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日本と海外の違い説の検証確認日 2026.10.08

オーガニック給食はどこ? 有機給食の自治体一覧とオーガニックビレッジ168市町村(都道府県別)

PR この記事には、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・A8.net のアフィリエイト広告のリンク(「楽天市場で見る」など)を含みます。書いている内容は、広告の有無と関係なく、公的機関の資料と論文をもとにしています。

「オーガニック給食をしている自治体はどこ?」「うちの県や市の小学校はやっている?」「オーガニックビレッジの一覧が見たい」。有機給食について、こうした疑問をよく見かけます。

答えを先に言うと、学校給食で有機の食材を使った市区町村は、2024年度に全国で328ありました。ただし、328の市区町村名の一覧は、国の資料では公表されていません。そこでウラヨミは、農林水産省のページと資料から、名前と中身が分かる146の市区町村を都道府県別に並べました。あわせて、有機農業に地域ぐるみで取り組むオーガニックビレッジ168市区町村の全一覧も載せています。

この記事では、

  • オーガニック給食をしている自治体はどこか。都道府県ごとの状況と、名前が分かる自治体の一覧
  • オーガニックビレッジの全168市区町村(開始年度・宣言・有機の面積つき)
  • 「328」の中身。毎日なのか、年に1回なのか
  • 「有機給食」の「有機」は、有機JASの有機と同じなのか
  • いすみ市・亀岡市など、「何を・どれくらい」有機にしているかが分かる例
  • 有機にすると高くなる分は、誰が払っているのか。2026年4月からの給食費の負担軽減との関係
  • フランス・スウェーデン・デンマーク・韓国・ブラジルの有機給食の目標と実績
  • 有機給食で子どもの体は変わるのか
  • 課題と、自分の住む市で始めるときの公的な窓口・制度

を、農林水産省・文部科学省の資料、海外の政府の資料、論文で確かめます(2026年10月8日確認)。有機JASのしくみは オーガニックとは(基準と歴史)の記事、有機の食事と健康の研究は オーガニックと健康の記事、日本と世界の有機の市場や制度は 世界のオーガニック事情の記事 にまとめています。

結論

  • オーガニック給食をしている市区町村は、2024年度に328(全国1,741の約19%)。2020年度の123から2.7倍に増えました。ただし名前の一覧は公表されていません。農水省が出しているのは、都道府県ごとの色分けの地図だけです
  • 328の半分近く(46%)は「年5回以下」です。数え方は「年に1回以上」「市区町村の中の1校でも」使えば1。平均で月2回以上(年21回以上)使っているのは約3割でした
  • 「有機給食」の「有機」は、有機JASとは限りません。国の数え方には認証のない有機栽培も入り、自治体の取り組みには「栽培期間中農薬不使用」の米、特別栽培米、市や町の独自の認証も並んでいます
  • 「どれくらい」は自治体で桁違いです。千葉県いすみ市は給食の米が100%有機米、京都府亀岡市は市立小学校の米の52.4%(2024年度)。一方で、年に1回の自治体もあります
  • オーガニックビレッジは47都道府県の168市区町村(2026年8月31日時点)。2026年度に沖縄県の2市村が加わり、全都道府県がそろいました。国の目標「2030年までに200」まで、あと32です
  • 有機にして高くなる分(差額)は、自治体が払っている例が多いです。国の交付金も「通常の食材との差額のみ」が対象です。2026年4月からの公立小学校の給食費の負担軽減は月5,200円が基準で、超えた分は保護者から集めてよいしくみです
  • 海外は目標と実績が離れています。フランスは公共の給食で有機20%の目標に対し、2024年の実績は11.8%。日本には、給食の有機の割合の国の目標がありません
  • 有機給食で子どもの病気が減った、という研究は見つかりませんでした。キプロスの小学校の試験では、有機の食事の期間に尿の中の農薬(ピレスロイド系)の代謝物が約7割低くなりましたが、体への利益までは言えない、と著者自身が書いています

この記事で紹介しているもの

紹介しているもの どんなときに 記事の中の場所
有機・農薬不使用の野菜の宅配と産直(Oisix・らでぃっしゅぼーや・坂ノ途中・コープ自然派・食べチョク) 家でも子どもの食事に有機の野菜を取り入れたいとき 家でも子どもの食事を有機にしたいとき
『有機給食スタートブック』『どう進める?オーガニック給食』(農文協) 自分の住む市で有機給食について調べたい・話し合いたいとき うちの市でもオーガニック給食を始めるには

オーガニック給食をしている自治体はどこ?

学校給食で有機の食材を使った市区町村は2024年度に328ですが、その名前の一覧は公表されていません。まず、国が出している数字と、その数え方から見ます。

学校給食で有機食品を使う市区町村の数年に1回以上・市区町村内の1校でも使えば「1」と数える(市区町村)01002003004002020年度:123市区町村1232020年度2021年度:137市区町村137+142021年度2022年度:193市区町村193+562022年度2023年度:278市区町村278+852023年度2024年度:328市区町村328+502024年度2024年度の328は全国1,741市区町村の約19%。328の市区町村名の一覧は公表されていない(都道府県別の地図のみ)。2025年度の数は2026年10月8日時点で見つからなかった。出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」令和8年4月版 p13(農業環境対策課調べ)。
学校給食で有機食品を使った市区町村の数。農林水産省「有機農業をめぐる事情」令和8年4月版 p13(農業環境対策課調べ)。
年度 市区町村 前の年からの増加
2020年度 123 ―
2021年度 137 +14
2022年度 193 +56
2023年度 278 +85
2024年度 328 +50

出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」令和8年4月版 p13。

  • 数え方:学校給食で有機食品を使った回数が「年1回以上」と答えた市区町村です。市区町村の中の学校のうち1校でも取り組んでいれば数えます
  • 2024年度の328は、全国1,741市区町村(東京23区を含む)の約19%です
  • 2025年度の数は、2026年10月8日の時点では見つかりませんでした

とくに増えたのは、2022年度(+56)と2023年度(+85)です。この時期は、オーガニックビレッジへの国の支援が2021年度の補正予算から始まり、各地で取り組みが動き出したころと重なります。ただし、2つの関係を調べた資料はなく、ビレッジの支援が有機給食を増やした、とまでは言えません。

毎年12月8日は「有機農業の日」です。農水省は、この前後の期間に学校給食で有機の食材を出すよう全国の自治体に呼びかけ、参加した自治体の取り組みをページで紹介しています。後で見るように、328の中には、この日に合わせて1日だけ有機の米を出す、という自治体も入っています。

「328市区町村」の名前は公表されていない

農水省の「有機農業をめぐる事情」には、328の市区町村名の一覧は載っていません。載っているのは、都道府県ごとの数と割合を色分けした地図だけです。

名前が分かる公的な情報は、次の3つです。

情報源 載っている自治体 中身
農水省「学校給食での有機農産物等の利用」2024 64自治体 12月8日の「有機農業の日」に合わせた取り組みの予定など(自治体の申告)
同 2025 54自治体 同上(2024年と両方に出るのは26)
農水省「オーガニックビレッジ取組事例集」(2026年9月) 給食の数字が書かれた102自治体 年何回・何トン・何%などの実績と目標

ウラヨミがこの3つを合わせると、名前と中身が分かるのは146市区町村(44都道府県)でした。都道府県別の一覧は、次の節に載せています。

ただし、この146は「328」と同じ集まりではありません。年度も数え方も違い、ビレッジの事例集には特別栽培米などの取り組みも入っています。「一覧に無い=やっていない」ではないので、自分の市区町村のことは、市区町村の教育委員会や給食センターの公表で確かめてください。

都道府県で見ると:多いのは長野・愛知・茨城・兵庫など

農水省の地図には県名が書かれていないため、ウラヨミが位置から都道府県を読み取り、表にしました(読み取り間違いの可能性があります)。

地図の区分(2024年度) 都道府県
有機給食の市区町村が11以上 北海道・茨城・千葉・長野・愛知・兵庫・鹿児島
6〜10 山形・福島・栃木・群馬・埼玉・東京・神奈川・新潟・富山・石川・岐阜・静岡・奈良・島根・岡山・徳島・高知・大分・宮崎
1〜5 青森・岩手・宮城・秋田・福井・山梨・三重・滋賀・京都・大阪・和歌山・鳥取・広島・山口・香川・愛媛・福岡・佐賀・長崎・熊本
0 沖縄
市区町村に占める割合の区分(全国は約19%) 都道府県
31%以上 茨城・富山・石川・長野・愛知・兵庫・島根・岡山・大分
16〜30% 山形・栃木・群馬・千葉・神奈川・新潟・福井・山梨・岐阜・静岡・鳥取・広島・山口・徳島・香川・高知・宮崎・鹿児島
1〜15% 北海道・青森・岩手・宮城・秋田・福島・埼玉・東京・三重・滋賀・京都・大阪・奈良・和歌山・愛媛・福岡・佐賀・長崎・熊本
0% 沖縄

出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」令和8年4月版 p13 の地図を、ウラヨミが読み取り。

2つの区分と、各都道府県の市区町村の数を組み合わせると、少なくとも何市区町村あるかが計算できます。たとえば長野県は「31%以上」で市町村が77あるので、少なくとも24。同じように、愛知県は17以上、茨城県は14以上、兵庫県は13以上です。

数でも割合でも上のほうにいるのは、長野・愛知・茨城・兵庫の4県でした。2024年度に0だった沖縄県は、2026年度に石垣市と中城村がオーガニックビレッジに加わっています。

都道府県別の一覧:オーガニックビレッジと、有機給食の自治体

地方ごとに、2つの表を並べました。

  • オーガニックビレッジ:有機農業を、生産から学校給食などの消費まで地域ぐるみで進める市区町村として、国が支援しているところです(くわしくは オーガニックビレッジとは)。農水省の2026年8月31日時点の一覧です。「開始」は取り組みを始めた年度、「宣言」の「済」は2026年6月29日時点の宣言一覧に載っていること、「―」は載っていないことです。面積は2023年度時点で、耕地に占める割合は事例集の値です
  • 有機給食:上の地図の区分(取組の数・割合)と、名前が分かる自治体、その中の主な例です。年度は取り組んだ年度です

