着色料(赤102・黄4…)は海外で禁止? 日本と海外のルールの違い
紅しょうが、たらこ、かき氷のシロップ、カラフルなお菓子。裏面を見ると「着色料(赤102、黄4)」のような表示があります。
「日本の着色料は海外では禁止されている」という話を聞いたことがあるかもしれません。2025年にはアメリカが赤色3号の使用許可を取り消し、ほかの色素もなくしていく方針を出したことで、この話題がまた注目されました。
この記事では、
- 裏面の表示から、どんな着色料が使われているかを読む方法
- 日本と海外で、ルールが何がどう違うのか
- 「子どもの行動に影響する」「発がん性がある」という話を、研究や公的機関はどう見ているのか
を、国や海外の公的機関の資料をもとに整理します。
結論:国ごとに「使える色素」も「ルールの考え方」も違います
- 日本で使えるタール色素(石油などから化学的に作る色素)は 12種類。そのうち 赤色104号・105号・106号 の3つは、アメリカ・EU・カナダ・オーストラリア・韓国のどこでも食品に使えません
- EU は、子どもの行動への影響を示した研究を受けて、一部の色素を使った食品に注意書きを義務づけています。アメリカは赤色3号の許可を取り消し、残る6つの色素も業界にやめるよう求めています
- 一方、日本の国(消費者庁)は2025年に、国際的な評価を変える新しい知見はなく、日本人の摂取量は許容量よりずっと少ないと整理しています
- 表示のルールでは、着色料はまとめて書くことができず、使った色素の名前をすべて書く決まりです。裏面を読めば、どの色素が使われているかは分かります
着色料の種類と、裏面での見分け方
大きく分けて2種類
| 種類 | 主なもの | 裏面での書かれ方の例 |
|---|---|---|
| タール色素(指定添加物) | 赤色2号・3号・40号・102号・104号・105号・106号、黄色4号・5号、緑色3号、青色1号・2号 の12種類 | 着色料(赤102、黄4)、赤色3号、青1 |
| それ以外の色素(多くは植物・虫・微生物などから取る「既存添加物」) | クチナシ色素、ベニコウジ色素、パプリカ色素、カラメル色素、コチニール色素、アカキャベツ色素 など | クチナシ色素、着色料(カラメル、紅麹) |
| (白い色素) | 二酸化チタン(指定添加物) | 着色料(二酸化チタン) |
見分け方のポイントは「色の名前+数字」です。 「赤102」「黄4」「青1」のように、色の名前と数字の組み合わせで書かれていたら、タール色素です。
表示のルールで知っておきたいこと
- 着色料は、まとめて書けません。 「調味料(アミノ酸等)」「香料」のように、いくつかの添加物をひとまとめの名前で書いてよいもの(一括名)がありますが、着色料はその対象ではありません。使った色素の名前を1つずつ書きます
- 「着色料」の文字は、省略されることがあります。 名前に「色」の文字が入っている場合(「赤色102号」「クチナシ色素」など)は、「着色料」と書かなくてよいことになっています。「赤102」のように「色」が入らない短い書き方のときは、「着色料(赤102)」と書きます
- 「天然」「合成」という言葉は、添加物の表示には使えません。 国のルールでは、化学的に作ったものも天然のものも同じ「添加物」として扱い、区別せずに表示します
- 原材料から持ち込まれた着色料も、色が残っていれば表示されます。 原材料に使われた添加物は、少量で効果がなければ表示しなくてよい「キャリーオーバー」という仕組みがあります。ただし着色料のように見た目で効果が分かるものは、この仕組みの対象にならないと自治体は説明しています(例:着色料を使ったメロンソースをかけたメロンアイス)→ キャリーオーバーの記事
日本のルール:使ってはいけない食品が決まっている
日本では、タール色素について使ってはいけない食品が決められています(食品、添加物等の規格基準)。
カステラ、きなこ(うぐいす粉を除く)、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょう油、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類(ワンタンを含む)、野菜、わかめ類
生の肉や魚、野菜などに色をつけて、鮮度や品質を実際よりよく見せることを防ぐためのルールです。タール色素以外の色素(クチナシ色素など)も、こんぶ類・食肉・鮮魚介類・茶・のり類・豆類・野菜・わかめ類には使えません。
一方で、日本のタール色素には「1kgあたり何gまで」という使用量の上限は決められていません。 後で紹介するEUや韓国は、食品ごとに上限の量を決めています。ここは日本と海外の大きな違いのひとつです。
日本人はどれくらい食べている?
