English
食品の重金属データベースそのほか確認日 2026.10.03

ターメリック・シナモンなどのスパイスの鉛

スパイスの鉛について、日本の公的な調査値と食品衛生法の基準は見つかりませんでした。EU には基準があります(シナモンなどの樹皮 2.0、ターメリックなどの根・根茎 1.50 mg/kg)。Codex は2024年から乾燥スパイスの鉛の最大基準値を順次採択していますが、数値はここでは載せていません。海外では、黄色い顔料(クロム酸鉛)の混入で鉛が高くなった事例が研究・報告されています。

日本の公的調査などで測った値

金属形態・状態平均範囲・最大検体数調査

日本の公的な調査値が見つからなかったため、測定値の表は載せていません。海外の事例は、下の「知っておきたいこと」に出典つきで書きました(日本で売られているスパイスの値ではありません)。

基準値(日本・国際・EU)

定めた機関基準値補足
日本(食品衛生法)鉛の基準なしスパイスの鉛の基準は日本に見当たりません(本調査で確認できた範囲)
Codex(国際基準)Codex は2024年から乾燥スパイスの鉛の最大基準値を順次採択(数値はここでは載せていません)—
EU(規則 2023/915)乾燥スパイス:種子 0.90、果実 0.60、樹皮(シナモンなど)2.0、根・根茎(ターメリックなど)1.50、つぼみ(クローブ)・めしべ(サフラン)1.0/生の生姜・ターメリック 0.80 mg/kg—
米国(FDA)本調査では確認できず未確認

知っておきたいこと

  • 日本で売られているスパイスの鉛の公的な調査値、日本の輸入検査でのターメリックの鉛の公表データは、今回の調査では見つかりませんでした。Google の検索候補には「シナモン 鉛 日本」「ターメリック 鉛 日本」が出ます(検索量ではなく、よく打たれる続きの候補です)。
  • 鉛が高くなる原因の一つに、鮮やかな黄色を出すための顔料「クロム酸鉛」の混入があります。バングラデシュの調査(Forsyth ら、2019年。聞き取り152人・524試料)では、主要9産地のうち7産地で混入の証拠があり、ターメリック粉の鉛は最大1,152 μg/g(主要9産地では690)、顔料は重量の2〜10%が鉛でした。
  • 南アジア4か国23都市のターメリック356点(根180・粉176、2020年12月〜2021年3月)では、14%(51点)が2 μg/g を超え、パトナ(インド)・カラチ・ペシャワール(パキスタン)では1,000 μg/g を超えました(Forsyth ら、2024年)。鉛とクロムがほぼ1:1で、鉛18 μg/g 以上の試料は混入が疑われます。
  • 対策で改善した例もあります。バングラデシュでは、報道・啓発・食品安全庁の取り締まりと迅速な鉛検出機器の導入(2017〜2021年)で、市場のターメリックで鉛が検出された割合が47%(2019年)から0%(2021年)に下がりました(n=631。Forsyth ら、2023年)。
  • 米国ニューヨーク市の保健局が2008〜2017年に調べた41か国のスパイス1,496点では、50%超で鉛が検出され、30%超が2 ppm を超えました(記述的な調査)。購入国別に高かったのはジョージア・バングラデシュ・パキスタン・ネパール・モロッコです(Hore ら、2019年)。
  • 米国では2023〜24年に、シナモン入りのりんごピューレで鉛中毒が報告されました。CDC は44州などから566例(血中鉛3.5 μg/dL 以上、55%が2歳未満)を確認しています。FDA が分析したりんごピューレ(WanaBana)の検体は鉛 2.18 ppm(検索要約で確認)で、鉛の供給源はシナモン、のちにクロムも検出されクロム酸鉛の混入が示唆されています。
  • これらは海外の事例です。日本の食事全体の鉛は大きく減っており(1978年約100→2024年約4 μg/日)、スパイスの寄与を日本の公的資料で示した値は見つかっていません。

関連する解説

金属ごとのページ

出典

最終確認日 2026.10.03(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。

重金属は自然の土や海にもともとある物質で、どの食品にも少しずつ含まれます。このページは、公的機関の調査・基準・評価と論文に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。妊娠中の方の魚の食べ方など、国の注意事項があるものはそれに従ってください。

同じ「そのほか」

← 食品の重金属データベースへ