ビレッジには、給食の取り組みがまだ無いところや、これから有機農業を広げるところも入っています。ビレッジであることと、給食が有機であることは別です。

北海道・東北

ビレッジは29で、山形県が7、北海道と宮城県が6です。有機給食の地図の区分では、北海道が「11以上」、山形県・福島県が「6〜10」でした。宮城県大郷町は、ビレッジの取り組みを始めた2025年度に、給食の有機の回数が0回から18回になっています。

オーガニックビレッジ(29)

都道府県 市区町村 開始 宣言 有機の面積(耕地に占める割合)
北海道 安平町 2022年度 済 77.9ha(1.0%)
北海道 旭川市 2024年度 済 記載なし
北海道 新十津川町 2025年度 済 29.4ha(0.6%)
北海道 赤井川村 2025年度 済 38.7ha(4.9%)
北海道 浦幌町 2025年度 済 25.6ha(0.2%)
北海道 清水町 2026年度 ― 記載なし
青森県 黒石市 2022年度 済 30.1ha(0.9%)
青森県 五戸町 2022年度 済 4.0ha(0.1%)
岩手県 花巻市 2023年度 済 6.5ha(0.0%)
岩手県 一関市 2023年度 済 123.0ha(0.7%)
岩手県 遠野市 2025年度 済 7.4ha(0.1%)
宮城県 登米市 2024年度 済 149.3ha(0.8%)
宮城県 栗原市 2024年度 済 35.1ha(0.2%)
宮城県 大崎市 2024年度 済 62.0ha(0.3%)
宮城県 加美町 2024年度 済 53.1ha(0.9%)
宮城県 石巻市 2025年度 済 77.2ha(0.8%)
宮城県 大郷町 2025年度 済 9.6ha(0.5%)
秋田県 大潟村 2022年度 済 297.7ha(2.6%)
山形県 米沢市 2022年度 済 37.7ha(0.9%)
山形県 鶴岡市 2022年度 済 102.5ha(0.6%)
山形県 新庄市 2022年度 済 106.8ha(2.0%)
山形県 川西町 2022年度 済 29.6ha(0.6%)
山形県 山形市 2023年度 済 0.1ha(0.0%)
山形県 酒田市 2023年度 済 46.2ha(0.4%)
山形県 高畠町 2023年度 済 93.4ha(2.5%)
福島県 二本松市 2022年度 済 25.6ha(0.5%)
福島県 喜多方市 2023年度 済 46.0ha(0.6%)
福島県 会津若松市 2025年度 済 35.5ha(0.6%)
福島県 鮫川村 2025年度 済 1.0ha(0.1%)

出典:農林水産省 令和8年度オーガニックビレッジ取組地区一覧(2026年8月31日時点)、取組事例集(令和8年9月)、宣言市町村リンク集(2026年6月29日)。面積は2023年度時点。

有機給食の自治体(北海道・東北)

都道府県 地図の区分(数・割合) 名前が分かる自治体 主な例(何を・どれくらい)
北海道 11以上・1〜15% 旭川市、せたな町、新十津川町、津別町、安平町、幕別町、北広島市、浦幌町(8) 幕別町:町内の全小中学校などで調味料以外の食材をすべて有機等にする予定(2025年12月9日、1日。町の申告)。津別町:有機牛乳を週1回、こども園・学校給食に
青森県 1〜5・1〜15% 黒石市、五戸町(2) 黒石市:計19回(2024年度)。五戸町:2024年8月から町内の小中学校7校に有機野菜を毎月(12品目・2,769kg)
岩手県 1〜5・1〜15% 花巻市、遠野市、一関市(3) 一関市:市内の全小中学校に有機米を3回(2024年度)
宮城県 1〜5・1〜15% 登米市、大崎市、加美町、石巻市、大郷町(5) 大郷町:0回(2024年度)→18回(2025年度)。加美町・登米市:年1回(2024年度)。大崎市:東京都台東区の全中学校にも米を提供(2025年12月)
秋田県 1〜5・1〜15% 大潟村(1) 有機給食57回(2024年度。2022年度は12回)
山形県 6〜10・16〜30% 米沢市、川西町、鶴岡市、新庄市、高畠町、山形市(6) 高畠町:有機米3回・有機野菜3回、特別栽培米(化学肥料不使用・農薬は初期の除草剤1回まで)を3か月(2024年度)
福島県 6〜10・1〜15% いわき市、喜多方市、鮫川村、会津若松市(4) 喜多方市:2025年12月の1か月間、全小中学校で有機米。会津若松市:有機農産物を使った学校10校(2025年度。2024年度は7校)

関東

ビレッジは29で、茨城県と千葉県が7です。地図の区分では、茨城県と千葉県が「11以上」で、茨城県は割合も「31%以上」でした。千葉県には、給食の米が100%有機米のいすみ市や、年96日の木更津市など、回数や割合の大きい例が集まっています。

オーガニックビレッジ(29)

都道府県 市区町村 開始 宣言 有機の面積(耕地に占める割合)
茨城県 常陸大宮市 2023年度 済 58.7ha(1.7%)
茨城県 石岡市 2024年度 済 69.2ha(1.1%)
茨城県 笠間市 2024年度 済 14.0ha(0.3%)
茨城県 かすみがうら市 2024年度 済 記載なし
茨城県 水戸市 2026年度 ― 記載なし
茨城県 那珂市 2026年度 ― 記載なし
茨城県 茨城町 2026年度 ― 記載なし
栃木県 小山市 2022年度 済 18.1ha(0.2%)
栃木県 市貝町 2022年度 済 10.6ha(0.6%)
栃木県 塩谷町 2022年度 済 30.8ha(1.2%)
栃木県 栃木市 2024年度 済 24.6ha(0.3%)
栃木県 大田原市 2025年度 済 109ha(1.0%)
群馬県 甘楽町 2023年度 済 20.8ha(2.4%)
群馬県 高山村 2023年度 済 8.8ha(1.8%)
群馬県 みなかみ町 2024年度 済 0.5ha(0.0%)
埼玉県 小川町 2022年度 済 57.9ha(9.4%)
埼玉県 所沢市 2024年度 済 11.8ha(0.8%)
埼玉県 さいたま市 2025年度 済 5.5ha(0.2%)
埼玉県 幸手市 2026年度 ― 記載なし
千葉県 木更津市 2022年度 済 41.1ha(1.8%)
千葉県 佐倉市 2022年度 済 43.6ha(1.6%)
千葉県 神崎町 2023年度 済 21.0ha(2.8%)
千葉県 成田市 2024年度 済 記載なし
千葉県 いすみ市 2024年度 済 46.0ha(1.4%)
千葉県 多古町 2024年度 済 31.0ha(1.0%)
千葉県 匝瑳市 2025年度 済 31.5ha(0.6%)
東京都 台東区 2025年度(推定) ― 記載なし
神奈川県 相模原市 2022年度 済 7.4ha(0.5%)
神奈川県 小田原市 2023年度 済 114ha(6.6%)

出典:農林水産省 令和8年度オーガニックビレッジ取組地区一覧(2026年8月31日時点)、取組事例集(令和8年9月)、宣言市町村リンク集(2026年6月29日)。面積は2023年度時点。

有機給食の自治体(関東)

都道府県 地図の区分(数・割合) 名前が分かる自治体 主な例(何を・どれくらい)
茨城県 11以上・31%以上 石岡市、笠間市、常陸大宮市、かすみがうら市(4) 常陸大宮市:171回(2024年度。2022年度は78回)、全小中学校。石岡市:9月を除く毎月、旬の有機農産物(2025年度)
栃木県 6〜10・16〜30% 塩谷町、那須町、小山市、市貝町、栃木市、大田原市(6) 塩谷町:米飯は全食が有機米(2024年度。2023年度は96回)、全小中学校・こども園・保育園で年間を通じて。那須町立田代友愛小学校:月1回の「オーガニック給食Day」
群馬県 6〜10・16〜30% 前橋市、甘楽町、高山村、みなかみ町(4) 甘楽町:98回(2024年度)
埼玉県 6〜10・1〜15% 所沢市、幸手市、秩父市(3) 所沢市:全市立小中学校で年2回(2024年度)。秩父市:2024年12月〜2025年2月、全小中学校で有機米
千葉県 11以上・16〜30% 成田市、いすみ市、木更津市、佐倉市、神崎町、多古町、匝瑳市(7) いすみ市:給食の米は100%有機米。木更津市:96日(2024年度)。神崎町:年40回(2024年度)。匝瑳市:有機栽培米を年11回
東京都 6〜10・1〜15% 世田谷区、港区(2) 世田谷区:区立の全小中学校で有機米を年11回・有機野菜を年3回(2025年度)。港区:一部の小中学校で1日(2024年12月)
神奈川県 6〜10・16〜30% 相模原市、鎌倉市、小田原市(3) 鎌倉市:一部の小学校と全中学校で有機の野菜(2024年12月〜2025年1月)。小田原市:一部の小学校で有機米

東京都では、世田谷区と港区のほか、オーガニックビレッジの台東区が、姉妹都市の宮城県大崎市から有機農業の米を受け取り、2025年12月に区の全中学校の給食で出しています。品川区については、2025年10月から区立小中学校46校で「有機JAS認定・特別栽培農産物」を使う計画が、農水省の意見交換会に出された流通業者の資料に書かれていました(区の公式の資料は確かめられませんでした。特別栽培も含む計画です)。

埼玉県では、所沢市・幸手市・秩父市のほか、ビレッジの小川町(有機の面積が耕地の9.4%)とさいたま市があります。

北陸・甲信越

ビレッジは22で、長野県が8です。長野県は、有機給食の地図の区分でも数・割合ともに上位で、計算すると少なくとも24の市町村で有機の給食がありました(2024年度)。富山県と石川県も、割合は「31%以上」です。

オーガニックビレッジ(22)