消費者庁の資料(2025年)によると、日本人が1日にとっているタール色素の量は、どの色素もADI(一生毎日食べても健康に影響が出ないとされる量)の1%未満と推計されています。
- 実際に食品を買って測る調査(マーケットバスケット方式)では、多くの色素が測れる量より少ない「0」
- 色素の生産量から計算した推計でも、ADIに対する割合がいちばん大きい赤色3号で約0.6%
日本と海外の違い
12種類のタール色素が、ほかの国で使えるか
| 日本での名前 | 英語名 | 米国 | EU | カナダ | 豪州・NZ | 韓国 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 赤色2号 | アマランス | ✕ | △(食前酒・魚卵など一部だけ) | ○ | ○ | ○(使える食品と量を限定) |
| 赤色3号 | エリスロシン | ✕(2025年に取り消し) | △(カクテル用さくらんぼなど一部だけ) | ○ | ○ | ○ |
| 赤色40号 | アルラレッドAC | ○(業界に排除を要請) | ○(注意書きが必要) | ○ | ○ | ○ |
| 赤色102号 | ポンソー4R | ✕ | ○(注意書きが必要) | ✕ | ○ | ○ |
| 赤色104号 | フロキシン | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ |
| 赤色105号 | ローズベンガル | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ |
| 赤色106号 | アシッドレッド | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ |
| 黄色4号 | タートラジン | ○(業界に排除を要請) | ○(注意書きが必要) | ○ | ○ | ○ |
| 黄色5号 | サンセットイエローFCF | ○(業界に排除を要請) | ○(注意書きが必要) | ○ | ○ | ○ |
| 緑色3号 | ファストグリーンFCF | ○(業界に排除を要請) | ✕ | ○ | ○ | ○ |
| 青色1号 | ブリリアントブルーFCF | ○(業界に排除を要請) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 青色2号 | インジゴカルミン | ○(業界に排除を要請) | ○ | ○ | ○ | ○ |
○=使える △=一部の食品だけ ✕=食品に使えない(米国は2026年9月時点。EU・カナダ・豪州・NZは消費者庁の資料〔2025年5月時点〕、韓国は食品医薬品安全処の基準による)
番号が国によってずれる色素がある アメリカの「Yellow 5(黄色5号)」は、日本の黄色4号(タートラジン)のことです。アメリカの「Yellow 6(黄色6号)」は、日本の黄色5号です。 海外のニュースで「黄色5号が…」と出てきたら、日本のどの色素の話かを英語名で確かめると混乱しません。赤色3号・40号、青色1号・2号、緑色3号は、日本とアメリカで番号が同じです。
「海外で禁止」の中身は、国ごとにさまざま
表の「✕」には、いくつかの意味が混ざっています。
- 安全性を理由に許可を取り消したもの:アメリカの赤色3号など
- その国で使う申請が出されていない、評価されていないもの:赤色104号・105号・106号は、国際的な評価機関(JECFA)で評価されておらず、日本だけが国内の試験をもとに使用を認めています
- 逆のケースもあります:アメリカでは、オレンジの皮に使う「シトラスレッド2号」が長く認められてきました(2026年に取り消しを提案中)。これは日本では使えない色素です
オーストラリア・ニュージーランドの食品基準機関も、「ある国で禁止と言われる色素」の多くは、単にその国で許可を申請されていないだけだ、と説明しています。
「海外で禁止=危険」「日本で使える=安全」と、どちらか一方に決めつけずに、どの国が、何を理由に、どう決めたのかを見ることが大切です。
アメリカ:赤色3号の取り消しと、6つの色素の段階的な排除
