日本と海外の違い説の検証確認日 2026.09.30

甲状腺がんとは? 症状と種類、日本と海外の発症率、ヨウ素(昆布)と被ばくの影響、チラーヂン・TSH・サイログロブリン・腫瘍マーカーまで

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ご注意 この記事は、公的機関や学会の資料に書かれていることを整理したものです。診断や治療、薬の量の判断はできません。検査の数値や治療について気になることは、必ず主治医に相談してください。

甲状腺がんは、「見つかる人が増えている」「昆布の食べすぎがよくない」「放射線で増える」など、いろいろなことが言われるがんです。手術を受けた人からは、「ホルモンの薬(チラーヂン)は何でできているのか」「片側を取ったあと TSH が上がったけれど、再発しやすくなるのか」「サイログロブリンが上がったのが心配」「CA19-9 は関係あるのか」という疑問もよく聞かれます。

この記事では、

  • 甲状腺のはたらきと、TSH(甲状腺刺激ホルモン)のしくみ
  • 甲状腺がんの種類
  • 日本人と外国人の発症率と、その移り変わり
  • 食べ物(とくにヨウ素=昆布)と放射線被ばくの影響
  • チラーヂンSの原材料と、飲むことによる体への影響
  • 片側を切除したあとの TSH と再発、サイログロブリンの上昇、腫瘍マーカー(CA19-9 を含む)

を、国の統計と日本・米国の診療ガイドライン、論文で確かめます。

結論

  • 甲状腺がんの約9割は乳頭がんで、ゆっくり進むものが多いがんです。日本の5年相対生存率は94.3%(2018年に診断された人)です
  • 日本で甲状腺がんと診断される人は、1975年の約1,700人から2023年の16,505人に増えました。一方で、亡くなる人の割合(年齢調整死亡率)は増えていません。韓国では検診の広がりで見つかる人が一時10倍近くになり、国際がん研究機関(IARC)は、こうした増加の多くを過剰診断(一生困らなかったはずの小さながんまで見つけること)と推計しています
  • 国別にみると、見つかる人の割合は韓国・中国が日本の3倍以上ですが、死亡率はどの国も人口10万人あたり0.2〜0.6とほぼ同じです
  • 食べ物では、ヨウ素(昆布・ひじきなどの海藻に多い)が足りなくても、とりすぎても甲状腺の病気につながります。日本人の研究では、閉経後の女性で海藻を毎日食べる人に乳頭がんが多いという結果が1つありますが、国際的な評価で「確実」とされた食べ物はありません。はっきり関係があるとされているのは体脂肪(肥満)です
  • 放射線は、子どものころの被ばくで甲状腺がんが増えることが確立しています(原爆・チェルノブイリ)。福島については、国連科学委員会(UNSCEAR)と福島県の評価部会が、見つかっている甲状腺がんと被ばくの関連は「認められない」としています。大人になってからの被ばくでは、原爆被爆者の研究でも増加がほとんど確認されていません
  • チラーヂンSの有効成分は、体の甲状腺ホルモン(T4)と同じはたらきをする合成のレボチロキシンナトリウムです。錠剤の添加剤に乳糖は入っていません。量が多すぎると、動悸や不整脈、骨がもろくなるなどの影響が出ることがあります
  • 片側切除のあと TSH が高めだと再発が増えるのかは、研究で結果が分かれていて、決着していません。日本のガイドライン(2024年)は、片側切除の人に TSH を低く抑える治療は「行うべきではない」とし、米国のガイドライン(2025年)は、TSH を「基準範囲内」に保つことを目安にしています
  • 片側切除のあとのサイログロブリンは、残った甲状腺も作るため、数値だけでは再発を判断できません。日本のガイドラインは「経時的に測るとよい」、米国は「定期的な測定はすすめない」と、日米で方針が違います
  • CA19-9 は、甲状腺がんの標準的な腫瘍マーカーではありません。進行した髄様がんなどで上がる報告はありますが、糖尿病や胆道・肺の病気でも上がります

この記事で紹介しているもの

記事の中で、論点に合わせて次のものを紹介しています(楽天市場のリンクです)。

こんな人に 紹介しているもの 場所
医師に昆布(ヨウ素)を控えるように言われた・控えたい 原材料がかつお節だけのだしパック、昆布を使わない魚介のだしパック、昆布を使わないだし用の削り節 ヨウ素を控えたいときのだし
手術のあとの首の傷あとを保護したい 手術後の傷あとに貼るテープ(ニチバン アトファイン) 手術のあとの暮らし
甲状腺の病気を図で理解したい 専門病院の院長が書いた図解の本 手術のあとの暮らし

甲状腺のはたらき

のどぼとけの下にある、蝶の形の臓器

甲状腺は、のどぼとけのすぐ下で気管を前から包むようについている、重さ10〜20gほどの小さな臓器です。羽を広げた蝶のような形で、右と左の「葉(よう)」と、まん中の「峡部(きょうぶ)」でできています(がん情報サービス)。

すぐ裏には、声帯を動かす反回神経と、血液中のカルシウムを調節する米粒ほどの副甲状腺(上下左右に4つ)があります。甲状腺の手術で声がかすれたり、カルシウムが下がったりすることがあるのはこのためです(日本甲状腺学会)。

甲状腺が作るホルモン

ホルモン 作るところ はたらき
甲状腺ホルモン(T4=サイロキシン、T3=トリヨードサイロニン) 甲状腺の濾胞(ろほう)細胞。材料はヨウ素 体温・脈拍・食欲・体重・便通など全身の代謝を整える。子どもの体と脳の発達にも欠かせない
カルシトニン 甲状腺の傍濾胞細胞(C細胞) 血液中のカルシウムの調節にかかわる

甲状腺が主に出すのは T4 です。T4 は体の中でヨウ素が1つ外れて T3 に変わり、はたらきます。血液中の T3 のうち、甲状腺から直接出たものは約5分の1で、残りは T4 から作られたものです(MSDマニュアル プロフェッショナル版)。

(がん情報サービス「甲状腺がんについて」、日本臨床検査専門医会「甲状腺の検査」、米国甲状腺学会「Thyroid Function Tests」から)

TSH(甲状腺刺激ホルモン)のしくみ

甲状腺ホルモンの量は、脳の下垂体が出す TSH(甲状腺刺激ホルモン)で調節されています。

TSHと甲状腺ホルモンのしくみ脳の視床下部がTRHを出し、下垂体がTSH(甲状腺刺激ホルモン)を出す。TSHは甲状腺に働いて甲状腺ホルモン(T4とT3)を作らせ、甲状腺の細胞を育てる働きもある。血液中の甲状腺ホルモンが十分になると、下垂体と視床下部にブレーキがかかりTSHが減る。甲状腺の片側を切除してホルモンが足りなくなるとTSHが上がる。チラーヂンS(T4)を飲むとブレーキがかかりTSHが下がる。脳の視床下部「もっと作って」の合図TRH脳の下垂体司令塔TSH(甲状腺刺激ホルモン)甲状腺ホルモンを作るTSHは細胞を育てる働きも甲状腺ホルモン(T4・T3)全身代謝・心拍・体温・成長十分ならブレーキ(TSH減)甲状腺を片側切除ホルモンが足りない↓ブレーキが弱まる↓TSHが上がるチラーヂンS(T4)を飲む血液中のホルモンが増える↓ブレーキがかかる↓TSHが下がるT4(サイロキシン)は体内でT3に変わって働く。TSHは血液検査で測れ、甲状腺ホルモンの過不足の目安になる。(片側切除でもTSHが上がらない人も多い)
がん情報サービス「甲状腺がん」、日本臨床検査医学会、米国甲状腺学会の説明をもとにウラヨミが作成。
  • 脳の視床下部が TRH を出し、それを受けて下垂体が TSH を出します。TSH は甲状腺に「ホルモンを作って」と指示します
  • 血液中の甲状腺ホルモンが十分になると、視床下部と下垂体にブレーキがかかり、TSH が減ります。足りなくなると TSH が増えます。この関係があるので、TSH は甲状腺ホルモンの過不足を知るいちばんの目安になります
  • TSH には、甲状腺の細胞を育てる働きもあります。がん情報サービスは「甲状腺がんの細胞も刺激して、がん細胞を増加させる作用もあります」と説明しています。これが、甲状腺がんの治療で TSH を低めにする考え方(TSH 抑制療法)の根拠です
  • 日本人の成人(20〜60歳)の TSH の基準範囲は 0.61〜4.23 mIU/L です(日本臨床検査医学会、2020年。検査キットによる差をそろえた値)。基準範囲は「健康な人の95%が入る範囲」で、健康な人でも5%は外れます