都道府県 市区町村 開始 宣言 有機の面積(耕地に占める割合)
新潟県 佐渡市 2022年度 済 60.0ha(0.6%)
新潟県 新発田市 2022年度 済 13.7ha(0.1%)
新潟県 五泉市 2024年度 済 1.2ha(0.0%)
新潟県 阿賀野市 2024年度 済 22.0ha(0.3%)
新潟県 津南町 2025年度 済 27.9ha(0.9%)
新潟県 村上市 2026年度 ― 記載なし
富山県 南砺市 2022年度 済 記載なし
富山県 富山市 2023年度 済 記載なし
石川県 珠洲市 2023年度 済 1.9ha(0.1%)
石川県 羽咋市 2023年度 済 28.2ha(1.3%)
石川県 白山市 2025年度 済 45.1ha(1.0%)
福井県 越前市 2023年度 済 276.0ha(7.7%)
福井県 小浜市 2026年度 ― 記載なし
山梨県 北杜市 2022年度 済 99.0ha(1.9%)
長野県 辰野町 2022年度 済 0.0ha(0.0%)
長野県 松川町 2022年度 済 9.8ha(1.0%)
長野県 飯田市 2023年度 済 2.0ha(0.1%)
長野県 飯綱町 2023年度 済 0.0ha(0.0%)
長野県 伊那市 2024年度 済 32.1ha(0.6%)
長野県 佐久市 2024年度 済 記載なし
長野県 長和町 2025年度 済 40ha(4.6%)
長野県 信濃町 2026年度 ― 記載なし

出典:農林水産省 令和8年度オーガニックビレッジ取組地区一覧(2026年8月31日時点)、取組事例集(令和8年9月)、宣言市町村リンク集(2026年6月29日)。面積は2023年度時点。

有機給食の自治体(北陸・甲信越)

都道府県 地図の区分(数・割合) 名前が分かる自治体 主な例(何を・どれくらい)
新潟県 6〜10・16〜30% 阿賀野市、五泉市、佐渡市、津南町(4) 阿賀野市:2025年11月〜2026年2月、全小中学校で有機の米と野菜。津南町:町内の給食に3回(2024年度)
富山県 6〜10・31%以上 富山市、南砺市(2) 南砺市:全小中学校15校・保育園12園に年9回。富山市:「学校給食有機の日」に各校1回(2025年12月)。県立特別支援学校4校でも初めて有機米(2025年度)
石川県 6〜10・31%以上 羽咋市、白山市(2) 羽咋市:8回(2024年度。2022年度は6回)。白山市:0回(2024年度)→5回(2025年度)
福井県 1〜5・16〜30% 確かめられなかった ビレッジは越前市・小浜市
山梨県 1〜5・16〜30% 山梨市、北杜市(2) 北杜市:2024年12月から一部の小学校で有機の米と野菜10品目
長野県 11以上・31%以上 長野市、辰野町、松川町、飯綱町、飯田市、伊那市、長和町(7) 長和町:38回(2025年度。2024年度は30回)。松川町:提供量1.8t(2020年度)→8.8t(2024年度)、通年。伊那市:有機米1.8t(2024年度)

東海

ビレッジは21で、静岡県が8です。愛知県は、有機給食の地図の区分で数・割合ともに上位で、少なくとも17の市町村で有機の給食がありました(2024年度)。三重県名張市のように、「栽培期間中農薬・化学肥料不使用」の野菜の日を設けている例もあります。

オーガニックビレッジ(21)

都道府県 市区町村 開始 宣言 有機の面積(耕地に占める割合)
岐阜県 白川町 2022年度 済 記載なし
岐阜県 飛騨市 2024年度 済 10.8ha(0.8%)
岐阜県 山県市 2025年度 済 1.9ha(0.2%)
静岡県 掛川市 2022年度 済 65.3ha(1.5%)
静岡県 藤枝市 2022年度 済 60.5ha(2.9%)
静岡県 川根本町 2023年度 済 43.6ha(8.7%)
静岡県 静岡市 2024年度 済 34.4ha(0.8%)
静岡県 富士宮市 2024年度 済 30.8ha(1.1%)
静岡県 島田市 2024年度 済 42.4ha(1.6%)
静岡県 伊豆の国市 2024年度 済 38.5ha(4.0%)
静岡県 小山町 2025年度 済 記載なし
愛知県 東郷町 2022年度 済 9.2ha(2.8%)
愛知県 南知多町 2022年度 済 37.4ha(5.0%)
愛知県 岡崎市 2023年度 済 82.0ha(2.6%)
愛知県 大府市 2024年度 済 2.0ha(0.3%)
愛知県 美浜町(武豊町と共同) 2024年度 済 記載なし
愛知県 武豊町(美浜町と共同) 2024年度 済 記載なし
三重県 尾鷲市 2022年度 済 6.7ha(10.2%)
三重県 名張市 2023年度 済 10.8ha(1.0%)
三重県 伊賀市 2023年度 済 10.6ha(0.1%)
三重県 多気町 2026年度 済 記載なし

出典:農林水産省 令和8年度オーガニックビレッジ取組地区一覧(2026年8月31日時点)、取組事例集(令和8年9月)、宣言市町村リンク集(2026年6月29日)。面積は2023年度時点。

有機給食の自治体(東海)

都道府県 地図の区分(数・割合) 名前が分かる自治体 主な例(何を・どれくらい)
岐阜県 6〜10・16〜30% 飛騨市(1) 年3回(2023年度・2024年度)
静岡県 6〜10・16〜30% 掛川市、静岡市、藤枝市、伊豆の国市、島田市、小山町(6) 藤枝市:年3回(2023年)→年5回(2024年)。伊豆の国市:有機栽培米を年3回(2024年度)
愛知県 11以上・31%以上 岡崎市、大府市、あま市、東郷町(4) 大府市:米18回、野菜は小中学校で8回の予定(2025年度)。岡崎市:2025年12月〜2026年2月、有機にんじんを月1回
三重県 1〜5・1〜15% 尾鷲市、名張市、伊賀市(3) 名張市:市内の小学校14校で、12〜3月に各月1回「栽培期間中農薬・化学肥料不使用」の野菜の日。伊賀市:年1回(2024年度)

近畿

ビレッジは23で、兵庫県の10は全国でいちばん多い数です。兵庫県は有機給食の地図の区分でも数・割合ともに上位で、少なくとも13の市町でした(2024年度)。京都府亀岡市の「市立小学校の米の52.4%」は、割合が分かる例の中で高い値です。

オーガニックビレッジ(23)

都道府県 市区町村 開始 宣言 有機の面積(耕地に占める割合)
滋賀県 甲賀市 2022年度 済 20.2ha(0.4%)
滋賀県 近江八幡市 2024年度 済 35.1ha(0.8%)
滋賀県 日野町 2024年度 済 8.3ha(0.4%)
滋賀県 東近江市 2025年度 済 38.4ha(0.5%)
滋賀県 高島市 2026年度 ― 記載なし
京都府 亀岡市 2022年度 済 44.6ha(1.7%)
京都府 京丹後市 2024年度 済 56.1ha(1.2%)
大阪府 堺市 2023年度 済 記載なし
大阪府 泉大津市 2024年度以前(推定) 済 記載なし
兵庫県 豊岡市 2022年度 済 313.0ha(6.4%)
兵庫県 丹波篠山市 2022年度 済 67.6ha(1.6%)
兵庫県 養父市 2022年度 済 36.1ha(2.5%)
兵庫県 丹波市 2022年度 済 191.9ha(3.5%)
兵庫県 淡路市 2022年度 済 5.9ha(0.2%)
兵庫県 神戸市 2023年度 済 28.0ha(0.6%)
兵庫県 朝来市 2023年度 済 21.5ha(1.3%)
兵庫県 加東市 2023年度 済 18.3ha(0.7%)
兵庫県 上郡町 2023年度 済 11.9ha(1.3%)
兵庫県 稲美町 2025年度 済 3.7ha(0.2%)
奈良県 宇陀市 2022年度 済 22.8ha(1.4%)
奈良県 天理市 2023年度 済 2.5ha(0.2%)
奈良県 山添村 2024年度 済 9.3ha(1.8%)
和歌山県 かつらぎ町 2023年度 済 10.0ha(0.6%)

出典:農林水産省 令和8年度オーガニックビレッジ取組地区一覧(2026年8月31日時点)、取組事例集(令和8年9月)、宣言市町村リンク集(2026年6月29日)。面積は2023年度時点。

有機給食の自治体(近畿)

都道府県 地図の区分(数・割合) 名前が分かる自治体 主な例(何を・どれくらい)
滋賀県 1〜5・1〜15% 日野町(1) 有機米の試験導入を小学校1校→5校に(2024年10月)
京都府 1〜5・1〜15% 亀岡市、京丹後市(2) 亀岡市:市立小学校の給食の米の52.4%が有機米(2024年度)。京丹後市:有機米5日(2024年度)
大阪府 1〜5・1〜15% 泉大津市、泉佐野市(2) 泉佐野市:全小中学校で有機の野菜と国産有機小麦のパン(2024年度、提供中との申告)。泉大津市:全中学校でコマツナ・ホウレンソウ(2024年11〜12月)
兵庫県 11以上・31%以上 伊丹市、加西市、加東市、多可町、豊岡市、丹波市、養父市、朝来市、上郡町、稲美町(10) 養父市:2,796.9kg(2024年度)。朝来市:「栽培期間中農薬不使用」の米を月3回。豊岡市:「コウノトリ育む農法」の減農薬米を週5回
奈良県 6〜10・1〜15% 橿原市、山添村、宇陀市、天理市(4) 宇陀市:15回(2023年度)→114回(2024年度、給食センター・保育園・こども園の合算)
和歌山県 1〜5・1〜15% かつらぎ町(1) 年2回(2024年度)。有機の柿など

中国・四国

ビレッジは17で、島根県が5です。島根県は市町村の約4分の1(5/19)がビレッジで、有機給食の割合の区分も「31%以上」でした。吉賀町は給食の米が全量有機米、邑南町は有機米を年12回出しています。

オーガニックビレッジ(17)