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2025年1月 | FDA(米国食品医薬品局)が赤色3号の食品への使用許可を取り消し。食品メーカーは2027年1月15日までに使用をやめる |
| 2025年4月 | FDAが、赤色40号・黄色4号・黄色5号・緑色3号・青色1号・青色2号(いずれも日本の名前)を食品からなくしていく方針を発表。法律で禁止したのではなく、業界に自主的な切り替えを求めるもの |
| 2025年5月・7月 | 代わりの色素として、藻類から取る青、バタフライピー(チョウマメ)、リン酸カルシウム、クチナシの青色素などを新たに認可 |
| 2026年2月 | 天然由来の色素だけを使った食品なら「人工着色料不使用(no artificial colors)」と表示してよいと、表示の方針を変更 |
| 2026年9月 | FDAのページでは、6つの色素をなくす目標を2027年末としている(発表当初は2026年末) |
赤色3号の取り消しは、オスのラットで甲状腺のがんが増えた試験結果をもとにしています。アメリカの法律には「人か動物でがんを起こす着色料は認めない」という条文(デラニー条項)があり、それに従った措置です。ただしFDAは同時に、「ラットでがんが起きる仕組みは人では起こらない」「人がふだん口にする量はずっと少ない」と説明し、法律上は使えなくなったものの、FDA自身は赤色3号が着色料の安全基準を満たしていると考えているとも述べています。
州ごとの法律もあります。
- カリフォルニア州:2027年1月から赤色3号を含む食品の製造・販売を禁止(AB 418)。2027年12月31日から、公立学校で赤色40号・黄色4号・黄色5号・青色1号・青色2号・緑色3号(日本の名前)を含む食品を出すことを禁止(AB 2316)
- ウェストバージニア州・テキサス州でも、使用禁止や警告表示を求める法律ができましたが、一部は裁判所に差し止められています
クチナシの青色素は、日本ではずっと前から使われてきた色素です。アメリカが合成色素の代わりとして2025年に認可したことで、「日本では当たり前の天然系の色素」が海外で後から認められる、という逆の流れも起きています。
EU・イギリス:子どもへの注意書き
EUでは2010年7月から、次の6つの色素を使った食品に、「子どもの活動や注意に悪影響を与えるおそれがあります」という注意書きが義務になっています(EU規則1333/2008 附属書V)。
| EUの注意書きが必要な色素 | 日本では |
|---|---|
| タートラジン(E102) | 黄色4号 |
| サンセットイエローFCF(E110) | 黄色5号 |
| アルラレッドAC(E129) | 赤色40号 |
| ポンソー4R(E124) | 赤色102号 |
| キノリンイエロー(E104) | 使えない |
| カルモイシン(E122) | 使えない |
EU離脱後のイギリスも、同じ注意書きのルールを続けています。EUは、赤色3号を「カクテル用・砂糖漬けのさくらんぼ」などに、赤色2号を「食前酒・魚卵」などに限って認めていて、緑色3号は使えません。
また、白い色素の二酸化チタンは、EUでは2022年から食品に使えなくなりました(後で説明します)。
韓国:食品ごとに使える量まで決めている
韓国で食品に使えるタール色素は9種類で、日本の赤色104号・105号・106号は使えません。さらに、色素ごとに使ってよい食品と上限の量を一覧で決めています(2022年1月から)。たとえば赤色2号は、韓国の伝統菓子・ガム・餅・ソーセージ・明太子などに限られ、キャンディやアイスクリームは一覧に入っていません。生後6か月未満の赤ちゃん向け食品では、タール色素は「検出されてはならない」とされています。
オーストラリア・ニュージーランド:評価の結果、注意書きは求めていない
オーストラリア・ニュージーランドは、日本の赤色102号も含めて多くの色素を認めています。色素の摂取量を調べた結果、よく食べる人や子どもでも許容量の5%未満だったとして、EUのような注意書きは求めていません。
「子どもの行動に影響する」は本当?
