人)
- 主な目的だったインスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)は変わりませんでした。血圧も変わりませんでした
- 1日に半カップ(75g)の人は、どの項目も変わりませんでした
- 同じ試験の2024年の解析では、6か月で記憶・気分・睡眠も変わりませんでした(Curtis 2024)
- 資金は USHBC と英国の研究会議(BBSRC)です
研究をまとめた分析(メタ分析)では
| 項目 | 結果 | 研究 |
|---|---|---|
| 血管の広がりやすさ(FMD) | 良くなる方向で一致(健康な人で +1.11%) | He 2026(14試験・632人) |
| 血圧 | 多くのまとめで差なし。1つだけ拡張期血圧が下がったという結果 | Zhu 2017、Delpino 2024、He 2026/Carvalho 2021 |
| 健康な人の記憶・判断 | 差なし | He 2026 |
| 物忘れが気になる高齢者の記憶 | 小さな改善(標準化平均差 0.34) | da Silva 2025(9試験・513人) |
何十年も追った観察研究
アメリカの看護師・医療職の人たちを10〜24年追った研究では、ブルーベリーを多く食べる人ほど、次の病気が少ないという結果が出ています。
- 2型糖尿病:ブルーベリーが週3回分増えるごとに、なる割合が0.74倍。一方、果物のジュースは1.08倍で、多く飲む人ほど多い結果でした(Muraki 2013)
- 認知機能の低下:ブルーベリーを週1回以上食べる人は、低下が遅く、年齢に換算して最大2.5年分の差でした(Devore 2012。資金に米国立衛生研究所のほか、カリフォルニア州イチゴ委員会)
- 高血圧:アントシアニンを多くとる人(上位20%)で0.92倍。60歳を超える人では、はっきりした差はありませんでした(Cassidy 2011)
これらは「多く食べる人ほど少なかった」という関連で、ブルーベリーが病気を防いだことを示すものではありません。果物をよく食べる人は、ほかの生活習慣も違うことがあります。
ブルーベリーを食べると目がよくなる?
「戦闘機のパイロットがジャムを食べて夜目が利いた」話
第二次世界大戦中に、イギリス空軍のパイロットがビルベリーのジャムを食べて夜間の視力が上がった、という話がよく紹介されます。
米国立衛生研究所の補完統合衛生センター(NCCIH)は、この話を「迷信か、レーダーの改良を隠すための意図的な作り話だった可能性がある」と書いています。パイロットが実際に食べていたという記録は確認されていません。
夜の見え方の試験
- 米海軍の研究所が、視力のよい若い男性15人にビルベリーのエキスを1日3回・3週間飲んでもらった試験では、夜の視力も、暗いところでの明暗の見分けも変わりませんでした(Muth 2000)
- 夜の視力に関する試験をまとめた分析では、最近の厳密な試験4本はすべて効果なしで、方法が厳密な試験ほど効果が出ない傾向でした(Canter & Ernst 2004)
目の疲れ・ピント調節の試験
日本では、パソコン作業による目の疲れやピント調節の試験があり、改善したという結果が出ています。ただし、どちらもビルベリーのエキスの試験で、実を食べた試験ではありません。
| 試験 | 対象 | 量・期間 | 結果 | 実施・資金 |
|---|---|---|---|---|
| Ozawa 2015(慶應大学) | パソコン作業をする88人 | ビルベリーエキス480mg/日・8週 | 目のちらつきの見分け(CFF)の低下が小さく、目の疲れの自覚症状が改善。近くを見る距離(近点)は差なし | わかさ生活が実施、社員2人が共著者 |
| Kosehira 2020 | 20〜60歳の109人 | ビルベリーエキス240mg/日・12週 | ピント調節の筋肉の緊張の指標が改善 | オムニカ社が資金、社員2人が著者 |
スーパーで売っている栽培ブルーベリーの実を食べて、目の働きを調べた人の試験は、今回の調査では見つかりませんでした。
機能性表示食品は、ほぼ「ビルベリー」
消費者庁の機能性表示食品のデータベースを2026年9月30日に検索すると、次のとおりでした。
- 関与成分に「ビルベリー」を含む届出は147件(撤回などを除くと74件)。74件のうち69件が、表示に「ピント」を含んでいました
- 関与成分が「ブルーベリー」の届出は0件。商品名に「ブルーベリー」とあるものも、中身の関与成分はビルベリー由来のアントシアニンです
- 74件はすべて錠剤・カプセルなどの加工食品で、ブルーベリーの実(生鮮食品)の届出はありません
- 1日の目安量の例は、ビルベリー由来アントシアニン43.2mg(大正製薬、味の素の商品)
機能性表示食品は、国が審査して許可したものではなく、事業者が自分の責任で根拠を届け出る制度です。

日本に出回るブルーベリーはどこから?