都道府県 市区町村 開始 宣言 有機の面積(耕地に占める割合)
鳥取県 日南町 2023年度 済 2.8ha(0.2%)
鳥取県 八頭町 2025年度 済 15.5ha(0.9%)
島根県 浜田市 2022年度 済 48.4ha(2.1%)
島根県 大田市 2022年度 済 9.1ha(0.4%)
島根県 邑南町 2022年度 済 10.9ha(0.6%)
島根県 吉賀町 2022年度 済 49.5ha(5.7%)
島根県 江津市 2023年度 済 53.0ha(8.8%)
岡山県 和気町 2023年度 済 1.7ha(0.2%)
岡山県 新庄村 2025年度 済 3.8ha(2.1%)
広島県 神石高原町 2022年度 済 14.1ha(0.8%)
山口県 長門市 2022年度 済 4.3ha(0.1%)
徳島県 小松島市 2022年度 済 23.6ha(1.6%)
徳島県 海陽町 2023年度 済 3.1ha(0.4%)
香川県 三豊市 2023年度 済 4.8ha(0.1%)
愛媛県 今治市 2023年度 済 54.8ha(1.3%)
高知県 馬路村 2023年度 済 52.0ha(83.9%)
高知県 香南市 2026年度 ― 記載なし

出典:農林水産省 令和8年度オーガニックビレッジ取組地区一覧(2026年8月31日時点)、取組事例集(令和8年9月)、宣言市町村リンク集(2026年6月29日)。面積は2023年度時点。

有機給食の自治体(中国・四国)

都道府県 地図の区分(数・割合) 名前が分かる自治体 主な例(何を・どれくらい)
鳥取県 1〜5・16〜30% 日南町、八頭町(2) 日南町:1回(2023年度)→3回(2024年度)。八頭町:有機米5日・450kg(2025年度)
島根県 6〜10・31%以上 江津市、浜田市、吉賀町、大田市、邑南町(5) 吉賀町:給食の米は全量有機米、野菜も有機にする日を年3回(2024年)。邑南町:有機米を年12回(2024年度)
岡山県 6〜10・31%以上 和気町(1) 有機肥料だけで作った特別栽培米を町内8校園に64回(2024年度、期間限定。2023年度は50回)
広島県 1〜5・16〜30% 神石高原町(1) 全小中学校で有機のネギ(2024年11月)
山口県 1〜5・16〜30% 下関市(1) 豊東小学校でアイガモ農法の有機栽培米(2025年12月)
徳島県 6〜10・16〜30% 阿波市、小松島市(2) 小松島市:2024年11月〜2025年3月、全小中学校で有機のコマツナ
香川県 1〜5・16〜30% 確かめられなかった ビレッジは三豊市
愛媛県 1〜5・1〜15% 今治市(1) 年4回(2024年度)。給食での使用量10.7t(2022年度)
高知県 6〜10・16〜30% 馬路村(1) オーガニック給食と食育(回数の記載なし)

九州・沖縄

ビレッジは27で、宮崎県と鹿児島県が6です。鹿児島県は有機給食の地図の区分で「11以上」でした。宮崎県綾町は、2023年に有機給食の条例を作っています。沖縄県は2024年度の有機給食が0でしたが、2026年度にビレッジが2つ加わりました。

オーガニックビレッジ(27)

都道府県 市区町村 開始 宣言 有機の面積(耕地に占める割合)
福岡県 うきは市 2023年度 済 12.0ha(0.5%)
福岡県 篠栗町 2024年度 済 0.0ha(0.0%)
佐賀県 上峰町(みやき町と共同) 2024年度 済 記載なし
佐賀県 みやき町(上峰町と共同) 2024年度 済 記載なし
長崎県 南島原市 2022年度 済 15.2ha(0.3%)
長崎県 雲仙市 2024年度 済 42.7ha(0.9%)
長崎県 五島市 2025年度 済 72.8ha(1.5%)
熊本県 南阿蘇村 2022年度 済 57.8ha(1.8%)
熊本県 山都町 2022年度 済 163.9ha(3.4%)
熊本県 菊池市 2024年度 済 203.2ha(3.5%)
大分県 佐伯市 2022年度 済 18.0ha(1.0%)
大分県 臼杵市 2022年度 済 97.0ha(4.1%)
大分県 豊後高田市 2023年度 済 66.5ha(2.2%)
宮崎県 綾町 2022年度 済 63.5ha(2.2%)
宮崎県 高鍋町(木城町と共同) 2022年度 済 31.7ha(1.5%)※2町で1つの値
宮崎県 木城町(高鍋町と共同) 2022年度 済 31.7ha(1.5%)※2町で1つの値
宮崎県 えびの市 2023年度 済 46.0ha(1.3%)
宮崎県 宮崎市 2024年度 済 97.3ha(1.2%)
宮崎県 高千穂町 2025年度 ― 6.7ha(0.4%)
鹿児島県 南さつま市 2022年度 済 記載なし
鹿児島県 湧水町 2022年度 済 85.9ha(5.1%)
鹿児島県 南種子町 2022年度 済 12.2ha(0.6%)
鹿児島県 徳之島町 2022年度 済 記載なし
鹿児島県 姶良市 2024年度 済 26ha(1.7%)
鹿児島県 伊仙町 2026年度 ― 記載なし
沖縄県 中城村 2026年度 ― 記載なし
沖縄県 石垣市 2026年度 ― 記載なし

出典:農林水産省 令和8年度オーガニックビレッジ取組地区一覧(2026年8月31日時点)、取組事例集(令和8年9月)、宣言市町村リンク集(2026年6月29日)。面積は2023年度時点。

有機給食の自治体(九州・沖縄)

都道府県 地図の区分(数・割合) 名前が分かる自治体 主な例(何を・どれくらい)
福岡県 1〜5・1〜15% 篠栗町(1) 学校給食に地元の農産物を出すことを目的にビレッジを推進(有機の面積は0.0ha、2023年度時点)
佐賀県 1〜5・1〜15% 上峰町、みやき町(2) 上峰町:じゃがいも・れんこん(2025年12月8日)。「親環境無償給食100%」を目指すと事例集に記載
長崎県 1〜5・1〜15% 南島原市、雲仙市、五島市(3) 雲仙市:約3,400食分(2024年度、1回。事例集の中には2回・90kgの記載もある)
熊本県 1〜5・1〜15% 菊池市、山都町、南阿蘇村(3) 山都町:毎月19日(食育の日)に全小中学校で有機の米と野菜。菊池市:小中学校15校で1週間、有機米
大分県 6〜10・31%以上 臼杵市、豊後高田市、佐伯市(3) 豊後高田市:使用割合13.7%(2024年度。2022年度は9.2%)。臼杵市:市独自の認証「ほんまもん農産物」の野菜の割合19.3%、有機栽培米9.2%(2024年度。2021年度は野菜11.4%)。佐伯市:有機栽培米約20.5t(約4か月分)・有機野菜約2.5t(2024年度)
宮崎県 6〜10・16〜30% 木城町、えびの市、綾町、高鍋町(4) 綾町:2023年に「綾町オーガニック給食の推進に関する条例」。高鍋町・木城町:有機米9.52t(2024年度。2022年度は1.32t)
鹿児島県 11以上・16〜30% いちき串木野市、南九州市、南種子町、南さつま市、湧水町、徳之島町、姶良市(7) 湧水町:14回(2023年度)→39回(2024年度)。南種子町:毎月8日に有機野菜。南さつま市:毎年12月8日の年1回
沖縄県 0・0% 確かめられなかった 2024年度は0。2026年度に中城村・石垣市がビレッジに

出典:農林水産省「学校給食での有機農産物等の利用」(2024・2025)、「オーガニックビレッジ取組事例集」(令和8年9月)、「有機農業をめぐる事情」令和8年4月版の地図(ウラヨミが読み取り)。地図の区分は2024年度、主な例の年度はそれぞれのかっこ内。

私立・国立の学校は?

国の数え方は市区町村単位ですが、農水省の「有機農業の日」のページには、学校や園が単独で載っている例もあります。

学校・園 中身(農水省のページの記載)
横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校(神奈川県) 2015年から有機の調味料・乾物・野菜を使った給食。2025年12月8日には有機米・有機野菜・有機調味料など10種類
横浜国立大学教育学部附属横浜小学校(神奈川県) 有機農業で作った野菜の給食(2025年12月5日)
学校法人 都築育英学園 リンデンホールスクール(九州・沖縄の欄) 年間を通じて、米と野菜が100%有機農産物の給食。2024年8月に、学校給食として全国で初めて「有機料理を提供する飲食店等の管理方法」の JAS(JAS 0004)を取得
認定こども園いそはら幼稚園(茨城県) 自分の畑で一部を有機栽培し、さつまいもを給食に(2025年11〜12月)

「328」の中身:年5回以下が46%

「有機給食をしている市区町村」の半分近くは、年に数回の実施です。農水省は、328の市区町村に回数・品目・産地も聞いています。

有機給食は年に何回?(2024年度)有機食品を使った市区町村の、年間の利用回数(市区町村の数、かっこ内は有効回答318に占める割合)04080120160年101回以上年101回以上:36市区町村(11%)36(11%)年51〜100回年51〜100回:35市区町村(11%)35(11%)年21〜50回年21〜50回:33市区町村(10%)33(10%)年6〜20回年6〜20回:69市区町村(22%)69(22%)年5回以下年5回以下:145市区町村(46%)145(46%)年21回以上104(約3割)学校ごとに回数が違う市区町村は、いちばん多い学校の回数で数えている。「有機給食をしている市区町村」の半分近くは、年に数回の実施。数えているのは市区町村の数で、有機給食を食べている子どもの数や割合ではない。出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」令和8年4月版 p14(令和6年度)。
学校給食で有機食品を使った市区町村の、年間の利用回数(2024年度、有効回答318)。農林水産省「有機農業をめぐる事情」令和8年4月版 p14。
年間の回数 市区町村 割合(有効回答318)
101回以上 36 11%
51〜100回 35 11%
21〜50回 33 10%
6〜20回 69 22%
5回以下 145 46%

出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」令和8年4月版 p14。

  • いちばん多いのは「年5回以下」で145(46%)です。12月8日の「有機農業の日」に合わせて1日だけ、という自治体もここに入ります
  • 年21回以上(平均でおよそ月2回以上)は104で、約3割です
  • 学校によって回数が違う市区町村は、いちばん多い学校の回数で数えています。市区町村の中の全部の学校が同じ回数とは限りません

何を使っている? どこの産地?

