マイクロプラスチック データベースプラスチックの種類確認日 2026.10.01
ポリエチレン
Polyethylene / PE(HDPE・LDPE) / 樹脂識別コード 2(高密度)・4(低密度)
袋・ラップ・キャップ。人の体の研究で最も多く報告されるが、測り方に強い批判。
主な用途
- ポリ袋・食品の袋
- ポリエチレン製のラップ
- ペットボトルのキャップ(高密度ポリエチレン)
- 紙コップの内側の塗膜
食品・水・人の体で見つかった例
- 首の動脈のプラーク:手術を受けた257人中150人(58.4%)から、平均プラーク1mgあたり21.7μg(Marfella ら 2024年、NEJM)
- 脳:2024年の解剖の脳で、プラスチックの平均75%がポリエチレン(Nihart ら 2025年)
- 胎盤:重さの54%(Garcia ら 2024年)
- 東京湾のカタクチイワシの消化管:粒の52.0%(Tanaka・Takada 2016年)
- キャップの開け閉めで、キャップ表面の粒子が増えた(Winkler ら 2019年)
- 注意:体の組織を熱分解して測る方法(Py-GC/MS)は、脂肪とポリエチレンを区別しにくく、「生体試料のポリエチレンの測定には現時点で適さない」とする研究があります(Rauert ら 2025年)。上の人体の値はこの方法によるものです
食品ごとのくわしい数字:魚、ペットボトルのキャップ・包装の開封、紙コップ・コーヒー、米、まな板、電子レンジ加熱・テイクアウト容器
原料・添加剤の評価
- ポリエチレン自体は IARC(国際がん研究機関)でグループ3(発がん性を分類できない)
IARC の分類は「発がん性があるか」の根拠の強さで、ふだんの量でのリスクの大きさではありません。
日本の規格(食品に触れる器具・容器包装)
- 告示370号(ポリエチレン・ポリプロピレン):蒸発残留物30μg/mL 以下(油脂などの食品用はヘプタンで150μg/mL)、過マンガン酸カリウム消費量10μg/mL 以下
- ポジティブリストの材質区分2(炭化水素系)
合成樹脂の一般規格(すべてに共通):材質中のカドミウム・鉛 各100μg/g 以下、溶出する重金属(鉛として)1μg/mL 以下など。食品に触れる合成樹脂には、2020年6月から使ってよい物質を決めた「ポジティブリスト制度」が適用されています(経過措置は2025年5月31日で終了)。→ 規制と制度
日本の生産量
| 品目 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|
| ポリエチレン計 | 2,043,604 t | 1,937,747 t | 1,990,893 t |
日本プラスチック工業連盟の集計(経済産業省 生産動態統計にもとづく)。国内で作られた量で、国内で使われた量ではありません。
出典
- Marfella R ほか. N Engl J Med 2024;390:900-910(PMID 38446676)
- Nihart AJ ほか. Nat Med 2025;31:1114-1119(PMID 39901044)
- Garcia MA ほか. Toxicol Sci 2024;199(1):81-88(PMID 38366932)
- Rauert C ほか. Environ Sci Technol 2025;59(4):1984-1994(PMID 39851066)
- Winkler A ほか. Water Res 2019;166:115082(PMID 31542550)
- 消費者庁 器具・容器包装の規格基準(告示370号 第3)
- IARC List of Classifications
- 日本プラスチック工業連盟 統計
最終確認日 2026.10.01。
このページは、法令・公的機関の評価・論文に書かれている事実を並べたもので、特定の素材や製品の良し悪しを判定するものではありません。