甲状腺がんの種類

甲状腺がんは、がん細胞の形(組織型)で種類が分かれ、種類によって進み方がまったく違います。

甲状腺がんの種類(100人のうち)日本の甲状腺がんの種類の割合(100マス)。乳頭がん約90%、濾胞がん約5%、髄様がん約1〜2%、未分化がん約1〜2%、低分化がん1%未満(がん情報サービス)。甲状腺がん100人のうち(日本)乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん乳頭がん濾胞がん濾胞がん濾胞がん濾胞がん濾胞がん髄様がん髄様がん未分化がん未分化がん低分化がん乳頭がん 約90%ゆっくり進むことが多い濾胞がん 約5%肺・骨に転移することがある髄様がん 約1〜2%約4割は遺伝性(MEN2)未分化がん 約1〜2%進行がとても速い低分化がん 1%未満乳頭・濾胞と未分化の中間
割合は国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がんについて」から。髄様がんは、日本内分泌外科学会「甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024」では約1〜5%とされています。
種類 日本での割合 特徴
乳頭がん 約90% リンパ節に転移しやすいが、基本的にゆっくり進み、急に命にかかわることはまれ。ごくまれに未分化がんに変わる
濾胞がん 約5% 良性の濾胞腺腫との区別が難しく、細胞診では原理的に診断できない(手術で取って調べる)。血液の流れにのって肺や骨に転移することがある
低分化がん 1%未満 乳頭・濾胞がんと未分化がんの中間の悪性度。10年の疾患特異的生存率は44〜88%
髄様がん 約1〜2%(ガイドラインでは1〜5%) カルシトニンを出す C細胞から発生。約4割は遺伝性(多発性内分泌腫瘍症2型=MEN2、RET 遺伝子)。日本では RET 遺伝学的検査が保険でできる
未分化がん 約1〜2% 進行がきわめて速い。診断後の平均生存期間は3〜6か月、1年生存率は5〜20%とされてきたが、BRAF 遺伝子に変異がある場合の新しい薬で改善が報告されている

(がん情報サービス、甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024 から。悪性リンパ腫も甲状腺にできますが、なりたちと治療が違うため別の病気として扱われます)

  • 乳頭がんと濾胞がんをまとめて「分化がん」と呼びます
  • 米国では乳頭がん70〜80%・濾胞がん10〜15%とされ(米国甲状腺学会)、日本は濾胞がんが少なめです
  • 2022年の WHO 分類の改訂で、「悪性とも良性とも言い切れない低リスク腫瘍(NIFTP など)」という区分ができました。日本の「甲状腺癌取扱い規約 第9版(2023年)」も採用しています

症状

がん情報サービスによると、甲状腺がんは多くの場合、自覚症状がありません。症状がある場合も、首のしこり以外の症状はほとんど見られません。

病状が進むと、次のような症状が出てくることがあります。

  • のどの違和感や痛み
  • 声のかすれ(嗄声)
  • 飲み込みにくさ、誤嚥(食べものや飲みものが気管に入る)
  • 痰に血が混じる(血痰)
  • 息苦しさ

気になる症状があれば、かかりつけ医や耳鼻咽喉科などを早めに受診するよう、がん情報サービスは勧めています。症状のない人の検診については、下の「検診についての公的な立場」で紹介しています。

生存率

指標 数字
5年相対生存率(2018年診断、全国がん登録) 全体 94.3%(男性92.8%、女性94.8%)
 がんが甲状腺にとどまる(限局) 99.8%
 近くのリンパ節などに広がる(領域) 97.4%
 離れた臓器に転移(遠隔) 56.7%

(国立がん研究センター がん情報サービス「がん種別統計情報 甲状腺」、2026年7月更新)

乳頭がんでは、年齢が大きな意味をもちます。日本の4施設の成績をまとめたガイドラインの表では、低リスクの人の20年の疾患特異的生存率は98.4〜99.8%、高リスクで55歳以上の人は54.0〜82.4%です。

日本人と外国人の発症率と移り変わり

日本:見つかる人は増え、亡くなる人は増えていない

日本の甲状腺がん:見つかる人は増え、亡くなる人は増えていない日本の甲状腺がんの年齢調整罹患率と年齢調整死亡率(人口10万人あたり、昭和60年モデル人口)。女性の罹患率は1975年2.7→2015年13.1(推計)、2016年16.7→2023年15.0(全国がん登録)。男性は1975年0.7→2023年5.2。死亡率は女性1975年0.9→2024年0.5、男性0.4→0.4で、増えていない。0369121518197519851995200520152024人口10万人あたり(年齢調整)2016年から全国がん登録女性の罹患率男性の罹患率点線は死亡率。女性0.9→0.5、男性0.4→0.4で増えていない2.716.815.0
国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」の集計表(罹患:1975〜2015年は地域がん登録による全国推計、2016年からは全国がん登録。死亡:人口動態統計)から作成。年齢調整率(昭和60年モデル人口)。2016年から集計の方法が変わったため、線を分けています。
  • 甲状腺がんと診断された人は、1975年の1,691人から、2023年は16,505人(男性4,445人、女性12,060人)になりました。女性が男性の約2.7倍です
  • 年齢の影響をそろえた罹患率(人口10万人あたり)も、女性で1975年の2.7から2019年の16.8へ、約6倍になりました
  • 一方、亡くなった人は2024年に1,887人(男性597人、女性1,290人)で、年齢調整死亡率は女性で0.9から0.5へ、むしろ下がっています
  • 年齢別では、女性は15〜19歳から増えはじめ70〜74歳が最多、男性は65〜79歳が最多です(ガイドライン2024、2019年のデータ)