- 国産の収穫量は2,263.8トン(2023年産、栽培面積983.4ha)。多いのは東京(326トン)、長野(250トン)、群馬(238トン)、茨城(205トン)です(農林水産省「特産果樹生産動態等調査」)
- 生の輸入は2025年に2,047トンで、メキシコが64.5%、アメリカ25.3%、チリ6.7%でした
- 冷凍の「ベリー(砂糖なし)」の輸入は2025年に33,697トンで、カナダが62.4%、チリ18.8%でした。この区分にはブルーベリー以外のベリーも入るため、ブルーベリーだけの量は分かりません
- 生のブルーベリーは国産と輸入がほぼ同じ規模ですが、冷凍の輸入はそれより一桁多い量です
(財務省「貿易統計」。統計にブルーベリーだけの区分はありません。生鮮はクランベリー・ビルベリーなどスノキ属の果実の合計です)
輸入の冷凍ベリーの安全性
残留農薬の違反と検査
厚生労働省の「輸入食品等の食品衛生法違反事例」には、ブルーベリーの残留農薬の違反が載っています。2023〜2025年には、チリ・メキシコ・中国産の生や冷凍のブルーベリーで、基準を超える殺菌剤・殺虫剤が見つかっています。
- チリ産ブルーベリーのテブコナゾール(殺菌剤)は、2024年8月から全ロットの検査(検査命令)の対象になり、2026年7月13日に解除されて、強化したモニタリング検査に移りました
アメリカ農務省の2022年の検査では、生のブルーベリー482検体のうち農薬が検出されなかったのは16.0%、冷凍51検体では11.8%でした。検出されたものの多くはアメリカの基準の範囲内で、基準を超えたのは生の2検体でした。
放射性セシウムは「欧州の野生ビルベリー」に集中
同じ違反事例には、放射性セシウムが日本の基準(1kgあたり100ベクレル)を超えた例も約20件あります。ほぼすべてが、ポーランド・ウクライナ・フィンランド・スウェーデンなどの野生のビルベリーを使ったジャム・乾燥品・冷凍品・サプリメントの原料でした(最大1,800ベクレル、2012年度の乾燥品)。北米・南米のブルーベリーとは分けて考える必要があります。
A型肝炎・ノロウイルス
冷凍ベリーは、海外で食中毒の原因になったことがあります。
- ヨーロッパでは2013〜2014年に、冷凍のミックスベリーによるA型肝炎の流行があり、1,589人が発症しました(Severi 2015)。1983〜2013年の冷凍ベリー関連の事例は32件で、最も多いのはノロウイルスでした(Tavoschi 2015)
- オランダでは2024年11月〜2025年2月に、スーパーで売られた冷凍ブルーベリーによるA型肝炎で24人が発症しました(Friesema 2026)
- フィンランド食品局は、外国産の冷凍ベリーを家庭で食べるときは「90℃で5分以上、または2分間煮立てる」ように、デンマーク食品局は市販の冷凍ベリーを「1分以上煮立てる」ように勧めています
日本では、国内でベリー類が原因のA型肝炎の食中毒は起きていないとされています(農林水産省)。東京都が調べた輸入ベリー類109検体は、すべてA型肝炎ウイルス陰性でした。消費者に冷凍ベリーの加熱を勧める国の通知は、今回の調査では見つかりませんでした。食品安全委員会のファクトシートでは、A型肝炎ウイルスをなくすには「85℃1分以上」の加熱が必要としています。
心配な人は、ジャムやソースなど加熱して使う、という選び方ができます。ただし、加熱するとアントシアニンは減ります(前の章)。
裏面チェックのポイント
ドライブルーベリーは原材料を見る
食品成分表の「ブルーベリー 乾」は、砂糖も油も加えていないものを分析した値です(100gあたり280kcal、食物繊維17.6g)。ところが、売られているドライブルーベリーの多くは、裏面が違います。
| 裏面の原材料名(楽天市場の商品ページで確認した例) | 何が入っているか |