品目(複数回答) 2024年度 2023年度
野菜 233 189
米飯 164 127
調味料・加工食品 32 20
果物 20 18
その他(パン・牛乳・茶・きのこなど) 19 10
豆類 11 12
産地(2024年度、複数回答) 市区町村 328に占める割合
同じ市区町村の中 275 84%
同じ都道府県のほかの市区町村 54 16%
ほかの都道府県 27 9%
輸入品 7 2%

出典:同 p14。

使われているのは野菜と米が中心で、8割以上が地元の産地です。有機給食は、地元の有機農家の作物を学校で使う「地産地消」の取り組みとして進んでいることが分かります。

「自治体の数」と「子どもの割合」は別もの

ここまでの数字は、すべて市区町村の数です。「全国の約19%の市区町村」は、「子どもの給食の19%が有機」という意味ではありません。有機の食材を食べている子どもの数や、給食全体に占める有機の割合を全国で集計した公的な数字は、見つかりませんでした。

「有機給食の自治体」に住めば、毎日有機?

そうとは限りません。328のうち年21回以上は約3割で、毎日に近い回数(年101回以上)は36市区町村、約1割でした。さらに、同じ市区町村の中でも学校によって回数が違うことがあり、国の集計は「いちばん多い学校」の回数で数えています。

有機になるのが米だけの自治体も多くあります。たとえば「米は全量有機米」の自治体でも、野菜やおかずの食材は一般のものが中心、ということがあります。引っ越し先や子どもの学校を考えるときは、品目(米・野菜など)、回数、対象の学校を、市区町村の教育委員会や給食センターの公表で確かめるのが確実です。

「有機給食」の「有機」は有機JASとは限らない

給食の「有機」に含まれる7種類を、縦のはしごの形で番号順に並べた図。1は有機JAS認証の有機農産物で、国の規格に合い登録認証機関の検査を受けたもの。2は有機農業推進法の「有機農業」で作った農産物で、作り方は化学肥料・化学合成農薬を使わないなどだが、法律に認証のしくみがなく認証は受けていない。3は「栽培期間中農薬不使用」の米(兵庫県豊岡市・朝来市)。4は化学合成農薬・化学肥料不使用米(兵庫県稲美町)。5は特別栽培米(岡山県和気町、山形県高畠町)。6は減農薬米(豊岡市「コウノトリ育む農法」)。7は市や町の独自の認証(大分県臼杵市「ほんまもん農産物」、宮崎県綾町の4段階)。下の囲みには、給食の「有機」は有機JASより広い意味で使われていること、農水省の給食ページは1と2の両方を載せ、全国328市区町村の数え方も認証の有無を分けていないこと、何の基準かは自治体の資料で確かめるのが確実なことが書かれている。
図:「有機給食」の「有機」に含まれるもの(農林水産省・文部科学省の資料をもとに作成)(押すと拡大)

同じ「有機給食」でも、基準は自治体によってばらばらです。

有機JASマークの付いた「有機」は、法律で決まった基準を守り、登録認証機関の検査を受けたものだけです(くわしくは オーガニックとは(基準と歴史)の記事)。ところが、給食の「有機」はもっと広い意味で使われています。

「有機給食」で使われているもの 中身 例
有機JAS認証の有機農産物 国の規格に合い、認証を受けたもの ―
有機農業推進法の「有機農業」で作った農産物 化学肥料・化学合成農薬を使わないなどの作り方。認証は受けていない 農水省の給食ページは、有機JASとこちらの両方を数えると明記
「栽培期間中農薬不使用」の米 農薬を使っていない。化学肥料の扱いは別 兵庫県豊岡市・朝来市
化学合成農薬・化学肥料不使用米 認証の有無は書かれていない 兵庫県稲美町(全量を切り替える目標)
特別栽培米 農薬・化学肥料を地域の慣行の5割以下などに減らした米 岡山県和気町(有機肥料だけで作った特別栽培米)、山形県高畠町
減農薬米 農薬を減らした米 兵庫県豊岡市「コウノトリ育む農法」(週5回)
市や町の独自の認証 自治体が決めた基準 大分県臼杵市「ほんまもん農産物」、宮崎県綾町の金・銀・銅の認定

出典:農林水産省「学校給食での有機農産物等の利用」、「オーガニックビレッジ取組事例集」(令和8年9月)、文部科学省の公募説明会資料(2026年4月)。

有機農業推進法(有機農業の推進に関する法律、2006年)は、有機農業を「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」と決めています。作り方の考え方は有機JASと近いものの、この法律には検査や認証のしくみがありません。そのため、この法律の意味での「有機農業」で作った野菜は、有機JASの認証を受けていなければ「有機」「オーガニック」と表示して売ることはできません。

農水省の給食ページには、「有機JAS認証を取得した有機農産物」と「有機農業の推進に関する法律において定義されている有機農業によって栽培された農産物」の両方の取り組みを載せると書かれています。328の数え方も「有機食品の利用」で、認証の有無までは分けていません。

宮崎県綾町は、町が独自に農産物を金・銀・銅・無印の4段階で認定していて、給食ではできるだけ「金」を使うとしています(文部科学省の資料)。

特別栽培と有機JASの違いは オイシックスの記事 でも説明しています。「有機給食」と聞いたら、何の基準の「有機」なのかを、自治体の資料で確かめるのが確実です。

どれくらい有機? いすみ市・亀岡市など「何を・どれくらい」が分かる例

有機の割合は、「米は全部」から「年に1回」まで桁違いです。農水省と文部科学省の資料で、回数・量・割合が分かる例を、多い順に並べました。

自治体 何を どれくらい 年度
千葉県いすみ市 米・野菜 米は100%有機米(週4日)。有機野菜は1割強、主な5品目の重さで37%(6月と12月) 米は2017年10月から全量。野菜は2024年度
島根県吉賀町 米・野菜 米は全量有機米。野菜も有機にする日が年3回 2024年
栃木県塩谷町 米 米飯は全食が有機米。全小中学校・こども園・保育園で年間を通じて(2023年度は米飯96回) 2024年度
京都府亀岡市 米 市立小学校の給食の米の52.4%(2021年度は0%、目標は2027年度に75%) 2024年度
茨城県常陸大宮市 米・野菜・豆腐・豆乳・味噌 171回、全小中学校(2022年度は78回) 2024年度
奈良県宇陀市 ― 114回(給食センター・保育園・こども園の合算。2023年度は15回) 2024年度
群馬県甘楽町 米・野菜 98回 2024年度
千葉県木更津市 米 96日(2019年度は3日) 2024年度
兵庫県豊岡市 米 減農薬米を週5回。「栽培期間中農薬不使用」の米に切り替え中 事例集(2026年)
岡山県和気町 特別栽培米 64回、町内8校園(期間限定。2023年度は50回) 2024年度
秋田県大潟村 ― 57回(2022年度は12回) 2024年度
千葉県神崎町 ― 年40回(2023年度は0回) 2024年度
鹿児島県湧水町 野菜 39回(月2回程度。2023年度は14回) 2024年度
長野県長和町 ― 38回(2024年度は30回) 2025年度
兵庫県朝来市 「栽培期間中農薬不使用」の米 月3回 2024年度
東京都世田谷区 米・野菜 米は年11回、野菜は年3回(区立の全小中学校) 2025年度
大分県臼杵市 野菜・米(市独自の認証) 「ほんまもん農産物」の野菜の割合19.3%、有機栽培米9.2%(2021年度は野菜11.4%) 2024年度
大分県豊後高田市 ― 使用割合13.7%(2022年度は9.2%) 2024年度
大分県佐伯市 米・野菜 有機栽培米約20.5t(約4か月分)、有機野菜約2.5t 2024年度
千葉県佐倉市 米 9,000kg(2025年度)。市内の全34校で平均8日(2024年度) 2024〜2025年度
長野県松川町 野菜・米 8.8t(2020年度は1.8t) 2024年度
兵庫県養父市 ― 2,796.9kg(2022年度は367kg) 2024年度
千葉県成田市 米・野菜 有機米は4校で計10日(初めて)、有機野菜の割合2.3% 2024年度
長崎県雲仙市 野菜 約3,400食分(1回。事例集の中には2回・90kgの記載もある) 2024年度
北海道幕別町 調味料以外の食材すべて 1日の予定(2025年12月9日、町の申告) 2025年度
宮城県加美町・登米市、三重県伊賀市 米 年1回 2024年度
鹿児島県南さつま市 ― 毎年12月8日の年1回 2020年度から

出典:農林水産省「オーガニックビレッジ取組事例集」(令和8年9月)、「学校給食での有機農産物等の利用」(2025)、文部科学省 公募説明会資料(2026年4月)、農林水産省 食育の事例。

回数・量・割合は、自治体ごとに数え方が違います。「96回」と「52.4%」は比べられませんし、「米だけ」なのか「野菜も」なのかでも意味が変わります。表を見るときは、品目・数え方・年度の3つをそろえて読むのがおすすめです。

いすみ市:給食の米をすべて有機米に

千葉県いすみ市は、有機給食の先進例としてよく紹介されます。

年 できごと 出典
2015年 学校給食に有機米の導入を始める 農水省 食育の事例
2017年10月 市立小中学校の給食の米を全量有機米に 同上
2018年〜 給食への導入をきっかけに、有機野菜の産地づくりにも取り組む 取組事例集
2024年度 有機野菜の割合は、主な5品目の重さで37%(6月と12月) 取組事例集
2026年 有機米100%(週4日)、有機野菜は1割強。小学校10・中学校3 文部科学省 公募説明会資料

市の担当者の話(日本政策金融公庫の誌面、2022年1月)では、有機米の収穫は2015年16t(給食の4割)、2016年28t(7割)、2017年50tで、そのうち42tを給食に使いました。

  • 全量化の年と学校数は、資料によって違います。農水省の食育の事例は「2017年10月に市立小・中学校の給食を全量有機米に」、公庫の誌面の担当者インタビューは「2018年から市内の小学校9校と中学校3校の計12校で全量」と書いています。文部科学省の2026年の資料は、今の学校数として「小10・中3」と書いています
  • この記事では、国の資料の「2017年10月」を年として使い、42tは「市の担当者の話」として紹介します