国別:見つかる数は6倍ちがい、死亡率はほぼ同じ

国によって「見つかる数」は6倍ちがい、死亡率はほぼ同じ国別の甲状腺がんの年齢調整罹患率と死亡率(人口10万人あたり、男女計、世界標準人口、GLOBOCAN 2024)。韓国 罹患32.03・死亡0.32、中国 罹患30.58・死亡0.48、イタリア 罹患14.48・死亡0.29、カナダ 罹患13.8・死亡0.29、フランス 罹患10.76・死亡0.21、アメリカ 罹患10.65・死亡0.28、ベトナム 罹患10.09・死亡0.6、オーストラリア 罹患9.73・死亡0.27、日本 罹患8.77・死亡0.35、ドイツ 罹患7.11・死亡0.3、イギリス 罹患5.98・死亡0.23、ロシア 罹患5.48・死亡0.22。罹患率は国によって約6倍ちがうが、死亡率はどの国も0.2〜0.6にとどまる。0102030罹患率(見つかった人)死亡率人口10万人あたり・年齢調整韓国韓国 罹患率 32.0332.00.32中国中国 罹患率 30.5830.60.48イタリアイタリア 罹患率 14.4814.50.29カナダカナダ 罹患率 13.813.80.29フランスフランス 罹患率 10.7610.80.21アメリカアメリカ 罹患率 10.6510.70.28ベトナムベトナム 罹患率 10.0910.10.60オーストラリアオーストラリア 罹患率 9.739.70.27日本日本 罹患率 8.778.80.35ドイツドイツ 罹患率 7.117.10.30イギリスイギリス 罹患率 5.986.00.23ロシアロシア 罹患率 5.485.50.22
IARC(国際がん研究機関)「Global Cancer Observatory: Cancer Today」GLOBOCAN 2024(2026年7月8日版)から作成。男女計、世界標準人口で年齢調整。図1とは標準人口が違うため、日本の数字は一致しません。

韓国(32.0)や中国(30.6)は日本(8.8)の3倍以上ですが、死亡率は日本0.35、韓国0.32、中国0.48と、どの国も0.2〜0.6の範囲です。世界全体では2024年に約96万人が甲状腺がんと診断されたと推計されています。

韓国で起きたこと

女性の甲状腺がん罹患率の移り変わり(国別)女性の甲状腺がんの年齢調整罹患率の移り変わり(人口10万人あたり、世界標準人口)。韓国は1999年10.0→2013年97.9に急増し、検診への批判が広がった2014年以降に減って2017年58.5。アメリカは2014年ごろをピークに減少、日本・デンマーク・イングランドは増加が続く。韓国女性の死亡率は同じ期間に0.5前後→0.4で、増えていない。日本の罹患率は宮城・福井・長崎などの地域がん登録(人口の約9%)。020406080100197519851995200520152024女性・人口10万人あたり(年齢調整)韓国韓国アメリカアメリカオーストラリアオーストラリア日本日本デンマークデンマークイングランドイングランド2013年 982014年 検診への批判点線は韓国女性の死亡率。罹患が約10倍になっても0.5前後のまま
IARC「Cancer Over Time」から作成(女性、世界標準人口)。韓国・デンマーク・オーストラリアは全国、アメリカは SEER(一部地域)、イングランドは全国、日本は宮城・福井・長崎などの地域がん登録(人口の約9%)。
  • 韓国では1999年から国のがん検診の費用補助が始まり、甲状腺の超音波検査が広まりました。2011年の甲状腺がん罹患率は1993年の15倍になりましたが、多くは1cm未満の小さな乳頭がんで、死亡率は下がりませんでした(ガイドライン2024、Ahn 2014)
  • 1999〜2008年の増加分のうち94.4%は2cm未満のがんでした(Park 2016)
  • 2014年、医師たちが過剰診断を訴える声明を出し、報道が広がると、韓国の甲状腺がん罹患は2014年に約30%減りました(Lee 2020)
  • 韓国の症例対照研究では、検診を受けた人の甲状腺がん死亡は、受けなかった人と差がありませんでした(オッズ比1.13、95%信頼区間0.49〜2.63)

「過剰診断」とは

IARC は2016年、12か国のデータから、2003〜2007年に女性の甲状腺がんのうち過剰診断にあたる割合を、韓国で約90%、アメリカ・フランス・イタリア・オーストラリアで70〜80%、日本・北欧・イギリスで約50%と推計しました(IARC プレスリリース No.246)。2020年の続報では、26か国で2008〜2012年に100万人以上が過剰診断を受けた可能性があるとしています(No.284)。

裏づけになっているのが、亡くなった人の解剖(剖検)で見つかる「生前には気づかれなかった小さな乳頭がん」です。

  • 35の研究(約1万3千人)のまとめでは、甲状腺を細かく調べた場合に11.2%で見つかり、その割合は1970年以降変わっていません(Furuya-Kanamori 2016)
  • 日本甲状腺学会は「ごく小さいものも含めると10%程度の人に発見されます。その頻度は1970年代から現在まで変わっていません」と説明しています
  • 調べ方によって数%〜3割台まで幅があります(日本の1975年の報告では28.4%)

つまり、甲状腺には「一生困らない小さな乳頭がん」を持っている人がもともと多く、超音波検査が普及するほど見つかる数が増える、という構造です。

検診についての公的な立場

機関 立場
日本内分泌外科学会(ガイドライン2024) 家族歴・遺伝性の病気・子どものころの首の被ばくなど特別なリスクのない、症状のない大人への超音波検診は「行わないことを推奨する」(推奨の強さ:弱)
厚生労働省 甲状腺がんは、国の指針で定められたがん検診の対象ではない
米国予防医学専門委員会(USPSTF、2017年) 症状のない大人の甲状腺がん検診をすすめない(D判定)

首のしこりや声のかすれなどの症状がある場合は別です。気になる症状があれば受診してください。

小さな乳頭がんは「すぐ手術しない」選択肢もある

1cm以下で、リンパ節転移や遠隔転移がなく、気管や神経から離れている乳頭がん(超低リスク)では、すぐに手術せず定期的な検査で様子をみる積極的経過観察が、日本のガイドライン2024で「推奨される」(推奨の強さ:強)とされています。

  • 隈病院(神戸)が1993年、がん研有明病院が1995年に始めた日本発の方法です
  • 隈病院の1,235人の報告(2014年)では、10年間で腫瘍が3mm以上大きくなった人は8.0%、新たにリンパ節転移が出た人は3.8%でした。その後の3,222人の報告(2023年)では、それぞれ4.7%、1.0%です。経過観察中・観察後に甲状腺がんで亡くなった人は報告されていません
  • 若い人ほど進みやすい傾向があります(10年で臨床的に進行した人は40歳未満22.5%、60歳以上1.6%、2014年の報告)
  • 日本甲状腺学会は「1cm以下の甲状腺腫瘍は放置してよい、というのは重大な誤りです」とも書いています。経過観察は、専門医のもとで原則として生涯続けるものです

食べ物による影響はあるのか

ヨウ素は「足りなくても、とりすぎても」

甲状腺ホルモンはヨウ素から作られます。ヨウ素が極端に足りない地域では甲状腺腫(甲状腺が大きくなる)や濾胞がんが多く、ヨウ素を加えた塩の普及などでヨウ素が足りるようになると、乳頭がんの割合が増えることが知られています。

  • 日本人のヨウ素摂取量は1日平均1〜3mgと推定されています(日本人の食事摂取基準2025年版、環境省)。成人240人の16日間の食事記録では、ヨウ素の約6割が昆布、約3割がだしから来ていました(Katagiri 2015)
  • 日本人の食事摂取基準(2025年版)の成人の推奨量は1日140µg、耐容上限量は3,000µg(妊婦・授乳婦の上限は2,000µg)です。WHO の推奨量は150µg、米国・カナダの上限は1,100µgです。日本の上限が高いのは、日本人は昆布からヨウ素をとっていて、昆布のヨウ素は吸収率が低いと考えられるためです
  • ヨウ素が多すぎると、甲状腺ホルモンが作られにくくなることがあります。食事摂取基準には、昆布だし汁から1日28mgを約1年とっていた人や、昆布チップ1袋を約1か月毎日食べていた人に、甲状腺機能低下や甲状腺腫が出た日本の報告が載っています。とくに橋本病の人は、ヨウ素のとりすぎで甲状腺機能低下が起きやすいとされます