|---|---|
| ブルーベリー、砂糖、植物油 | 砂糖と油 |
| ブルーベリー(アメリカ産)、砂糖、ひまわりオイル | 砂糖と油 |
| 有機ブルーベリー、有機砂糖、有機ひまわり油 | 「オーガニック」でも砂糖と油 |
| ワイルドブルーベリー・果糖ブドウ糖液糖/酸味料(リンゴ酸、酒石酸)・香料 | 「ノンオイル」でも液糖と香料 |
| ブルーベリー | ブルーベリーだけ |
- 「オーガニック」「ノンオイル」は、砂糖が入っていないという意味ではありません。原材料名の欄を見れば分かります
- 乾燥させるとアントシアニンは4〜5割減ります(前の章の表)
ジャムは原材料の順番と「糖度」を見る
原材料名は、重量の多い順に書かれています。
| 原材料名の例 | 読み方 |
|---|---|
| ブルーベリー、砂糖、濃縮レモン果汁/ゲル化剤(ペクチン) | ブルーベリーがいちばん多い |
| 砂糖、ブルーベリー/ゲル化剤(ペクチン) | 砂糖がいちばん多い |
| 糖類(水あめ、砂糖、ぶどう糖、イソマルトオリゴ糖)、ブルーベリー、… | 糖類がいちばん多い |
- ジャムは、果実を砂糖などと一緒にゼリー状になるまで煮たものです(食品表示基準)。JAS のジャム類は糖度(可溶性固形分)40%以上です
- ジャム類では、「通常より糖度が低い旨を示す用語」は表示してはいけないことになっています。例外は、糖度55度以下のジャムで「糖度50度」のように数字を並べて書く場合です(食品表示基準 別表第22)
- 食品成分表のブルーベリージャムは100gあたり174kcal、そのうちしょ糖が34.7gです
「ブルーベリー味」には実が入っていないことも
- 清涼飲料・乳飲料・アイスクリームなどは、果汁が5%未満なら「無果汁」または「果汁○%」と書かなければなりません(景品表示法の「無果汁」の告示)。お菓子やパンは対象外です
- アメリカの例では、ブルーベリーマフィンの素(JIFFY)の公式サイトの原材料欄に、ブルーベリーはなく、「BLUE 2 LAKE」「RED 40 LAKE」という着色料と香料が並んでいます
サプリメントのビルベリーエキス
- ビルベリーエキスは、ほかの果実や黒米・黒豆のアントシアニン、合成着色料などで水増しされた商品があると、米国植物協議会(ABC、業界系の非営利団体)が2012年に報告しています。薬局方の分析方法だけでは水増しを見分けにくいという論文もあります(Govindaraghavan 2014)
- 日本では、中国製のビルベリーエキスから日本で使えない甘味料(サイクラミン酸)が見つかった違反が、2023年に2件ありました(厚生労働省)
着色料と甘味料については、着色料の記事と甘味料の記事も参考にしてください。
気をつけたい人
- 血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬など)、糖尿病の薬を使っている人:厚生労働省の統合医療の情報サイト(eJIM、米国 NCCIH の資料の翻訳)では、ビルベリーがこれらの薬と相互作用する可能性があると書かれています。食品として実を食べる量ではなく、エキスのサプリメントを使うときは、医師・薬剤師に相談してください
- ビルベリーの葉:米国の NCCIH は、葉を高用量・長期間とると安全でない可能性があるとしています。実とは別です
- 妊娠中・授乳中の人:食品として食べる量を超える場合(サプリメントなど)の安全性は、ほとんど分かっていません(NCCIH)
- 冷凍ベリーの食中毒が心配な人:加熱して使う方法があります(上の章)
この記事で紹介した商品のまとめ
| 有機 冷凍ワイルドブルーベリー | 国産 冷凍ブルーベリー | ドライブルーベリー(砂糖・油なし) | |
|---|---|---|---|