お金は誰が払う? 有機の差額と、2026年4月からの給食費の負担軽減

有機給食のお金の流れを示した図。公立小学校の給食費(児童1人・1か月)を2段の棒で表している。下の段は基準額で、完全給食は月5,200円、年11か月分。国と都道府県が2分の1ずつ負担し、2026年度予算は1,649億円。基準を超えた分は、学校給食法にもとづいて保護者から引き続き集めることができ、保護者か自治体の負担になる。中学校は対象外で、1食あたりの基準額は示されていない。有機にして高くなる差額は、多くの例で自治体が払っている。農水省の交付金は通常の原材料との差額だけが対象で、文部科学省のモデル事業もある。例として、千葉県いすみ市は有機JASの有機米を1俵2万3,000円で買い入れ、給食費を上げずに市の財政で負担している。
図:有機給食のお金は誰が払うか(文部科学省・農林水産省・日本政策金融公庫の資料をもとに作成)(押すと拡大)

有機の食材は一般の食材より高いことが多く、その差額は、多くの例で自治体が払っています。国の支援も「差額」が対象です。

差額:国の交付金は「通常の食材との差額のみ」

支援 中身 出典
農水省の交付金(オーガニックビレッジ) みどりの食料システム戦略推進交付金のうち「有機農業拠点創出・拡大加速化事業」。市町村か、市町村を含む協議会が実施。定額(機械の購入・リースは2分の1以内)で、上限は1年目1,000万円・2年目800万円。消費地と組んで消費を広げる場合は200万円を加算。給食の食材費は「通常の原材料との差額のみ」が対象 農水省「オーガニックビレッジの創出に向けて」(2026年5月時点)
文部科学省のモデル事業 「学校給食への地場産物・有機農産物等使用促進による食の指導充実に関するモデル創出事業」。2026年度予算5,100万円(前年度5,900万円)。2025年度は「…調査研究事業」の名前で行われ、富山県教育委員会などが受託 文部科学省 公募説明会資料(2026年4月)
全国の集計 有機給食の値段の差と、誰が払っているかを全国で集計した公的な資料は見つからなかった ―

いすみ市の例:市が負担し、給食費は上げなかった

  • 農水省の食育の事例は、増えた費用を市が負担していると書いています
  • 市の担当者の話(公庫の誌面、2022年1月)では、市や農協が、有機JASの有機米を1俵(60kg)2万3,000円、無農薬・無化学肥料のコシヒカリを1俵2万円で生産者から買い入れ(慣行の約1.5倍以上)、給食費は上げずに市の財政で負担しています
  • 有機野菜には卸売の価格が無いため、いすみ市は小売価格や流通の経費を調べて市が価格を決め、生産者に翌年度の納品の予定を聞いて予算に入れています(文部科学省の資料)

2026年4月から:公立小学校の「学校給食費の抜本的な負担軽減」

もともと学校給食法は、給食の施設や設備、働く人の費用は学校を置く自治体などが持ち、それ以外の費用(主に食材費)は保護者が負担すると決めています(第11条)。いま保護者が払っている「給食費」は、ほぼ食材費です。

2026年4月から、公立小学校の給食費を国と都道府県が支援するしくみが始まりました。いわゆる「給食無償化」です。文部科学省は、「完全無償」のイメージが、質を上げたい自治体の負担増や、負担を抑えたい自治体の質の低下につながる心配があるとして、「学校給食費の抜本的な負担軽減」と呼んでいます。

項目 中身
対象 公立小学校(義務教育学校の前期課程、特別支援学校の小学部を含む)の児童。所得の制限なし。中学校は対象外
基準額(児童1人・月) 完全給食 5,200円(特別支援学校の小学部6,200円)、補食給食4,800円(5,800円)、ミルク給食1,200円。年11か月分
基準額の根拠 2023年度の全国平均(小学校の完全給食 4,688円)に、物価の動きを加えたもの
負担 「給食費負担軽減交付金」として、国が2分の1、都道府県が2分の1。2026年度予算は1,649億円
基準を超える分 学校給食法にもとづき、引き続き保護者から集めることができる
1食あたり 1食あたりの基準額は示されていない(月額だけ)

出典:文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」、令和8年度予算資料、合意文書(2025年12月)。

有機給食との関係を、制度の事実だけで並べると次のとおりです。

  • 有機の食材を使って食材費が基準額を超えれば、超えた分は保護者の負担か自治体の負担になります
  • 国の予算資料は、「特色ある給食」のために各省の事業も柔軟に使える、と書いています。有機の差額には、上の農水省の交付金(差額のみ)や文部科学省のモデル事業が使えます
  • 制度を決めた合意文書は、基準額を超える分を保護者から集められるようにした理由として、「地産地消や特色のある給食の提供に積極的に取り組む自治体が多いこと」を挙げています。給食の質については「国で一律に方針等を示すのではなく、各自治体の取組を尊重」と書いています

この制度が有機給食を増やすのか減らすのかを示した資料は、まだありません。

オーガニックビレッジとは? 168市区町村・全47都道府県

オーガニックビレッジは、有機農業を「作る」から「食べる(学校給食など)」まで、地域ぐるみで進める市区町村です。2026年8月31日時点で、47都道府県の168市区町村が取り組んでいます。

項目 中身
定義 有機農業の拡大に向けて、ほ場の団地化などの生産から、学校給食での利用などの消費まで一貫した取り組みを、農業者・事業者・地域内外の住民などが参画して地域ぐるみで進める市町村(農水省)
国の目標 2025年までに100市町村、2030年までに200市町村
最新の数 168市区町村・47都道府県(2026年8月31日時点)。2025年度までの154に、2026年度に14市町村が加わった
宣言 交付金で「有機農業実施計画」を作り、まとまったら「オーガニックビレッジ宣言」。交付金を使わずに、実施計画の認定を受けて宣言する道もできた。宣言済みは153市区町村(2026年6月29日時点の一覧)
支援の始まり 2021年度の補正予算から

ビレッジになると何をする?

ビレッジの自治体は、農業者・流通・給食の関係者などと協議会を作り、交付金を使って「有機農業実施計画」を作ります。計画には、有機農業の面積や農業者の数に加えて、給食の目標を書くところが多くあります。たとえば京都府亀岡市は市立小学校の給食の有機米の割合を2027年度に75%、長野県松川町は給食への提供量を2027年度に9.4tにする目標を書いています。

計画がまとまると「オーガニックビレッジ宣言」をして、計画をもとに取り組みを続けます。宣言の一覧(2026年6月29日時点)に載っていない15市区町村は、2026年度に始めた13市町村と、東京都台東区、宮崎県高千穂町です。

何年度に、いくつ増えた?

オーガニックビレッジの数と国の目標取り組みを始めた年度で数えた累計(市区町村)。2026年度は8月31日時点050100150200目標:2025年までに100目標:2030年までに2002022年度より前からの取組:02022年度に始めた:55(累計55)55+552022年度2023年度より前からの取組:552023年度に始めた:38(累計93)93+382023年度2024年度より前からの取組:932024年度に始めた:38(累計131)131+382024年度2025年度より前からの取組:1312025年度に始めた:23(累計154)154+232025年度2026年度より前からの取組:1542026年度に始めた:14(累計168)168+142026年度(8月末)その年度に始めた前の年度までの累計開始年度は取組事例集(令和8年9月)の「R○開始」。大阪府泉大津市・東京都台東区は事例集に無く、年度はウラヨミの推定。2町で1つの取組(美浜町・武豊町など3組)は、農水省の数え方に合わせて2と数えた。出典:農林水産省「オーガニックビレッジ」令和8年度取組地区一覧(8月31日時点)・取組事例集(令和8年9月)。
オーガニックビレッジの数(取り組みを始めた年度の累計)と国の目標。農林水産省の令和8年度取組地区一覧(8月31日時点)と取組事例集(令和8年9月)からウラヨミ集計。
開始年度 新しく始めた 累計
2022年度 55 55
2023年度 38 93
2024年度 38 131
2025年度 23 154
2026年度(8月31日まで) 14 168

出典:農林水産省 取組事例集(令和8年9月)の各ページの「R○開始」と、令和8年度取組地区一覧からウラヨミが数えました。大阪府泉大津市と東京都台東区は事例集に載っておらず、年度はウラヨミの推定です。

  • 目標の「2025年までに100」は、2024年度中に超えました
  • 「2030年までに200」まで、あと32です。2025年度は23、2026年度は8月末までで14でした
  • 2026年度に加わった14は、北海道清水町、茨城県水戸市・那珂市・茨城町、埼玉県幸手市、長野県信濃町、新潟県村上市、福井県小浜市、三重県多気町、滋賀県高島市、高知県香南市、鹿児島県伊仙町、沖縄県中城村・石垣市です。沖縄県が加わり、全47都道府県がそろいました
  • 「美浜町・武豊町」(愛知県)、「上峰町・みやき町」(佐賀県)、「高鍋町・木城町」(宮崎県)は、2町で1つの取り組みですが、農水省の都道府県別の数では2と数えています。168はこの数え方です

世界のオーガニック事情の記事 では「46道府県の154市区町村」と書きましたが、これは2026年4月の資料(2025年12月時点)の数です。

どの県に多い?