日本人と海藻の研究

研究 結果
JPHC(日本、女性52,679人を平均14.5年追跡) 海藻を「ほぼ毎日」食べる人は「週2日以下」の人に比べ、乳頭がんが1.71倍。閉経後の女性に限ると3.81倍、閉経前の女性では関連なし(Michikawa 2012)
ハワイ(5民族の症例対照研究) 女性で、魚介類(とくに貝類)や食事からのヨウ素が多い人にリスクが高かった(Kolonel 1990)
韓国(約17万人の横断研究) 海藻を週5回より多く食べる人は、甲状腺がんが少なかった(0.42倍)(Kwon 2024)
研究のまとめ(症例対照研究8件) ヨウ素を1日300µgより多くとる人でリスクが低かった(0.74倍)。ただし「データはきわめて限られる」(Cao 2017)
研究のまとめ(18件) 全体ではヨウ素・魚・アブラナ科野菜と関連なし(Cho 2015)

(いずれも抄録で確認)

  • 日本の研究と韓国の研究で、向きが逆の結果が出ています。甲状腺がんの環境要因をまとめた2025年の報告では、証拠の86%が「確実性が非常に低い」と評価されました(Peng 2025)
  • 国立がん研究センターの「がんのリスク・予防要因 評価一覧」には、甲状腺がんの項目がありません。がん情報サービスは「甲状腺がんの発生要因は、はっきりと分かっていません」としています
  • 国際がん研究機関(IARC)は2016年、体脂肪が多いこと(肥満)と甲状腺がんの関係を「十分な証拠がある」と評価しました。22の研究(約210万人)のまとめでは、BMI が5増えるごとに1.06倍でした(Kitahara 2016)
  • 喫煙や飲酒をする人に甲状腺がんが少ないという観察研究もあります。ただしタバコとお酒はほかの多くのがんを増やすため、国立がん研究センターは禁煙・節酒をすすめています。「タバコやお酒で甲状腺がんが防げる」という意味ではありません(お酒とがんについてはお酒の種類とがんの記事も参考にしてください)

1回分に含まれるヨウ素

日本人のヨウ素の多くは昆布から来ています。食品成分表で1回分の量を計算すると、次のとおりです。

1回分に含まれるヨウ素の目安1回分に含まれるヨウ素の目安(マイクログラム、対数目盛)。昆布だしのみそ汁 1杯(昆布だし(水出し)150g)約7,950、刻み昆布の煮物 1皿(刻み昆布 乾5g)約11,500、合わせだしのみそ汁 1杯(かつお・昆布だし 150g)約2,250、ひじきの煮物 1皿(ほしひじき 乾5g)約2,250、昆布のつくだ煮 ひと口(10g)約1,100、わかめのみそ汁 1杯(カットわかめ 乾1g)約100、たら 1切れ(まだら 80g)約280、焼きのり 1枚(全形)(3g)約63、牛乳 コップ1杯(206g)約33、卵 1個(50g)約16、かつおだしのみそ汁 1杯(かつおだし 150g)約2。成人の推奨量は1日140、耐容上限量は1日3,000(日本人の食事摂取基準2025年版)。昆布を使った料理は1回で上限を超えることがある。1101001,00010,000マイクログラム(µg、目盛りは10倍ずつ)推奨量 140上限量 3,000成人1日あたり→昆布だしのみそ汁 1杯昆布だし(水出し)150g昆布だしのみそ汁 1杯 約7,950µg7,950刻み昆布の煮物 1皿刻み昆布 乾5g刻み昆布の煮物 1皿 約11,500µg11,500合わせだしのみそ汁 1杯かつお・昆布だし 150g合わせだしのみそ汁 1杯 約2,250µg2,250ひじきの煮物 1皿ほしひじき 乾5gひじきの煮物 1皿 約2,250µg2,250昆布のつくだ煮 ひと口10g昆布のつくだ煮 ひと口 約1,100µg1,100わかめのみそ汁 1杯カットわかめ 乾1gわかめのみそ汁 1杯 約100µg100たら 1切れまだら 80gたら 1切れ 約280µg280焼きのり 1枚(全形)3g焼きのり 1枚(全形) 約63µg63牛乳 コップ1杯206g牛乳 コップ1杯 約33µg33卵 1個50g卵 1個 約16µg16かつおだしのみそ汁 1杯かつおだし 150gかつおだしのみそ汁 1杯 約2µg1.5
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の100gあたりのヨウ素(昆布だし 水出し5,300µg、刻み昆布230,000µg、かつお・昆布だし 荒節1,500µg、ほしひじき45,000µg、昆布つくだ煮11,000µg、カットわかめ10,000µg、まだら350µg、焼きのり2,100µg、普通牛乳16µg、鶏卵33µg、かつおだし 荒節1µg)から1回分に計算。推奨量と耐容上限量は日本人の食事摂取基準(2025年版)の成人の値。
  • 昆布だしは、みそ汁1杯分で上限量の2倍以上になります。かつお節だけのだしは、ほとんどヨウ素を含みません
  • 耐容上限量は「習慣的にとり続けたときに健康への悪影響が出ないとされる量」で、1日だけ超えたら危ない、という意味ではありません
  • ひじきは水戻し・ゆでるとヨウ素が大きく減ります(ほしひじき乾45,000µg → ゆで960µg/100g)

甲状腺に「よい食べ物」「悪い食べ物」はあるのか

「これを食べれば甲状腺がんを防げる」と認められた食べ物はありません。公的機関や学会の資料で言われていることを整理すると、次のとおりです。

言われていること 公的機関・学会・専門病院の資料では
昆布をたくさん食べる 昆布はヨウ素が群を抜いて多い。橋本病の人がとり続けると甲状腺が腫れたり機能が落ちたりすることがある(伊藤病院)。「根昆布療法」のようなヨウ素の非常に多いものは控える(隈病院)
海藻はとらないほうがよい 日本人はヨウ素不足がほとんど問題にならず、「1日に1回程度海藻を食べるのがちょうどよい」(野口病院)。橋本病でも「基本的に食事制限はありません」(隈病院)
ヨウ素を徹底的に避ける 日本の食事でヨウ素が足りなくなることはまれ。不足すると甲状腺腫や機能低下につながり、妊娠中は胎児にも影響する(食事摂取基準)。検査・治療の前のヨウ素制限は、期間を決めて行うもの
キャベツ・ブロッコリーなどのアブラナ科野菜は甲状腺に悪い ヨウ素が不足している地域では多くとる人でリスクが高いという結果があるが、全体では関連なし(Cho 2015)。ヨウ素が足りている日本で問題になるという根拠は見当たらない
大豆は甲状腺に悪い 甲状腺がんとの関連ははっきりしない。チラーヂンの吸収への影響は「臨床的な影響は小さいようだ」とするまとめがある(Gatta 2023)
海藻・昆布のサプリメント ヨウ素の量が表示と大きく違うことがあり、ヨウ素源として使うべきでない(英国栄養士会)。ドイツ連邦リスク評価研究所は、乾燥海藻10gでドイツの上限の10倍のヨウ素をとってしまう製品があったと報告
昆布やうがい薬で被ばくを防ぐ 効果がなく、危険。安定ヨウ素剤の代わりにしてはいけない(原子力規制庁、放射線医学総合研究所。下の「放射線被ばくの影響はあるのか」を参照)