| こんな人に | 野生種(ローブッシュ)を食べてみたい | 旬以外も国産を使いたい | 常温で置いておけるものがほしい |
| 原材料名など | 有機ブルーベリー(カナダ産)、冷凍 | ブルーベリー(埼玉県産または千葉県産)、冷凍 | ブルーベリー(アメリカ産)だけ |
| 価格(税込) | 1kg×2袋 6,780円(送料無料) | 1kg 3,499円〜(送料無料) | 200g 2,280円〜(送料無料) |
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(2026年9月30日に楽天市場の販売ページで確認。価格・送料は変わることがあります)
ウラヨミの考え方
- 「ブルーベリーは目にいい」は、栽培ブルーベリーの実については確かめられていません。研究の多くはビルベリーのエキスで、夜の見え方は変わらず、目の疲れやピント調節は企業の試験で改善したという結果です
- 抗酸化成分のアントシアニンは、品種・熟し方で何倍も違います。「どの食べ方がいちばん吸収されるか」は分かっていませんが、加熱・乾燥・ジャムで減り、冷凍では減りません
- 食べ続けた試験では、血管の広がりやすさは良くなる方向で一致し、血圧や血糖は結果が分かれています。多くは粉末で、業界団体の資金が入っています
- 冷凍の輸入ベリーには、海外で食中毒の例があります。ドライやジャムは、裏面の原材料名で砂糖・油・液糖を確かめられます
出典
- 米国農務省 USDA Database for the Flavonoid Content of Selected Foods, Release 3.3(2018)
- Phenol-Explorer 3.6
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(2026年3月27日更新)
- 農林水産省「特産果樹生産動態等調査」令和5年産(e-Stat)
- 財務省「貿易統計」品別国別表 輸入(2023〜2025年)
- 厚生労働省「輸入食品等の食品衛生法違反事例」、チリ産ブルーベリーの検査命令(2024年8月23日)と解除(2026年7月13日)の通知
- 農林水産省 いちごのA型肝炎ウイルス実態調査の資料(令和7年度、survei r7-4)
- 東京都 食品安全情報評価委員会 資料(平成26年度、輸入ベリー類のA型肝炎ウイルス)
- 食品安全委員会 ファクトシート「A型肝炎」
- Finnish Food Authority(Ruokavirasto)「Ulkomaiset pakastemarjat」/Danish Veterinary and Food Administration(Fødevarestyrelsen)「Frosne bær」
- US Department of Agriculture, Pesticide Data Program Annual Summary 2022
- 消費者庁 機能性表示食品の届出情報検索(2026年9月30日検索)/「無果汁の清涼飲料水等についての表示」
- 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)別表第3・第22/日本農林規格「ジャム類」(JAS 0524:2024)
- 米国 NCCIH「Bilberry」(2024年11月)/厚生労働省 eJIM「ビルベリー」
- “JIFFY” Blueberry Muffin Mix 公式ページ(2026年9月30日確認)
- Foster S, Blumenthal M. HerbalGram. 2012;96:64-73(ABC、ビルベリーエキスの水増し)/Govindaraghavan S. Fitoterapia. 2014
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