栃木県の水道水の PFAS
栃木県の水道で、2020〜2025年度(2025年度は8月末まで)の PFOS と PFOA の合算の最大は、下野市水道事業の 66 ng/L(2024年度)です。2025年度も 63 で、県内で暫定目標値(50 ng/L)を超えたのは下野市だけです。2024年11月の国の公表時には下野市の 2024年度の値は 13 で、その後の検査で上がりました。
事業者ごとの値(PFOS+PFOA の合算、ng/L)
| 事業者 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度* | 測った場所 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 宇都宮市水道事業上水道・宇都宮市 | — | 12 | 8 | 7 | nd | nd | 浄水場出口水・原水 |
| 足利市水道事業上水道・足利市 | 8 | 9 | 8 | 6 | 6 | 14 | 給水栓水・原水 |
| 日光市水道事業上水道・日光市 | — | nd | nd | nd | nd | nd | 原水のみ |
| 鹿沼市水道事業上水道・鹿沼市 | — | 12 | 12 | nd | 7 | 9 | 給水栓水のみ |
| 佐野市水道事業上水道・佐野市 | — | 13 | 7 | 9 | 8 | 8 | 原水のみ |
| 那須烏山市水道事業上水道・那須烏山市 | nd | nd | nd | nd | nd | — | 給水栓水のみ |
| 小山市水道事業上水道・小山市 | — | 13 | nd | nd | 6 | nd | 浄水場出口水・原水 |
| 真岡市水道事業上水道・真岡市 | nd | 48 | 10 | 15 | 21 | 26 | 原水のみ |
| 矢板市水道事業上水道・矢板市 | nd | — | — | nd | nd | nd | 給水栓水のみ |
| 茂木町水道事業上水道・茂木町 | — | nd | nd | nd | 6 | nd | 給水栓水のみ |
| 大田原市水道事業上水道・大田原市 | — | nd | nd | 5 | nd | — | 給水栓水・浄水場出口水 |
| 壬生町水道事業上水道・壬生町 | nd | 15 | 8 | 7 | 7 | nd | 浄水場出口水のみ |
| 那須町水道事業上水道・那須町 | nd | nd | nd | nd | nd | nd | 原水のみ |
| 上三川町水道事業上水道・上三川町 | — | 21 | 14 | 15 | 10 | 15 | 給水栓水のみ |
| 下野市水道事業上水道・下野市 | — | — | 9 | 35 | 66 | 63 | 浄水場出口水のみ |
| 那珂川町水道事業上水道・那珂川町 | — | — | 11 | 12 | 8 | 11 | 給水栓水・原水 |
| 野木町水道事業上水道・野木町 | 5 | 9 | 5 | 9 | 12 | 9 | 給水栓水・浄水場出口水・原水 |
| 芳賀中部上水道企業団上水道 | — | 9 | 8 | 7 | 6 | nd | 浄水場出口水のみ |
| 那須ハイランド水道事業上水道 | — | — | — | — | nd | nd | 給水栓水のみ |
| 那須塩原市水道事業上水道・那須塩原市 | — | nd | nd | nd | nd | nd | 給水栓水のみ |
| 塩谷町水道事業上水道・塩谷町 | — | — | — | — | nd | 16 | 原水のみ |
| 栃木市水道事業上水道・栃木市 | 7 | 23 | 14 | 15 | 16 | 15 | 浄水場出口水のみ |
| さくら市水道事業上水道・さくら市 | — | 7 | 6 | nd | nd | nd | 給水栓水のみ |
| 高根沢町水道事業上水道・高根沢町 | — | — | — | — | 7 | — | — |
| 北那須水道用水供給事業用水供給・那須町受水する市町村など:那須塩原市、大田原市 | — | nd | nd | nd | nd | nd | 給水栓水・浄水場出口水・原水 |
| 鬼怒水道用水供給事業用水供給受水する市町村など:宇都宮市、真岡市、高根沢町、芳賀中部上水道企業団(益子町・芳賀町) | — | nd | nd | nd | nd | nd | 給水栓水・浄水場出口水・原水 |
| ヒルタウンさつき野簡易水道事業簡易水道 | — | — | — | — | 23 | — | — |
| 二社一寺簡易水道事業簡易水道 | — | — | — | — | — | nd | — |
| 平和郷簡易水道簡易水道 | — | — | — | — | — | 実施予定 | — |
| 平和台簡易水道簡易水道 | — | — | — | — | — | 実施予定 | — |
国(国交省・環境省)が公表した、各事業者の年度ごとの最大値です。1つの事業者に複数の水源・浄水場があると、給水区域の中でも系統によって値は違います。測った場所は原則として給水栓(蛇口)ですが、原水(浄水場で処理する前の水)だけを測った事業者もあり、原水の値は水道水の基準の対象ではありません。nd は検出・定量できる下限より低いこと。—は値の報告がないこと。*2025年度は2025年8月末まで。
50超 50 ng/L を超えた年度(測った場所に原水を含む事業者では、原水の値のこともあります) 原水 50 ng/L を超えたが、原水だけで測った事業者
知っておきたいこと
- 下野市は、2025年2月に石橋第2配水場(配水区域は上古山・下古山の一部)の水道水で暫定目標値を超える値を確認し、臨時給水所を置くなどの対策をとりました(栃木県の公表)。国の表の 2025年度の値(63)は 8月末までのものです。
- 国の 2025年12月の公表では、2020年度〜2025年8月末に暫定目標値を超えた全国の 19 事業のうち 18 事業は対策済みで、残る 1 事業は「応急的な対応が実施されており、今年度中に対策が実施される予定」とされていますが、どの事業者かは書かれていません。
- 下野市のほかに 25 ng/L を超えたのは真岡市で、48(2021年度)、26(2025年度)でした。真岡市は原水(浄水場で処理する前の水)だけで測っています。
- 栃木市は 7〜23(浄水場出口)、上三川町は 10〜21(給水栓)、宇都宮市は nd〜12 でした。用水供給の北那須・鬼怒は、測った年度(2021〜2025年度)がすべて nd です。
- 県は、市町・企業局の PFOS・PFOA の検査結果のページへのリンク一覧を出しています。自分の市町の最新の値はそちらで確かめられます。→ 自分の地域の水道水の PFAS はどう調べる?
