マイクロプラスチック データベース調味料・甘味確認日 2026.10.01
食塩(海塩・岩塩・湖塩)のマイクロプラスチック
塩のマイクロプラスチックは、海水から作る海塩で多い傾向が報告されています。ただ、数えた粒の大きさの下限や、「個数」で数えるか「重さ」で測るかで順位が入れ替わることがあり、研究どうしの差は約100倍あります。
研究で見つかった量
| 研究 | 調べたもの | 数えた範囲・測り方 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Kim ら(2018年) | 21か国39銘柄 | — | 見つからなかったのは3銘柄。海塩で多く、岩塩で少ない傾向。日本の塩は検出された側 |
| Kwon ら(2025年) | 海塩・岩塩・湖塩 | Py-GC/MS(重さ) | 1kgあたり 海塩584.5μg、岩塩34.2μg、湖塩6.2μg。岩塩では包装由来とみられるポリスチレン |
| Özçifçi ら(2023年) | トルコの36検体 | FTIR(個数) | 1kgあたり 岩塩44個、湖塩38個、海塩28個(個数では岩塩が多い) |
| Thiele ら(2023年) | 欧州13銘柄 | 0.005mm まで | 全銘柄から1kgあたり74〜1155個 |
| Ruan ら(2024年) | 6産地の海塩(瀬戸内海を含む) | SERS・SRS(ナノプラスチック) | 0.2〜1μm のナノプラスチックを検出。ポリエチレン・ポリプロピレンが多い |
数えた粒の大きさの下限や、個数か重さかで結果は桁が変わります。研究どうしの数字はそのまま比べられません(→ 測り方で数字が変わる)。
知っておきたいこと
- 食塩の150件の報告値を集めた韓国の研究(Lee ら 2021年)では、1kgあたり0〜39,800個と大きくばらつき、同定の方法で10〜600倍違いました(目視>FTIR>ラマンの順に多い)。数えた粒の大きさの下限と結果の多さに相関がありました。
- Kwon 2025 の共著者には、測定装置(Py-GC/MS)のメーカーの研究者が入っています(利益相反は「なし」と申告)。
- 塩の選び方・ゲランドの塩・フルール・ド・セル・メーカーが公表している検査結果は、解説「塩の選び方」にまとめています。
日本のデータ
日本の塩は Kim 2018・Karami 2017 の国際調査に含まれ、瀬戸内海の海塩が Ruan 2024 に含まれます(日本の個別の値は補足資料で未確認)。日本の塩だけを対象にした研究は見つかりませんでした。
見つかったプラスチックの種類
関連する解説
出典
- Kim JS ほか. Environ Sci Technol 2018;52(21):12819-12828(PMID 30285421)
- Kwon ほか. Food Chem 2025;467:142193(PMID 39626558)
- Özçifçi ほか. Food Chem Toxicol 2023;175:113698(PMID 36889431)
- Thiele CJ ほか. Ecotoxicol Environ Saf 2023(PMID 36934543)
- Lee HJ ほか. J Hazard Mater 2021;402:123743(食塩の研究の見直し)(PMID 33254769)
- Ruan X ほか. Environ Sci Technol 2024;58:9091(PMID 38709279)
最終確認日 2026.10.01(Gemini Notebook に論文・公的資料を集めて照合)。「要旨で確認」は論文の要旨に書かれていることだけを載せています。
WHO・FAO・EFSA などの公的機関は、今のところ特定の食品を控えるような個人向けの食事制限は勧めていません。このページは研究と公的機関の資料に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。