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水道水の PFAS データベース解説確認日 2026.10.04

川や地下水で PFAS の高い値=水道水も高い? 指針値と水道の基準の違い

川や地下水の PFOS・PFOA の「指針値」と、水道の「水質基準」は、どちらも 50 ng/L ですが別のものです。2024年度は26都府県629地点で指針値を超えましたが、その多くは飲み水ではありません。摂津市の例も含めて、環境の値と水道の値の読み分け方をまとめます。

結論

川・地下水の指針値(PFOS+PFOA 50 ng/L)は、監視を強めるための目安で、守る義務のある基準ではありません。水道の水質基準は、蛇口の水に対する義務の基準(2026年4月から)です。

2024年度の測定では、3,941地点のうち26都府県 629地点(地下水 496)で指針値を超えました。ただし、汚染が疑われる場所の周りを重点的に測った地点を多く含むので、「日本の井戸の○%が超えている」とは読めません。

川や地下水が高くても、水道は水源を選び、浄水場で処理して給水しています。環境の値と蛇口の値は別に見る必要があります。家庭の井戸水を飲んでいる場合は、自治体の公表と検査の案内を確かめてください。

指針値と水質基準:同じ 50 でも別のもの

川・地下水の指針値水道の水質基準
対象公共用水域(川・湖・海)と地下水(井戸水を含む)水道で給水される水(原則は給水栓)
法律水質汚濁防止法の要監視項目水道法の水質基準
値PFOS+PFOA 50 ng/LPFOS+PFOA 50 ng/L
拘束力なし。監視を強めるための目安(環境基準ではない)あり。検査と遵守の義務
時期2020年5月に指針値(暫定)、2025年6月30日に「暫定」を外した2020年度から暫定目標値、2026年4月1日から水質基準
  • 原水(浄水場で処理する前の水)は、水道の基準の対象ではありません。原水で 50 を超えても、それだけで「水道水が基準を超えた」ことにはなりません。

2024年度の測定:629地点で指針値を超えた

区分測定地点指針値を超えた地点
河川1,469132
湖沼371
海域1150
地下水2,320496
合計3,941(47都道府県)629(26都府県)
  • 超えた629地点の内訳は、過去に超えて続けて測っている地点 282、周りの範囲を調べる地点 217、新たに超えたのが分かった地点 130 です。
  • 2023年度は39都道府県・2,078地点を測り、22都府県・242地点で超えていました。測る地点が増えたので、超えた地点の数も増えています。数の増加を、そのまま汚染が広がった証拠とは読めません。
  • 測定地点には、汚染が疑われる場所の周りの調査が多く含まれます。超えた割合を「日本の井戸の○%」とは書けません。
  • 超えた井戸は、飲まないよう自治体が所有者に指導・助言します(環境省「PFOS 及び PFOA に関する対応の手引き」)。

川が高くても、蛇口は別:水源と浄水場の出口の差

地域水源・原水浄水・給水栓
沖縄県企業局 北谷浄水場比謝川 令和7年度の最大 143(大工廻川は 266。水源ではない)浄水の年度最大 令和7年度 13、令和8年度(4〜8月)6
東京都 小川浄水所(2020年7月)原水 280 → 対応後 100給水栓 64 → 対応後 9
兵庫県明石市 明石川浄水場・鳥羽浄水場原水(明石川の河川水と地下水の混合)で 50 超浄水は超過なし
  • 水道は、濃度の低い水源を増やす、高い井戸を止める、活性炭で処理する、といった方法で給水する水の値を下げています。
  • 逆に、浄水場の入口と出口でほとんど変わらない例もあります。大阪広域水道企業団の村野浄水場は、2026年5月に入口(原水)12、出口 12・13 ng/L でした(どちらも 50 を大きく下回る値)。蛇口の値は、事業者の公表で確かめるのが確実です。調べ方の解説を見てください。
  • 浄水器・ウォーターサーバーの販売サイトが、川や地下水の値を「危険地域」「ワースト順位」として出していることがあります。環境の値は水道水の値ではありません。

大阪府摂津市の地下水

  • 環境省の2019年度の全国調査で、摂津市の地下水は PFOS 43.6+PFOA 1,812.0=1,855.6 ng/L(2020年1月採水)で、その調査の最大値でした。
  • 大阪府は、ダイキン工業淀川製作所の周辺として地下水と水路を測り続けています。2025年7月の調査では、水路 110〜9,000、地下水 120〜35,000 ng/L で、8地点すべてが指針値を超えました。府の継続地点の PFOA は、2007年11月の 26,000 から長期的には下がり、2019年度以降は横ばいです。
  • 大阪府の資料は「摂津市内の地下水は飲用利用がないこと、水道原水は水道の暫定目標値を下回っていることが同市により確認されている」と書いています。国の表で、摂津市の水道は令和2〜7年度に 11〜15 ng/L(浄水場出口・原水)です。
  • 府の資料には、同社の対策(地下水のくみ上げと処理、2023年11月に着手した遮水壁の工事など)と、府から同社への要請が載っています。
  • 公的機関による住民の血液検査は、見当たりませんでした。

家庭の井戸水を飲んでいる場合

  • 家庭の井戸は水道ではないので、国の水道の表には載りません。2025年6月に「飲用井戸等衛生対策要領」が改正され、PFOS・PFOA の検査が加わりました。
  • 近くで指針値を超えた地点があると、自治体が周りの井戸の利用者に知らせたり、検査を案内したりします(栃木県下野市の例など)。自治体の公表と、検査の案内を確かめてください。
  • 家で減らす方法としての浄水器の性能は浄水器のページで比べています。

出典

最終確認日 2026.10.04(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。事業者ごとの値は国の表のとおりで、ウラヨミが並べ替え・集計しました。

このページは、国・自治体などの公的機関が公表した測定値と、基準・評価・論文に書かれている事実を並べたものです。水道水の良し悪しや健康への影響を判定するものではありません。最新の値と対応は、お住まいの地域の水道事業者に確かめてください。

ほかの解説

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