マイクロプラスチック データベース魚介・海藻確認日 2026.10.01
二枚貝(カキ・ムール貝・あさり)のマイクロプラスチック
二枚貝は海水をこして餌をとり、内臓ごと食べるため、海のマイクロプラスチックをとる経路の一つとされてきました。一方で、750本を超える論文を見直した2023年の総説は、1個体あたりの数は世界的に10個未満と少なく、多くの研究に方法の欠陥があると指摘しています。
研究で見つかった量
| 研究 | 調べたもの | 数えた範囲・測り方 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Van Cauwenberghe・Janssen(2014年) | 養殖のムール貝・マガキ(ベルギーなど) | —(要旨で確認) | 食べる時点でムール貝 1gあたり0.36個、カキ 0.47個(湿重量)。貝をよく食べる欧州の人で年最大11,000個と推計 |
| Yamamoto ら(2021年) | 岡山市の鮮魚店で買った あさり・はまぐり・しじみ・カキ | —(要旨で確認) | 4種あわせて、1個あたり約3個 |
| Catarino ら(2018年) | スコットランドの野生ムール貝 | 目視・Nile Red 染色・FTIR | 1gあたり3.0個。目視だけでの繊維の判定は正しいのが48〜50%で、目視だけだと約2倍に数えすぎる |
| Danopoulos ら(2020年) | 50研究のレビュー、19研究のメタ分析 | 研究ごとに異なる | 軟体動物 1gあたり0〜10.5個。海産物から年最大約55,000個。26%の研究は「バイアスのリスクが高い」 |
数えた粒の大きさの下限や、個数か重さかで結果は桁が変わります。研究どうしの数字はそのまま比べられません(→ 測り方で数字が変わる)。
知っておきたいこと
- Shumway ら(2023年)は750本超の論文を検討し、実験研究84本の方法を0〜2点で採点した平均は0.9点。「多くの論文は欠陥が多すぎる」とし、二枚貝のマイクロプラスチックは世界的に1個体あたり10個未満と極めて少ないとまとめています(米国海洋大気庁の海洋ごみプログラムなどの資金)。
- 欧州食品安全機関(EFSA、2016年)は、最も汚染された報告の値でムール貝1皿(225g)を食べても、マイクロプラスチックは約7μgで、含まれる化学物質の上乗せはわずか(ビスフェノールAで2%未満)と試算しています。
- 食事中に室内のほこりから皿に落ちる繊維のほうが、ムール貝から入る量よりずっと多いという研究があります(→ 食事中のほこり)。
日本のデータ
岡山市の鮮魚店の貝を調べた研究(2021年)があります。分光で材質まで同定し、1gあたりで出した日本の二枚貝の研究は見つかりませんでした。
見つかったプラスチックの種類
関連する解説
出典
- Van Cauwenberghe L, Janssen CR. Environ Pollut 2014;193:65-70(PMID 25005888)
- Yamamoto K ほか. Acta Med Okayama 2021;75(3):381-384(PMID 34176943)
- Catarino AI ほか. Environ Pollut 2018;237:675-684(PMID 29604577)
- Danopoulos E ほか. Environ Health Perspect 2020;128:126002(PMID 33355482)
- Shumway SE ほか. Rev Fish Sci Aquac 2023
- EFSA CONTAM Panel. EFSA J 2016;14(6):4501
最終確認日 2026.10.01(Gemini Notebook に論文・公的資料を集めて照合)。「要旨で確認」は論文の要旨に書かれていることだけを載せています。
WHO・FAO・EFSA などの公的機関は、今のところ特定の食品を控えるような個人向けの食事制限は勧めていません。このページは研究と公的機関の資料に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。