まとめると、「よい食べ物」を探すより、昆布の重ねどり(だし・つくだ煮・昆布巻き・サプリメント)を避ける、というのが公的な資料から言えることです。体重の管理は、甲状腺がんについても根拠のある数少ない要因です。

ヨウ素を控えたいときのだし

放射性ヨウ素の治療(アイソトープ治療)の前や、主治医から昆布を控えるよう言われたときは、原材料名を見て「昆布」「こんぶエキス」「海藻」を含まないだしを選ぶと、ヨウ素を大きく減らせます。「だしの素」や「つゆ」は原材料に昆布やこんぶエキスが入っているものが多いので、裏面を確認してください(うま味の原材料の読み方はうま味調味料の記事も参考にしてください)。

だしパックでなく、削り節で煮出すこともできます。かつお節メーカーのマルトモの「だしの力」は、だしをとるための削り節で、原材料は魚の節だけです。

  • 魚のだしにもヨウ素は少し含まれますが、昆布とは桁が違います(図4)
  • ヨウ素制限の期間や、どこまで控えるかは治療によって違います。病院から渡される食事の説明に従ってください

放射線被ばくの影響はあるのか

子どものころの被ばくで増えることは確立している

  • 甲状腺はヨウ素を取り込んでホルモンを作るため、原子力事故で出る放射性ヨウ素(ヨウ素131)も甲状腺に集まります(環境省)
  • 原爆被爆者(放射線影響研究所の約10万5千人の追跡)では、10歳で被ばくした人の60歳時点の過剰相対リスクは、1グレイ(1,000ミリグレイ)あたり1.28でした。被ばくしたときの年齢が上がるほどリスクは下がり、20歳以降の被ばくでは増加の証拠がほとんどありません(Furukawa 2013)。原子力規制委員会も「成人期以降に被ばくした者における甲状腺がんの発症について統計的に有意なリスクの上昇は確認されておらず」としています
  • 子どものころの外部被ばくの研究をまとめた解析では、甲状腺の線量が200ミリグレイ未満の範囲でも線量に応じた増加がみられ、「ここまでなら安全」という線(しきい値)ははっきりしませんでした(Lubin 2017)

チェルノブイリ

  • 1986年の事故のとき18歳未満だった人(ベラルーシ・ウクライナ全土とロシアの汚染4州)で、1991〜2015年に登録された甲状腺がんは約2万例です(UNSCEAR 2018)
  • そのうち放射線が原因と推定される割合は約25%(幅は7〜50%)で、残りは年齢とともに自然に増える分や、関心の高まり・診断技術の向上によるものとされています
  • 子どもの被ばくは、事故後数週間にヨウ素131を含む牛乳を飲んだことがほとんどの原因でした。避難した子ども・青年の甲状腺線量は平均約900ミリグレイで、就学前の子どもはその2〜4倍でした
  • ヨウ素が不足している地域では放射線によるリスクが約3倍、安定ヨウ素剤を飲んだ人では約3分の1だったという研究があります(Cardis 2005)
  • 甲状腺がんが増えはじめたのは、事故の4〜5年後でした(環境省)

福島

子どもの甲状腺の被ばく線量:福島とチェルノブイリ子どもの甲状腺の被ばく線量(ミリグレイ、事故後1年間、対数目盛)。福島は近隣県の1歳児で最大約6、1歳児の平均約13、避難した市町村の1歳児で最大約30(UNSCEAR 2020/2021)。チェルノブイリは避難しなかった子ども・青年の平均約170、避難した子ども・青年の平均約900、ロシア・ブリャンスク州の3歳未満で個人の最大約10,000(UNSCEAR)。IARC の専門家グループは、胎児期〜思春期に100〜500ミリグレイ以上を受けた人に長期の見守りの提供を検討するよう提言している。1101001,00010,000甲状腺の線量(ミリグレイ、目盛りは10倍ずつ)100〜500:IARC が長期の見守りを検討するよう提言した線量福島:近隣県の1歳児県平均の範囲の上限福島:近隣県の1歳児 約6ミリグレイ約6福島:1歳児の平均避難・非避難をあわせて福島:1歳児の平均 約13ミリグレイ約13福島:避難した市町村の1歳児市町村平均の最大福島:避難した市町村の1歳児 約30ミリグレイ約30チェルノブイリ:避難しなかった子ども汚染地域の平均チェルノブイリ:避難しなかった子ども 約170ミリグレイ約170チェルノブイリ:避難した子ども平均チェルノブイリ:避難した子ども 約900ミリグレイ約900チェルノブイリ:3歳未満の最大ロシア・ブリャンスク州の個人チェルノブイリ:3歳未満の最大 約10,000ミリグレイ約10,000
UNSCEAR 2020/2021 報告書 附属書B(福島)、UNSCEAR 2018 White Paper(チェルノブイリ、2008年報告を引用)、UNSCEAR 2024 附属書B から作成。福島は事故後1年間の市町村・県平均の推定値、チェルノブイリは集団の平均と個人の最大。単位は甲状腺が受けた線量(ミリグレイ)で、CT 検査などで使う「ミリシーベルト(実効線量)」とは直接比べられません。IARC の提言は環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」による。
  • 国連科学委員会(UNSCEAR)の推計では、福島の1歳児の事故後1年間の甲状腺線量は、避難した市町村で最大約30ミリグレイ、避難しなかった地域で最大約20ミリグレイでした。チェルノブイリで避難した子どもの平均(約900ミリグレイ)よりずっと低い値です
  • 福島県は、事故当時おおむね18歳以下だった全県民に甲状腺の超音波検査を続けています。細胞診で「悪性ないし悪性疑い」とされた人は、1巡目116人、2巡目71人、3巡目31人、4巡目39人、5巡目50人、6巡目24人、7巡目3人、25歳・30歳の節目の検査で計37人です(6巡目以降と節目の検査は2026年3月31日現在の県の検討委員会資料、1〜5巡目は環境省の資料)
  • UNSCEAR は、予想より多くの甲状腺がんが見つかっているのは「放射線被ばくの結果ではなく」、超高感度の検診で、これまで知られていなかった甲状腺の異常が見つかったためと結論しています。根拠として、チェルノブイリでは事故後4年間は増えなかったのに福島では最初の検査で116人見つかったこと、チェルノブイリで多かった0〜4歳で被ばくした子どもからは福島ではほとんど見つかっていないこと、被ばくしていない3県で同じ方法で調べても、のう胞やしこりの見つかる割合が同じくらいだったことを挙げています
  • 福島県の甲状腺検査評価部会(2025年7月)も、5巡目までについて「甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連があるとは認められなかった」としています
  • 一方で、被ばくとの関連を主張する論文もあり(Tsuda 2016 など)、UNSCEAR も両方の見方があることを記しています
  • 国際がん研究機関(IARC)の専門家グループ(2018年)は、原子力事故のあとに住民全体へ甲状腺の検診を行うことは推奨せず、胎児期〜思春期に100〜500ミリグレイ以上を受けた人には、長期の見守りの提供を検討するよう提言しています

医療の検査の被ばく

  • 環境省の資料(令和7年度版)では、胸部X線(正面)1回の実効線量は0.08ミリシーベルト、歯科の口内法撮影は0.006〜0.024ミリシーベルト、CT 検査は0.06〜17ミリシーベルト程度です。環境省は「人への健康影響が確認されている被ばく線量は、100ミリシーベルト以上」としています
  • 子どものころの CT と甲状腺がんの関連を示す研究(オーストラリア、韓国)がありますが、保険のデータを使った観察研究です
  • 歯科X線と甲状腺がんは、研究のまとめで証拠の確実性が「低い」と評価されています(Chadli 2026)。米国口腔顎顔面放射線学会(2023年)は、今の歯科撮影では甲状腺のリスクは無視できるとして、甲状腺シールドを使わないよう推奨しています
  • 検査の必要性と被ばくについて不安があるときは、検査を受ける前に医師に相談してください