- 専用水道(自家用の水道)は 318 の設置者のうち 141 で検査され、4 件で超過が確認されています(国設は 0、2025年8月末まで)。
年表
| 2022年度 | 国の表で、下野市の年度最大値が初めて載る(9 ng/L)。2023年度は 35。 |
| 2024年11・12月 | 宇都宮市が、市内の井戸で地下水の指針値の超過を公表。県と下野市が周辺の地下水調査を始める。 |
| 2025年1月29日 | 県と下野市の地下水調査(第1回)で、下野市下古山地内の井戸の指針値超過を公表。 |
| 2025年2月 | 下野市が石橋第2配水場の水道水で暫定目標値を超える値を確認。臨時給水所の設置などの対策。 |
| 2025年3月 | 第2回の地下水調査で 10 井戸のうち 1 井戸が 59 ng/L。県は第3回の調査を予定。 |
| 2025年12月 | 国の表で、下野市の年度最大値は 2024年度 66・2025年度 63(8月末まで)。 |
| 2026年4月 | PFOS と PFOA の合算 50 ng/L が水質基準に。水道事業者は原則おおむね3か月に1回以上の検査が必要に。 |
川・地下水(環境)の測定
水道水とは別の、川や地下水そのものの測定です。飲み水に使われているとは限りません。
- 宇都宮市は 2024年11月・12月に、市内の井戸で PFOS・PFOA が地下水の指針値(50 ng/L)を超えたと公表しました。これを受けて県と下野市が下野市内の地下水を調べています(栃木県)。
- 県と下野市の地下水調査では、2025年1月に下古山地内の井戸で指針値の超過を確認し、第2回の調査では上古山・下古山の 10 井戸のうち 1 井戸で 59 ng/L でした。井戸の利用者には検査の実施などを知らせています。
- 2025年2月28日には、陸上自衛隊宇都宮駐屯地から、駐屯地内の 1 井戸で 112 ng/L が検出されたとの情報提供があったと県が公表しています。原因について県の資料は触れていません。
- これらは井戸水(地下水)の測定で、水道の基準とは別の「指針値」との比較です。→ 川や地下水で高い値=水道水も高い?
自分の量に置きかえる
- 水からとる量
- — ng/kg/日
- 日本の耐容一日摂取量(PFOS・PFOA 各 20 ng/kg 体重/日)に対して
- —
- EFSA の耐容週間摂取量(4物質合計 4.4 ng/kg 体重/週=1日あたり約 0.63)に対して
- —
- 食品37品目からとる量(農水省の調査の推計 PFOS 0.13+PFOA 0.09=0.22 ng/kg 体重/日。37品目は食べる量で全体の約5割)との比
- —
合算の値をそのまま1つの物質として計算しています(実際は PFOS と PFOA に分かれるので、日本の TDI に対する割合はこれより小さくなります)。EFSA の値は PFOA・PFNA・PFHxS・PFOS の4物質の合計に対するもので、水道の値には PFNA・PFHxS は入っていません。物差しによって同じ量の読み方が変わることを示すための計算で、健康への影響を判定するものではありません。
関連する解説
出典
- 栃木県「下野市下古山地内の地下水における PFOS 及び PFOA の暫定指針値超過(第2報)」(2025年3月6日更新)
- 栃木県「水道におけるPFOS及びPFOAの水質検査結果について」(市町等のリンク一覧)
- 環境省・国土交通省「水道における PFOS 及び PFOA に関するフォローアップ調査の結果について」(2025年12月25日)
- 同 調査結果一覧(更新)Excel(令和2〜7年度の年度最大値)
- 環境省・国土交通省 調査結果一覧 Excel(2024年11月29日公表)
- 同 フォローアップ調査 別添(専用水道の都道府県別の状況)
- 環境省 水質基準に関する省令の一部改正等の施行について(環水大管発第2506301号、2025年6月30日)
最終確認日 2026.10.04(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。事業者ごとの値は国の表のとおりで、ウラヨミが並べ替え・集計しました。