都道府県 ビレッジ/市区町村の数 割合
滋賀県 5/19 26.3%
島根県 5/19 26.3%
兵庫県 10/41 24.4%
宮崎県 6/26 23.1%
静岡県 8/35 22.9%
山形県 7/35 20.0%
栃木県 5/25 20.0%
新潟県 6/30 20.0%
(少ない県)東京都 1/62 1.6%
(少ない県)福岡県・和歌山県 2/60・1/30 3.3%
(少ない県)北海道 6/179 3.4%
全国 168/1,741 9.6%

ウラヨミの計算。市区町村の数は東京23区を含む全国1,741。

数がいちばん多いのは兵庫県の10で、長野県・静岡県が8で続きます。

有機の面積は「耕地の1%前後」がふつう

ビレッジだからといって、町の畑の多くが有機というわけではありません。事例集で有機の面積が分かる136市町村(2023年度時点)を集計しました。

項目 値
合計 5,888ha
中央値 29.9ha
耕地に占める割合が高い 高知県馬路村 83.9%(52.0ha、ゆず)、三重県尾鷲市 10.2%、埼玉県小川町 9.4%、島根県江津市 8.8%、静岡県川根本町 8.7%(茶)、福井県越前市 7.7%、神奈川県小田原市 6.6%、兵庫県豊岡市 6.4%
面積が大きい 兵庫県豊岡市 313.0ha、秋田県大潟村 297.7ha、福井県越前市 276.0ha、熊本県菊池市 203.2ha、兵庫県丹波市 191.9ha
0.0haの町 長野県辰野町・飯綱町、福岡県篠栗町

ウラヨミが農林水産省「オーガニックビレッジ取組事例集」(令和8年9月)から集計。事例集は「令和6年度に実施した調査(令和5年度の値)に基づく」としています。

日本全体の有機の割合は0.9%前後で(くわしくは 世界のオーガニック事情の記事)、ビレッジでも同じくらいのところが多いことが分かります。0.0haのところは、これから有機農業を始める地域です。

給食はビレッジの「定番メニュー」

事例集の149事例(市町村)のうち、取り組みの印に「学校給食」が付いているのは127(85%)、本文に給食が出てくるのは138(93%)でした(ウラヨミ集計)。ただし、事例集では、基準の年度の値が「0回」「0t」のところが多く、給食の取り組みがまだ始まったばかりの自治体も多く含まれます。

東京都台東区と大阪府泉大津市は、作物を作る産地の自治体と組む「消費地」側のビレッジです。台東区は、姉妹都市の宮城県大崎市から有機農業の米を受け取り、2025年12月に区の全中学校の給食で出しました。

世界の有機給食:目標と実績

海外では、国や市が給食の有機の割合に目標を決めているところがあります。ただ、目標どおりに進んでいるところは多くありません。日本の制度と並べるため、目標と実績を分けました。

公共の給食の有機の割合:目標と実績食材の購入に占める有機の割合(%)。対象は学校だけでなく公共の食堂全体目標実績(最新)0%25%50%75%100%フランスフランス 目標:20%(公共の集団給食の有機(2022年1月が期限))目標 20%フランス 実績:11.8%(2024年の購入)実績 11.8%(2024年の購入)スウェーデンスウェーデン 目標:60%(公共部門の有機(2030年の目標))目標 60%スウェーデン 実績:37%(2022年・金額)実績 37%(2022年・金額)コペンハーゲン市コペンハーゲン市 目標:90%(市の施設の食事の有機)目標 90%コペンハーゲン市 実績:88%(2024年)実績 88%(2024年)フランス:EGalim 法の「持続可能・高品質50%、うち有機20%」の有機の部分。実績は ma cantine に申告した食堂の集計。スウェーデン:前政権の方向目標。2019年の39%から毎年約1ポイント下がった(Ekomatcentrum、民間の調査)。日本:給食の有機の割合の国の目標は無い(国の目標はオーガニックビレッジを2030年までに200)。出典:仏農業・食料主権省(2025年11月)、Ekomatcentrum 市場報告2023、コペンハーゲン市の回答文書(2026年6月)。
公共の給食・食事に占める有機の割合の目標と最新の実績。仏農業・食料主権省(2025年11月)、Ekomatcentrum 市場報告2023、コペンハーゲン市の回答文書(2026年6月)。
国・地域 目標・制度 実績(最新) 注意
フランス EGalim 法(2018年):公共の集団給食で「持続可能・高品質」50%、うち有機20%。期限は2022年1月1日 2024年の購入で有機11.8%、持続可能・高品質29.5% ma cantine に申告した食堂の集計。2025年に申告したのは全国の食堂の40%
デンマーク(コペンハーゲン市) 市の施設の食事で有機90%以上 2018年85% → 2024年88% 市の施設全体の数字
スウェーデン 公共部門で2030年に有機60%(前政権の方向目標) 2022年37%(金額。重さでは41%)。2019年の39%から毎年約1ポイント減 民間の調査。学校だけの数字ではない
イタリア 2017年に「有機学校給食基金」。「有機給食」と名乗る最低の割合を省令で決めた 実績は確かめられなかった 原典は未確認
韓国(ソウル) 2011年に「親環境無償給食」を始め、2021年に高校まで全面実施。費用は市30%・区20%・教育庁50% 今の割合の公的な数字は確かめられなかった 「親環境」は有機と無農薬を含む。推奨の割合は2013年に小学校70%・中学校60%から50%以上に下がった(報道)
ブラジル 国が配る学校給食の予算の30%以上を家族農業から直接買う(2009年の法律)。2026年1月から45%以上に ― 有機・アグロエコロジーは FNDE(給食を運営する国の基金)の決議で「優先」とされるが、有機の割合の義務ではない
米国(カリフォルニア州) 国・州とも有機の割合の目標は確かめられなかった 州の学校給食の担当430か所の調査で、有機食品を使うのは34% 査読論文(2025年)
日本 給食の有機の割合の国の目標は無い(国の目標はビレッジ200) 有機給食の市区町村は328(2024年度)、うち月2回以上は約3割 市区町村の数で、食材の割合ではない

出典:仏農業・食料主権省 プレスリリース(2025年11月26日)、コペンハーゲン市 経済部の回答文書(2026年6月29日)、Ekomatcentrum「Marknadsrapport 2023」、ブラジル法 11.947号・15.226号・FNDE 決議 06/2020、Légifrance(EGalim 法)、Zuercher ほか 2025、ソウル市・韓国の報道(newsis 2021年、京郷新聞 2013年)。

  • 割合の目標を持つ国でも、学校だけの数字は少ないです。フランス・スウェーデン・コペンハーゲン市の数字は、病院・高齢者施設などを含む公共の食堂全体のものです
  • フランスの学校部門の有機の割合を「17%」とする報道もありますが、公的な資料では確かめられませんでした
  • 「世界ではオーガニック給食が当たり前」とは言えません。目標を決めて計っている国・都市がある、というのが正確です

フランス:法律で目標を決めたが、届いていない

フランスは2018年の EGalim 法(2018年10月30日の法律。農村・海洋漁業法典 L230-5-1 条)で、学校・病院などの公共の集団給食に、「持続可能・高品質」の食材を50%、そのうち有機を20%使うよう求めました。期限は2022年1月1日でした。

フランス農業・食料主権省が2025年11月に出した集計では、2024年の購入に占める有機は11.8%、持続可能・高品質は29.5%でした。食堂が専用のサイト「ma cantine」に申告した数字をまとめたもので、3年続けて申告した食堂に限ると、有機は15%超、持続可能・高品質は32%超でした。期限から2年たっても、目標の半分ほどです。

北欧:コペンハーゲン市は90%近く、スウェーデンは下がった

デンマークのコペンハーゲン市は、市の施設の食事で有機90%以上を目標にしています。市の2026年6月の回答文書では、有機の割合は2018年の85%から2024年の88%になりました。

スウェーデンは、前の政権が「2030年に公共部門で有機60%」という方向の目標を出しました。民間の Ekomatcentrum の集計では、公共部門の有機の割合は2019年の39%から毎年約1ポイント下がり、2022年は37%でした。市ごとでは差が大きく、いちばん高いエレブルー市は70%でした。

韓国・ブラジル:「有機」の義務ではない

韓国ソウルの「親環境無償給食」は、名前のとおり給食の無償化と親環境の食材を組み合わせた制度です。「親環境農産物」は有機に加えて無農薬の農産物も含み、報道によると、推奨の割合は2013年に小学校70%・中学校60%から「50%以上」に下がりました。今の割合を示す公的な数字は確かめられませんでした。

ブラジルの全国学校給食プログラム(PNAE)は、国が配る給食の予算の30%以上を家族農業から直接買うよう法律で決めていて、2026年1月から45%以上に引き上げました。有機やアグロエコロジー(生態系を生かした農業)は、給食を運営する国の基金(FNDE)の2020年の決議で、食材を買うときに「できるだけ優先する」とされていますが、有機の割合の義務ではありません。

佐賀県上峰町は、事例集で「親環境無償給食100%」を目指すと書いています。韓国の制度と同じ言葉ですが、町の基準の中身は事例集では確かめられませんでした。

有機給食で子どもの体は変わる?

給食を有機にした試験で、尿の中の農薬の代謝物は減りました。ただ、病気が減ったことを示した研究は見つかりませんでした。

キプロスの小学校の試験(ORGANIKO)

学校単位で有機の食事を出した、くじ引き(無作為化)の試験です。

項目 中身
研究の種類 クラスター無作為化クロスオーバー試験(学校ごとに、有機の期間と普段の期間を入れ替える)
人数・期間 キプロスの小学校6校、11〜12歳、解析したのは149人。有機の食事40日 vs 普段の食事40日
食事 有機の期間は、1つのレストランが給食だけでなく全部の食事を用意
結果 有機の期間に、尿の中のピレスロイド系殺虫剤の代謝物が約7割低かった(幾何平均の比 0.297)。ネオニコチノイドが見つかる確率も低かった(オッズ比 0.651)。酸化ストレスの指標(8-OHdG)も少し低かった(0.888)
著者の注意 有機の期間に体格の指標(BMI)も下がったが、食べたカロリーが減ったことや生活の変化と区別できず、体への利益の因果は言えないと著者自身が書いている。ネオニコチノイドの72%は検出できる量より少なかった
資金 EU の LIFE+ 事業。利益相反の申告はなし

出典:Makris KC ほか, PLoS One 2019(PMID 31483785)。

同じ149人のデータを使った追加の解析では、炎症の指標(CRP)は計算のしかたで有意になったりならなかったりし(2024年)、鉛は時間とともに下がり、カドミウムは同じ傾向だったものの有意ではありませんでした(2023年)。