きっかけになったイギリスの研究
2007年、イギリスのサウサンプトン大学の研究チームが、医学誌『ランセット』に研究を発表しました。
- 一般の3歳児153人と8〜9歳児144人に、着色料と保存料(安息香酸ナトリウム)を混ぜた飲み物、または色素の入っていない飲み物を、どちらか分からないようにして飲んでもらった
- 混ぜた飲み物は2種類で、それぞれ着色料が4種類ずつ(2つ合わせて6種類。のちにEUが注意書きを義務づけた6つの色素)入っていた
- 着色料と保存料を混ぜた飲み物を飲んだとき、多動(落ち着きのなさ・不注意)の指標が少し上がった
この研究がEUの注意書きのきっかけになりました。
公的機関の見方は分かれている
| 機関 | 見方 |
|---|---|
| EFSA(欧州食品安全機関) 2008年 | 色素と保存料を混ぜて飲ませたため、どの色素の影響かが分からない。影響も小さく、この研究だけではADIを変える根拠にならない。※ただし翌2009年、別の理由で黄色5号・赤色102号などのADIを引き下げた |
| 米FDAの諮問委員会 2011年 | サウサンプトン研究を含むデータは、着色料と多動との因果関係を裏づけないと結論 |
| FSANZ(豪州・NZ) | サウサンプトン研究は、色素の安全性評価を変える根拠にならない |
| 日本(消費者庁の資料に記載された過去の審議会の結論) | 因果関係を評価するには疑問点が多く、この研究だけで子どもに重大な影響があるとは判断できない。日本人の摂取量は、この実験で使った量よりかなり少ない |
| 米カリフォルニア州(OEHHA) 2021年 | 人を対象にした27の試験などを検討し、合成着色料は一部の子どもで、ADHDなどの有無にかかわらず行動に影響しうると結論。今のアメリカのADIは、神経や行動への影響を調べる前の古い試験で決めたもので、子どもを十分に守れていない可能性があるとした |
研究の結論が割れている理由は、
- 多くの試験が複数の色素を混ぜて調べているため、1つの色素の影響を取り出しにくい
- 影響が出るとしても一部の子どもで、反応の強さに個人差が大きい
- 長い目で見た影響を調べた研究がない
といった点にあります。
「着色料で子どもがADHDになる」と言える研究はありません。 一方で、「一部の子どもでは行動に影響するかもしれない」という見方には、EUの注意書きやカリフォルニア州の評価のように、公的な裏づけもあります。 今のところ、ここはまだ決着していない部分です。
「発がん性がある」は本当?
