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水道水の PFAS データベース解説確認日 2026.10.04

水道水を沸騰させれば PFAS は減る? 公的機関と研究の見解

米ニュージャージー州は「沸騰では取れない」と説明しています。研究でも、沸騰で PFOS・PFOA が減ったのは1割強で、大きく減ったのは揮発しやすい一部の PFAS と活性炭ろ過でした。日本の公的機関が沸騰の効果を明示した資料は見つかりませんでした。分かっていることと、分かっていないことを分けて並べます。

結論

米ニュージャージー州保健局は「PFAS は沸騰では水から除かれない」と説明しています。米国の毒性物質疾病登録庁(ATSDR)は「ほとんどの PFAS は揮発しない」としていて、水だけが蒸発すれば、理屈の上では少し濃くなります。

一方、英バーミンガム大などの研究(2024年)は、PFAS を加えた実験室の水で試し、沸騰だけでは PFOS・PFOA など5種の減少は 11〜14% にとどまり、揮発しやすい FOSA は 61%、ほかの4種は 86% 超減ったと報告しました。活性炭のポット型浄水器では10種とも 81〜96% 減りました。要旨の「50〜90% 減」は、10種を合わせたばく露の見積もりで、沸騰で約50%、活性炭で90%超という意味です。

日本の環境省・食品安全委員会・水道局の Q&A に、沸騰の効果を明示したものは見つかりませんでした。PFOS・PFOA を減らす方法として性能が試験されているのは、活性炭や逆浸透膜(RO)の浄水器です。

公的機関の説明:「沸騰では取れない」

機関説明
米ニュージャージー州保健局これらの PFAS は沸騰では水から除かれない。シャワー・入浴・洗濯・食器洗いからのばく露は重要ではない
日本(環境省・食品安全委員会・東京・神戸・さいたまの水道局)沸騰の効果を明示した資料は見つからなかった
  • 米国の毒性物質疾病登録庁(ATSDR)は「ほとんどの PFAS は揮発しない」と書いています。水だけが蒸発して PFAS が残れば、理屈の上では濃くなります。

研究の報告:沸騰で大きく減るのは一部の PFAS

  • Gao ほか 2024(英バーミンガム大・中国南方科技大など、ACS ES&T Water)は、英国と中国の水道水と、15か国産のボトル水の10種の PFAS を調べました。10種合計は英国の水道水 2.7 ng/L、中国 9.2 ng/L でした。
  • この研究で沸騰だけの減少は、PFOA・PFNA・PFOS・PFBS・PFHxS が 11〜14%、FOSA が 61%、EtFOSA など4種が 86% 超でした。活性炭(ポット型)は10種とも 81〜96%、活性炭の後に沸騰すると 81〜99.6% でした。試験に使ったのは水道水ではなく、超純水に各 5 ng/L を加えた水です。
  • 要旨の「沸騰や活性炭ろ過で 50〜90% 減らせる」は、10種を合わせたばく露の見積もりで、沸騰で約50%、活性炭で90%超という意味です。PFOS・PFOA が沸騰で半分になるという意味ではありません。

「理屈の上では少し濃くなる」という説明と「1割ほど減った」という実験があり、ウラヨミは「沸騰すれば安心」とも「沸騰すると危ないほど濃くなる」とも書きません。

沸騰の目的と、PFAS は別に考える

  • 水道水を沸騰させる理由の多くは、細菌の対策や、残留塩素・トリハロメタンの対策です。PFOS・PFOA は性質が違う物質で、同じようには考えられません。
  • 水道水の値の多くは nd(測れる下限より低い)か、数 ng/L です。まず自分の地域の値を見て、基準の 50 や TDI と比べるのが先です。

減らしたいなら:性能が試験されている方法

  • 米 EPA は、粒状活性炭は PFOA・PFOS のような長い鎖の PFAS によく効き、PFBS・PFBA のような短い鎖にはあまり効かない、と説明しています。逆浸透膜(RO)は短い鎖を含め、多くの PFAS を通常 90% 以上取り除きます。
  • 日本の浄水器の PFOS・PFOA の表示は、浄水器協会の自主規格(JWPAS B.210)によるもので、法律で決まった表示項目ではありません。試験は 50 ng/L の水で、除去率が 80% に下がるまでの水量を「総ろ過水量」として表示します。
  • 製品ごとの総ろ過水量と方式の違いは浄水器のページで比べています。

出典

最終確認日 2026.10.04(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。事業者ごとの値は国の表のとおりで、ウラヨミが並べ替え・集計しました。

このページは、国・自治体などの公的機関が公表した測定値と、基準・評価・論文に書かれている事実を並べたものです。水道水の良し悪しや健康への影響を判定するものではありません。最新の値と対応は、お住まいの地域の水道事業者に確かめてください。

ほかの解説

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