昆布やうがい薬で被ばくは防げない

原子力規制庁は、安定ヨウ素剤の代わりに「ヨウ素含有医薬品及び食品で摂取することは不適切である」としています。放射線医学総合研究所(2011年)は、うがい薬や消毒薬を飲むことを「絶対にやめてください」と呼びかけ、わかめなどの海藻もヨウ素の量が一定でなく、吸収に時間がかかるため効果がないと説明しています。安定ヨウ素剤は、国や自治体の指示に従って飲むものです。

チラーヂンの原材料と、飲むことによる体への影響

有効成分は「合成の T4」

チラーヂンS(あすか製薬製造販売、武田薬品工業販売)の有効成分はレボチロキシンナトリウム水和物です。添付文書では「生体内で甲状腺から分泌されるT4と同じ薬理作用を示す」とされ、インタビューフォームには「合成品で効力が一定」と書かれています。

昔は、ウシやブタなどの甲状腺を乾燥させて粉にした「乾燥甲状腺」が甲状腺ホルモン剤として使われていました。あすか製薬の「チラーヂン末」(乾燥甲状腺)は2015年に販売を終了しています(チラーヂンS インタビューフォーム)。現在のチラーヂンSは動物の甲状腺から作ったものではありません。

添加剤(添付文書から)

規格 添加剤 錠剤の色
12.5µg・25µg D-マンニトール、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、水酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、三二酸化鉄 赤・淡赤
50µg D-マンニトール、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、水酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム 白
75µg・100µg 50µgと同じ+黄色三二酸化鉄 淡黄・黄
散(粉) トウモロコシデンプン 白

(PMDA 添付文書 2024年6月改訂、インタビューフォーム 2024年11月改訂)

  • どの規格にも乳糖は入っていません
  • 三二酸化鉄は、錠剤を色分けするための着色剤です。規格ごとに色を変えて、取り違えを防いでいます
  • 添加剤の原料の由来(植物か動物か)は、公開資料には書かれていません。気になる人はあすか製薬のくすり相談室(添付文書に記載)に問い合わせてください
  • 同じ成分の後発品(レボチロキシンNa錠「サンド」)は、添加剤がバレイショデンプン・結晶セルロースなどで、こちらも乳糖は入っていません。T3 の薬「チロナミン」は別の成分で、効き始めが早く持続が短い薬です

飲むことによる体への影響

チラーヂンSは、足りない甲状腺ホルモンを補う薬です。量が合っていれば、体の中の T4 と同じようにはたらきます。影響が出るのは主に量が多すぎるときです。

添付文書に書かれていること 内容
飲んではいけない人 新鮮な心筋梗塞のある人
重大な副作用(頻度不明) 狭心症、肝機能障害・黄疸、副腎クリーゼ、ショック、うっ血性心不全など
その他の副作用 動悸、脈が速くなる、不整脈、頭痛、めまい、不眠、ふるえ、下痢、体重減少、発汗など。「発現した場合には過剰投与のおそれがある」

論文では、TSH を測れないほど低く抑え続けた人で、次のようなことが報告されています。

  • 60歳以上の人で、TSH が0.1以下の人は10年間の心房細動の発症が28%(正常な人は11%)だった(Sawin 1994)
  • 甲状腺ホルモン剤を飲んでいる約1万8千人の研究で、TSH が0.03以下に抑えられた人は骨折が約2倍、不整脈が1.6倍だった。TSH が低めでも0.04〜0.4の人では増えていなかった(Flynn 2010)
  • 日本の研究で、TSH を強く抑えた群では、とくに50歳以上の女性で腰の骨の骨密度が下がった(Sugitani 2011)

TSH を基準範囲に保つ「補充」と、基準範囲より低く抑える「抑制」は、目的も体への影響も違います。

飲み方と飲み合わせ

  • 添付文書の用法は「1日1回経口投与」で、「空腹時」などの時刻の指定はありません。米国甲状腺学会のガイドライン(2014年)は、「朝食の60分前」か「就寝時(夕食から3時間以上あと)」に、毎日同じ条件で飲むことを推奨しています
  • 添付文書の「併用注意」には、鉄剤、アルミニウムを含む胃薬(制酸剤)、炭酸カルシウム、コレスチラミンなどが挙げられ、「本剤との投与間隔をできる限りあける」とされています(消化管で薬と結びつき、吸収が減るため)。カルシウムや鉄のサプリメントも同じ理由で注意が必要です
  • 添付文書にはありませんが、論文ではコーヒーと一緒に飲むと吸収が27〜36%減った(Benvenga 2008)、胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬)で必要な量が増えた(Centanni 2006)などの報告があります。大豆は「臨床的な影響は小さいようだ」とするまとめもあります(Gatta 2023)
  • 飲む時間や組み合わせを変えると TSH が変わることがあります。変えたいときは、主治医や薬剤師に相談してください

片側を切除したあと、TSH が上がったら再発しやすい?

片側切除のあと TSH が上がるのはよくあること

甲状腺を半分(片側の葉)切除すると、残った甲状腺だけではホルモンが足りなくなり、TSH が上がる人がいます(図5)。日本の報告では、片側切除した306人のうち54.2%が術後に甲状腺機能低下となり、その95%は1年以内でした。手術前の TSH が高め(2.0以上)の人に多い傾向がありました(Takata 2025)。がん情報サービスは「甲状腺が半分以上残っていれば、多くの場合、治療を行う必要はありません」としています。

ガイドラインの考え方

ガイドライン 片側切除のあとの TSH について
日本内分泌外科学会「甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024」 「葉切除例に対してのTSH抑制は臨床的意義に乏しく,行うべきではない」
米国甲状腺学会(ATA)2015年 低リスクで片側切除した人は、TSH を基準範囲の中〜低め(0.5〜2 mU/L)に保つことを考えてよい。この範囲に入っていればホルモン剤は不要なこともある(推奨の強さ:弱い、証拠の質:低い)
米国甲状腺学会(ATA)2025年 低・中リスクの人は、TSH を「基準範囲内」に保つことを目安にする。TSH が基準範囲を超えたらホルモン剤を始める。ただし「最適な TSH の目標は決着していない(inconclusive)」と明記

ATA 2025 は、目標を「基準範囲内」にすると片側切除した人の70〜80%はホルモン剤が不要で、0.5〜2に置くと20〜30%しか不要にならない、と説明しています。2015年から2025年にかけて、TSH を低めにすることへのこだわりは弱まっています。

研究の結果

研究 対象 結果
Sugitani 2010(日本、ランダム化比較試験) 乳頭がん433人(多くは全摘以外) TSH を強く抑えた群と基準範囲の群で、再発・死亡に差なし
Lee 2019(韓国) 片側切除1,528人、平均5.6年 TSH の高さ(0.5未満〜4.5以上の4群)で再発に差なし(再発1.4%)
Park 2017(韓国) 片側切除446人 TSH 抑制の有無・TSH の値で再発に差なし
Xu 2022(中国) 片側切除2,297人 平均 TSH と再発に関連なし(中〜高リスクの一部の解析のみ差)
Won 2022(まとめ、7研究3,974人) 片側切除 TSH を2未満に保っても再発は減らなかった。「証拠は不十分」
Park 2018(韓国) 片側切除+郭清1,047人 術後1年の TSH(1.85を境)が再発の予測因子だった
Jeon 2024(韓国) 低リスク片側切除662人 TSH が2を超えていた期間が長い人で再発が多かった
Qiang 2025(カナダ、人口ベース) 甲状腺手術後26,336人 TSH 2〜4 は 0.5〜2 と差なし。4を超える状態が続くと、3か月ごとに再発リスクが1.07倍

