食品の重金属データベース海藻確認日 2026.10.03
のりのヒ素
のり(乾燥)の総ヒ素は平均25 mg/kg ですが、農水省の調査(2006〜07年度)で無機ヒ素は調べた100点すべてが定量限界(0.5 mg/kg)未満でした。海藻の中では、ひじきだけが無機ヒ素の多い例外です。
日本の公的調査などで測った値
| 金属 | 形態・状態 | 平均 | 範囲・最大 | 検体数 | 調査 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヒ素 | 総ヒ素・乾燥 | 25(中央値23) | 13〜51 | 100点 | 農水省 2006〜07年度 |
| ヒ素 | 無機ヒ素・乾燥 | <0.5(全100点が定量限界未満) | — | 100点 | 農水省 2006〜07年度 |
単位は mg/kg(=ppm)、乾燥重量です。農水省の資料にある無機ヒ素の平均 0.16 は、定量限界未満を置き換えて計算した値で、実測の平均ではありません。焼きのり・味付けのりなど加工状態の区別は、資料に書かれていません。
基準値(日本・国際・EU)
| 定めた機関 | 基準値 | 補足 |
|---|---|---|
| 日本(食品衛生法) | 基準なし | のりの無機ヒ素・総ヒ素の基準値は見当たりません |
| Codex(国際基準) | のりの基準なし | — |
| EU(規則 2023/915) | のり固有の基準は確認できず | — |
| 豪NZ(FSANZ) | 海藻の無機ヒ素 最大 1 mg/kg | ひじきを含む海藻全体の基準 |
| 中国 | 水産物(魚類を除く)0.5 mg/kg | 農水省「諸外国の基準」ページの整理による(無機ヒ素の値) |
知っておきたいこと
- 総ヒ素の大半は有機ヒ素で、無機ヒ素は乾燥100点すべてが 0.5 mg/kg 未満でした。ただし定量限界が高いため、「0.5未満」より細かい値は分かりません。
- 「有機ヒ素は無害」と断定した公的文書はありません。農水省は「悪影響の程度は一般に小さいと言われている」と「ヒトの体内での影響は現在のところよく分かっていない」の両方を書いています。厚労省の Q&A(2004年)は「他の海藻も毒性の低い有機ヒ素として存在」としています。
- 日本人の摂取では、のりなどが入る「その他の野菜・海草」群(トータルダイエット、2024年)が総ヒ素 80.4 μg/日(全体219の約37%)、無機ヒ素 2.01 μg/日(全体21.2の約1割)でした。無機ヒ素の主な摂取源は米で、のりではありません。
- 日本ののりのカドミウムの公的な調査値は見つかりませんでした。フランス ANSES は、食用海藻約250検体の26%が 0.5 mg/kg(乾物)を超えたとして上限 0.35 を提案しています(褐藻・紅藻で高い傾向。のりは紅藻です)。
- 農水省の調査は乾燥ののりです。味付けのり・佃煮など加工品の公的な調査値は見つかりませんでした。
関連する解説
金属ごとのページ
出典
- 農水省「食品に含まれるヒ素の実態調査」(2025年12月更新)
- 農水省「ヒ素に関する基礎情報(Q&A)」
- 厚生労働省「ひじき中のヒ素について」Q&A(2004年7月30日)
- 厚労科研 トータルダイエット 令和6年度 分担研究報告書
- 農水省「ヒ素の国際基準・諸外国の基準」
- ANSES「食用海藻のカドミウムの摂取を抑える勧告」
最終確認日 2026.10.03(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。
重金属は自然の土や海にもともとある物質で、どの食品にも少しずつ含まれます。このページは、公的機関の調査・基準・評価と論文に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。妊娠中の方の魚の食べ方など、国の注意事項があるものはそれに従ってください。