| 色素 | 評価 |
|---|---|
| 赤色3号 | オスのラットで甲状腺のがんが増えた。FDAは「人では同じ仕組みは起こらない」としつつ、法律の条文に従って許可を取り消した。日本は「生体で問題となる遺伝毒性はなく、ラットでがんが出た量は人がとる量よりきわめて多い」として、人では安全性上問題とならないと整理 |
| 赤色2号 | 日本では2000年代に、マウスの一部の試験で陽性の結果が出たため再試験を行い、再現されなかったことから使用を続けると結論 |
| 赤色2号・黄色5号・青色1号・緑色3号 | IARC(国際がん研究機関)は「グループ3」(人への発がん性について分類できない)。※「発がん性がない」と証明されたという意味ではない |
| 二酸化チタン | IARCは「2B」(発がん性があるかもしれない)。ただし主に粉じんを吸い込む場合の評価 |
| カラメル色素(III・IV) | 作るときにできる成分(4-MEI)がIARCの「2B」。米カリフォルニア州は一定量を超える製品に警告表示を求めている。日本は規格で4-MEIの上限を決めていて、日本食品添加物協会は、カラメル色素からとる量では発がんの心配はないとしている(4-MEIはコーヒー豆の焙煎や肉を焼くときにもできる) |
二酸化チタン:EUは禁止、日本・米国・英国などは使用継続
ホワイトチョコレート、ガム、錠菓の白いコーティングなどに使われる白い色素です。
- EU:EFSAが2021年に「遺伝毒性(遺伝子を傷つける性質)の懸念を否定できない」「もはや安全とはみなせない」と評価し、2022年から食品への使用を禁止
- 日本:国立医薬品食品衛生研究所がとても小さな粒(ナノサイズ)の二酸化チタンをラットに90日間与える試験を行い、影響は見られなかった。食品安全委員会の専門調査会(2023年11月)では「EFSAの見解は非常に保守的」「添加物として使う程度の微量であれば特に問題はない」という意見が出され、厚生労働省は今のルールを変える根拠はないとしている
- イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド:それぞれ評価を行い、EFSAの結論を支持していない。アメリカもルールを変えていない(食品重量の1%まで)
- JECFA(国際的な評価機関):2023年の再評価で、遺伝毒性の根拠は不十分とし、使用を続けてよいという結論を変えていない
- EUでも、医薬品(錠剤などのコーティング)には今も使われています。 食品より使う量が多いにもかかわらず、代わりの材料に置き換えると薬の品質に影響するためです
- 日本人の摂取量は、生産量からの推計で1人1日あたり約0.11mg(食品安全委員会)
同じデータを見ても、「疑いが消せないならやめる」(EU)か、「根拠がはっきりしないならルールは変えない」(日本・米国など)かで、結論が分かれた例です。
天然系の色素なら安心?
「タール色素は避けて、天然系の色素なら安心」とも言い切れません。
- コチニール色素(虫から取る赤い色素)は、まれに急性のアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こすことがあり、消費者庁が2012年に注意を呼びかけています
- カラメル色素には製法の違う4種類があり、EUでは区別して表示しますが、日本の表示は「カラメル色素」だけで、どれかは分かりません
- 紅麹(ベニコウジ)色素やクチナシ色素は、日本では昔から使われていますが、EUでは食品添加物として認められていません
「合成着色料不使用」の表示に注意
お店では「合成着色料不使用」「着色料無添加」と書かれた商品もよく見かけます。
消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(2022年)では、次のような表示を、消費者に誤解を与えるおそれが高い例として挙げています。
- 「合成」「人工」「天然」という言葉と一緒に「不使用」を書く表示(例:「人工甘味料不使用」)。添加物の表示のルールには、もともと「合成」「天然」の区別がないためです
- 天然系の着色料(既存添加物)を使っているのに、「○○着色料不使用」と書く表示
- もともと着色料を使わない種類の食品に、「着色料不使用」と書く表示(例:同じ種類の商品は普通着色料を使っておらず、食品本来の色をしているもの)
「不使用」の文字だけで判断せず、裏面の原材料名を見て、どんな色素が使われているか(いないか)を確かめるのが確実です。
ウラヨミの考え方
ここまでをまとめると、
- 日本で使える12種類のタール色素は、国の評価では、決められたルールの中で使えば健康への影響はないとされ、日本人の摂取量は許容量の1%未満と推計されている
- 一方で、子どもの行動への影響については研究や国の判断が分かれ、EUは注意書き、アメリカは排除の方向に進んでいる。ここはまだ決着していない
- 「海外で禁止」の中身は国ごとにさまざまで、危険だから禁止されたものと、申請されていないだけのものが混ざっている
- 着色料は表示でまとめて書けないので、裏面を読めば、どの色素を使っているかが分かる