ほかの研究

研究 中身 注意
Nimako ほか 2022(日本) 大人と子ども103人。有機の食事を5日・30日とった群で、尿のネオニコチノイドの検出率と濃度が低かった。推定の摂取量は参照用量の1%未満(子どものクロチアニジンは1.32%) 給食ではない。共著者に福島県の有機農業の団体の関係者。割り付けがくじ引きかは抄録から分からない
デンマークの学校の調査(2012年・2014年) 有機の給食をしている学校で、「健康的な食の環境」の指標が多かった ある時点の調査(横断研究)で、原因と結果は言えない

家庭の食事を有機にした米国の試験などは オーガニックと健康の記事 で紹介しています。

「子どもの健康が良くなった」という話の出どころ

  • 有機給食で子どもの病気(アトピー・発達など)が減ったことを示した介入研究・コホート研究は、見つかりませんでした(PubMed で関連の論文を調べた範囲で)
  • 「有機給食で子どもが健康になった」という話は、首長や担当者の発言・体験談が出どころでした。たとえば、いすみ市の担当者は「食べ残しが減った」と話していますが、数字の裏付けは公表されていません。よく引かれる「残食が10%減った」も、一次資料は見つかりませんでした

言えるのは、有機の食事にすると、尿の中の一部の農薬の代謝物が減るというところまでです。それが子どもの病気を減らすかどうかは、まだ分かっていません。

尿の代謝物は「最近どれくらい体に入ったか」の目印で、それ自体が病気の目印ではありません。日本の食品の残留農薬は、一生毎日とり続けても健康への影響が出ないとされる量(ADI、一日摂取許容量)をもとに基準が決められていて、ふだんの食事からとっている量がその何%にあたるかは オーガニックと健康の記事 で計算しています。「尿の農薬が減る」と「病気が減る」のあいだには、まだ確かめられていない段差がある、と考えるのが今の研究に合った読み方です。

有機給食の意味を健康だけで測る必要もありません。国や自治体の資料では、有機給食は、地域の有機農家の販路づくり、子どもが農業や環境を学ぶ食育、地産地消と結びつけて書かれています。事例集や「有機農業の日」のページでも、生産者による出前授業や、生産者と一緒に食べる交流給食が多く書かれていました。

家でも子どもの食事を有機にしたいとき

給食が年に数回でも、家の食事で有機の食材を選ぶことはできます。キプロスの試験も、給食だけでなく全部の食事を有機にした試験でした。

選ぶときに見る表示は、次の3つです。

表示 意味
有機JASマーク 国の規格に合い、認証を受けた有機
「農薬:栽培期間中不使用」 特別栽培のガイドラインの表示。農薬を使っていない。有機の認証とは別
会社独自の基準 宅配の会社ごとに決めた基準。中身は会社ごとに違う

有機JASや「農薬:栽培期間中不使用」の野菜を、家まで届けてくれる宅配や産直があります。基準は会社ごとに違うので、公式ページの表記を確かめて選びます。どこから有機に替えるかや、費用は オーガニックと健康の記事、おためしセットの比較は 食材宅配の比較記事 にまとめています。

有機給食の課題は?

国の資料が挙げる課題は、「量」「値段」「規格」の3つが中心です。

課題 中身 出典
量 地域の中で必要な量を確保するのが難しい。生産の状況の確認や、関係者の話し合いが要る 文部科学省 公募説明会資料
値段 一般に流通している食材と比べて、コストに課題 同上
規格 大きさがそろわない・形が変わっているものは、給食の納入の規格に合わない。加工してから納めてもらうか、調理場に道具が要る 同上
米以外が少ない 「自校調理の小学校にしか納品できない」「1か月単位で振り替えできる生産量が必要だが、米以外は生産量が少ない」 農水省「有機農業の地域づくりのヒント」
配送 生産者の負担。運ぶのを業者に任せて一本化した例がある 同上
衛生 「虫や動物の糞が付いていないか」という心配に対し、「慣行と同じようによく洗い、衛生管理を徹底」 同上 Q&A
調理の現場 作業の効率のため大きいサイズ(2L)がほしい、休みの期間は要らない、という調理側と、全サイズ・通年で出したい生産者の違い 農水省の意見交換会に出された流通業者の資料
作る人が少ない 事例集では、給食の有機が「0回」「0t」から始まるところが多い。有機の面積が0.0haの町もある 取組事例集

アレルギーへの対応に影響があるかを扱った公的な資料は、見つかりませんでした。

各地はどう工夫している?

事例集や文部科学省の資料には、課題への対応も書かれています。

  • 値段を自治体が決める:千葉県いすみ市は、有機野菜には卸売の価格が無いため、小売価格や流通の経費を調べて市が価格を決め、生産者に翌年度の納品の予定を聞いて予算に入れています
  • 関係者で話し合い続ける:埼玉県所沢市は、給食に使う農産物の形、納め方、量の割り当て、使う時期、取りまとめについて関係者で協議を続け、共同出荷で全市立小中学校の有機給食を年2回実施しました(2024年度)
  • 調理場の負担を減らす:島根県邑南町は、給食センターの負担ができるだけ少ない形で入れる工夫をしながら、有機米を年12回出しました(2024年度)
  • 供給量と価格を先に調整する:静岡県伊豆の国市(年3回)、三重県尾鷲市(年3回)、愛媛県今治市(年4回)、三重県伊賀市(年1回)などは、供給量や価格を関係者と調整して実施したと書いています
  • 規格と価格を会議で決める:大分県佐伯市は、学校給食に有機農産物を納めるため、規格や主な4品目の価格について学校給食会議を年2回開いています

多くの例は、米か、数品目の野菜から始めています。農水省の「有機農業の地域づくりのヒント」も、まずは数回でも試しに給食に入れて課題をつかむこと(12月8日の「有機農業の日」の前後に行うなど)、生産者と給食の関係者が直接話し合う場を作ること、有機栽培でも規格をあまり気にしなくてよい品目(米など)から入れることを勧めています。

うちの市でもオーガニック給食を始めるには

自分の住む市区町村で有機給食について知りたいときは、まず市区町村の担当窓口と、国の制度を確かめます。ここでは公的な窓口と制度の事実だけをまとめます。

知りたいこと 窓口・制度
今どれくらい有機を使っているか 市区町村の教育委員会・学校給食センター(献立や食材の公表)。この記事の都道府県別の表も参考に
有機農業を地域でどう広げるか 市区町村の農業の担当課。オーガニックビレッジの実施主体は市町村、または市町村を含む協議会
国の支援 農水省の交付金(有機農業拠点創出・拡大加速化事業。給食の食材は差額のみが対象)、文部科学省のモデル事業(公募)
交付金を使わない道 有機農業の実施計画の認定を受けて、オーガニックビレッジを宣言する道がある
取り組みの例・ヒント 農水省「オーガニックビレッジ取組事例集」「有機農業の地域づくりのヒント」
毎年のきっかけ 12月8日の「有機農業の日」。農水省は前後の期間に、学校給食で有機を出すことを全国の自治体に呼びかけ、取り組みをページで紹介している。学校や園が単独で載っている例もある

文部科学省のモデル事業は、教育委員会などが受託し、地場産物や有機農産物を給食に使いながら、食についての指導をどう進めるかを試すものです。2025年度の同じ趣旨の調査研究事業では、富山県教育委員会が県立特別支援学校4校で有機米の給食に取り組み、2026年7月に報告書が公表されました。報告書は、県内の有機農産物は収穫量が少なく、安定して給食に納めるのは難しいため、小規模の学校から続けて使うことを目指したと書いています。

全国の催しとしては、「オーガニック学校給食フォーラム」があります。第5回は2026年2月26日にオンラインで開かれ、「第3回オーガニック学校給食優良事例表彰(ジャパンオーガニック給食カップ)」も行われました(主催はオーガニック学校給食フォーラム実行委員会。報道発表による)。

有機給食の考え方や全国の事例を、1冊にまとめた本も出ています。いずれも農山漁村文化協会(農文協)の本で、1冊は全国の事例とよくある質問、もう1冊はフランスなど世界の動きと日本の課題を扱っています。

この記事で紹介したもの(まとめ)

記事の中で紹介したものを、もう一度まとめました。理由や原材料は、それぞれの節に書いています。

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まとめ

気になること 分かったこと
オーガニック給食をしている自治体はどこ? 2024年度に328市区町村(全国の約19%)。名前の一覧は非公表。名前と中身が分かる146市区町村を都道府県別に整理した
多い都道府県は? 地図の区分では、長野・愛知・茨城・兵庫が数と割合の両方で上位。2024年度に0だったのは沖縄
毎日有機なの? 328の46%は年5回以下。月2回以上は約3割。1校・年1回でも数える
「有機」は有機JAS? とは限らない。認証のない有機栽培、栽培期間中農薬不使用、特別栽培、自治体の独自認証も含まれる
どれくらい有機? いすみ市は米100%、亀岡市は市立小学校の米の52.4%。年1回の自治体もある
お金は誰が? 差額は自治体の負担が多い。国の交付金も差額のみ。2026年4月からの負担軽減は月5,200円が基準で、超えた分は保護者から集めてよい
オーガニックビレッジは? 47都道府県の168市区町村(2026年8月31日)。宣言済み153。目標200まであと32
海外は? フランスは有機20%の目標に対し11.8%(2024年)、コペンハーゲン市は88%。日本は給食の有機率の目標が無い
子どもの体は変わる? 尿の中の一部の農薬の代謝物は減った。病気が減った研究は見つからない

参考にした資料

有機給食の数・事例

オーガニックビレッジ

給食費の負担軽減

海外

研究

  • Makris KC, et al. PLoS One 2019, e0219420(PMID 31483785。ORGANIKO 試験)
  • ORGANIKO の追加解析:PMID 38493848(2024年、CRP)、PMID 36367505(2023年、鉛・カドミウム)、PMID 34991267(2022年、メタボローム)
  • Nimako C, et al. Environ Int 2022(PMID 35289289)
  • He C, et al. 2012、He C, Mikkelsen BE. 2014(デンマークの学校の有機給食の調査)

関連する読みもの・データベース

この記事は、公的機関の資料と研究をもとに表示のルールや評価を整理したもので、特定の食品や添加物の安全性・危険性を判定するものではありません。制度や海外の規制は変わることがあります(確認日 2026.10.08)。