(いずれも抄録で確認。再発の件数は少なく、ほとんどが観察研究です)

  • 「TSH を低く抑えても再発は減らない」という結果が多い一方で、「TSH が高めの状態が続くと再発が少し増える」という研究もあり、決着していません
  • 片側切除の人に限ったランダム化比較試験(韓国の MASTER 試験、TSH 0.3〜1.99 群と 2.0〜7.99 群を比べる)が進んでいますが、2026年9月時点で再発の結果はまだ公表されていません
  • 研究が一致しているのは、「TSH を基準範囲より低く抑える必要はない(低・中リスクの場合)」という点です。TSH が基準範囲を超えたときにホルモン剤を補うかどうかは、ATA 2025 は「始める」としています。自分の TSH の値でどうするかは、リスク分類を知っている主治医と決めることです

サイログロブリンが上がったときの考え方

サイログロブリンとは

サイログロブリン(Tg)は甲状腺で作られるたんぱく質で、甲状腺ホルモンのもとになります。正常な甲状腺も、分化がん(乳頭がん・濾胞がん)も作り、両者を区別できません。良性の腫瘍や甲状腺の炎症でも上がるため、がんの診断には使えません(がん情報サービス)。

甲状腺を全部取り、放射性ヨウ素で残りも除いた人では、理論上 Tg はほぼゼロになるはずなので、上がってくれば再発の手がかりになります。これが「Tg は甲状腺がんの腫瘍マーカー」と言われる理由です。

片側切除のあとは事情が違う

片側切除のあとは、残った甲状腺が Tg を作り続けます。さらに、TSH が上がると残った甲状腺が刺激されて Tg も増えます(ATA 2025)。

ガイドライン 片側切除のあとの Tg
日本(ガイドライン2024) 腫瘍マーカーとしての価値は全摘に比べてかなり低いが、「経時的に上昇を来せば再発を疑う必要がある。したがって葉切除術後の症例も,経時的なTgおよびTgAbの測定を行うとよい」
米国(ATA 2025) 術後6〜12週に1回測って、思いがけず高くないか確かめるのは役に立つことがあるが、区切りの値は不明。その後の定期的な測定は「ルーチンでは推奨しない」。経過観察は頸部の超音波検査が中心

日本と米国で方針が違います。ATA 2025 は「片側切除のあとの Tg が再発を予測できるとは示されていない。ただしまだ十分に調べられていない」と書いています。

研究でも結果が分かれています。

  • 片側切除した人の Tg は、再発がなくても年に10%ほど少しずつ上がっていき、再発した人としなかった人で差がなかった(Park 2018、208人)
  • 2年間で Tg が下がった人42%、変わらない人22%、上がった人36%で、どれも再発を予測しなかった(Ritter 2020、167人)
  • 一方、術後最初の Tg が高い人で再発が多かった(Xu 2021、1,451人)、最低値の2倍を超えて上がった人で首のリンパ節の再発が多かった(Cho 2022)という報告もあります
  • 「30 ng/mL 未満なら安心」という区切りが使われることがありますが、どの研究でも検証されていません(Tourani 2021)

がん以外で Tg が上がる・動く理由

  • TSH が上がった(残った甲状腺が刺激される)
  • 残った側に結節(しこり)がある、甲状腺が大きい
  • 甲状腺の炎症(橋本病、甲状腺炎)
  • 穿刺吸引細胞診(針の検査)のあと。約2週間で元に戻るという報告があります(Luboshitzky 2006)
  • 測る検査法の違い。抗サイログロブリン抗体(TgAb)があると、Tg が実際より低く出ることがあるため、Tg と一緒に TgAb も測るのが基本です

Tg の数値だけで一喜一憂せず、TSH の値、TgAb、超音波検査の結果と合わせて主治医に判断してもらうのが、ガイドラインの考え方です。

甲状腺がんの腫瘍マーカーと CA19-9

種類ごとに使うマーカーが違う

がんの種類 使われるマーカー ポイント
乳頭がん・濾胞がん(分化がん) サイログロブリン(Tg)と抗サイログロブリン抗体(TgAb) 全摘後に最も役立つ。片側切除後は上の説明のとおり
髄様がん カルシトニンと CEA どちらも「優れた腫瘍マーカー」(ガイドライン2024)。値が2倍になるまでの期間(倍加時間)が短いほど経過がよくない
未分化がん 決まった血液のマーカーはない 画像検査で経過をみる

(甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024、がん情報サービス、ATA のガイドラインから)

CA19-9 は甲状腺がんで上がるのか

CA19-9 は、主に膵臓がん・胆道がんなどで使われる腫瘍マーカーです。日本のガイドライン2024、がん情報サービス、ATA 2025 のいずれにも、甲状腺がんのマーカーとしては書かれていません。

ただし、甲状腺がんで上がることがまったくないわけではありません。

  • 進行した髄様がん:イタリアの研究で、進行した髄様がん100人の16%で CA19-9 が高く、治った人では全員正常でした。CA19-9 が高い人は亡くなるリスクが高かった(Elisei 2015)。同じグループの107人の研究でも、CA19-9 が高いことは死亡と関連していました(Lorusso 2021)
  • 乳頭がん:日本の196人(2cm以上)の研究で、手術前に CA19-9 が高かったのは6.1%で、手術後は全員正常になりました(Kihara 2024)。ほかは症例報告が中心です

がん以外でも CA19-9 は上がります。

  • 糖尿病(とくに血糖のコントロールが悪いとき)
  • 胆石・胆管の病気・黄疸、肝臓の病気、膵炎
  • 気管支拡張症・間質性肺炎などの肺の病気
  • 健診で CA19-9 が高かった約500人を調べた韓国の研究では、がんが見つかったのは2.8%、良性の病気が27.5%、原因不明が69.7%でした(Kim 2009)
  • 甲状腺機能低下症で上がったという症例報告もありますが、小さな研究では橋本病の人と健康な人で差がありませんでした

また、血液型の一種である Lewis 式で「Lewis 陰性」の人(中国の研究では約1割)は CA19-9 を作れないため、がんがあっても上がりません。

CA19-9 が高いと言われたときは、甲状腺がんよりもまず、膵臓・胆道・肝臓や糖尿病などの可能性を含めて、主治医と相談してください。

手術のあとの暮らし

首の傷あと

甲状腺の手術は首の前を切るため、傷あとが目立つのを気にする人がいます。傷がふさがったあとは、傷あとに貼るテープで皮膚が引っぱられるのを防ぐ方法があります。ニチバンは「アトファイン」について、「『傷あと』とは傷口が完全にふさがっている状態」のことで、開いている傷や抜糸前の縫い目には直接使わないよう注意書きをしています。使い始める時期は執刀医に確認してください。

