日本は多くを輸入に頼っている
- 小麦:自給率 約14%。アメリカ・カナダ・オーストラリアで輸入の約9割
- 大豆・とうもろこし:ほとんどを輸入(アメリカ・ブラジルなど)
- バナナ:フィリピン・エクアドルなどから。かんきつ類:アメリカ・南アフリカ・トルコなどから
日本ならではのルール
- 収穫後に使う防かび剤は、日本では「農薬」ではなく「食品添加物」として扱われる。
- そのため、バラ売りのレモンやバナナでも、使った防かび剤を売り場で表示する決まりがある。
使われる主な農薬
日本では
日本では食品添加物(防かび剤)として扱われる。輸入農産物での検出割合 12.9%(厚労省 令和4年度)。
EU では
EU では農薬として承認され、残留基準値で管理されている。
チアベンダゾール(TBZ)
防かび剤(かんきつ類・バナナ)
日本では
日本では食品添加物(防かび剤)。東京都の検査(令和5年度)で、輸入オレンジ5検体から0.27〜0.96ppm、レモン5検体から0.05〜0.41ppm(いずれも基準値10ppm以内)。
オルトフェニルフェノール(OPP)
防かび剤(かんきつ類)
日本では
日本では食品添加物(防かび剤)。輸入農産物での検出割合 5.1%(厚労省 令和4年度)。
EU では
EU では食品添加物としては認められず、農薬として残留基準値で管理されている。
日本では
日本では収穫後に使うと食品添加物(防かび剤)、畑で使うと農薬の扱いになる。輸入農産物での検出割合 6.8%。
EU では
EU では農薬として承認されている(2027年9月まで)。
グリホサート(収穫前散布)
除草剤(小麦・大豆など)
日本では
北米などでは、収穫の1〜2週間前に散布して作物を枯らし、収穫をそろえる使い方(プレハーベスト)がある。小麦の残留基準値は30ppm(2017年に引き上げ)。
マラチオン・ピリミホスメチル・クロルピリホスメチル
殺虫剤(貯蔵中の小麦・とうもろこしなど)
日本では
貯蔵や輸送中の害虫を防ぐために、収穫後の穀物に使われる。
EU では
クロルピリホスメチルは、EU では2020年に承認が失効した。
日本では
輸入農産物で検出割合がもっとも高いのは、くん蒸に由来する「臭素」(厚労省 令和4年度:20.4%)。乾燥デーツなどから検出されている。
EU では
EU では、オゾン層保護のため使用が認められていない。
パンや小麦粉のグリホサート
公的検査と民間の検査を分けて紹介します
公的検査
- 厚労省の輸入農産物の検査で、グリホサートは検査122件中18件(14.8%)で検出(令和4年度)。
- 検出された輸入小麦は、いずれも日本の基準値(30ppm)以内とされている。
民間団体の検査(参考)
- 農民連食品分析センターは2019年、市販の食パン15製品中11製品から0.05〜0.18ppm を検出したと公表。全粒粉のパンで高めだった。
- 同センターの調査では、国産小麦100%や有機小麦のパン、学校給食の国産小麦・米粉パンからは検出されなかった。
民間団体の検査は、検査方法や製品の選び方が公的検査と異なります。傾向をつかむための参考としてご覧ください。
家庭でできること
- かんきつ類の防かび剤は、皮に多く残る。研究では残留の74〜90%が皮の表面に集まり、果肉まで移るのはわずか(イマザリルで約6%)とされている。
- 輸入のレモンやオレンジの皮を料理に使う(マーマレード、レモンピール、皮ごとのスライス)ときは、国産や防かび剤不使用のものを選ぶと安心。
- 小麦製品は、国産小麦や有機小麦を使ったものを選ぶと、グリホサートを避けやすい。
- 売り場の表示(「防かび剤(イマザリル)使用」など)を確認する。
公的検査で検出されたものは、ほとんどが日本の基準値の範囲内です。ここでは、輸入食品で何が使われやすいか、日本と EU で扱いがどう違うかを、選ぶための判断材料として紹介しています。
出典
- 厚生労働省『令和4年度 食品中の残留農薬等検査結果』
- 東京都『令和4年度・5年度 輸入農産物等の残留農薬検査結果』
- 消費者庁 食品表示基準(防かび剤の表示)、米農務省(USDA)日本の防かび剤表示ガイド
- EU Pesticides Database、EUR-Lex(残留基準値)
- 農民連食品分析センター(民間の検査・参考)
- 食品の加工・調理と残留農薬に関するレビュー論文
最終確認日 2026.09.28(Gemini Notebook に資料を集めて照合)。