ウラヨミでは、タール色素を一律に「危険」とは書きません。そのかわり商品ページでは、着色料が使われているか、使われているならどの色素かを、裏面の表示どおりに載せていきます。特に、小さな子どもがいて気になる方は、「色の名前+数字」の表示がない商品を選ぶ、という選び方ができます。
裏面チェックのポイント
- 原材料名の「/」のあと(添加物の欄)を見る:添加物は「/」や改行で原材料と分けて書かれています
- 「赤102」「黄4」「青1」のような「色+数字」を探す:あればタール色素です
- 「着色料」の文字がなくても油断しない:「赤色3号」「クチナシ色素」のように名前に「色」が入っていると、「着色料」は省略されます
- 「〇〇色素」「着色料(カラメル)」などは天然系の色素:コチニール(カルミン酸)は、アレルギーのある方は特に確認を
- 「合成着色料不使用」の表示だけで判断しない:天然系の色素は使われていることがあります
あわせて知っておきたいこと
- 原材料から持ち込まれた添加物は、表示されないことがあります:ただし着色料は、色が残っていれば表示が必要です → キャリーオーバーの記事
- 添加物ごとの海外のルールは、添加物データベース でも確認できます
参考にした資料
- 消費者庁 食品衛生基準審査課「食用タール色素について」(食品衛生基準審議会 添加物部会 資料4、2025年6月)
- 消費者庁「食品添加物 二酸化チタンの対応について」(食品衛生基準審議会 添加物部会 資料、2024年6月)/厚生労働省「食品添加物 二酸化チタンについて(報告)」
- 食品安全委員会「着色料として用いられる食品添加物、二酸化チタンを解説します」
- 厚生労働省「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)/日本食品化学研究振興財団「各添加物の使用基準及び保存基準」(2024年11月)
- 厚生労働省「食品中の食品添加物分析法」食用タール色素
- 消費者庁「食品表示基準について」(別添 添加物)/東京都保健医療局「加工食品(添加物)」
- 消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(2022年3月)
- 札幌市保健所「添加物(一般用加工食品)」(キャリーオーバーの考え方)
- U.S. FDA “FDA to Revoke Authorization for the Use of Red No. 3 in Food and Ingested Drugs”(2025年1月)
- U.S. FDA “Tracking Food Industry Pledges to Remove Petroleum-Based Food Dyes”(2026年9月15日更新)
- U.S. FDA “Letter to the Food Industry on ‘No Artificial Colors’ Labeling Claims”(2026年2月)
- U.S. FDA “Titanium Dioxide as a Color Additive in Foods”
- California AB 2316(California School Food Safety Act)/AB 418(California Food Safety Act)
- California OEHHA “Health Effects Assessment: Potential Neurobehavioral Effects of Synthetic Food Dyes in Children”(2021年4月)
- Regulation (EC) No 1333/2008 Annex V(EU の注意書き)/Commission Regulation (EU) 2022/63(二酸化チタン)
- EFSA “EFSA evaluates Southampton study on food additives and child behaviour”(2008年)/“EFSA updates safety advice on six food colours”(2009年)
- 日本食品添加物協会「食品添加物Q&A」(米FDA諮問委員会2011年・FSANZの見解、カラメル色素)
- 食品安全委員会「コチニール色素に関する情報」(2012年5月11日、消費者庁の注意喚起)
- McCann D, et al. Lancet 2007;370:1560–1567(サウサンプトン研究)
- 韓国 食品医薬品安全処「食品添加物の基準及び規格」品目別使用基準/Suh HJ, Choi S. J Food Nutr Res 2012(韓国の摂取量評価)
- Food Standards Australia New Zealand “Colours and food additives reported as banned” / “Review of titanium dioxide as a food additive”
- IARC Monographs, List of Classifications(Vol. 8・16, Suppl. 7)
※この記事は、特定の食品や添加物の安全性・危険性を断定するものではありません。食物アレルギーのある方や、お子さまの食事で気になることがある方は、医師にご相談ください。