病気を図で理解したい人に

気をつけたい人

  • 首のしこり、声のかすれ、飲み込みにくさが続く人:受診してください。症状のある人は検診の話とは別です
  • 家族に髄様がんや MEN2 の人がいる人:遺伝性のことがあります。専門医で相談してください
  • 子どものころに首に放射線治療を受けた人:ガイドラインでも「特段のリスク」がある人として扱われます
  • チラーヂンを飲んでいる人:量を自分で変えないでください。鉄剤・胃薬・カルシウムなどを始めるときは、医師・薬剤師に伝えてください
  • ヨウ素制限を指示されている人:だし・つゆ・昆布加工品の原材料名を確認し、病院の食事の説明に従ってください
  • 昆布のサプリメントや海藻の粉末を毎日とっている人:ヨウ素の量が多くなりやすいので、甲状腺の病気がある人は主治医に伝えてください

この記事で紹介した商品のまとめ

カネジョウ かつおだしパック キッチン大友 いいだし マルトモ だしの力 ニチバン アトファイン やさしいカラー図解 甲状腺の病気
こんな人に 昆布(ヨウ素)を控えたい 昆布を使わない魚介のだしがほしい 削り節でだしをとりたい 手術後の首の傷あとを保護したい 甲状腺の病気を図で理解したい
中身 かつお節のみ(昆布・食塩不使用) さば節・むろあじ節・そうだかつお節・いわし煮干し(昆布・食塩不使用) そうだがつお・さば・むろあじ・かつおの節(昆布不使用) 傷あとケアテープ(SS〜LL) 伊藤病院 院長の図解本(2024年)
価格(税込) 7g×16袋 1,990円(送料無料) 8g×20袋 3,132円(送料無料) 80g×4個 1,832円(送料込) 1箱 1,458円〜 1,870円(送料無料)
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ウラヨミの考え方

  • 甲状腺がんが「増えている」のは、主に見つける技術と機会が増えたためと考えられています。死亡率は日本でも世界でも増えていません
  • 食べ物では、ヨウ素を「極端に避ける」のも「大量にとる」のも甲状腺にはよくありません。日本の食事ではヨウ素が足りなくなることはまれで、気をつけるとすれば昆布の重ねどりです
  • 片側切除のあとの TSH とサイログロブリンは、日米のガイドラインでも考え方が分かれている、答えの出ていない分野です。数値だけで判断せず、主治医と一緒に経過をみることが大切です
  • 「これを食べれば甲状腺がんが防げる」「この数値なら再発」と言い切る情報には注意してください

出典

  • 国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん」(2026年8月更新)、冊子「甲状腺がん」(2026年8月27日作成)、「がん種別統計情報 甲状腺」(2026年7月更新)、がん統計の集計表(罹患1975〜2023年、死亡1958〜2024年)、「がんのリスク・予防要因 評価一覧」(2026年5月26日版)
  • 厚生労働省「平成29年 全国がん登録 5年生存率報告」
  • 日本内分泌外科学会「甲状腺腫瘍診療ガイドライン2024」(日本内分泌外科学会雑誌 41巻増刊号、Minds 掲載)
  • 日本甲状腺学会「成人の甲状腺超低リスク乳頭がんの非手術経過観察についての見解」(2020年)
  • 日本臨床検査医学会「甲状腺刺激ホルモン(TSH)値のハーモナイゼーションについて」(2020年)、日本臨床検査専門医会「甲状腺の検査」(2024年)
  • PMDA チラーヂンS錠・散 添付文書(2024年6月改訂)、インタビューフォーム(2024年11月改訂)、レボチロキシンNa錠「サンド」・チロナミン錠 添付文書
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(2026年3月27日更新)
  • 環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和7年度版)」、福島県「県民健康調査」検討委員会(第60回、2026年7月30日)資料
  • 原子力規制庁「安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって」(令和元年7月改正)、放射線医学総合研究所「ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません」(2011年)
  • UNSCEAR 2018 White Paper(チェルノブイリ)、UNSCEAR 2020/2021 Report Annex B(福島)、UNSCEAR 2024 Annex B
  • IARC GLOBOCAN 2024(Cancer Today、2026年7月8日版)、Cancer Over Time、プレスリリース No.246(2016年)・No.284(2020年)
  • 伊藤病院「ヨウ素と甲状腺の関係」、隈病院 甲状腺ナビ(橋本病と食事、ヨウ素制限)、野口病院「甲状腺とヨウ素」、英国栄養士会「Iodine」、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)「乾燥海藻のヨウ素」
  • Haugen BR, et al. Thyroid. 2016(ATA 2015 ガイドライン)/Ringel MD, et al. Thyroid. 2025(ATA 2025 ガイドライン)/Jonklaas J, et al. Thyroid. 2014(ATA 甲状腺機能低下症ガイドライン)/Wells SA, et al. Thyroid. 2015(ATA 髄様がんガイドライン)
  • USPSTF. JAMA. 2017(甲状腺がん検診)
  • Sugitani I, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2010/Sugitani I, et al. Surgery. 2011(TSH 抑制の試験と骨密度)
  • Lee MC, et al. Endocrinol Metab. 2019/Park S, et al. Thyroid. 2017/Park JH, et al. J Surg Oncol. 2018/Xu S, et al. Thyroid. 2022/Jeon YW, et al. Cancers. 2024/Qiang JK, et al. Thyroid. 2025/Won HR, et al. Cancers. 2022/Lee EK, et al. Endocrinol Metab. 2021(MASTER 試験の計画)/Takata K, et al. Auris Nasus Larynx. 2025(片側切除後の TSH と再発・機能低下)
  • Park S, et al. Thyroid. 2018/Ritter A, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2020/Xu S, et al. Thyroid. 2021/Cho JS, et al. Anticancer Res. 2022/Tourani SS, et al. ANZ J Surg. 2021/Luboshitzky R, et al. Endocr Pract. 2006(片側切除後のサイログロブリン)
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  • Sawin CT, et al. N Engl J Med. 1994/Flynn RW, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2010(TSH 低値と心房細動・骨折)
  • Benvenga S, et al. Thyroid. 2008/Centanni M, et al. N Engl J Med. 2006/Gatta E, et al. Endocr Pract. 2023(チラーヂンの吸収と飲食物・薬)
  • Ahn HS, et al. N Engl J Med. 2014/Park S, et al. BMJ. 2016/Lee M, et al. Thyroid. 2020(韓国)/Furuya-Kanamori L, et al. J Clin Oncol. 2016(剖検)
  • Ito Y, et al. Thyroid. 2014/Miyauchi A, et al. Thyroid. 2023(積極的経過観察)
  • Michikawa T, et al. Eur J Cancer Prev. 2012/Kolonel LN, et al. Cancer Causes Control. 1990/Kwon YJ, et al. Nutrients. 2024/Cao LZ, et al. Medicine. 2017/Cho YA, Kim J. Nutr Cancer. 2015/Peng G, et al. Endocrine. 2025/Katagiri R, et al. Br J Nutr. 2015(海藻・ヨウ素)
  • Lauby-Secretan B, et al. N Engl J Med. 2016/Kitahara CM, et al. Thyroid. 2016(体脂肪)
  • Furukawa K, et al. Int J Cancer. 2013/Lubin JH, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2017/Cardis E, et al. J Natl Cancer Inst. 2005/Tsuda T, et al. Epidemiology. 2016(放射線)
  • Chadli K, et al. BMC Oral Health. 2026/Benavides E, et al. J Am Dent Assoc. 2023(歯科X線)
  • ニチバン「アトファイン」製品ページ(使用上の注意)

関連する読みもの・データベース

この記事は、公的機関の資料と研究をもとに表示のルールや評価を整理したもので、特定の食品や添加物の安全性・危険性を判定するものではありません。制度や海外の規制は変わることがあります(確認日 2026.09.30)。