食品の重金属データベース野菜・いも・茶確認日 2026.10.03
ほうれんそうのカドミウム・鉛
ほうれんそうは、国産野菜の中でカドミウム・鉛・総ヒ素が比較的高く出る野菜の一つです。カドミウムは農水省の調査(平成21〜22年度、600点)で平均0.06・最大0.59 mg/kg でした。鉛は調査年でばらつきがあり、定量限界の違いにも注意が必要です。
日本の公的調査などで測った値
| 金属 | 形態・状態 | 平均 | 範囲・最大 | 検体数 | 調査 |
|---|---|---|---|---|---|
| カドミウム | 総カドミウム・可食部(収穫後) | 0.06(中央値0.05) | 最大0.59 | 600点 | 農水省 平成21〜22年度 |
| 鉛 | 総鉛 | 0.01 | 最大0.07 | 120点(61点が定量限界未満) | 農水省 2015年度 |
| 鉛 | 総鉛 | 0.02 | 最大0.11 | 300点(178点が定量限界未満) | 農水省 2008年度 |
| 鉛 | 総鉛 | 0.01〜0.06 | 最大0.34 | 100点(89点が定量限界未満) | 農水省 2003〜05年度 |
| ヒ素 | 総ヒ素 | 0.01 | 最大0.12 | 160点 | 農水省 2003〜05年度 |
単位は mg/kg(=ppm)、生鮮の可食部です。鉛の定量限界は調査で違います(2003〜05年度 0.05、2008年度 0.02、2015年度 0.01)。「0.01〜0.06」のような範囲は、定量限界未満を0とした平均〜定量限界の値とした平均です。
基準値(日本・国際・EU)
| 定めた機関 | 基準値 | 補足 |
|---|---|---|
| 日本(食品衛生法) | カドミウム・鉛・ヒ素とも基準なし | カドミウムの基準は米とミネラルウォーター類だけです |
| Codex(国際基準) | カドミウム 葉菜類 0.2/鉛 葉菜類 0.3(ほうれんそうを除く) | ほうれんそうは鉛の葉菜類の基準の対象から除かれています |
| EU(規則 2023/915) | カドミウム ほうれんそう等 0.20(その他の葉菜 0.10)/鉛 葉菜 0.30 | — |
知っておきたいこと
- カドミウムは、平均0.06・中央値0.05・95%値0.15・最大0.59 mg/kg です。他国の物差しに当てた参考として、97.5%の試料は0.19以下なので、EU の上限0.20を超えるのは2.5%未満になります。日本に基準はありません。
- 鉛は、最大値が0.34(2003〜05年度)→0.11(2008年度)→0.07(2015年度)と下がって見えますが、定量限界が0.05→0.02→0.01と変わっています。年を比べるときは注意が必要です。
- 総ヒ素は野菜では最大の0.12(平均0.01)ですが、米や海藻に比べると桁が低い値です。
- 農水省の推計(2016年)では、カドミウムの摂取量の約9割が7品目(米・小麦・大豆・ばれいしょ・ほうれんそう・たまねぎ・にんじん)からで、ほうれんそうはその一つです。
- 日本のカドミウムの基準は米とミネラルウォーター類だけです。消費者庁は、米以外は摂取量が少なく基準をつくっても低減効果が小さいとして、生産段階の対策と実態調査で対応するとしています。
- 洗う・ゆでる・水にさらすことでカドミウムや鉛がどれだけ減るか、日本の公的な試験値は見つかりませんでした。
関連する解説
金属ごとのページ
出典
- 農水省「国産農産物のカドミウム実態調査(平成21〜26年度)」
- 農水省 カドミウム実態調査データ(別添・農産物 表3.3)
- 農水省「農産物に含まれる鉛の実態調査」
- 農水省「食品に含まれるヒ素の実態調査」
- 農水省「国際機関や諸外国が設定する鉛の基準値」
- 消費者庁「食品中のカドミウムに関する Q&A」
- EU 規則 2023/915(食品中の汚染物質の最大基準値)
最終確認日 2026.10.03(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。
重金属は自然の土や海にもともとある物質で、どの食品にも少しずつ含まれます。このページは、公的機関の調査・基準・評価と論文に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。妊娠中の方の魚の食べ方など、国の注意事項があるものはそれに従ってください。