食品の重金属データベース野菜・いも・茶確認日 2026.10.03
緑茶(茶葉)の鉛・ヒ素・カドミウム
国産の緑茶(茶葉)120点を調べた農水省の調査(令和元年度)で、鉛は77点が定量限界(0.10 mg/kg)未満、最大は番茶1点の2.4 mg/kg でした。総ヒ素とカドミウムは、ほぼ全点が定量限界未満です。飲むお茶(浸出液)に溶け出る鉛は茶葉の約8.8%で、農水省は「茶はこれらの物質の主要な摂取源ではない」と結論しています。
日本の公的調査などで測った値
| 金属 | 形態・状態 | 平均 | 範囲・最大 | 検体数 | 調査 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鉛 | 総鉛・茶葉(乾燥) | 算出せず(半数以上が定量限界未満。中央値は<0.10) | <0.10〜2.4 | 120点(77点が定量限界未満) | 農水省 令和元年度(2019年9〜10月購入) |
| ヒ素 | 総ヒ素・茶葉(乾燥) | 算出せず(119点が定量限界未満) | <0.01〜0.13 | 120点 | 農水省 令和元年度(2019年9〜10月購入) |
| カドミウム | 総カドミウム・茶葉(乾燥) | 算出せず(119点が定量限界未満) | <0.01〜0.11 | 120点 | 農水省 令和元年度(2019年9〜10月購入) |
単位は mg/kg(=ppm)、乾燥した茶葉です。定量限界は鉛・総ヒ素・カドミウムとも0.10 mg/kg(検出下限は0.01)。試料の半数以上が定量限界未満だったため、農水省は平均値を算出していません。
基準値(日本・国際・EU)
| 定めた機関 | 基準値 | 補足 |
|---|---|---|
| 日本(食品衛生法) | 茶葉の鉛・ヒ素・カドミウムの基準なし | — |
| Codex(国際基準) | 茶・ハーブティー類の鉛は基準の設定候補(2019年の検討) | 設定に至ったかは確認できていません |
| EU(規則 2023/915) | 茶葉の項目は確認できず | 未確認 |
知っておきたいこと
- 鉛が0.30 mg/kg を超えた3点はすべて番茶で、最大の2.4は番茶1点です。この番茶は、製造事業者が原料の茶葉を変えて鉛を減らしました。総ヒ素(0.13)とカドミウム(0.10。農水省は最大値の表記を0.10から0.11に訂正)が唯一定量されたのも、この1点でした。
- 茶葉の濃度と、飲むお茶の濃度は別です。農水省は茶葉と浸出液の両方を調べ、日本人の茶の消費量から摂取量を推定して、茶を通じた摂取は食事全体よりも著しく少ないとしています。
- 浸出液の溶出試験は、鉛濃度が高かった煎茶5点・番茶5点で行いました。茶葉をまるごと飲む抹茶(調査では10点)の飲み方での測定値は、資料にありません。
- 緑茶は鉛より、アルミニウムが目立ちます。同じ調査でアルミニウムは120点すべてで検出され、246〜1,980 mg/kg(平均707)でした。チャノキは土壌のアルミニウムを吸いやすいと農水省は説明しています(重金属ではなく、ここでは参考です)。
- トータルダイエット(2024年)で鉛の寄与が最も大きい食品群は嗜好飲料(9群)の22.5%です。この群には茶以外の飲み物も含まれ、茶だけの寄与は分かりません。農水省の調査の結論は上のとおりです。
- 茶葉の無機ヒ素・総ヒ素・カドミウムとも、定量限界(0.10)より細かい日本の公的な値は見つかりませんでした。
家庭で減らす方法(試験で示されたこと)
- 淹れて飲む:茶葉の鉛のうち、お茶に出るのは約8.8%(茶葉10 gに90℃の湯450 mLを注ぎ60秒。鉛濃度が高かった煎茶5点の試験)。番茶は茶葉10 gに100℃の湯430 mLで30秒(5点)
- 浸出液の総ヒ素・カドミウムは、すべて検出下限(0.001 mg/kg)未満でした。農水省は、茶葉で最も高かった1点の浸出液が検出下限と仮定した溶出率(総ヒ素32%未満・カドミウム39%未満)も示しています
関連する解説
金属ごとのページ
出典
- 農水省「令和元年度 緑茶中の鉛及びアルミニウム等の含有実態調査の結果」(2020年11月公表)
- 農水省「食品中の鉛に関する情報」
- 厚労科研 トータルダイエット 令和6年度 分担研究報告書
- 農水省「国際機関や諸外国が設定する鉛の基準値」
最終確認日 2026.10.03(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。
重金属は自然の土や海にもともとある物質で、どの食品にも少しずつ含まれます。このページは、公的機関の調査・基準・評価と論文に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。妊娠中の方の魚の食べ方など、国の注意事項があるものはそれに従ってください。