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食品の重金属データベース乳幼児の食品確認日 2026.10.03

ベビーフード(乳幼児用食品)の鉛・ヒ素・カドミウム

農水省の調査(2023年度、国内で製造・販売された乳幼児用食品180点)で、鉛は151点が定量限界未満でした。ヒ素とカドミウムは、乾麺・シリアル・粉末スープなどの「ドライタイプ」で高めに出ました。農水省は「リスク管理措置の必要性は低い」としていますが、この調査は規格の適否を判断するものではありません。

日本の公的調査などで測った値

金属形態・状態平均範囲・最大検体数調査
鉛総鉛・ドライタイプ(乾麺・シリアル・粉末スープ・ふりかけ・フリーズドライなど)0.005〜0.010最大0.05430点(25点が定量限界未満)農水省 2023年度
鉛総鉛・ウェットタイプ(レトルト・瓶詰・弁当・冷凍食品など)0.000〜0.006最大0.00959点(57点が定量限界未満)農水省 2023年度
鉛総鉛・乳幼児用菓子類0.005〜0.008最大0.04431点(19点が定量限界未満)農水省 2023年度
ヒ素無機ヒ素・ドライタイプ0.043〜0.047最大0.8030点(18点が定量限界未満)農水省 2023年度
ヒ素無機ヒ素・ウェットタイプ0.006〜0.013最大0.1759点(56点が定量限界未満)農水省 2023年度
ヒ素無機ヒ素・乳幼児用菓子類0.022〜0.027最大0.09531点(19点が定量限界未満)農水省 2023年度
ヒ素総ヒ素・ドライタイプ0.65(中央値0.021)最大8.630点(14点が定量限界未満)農水省 2023年度
ヒ素総ヒ素・ウェットタイプ0.043〜0.047(中央値0.021)最大0.4459点(22点が定量限界未満)農水省 2023年度
カドミウム総カドミウム・ドライタイプ0.051〜0.052(中央値0.031)最大0.4030点(6点が定量限界未満)農水省 2023年度
カドミウム総カドミウム・ウェットタイプ0.003〜0.008最大0.04859点(45点が定量限界未満)農水省 2023年度
カドミウム総カドミウム・乳幼児用菓子類0.029〜0.031(中央値0.018)最大0.1131点(6点が定量限界未満)農水省 2023年度

単位は mg/kg(=ppm)。平均は「定量限界未満を0とした値〜定量限界とした値」の範囲です(農水省の書き方)。定量限界は固体・液体で違います。この調査は食品衛生法の規格基準への適否を判断するものではなく、分析法も法定法と異なります。どの製品が最大値だったか(ひじき入りかなど)は公表資料では分かりません。総水銀はほぼ全点が定量限界未満で、ドライタイプの最大が0.012でした。

食べる量の目安(国の注意事項)

  • 英国 FSA:5歳未満の子に、母乳・粉ミルク・牛乳の代わりにライスミルクを与えないよう助言(2018年公開)

基準値(日本・国際・EU)

定めた機関基準値補足
日本(食品衛生法)ベビーフードの鉛・ヒ素・カドミウムの基準なし農水省の調査結果は、規格基準の適否の判断には使えません
Codex(国際基準)鉛 ベビーフード・乳幼児用穀類加工品 0.02—
EU(規則 2023/915)鉛 0.020/無機ヒ素 ベビーフード 0.020・乳幼児用の米 0.10/カドミウム 乳児用食品 0.040日本の調査値とは、分析法・食品の区分・調査の目的が違うため直接比べられません
米国(FDA)鉛のアクションレベル:果実・野菜・混合食品・ヨーグルト等 10 ppb、単一原料の根菜 20 ppb、ドライの乳児用シリアル 20 ppb(2025年1月)/乳児用ライスシリアルの無機ヒ素 100 μg/kg(2020年)法的拘束力のないガイダンス。2歳未満向けの包装加工食品が対象で、調製乳・飲料・ジュースは含みません

知っておきたいこと

  • 農水省は、乳幼児用食品を食べる機会は一生のうち一時期に限られ、含まれる鉛などの濃度も十分低いとして、「リスク管理措置を講じる必要性は低い」と判断しました。一方で、鉛などはできる限り低くすることが重要だとして、製造事業者への情報提供を続けるとしています。
  • 食品の種類で差があります。ヒ素とカドミウムは、ドライタイプ(乾麺・シリアル・粉末スープ・ふりかけなど)で高めで、総ヒ素の最大は8.6、無機ヒ素の最大は0.80、カドミウムの最大は0.40 mg/kg でした。ウェットタイプ(レトルト・瓶詰)は、最大でも鉛0.009・無機ヒ素0.17・カドミウム0.048でした。
  • 米国の鉛のアクションレベル(10〜20 ppb)に日本の値を並べると、ウェットタイプの最大0.009 mg/kg は9 ppb、ドライタイプの最大0.054 mg/kg は54 ppb です。ただし食品の区分も調査の目的も違うので、「基準を満たす・超える」とは言えません。
  • 鉛には耐容摂取量がありません。JECFA は2010年に旧耐容量を撤回し、日本の食品安全委員会も2021年に「有害影響のない血中鉛濃度を導けない」として設定しませんでした。トータルダイエット(2024年)の幼児(1〜6歳)の鉛は平均0.18 μg/kg/日(95パーセンタイル0.35)で、EFSA が発達神経毒性に使った参照点(0.50)の下です。EFSA は「参照点と摂取量の比(MOE)が1でもほとんどリスクはない」という趣旨の評価をしていると、同報告書は書いています。
  • 米を原料にした離乳食の無機ヒ素は、日本の公的な調査では米原料だけの値が示されていません。EU には乳幼児用の米0.10の上限があります。米のヒ素の話は玄米・白米のヒ素とカドミウムへ。
  • 調べたのは、国内の事業者が国内で製造し、乳幼児用とうたう食品です。輸入品や、一般の食品を離乳食に使った場合の値は、この調査の対象外です。

関連する解説

金属ごとのページ

出典

最終確認日 2026.10.03(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。

重金属は自然の土や海にもともとある物質で、どの食品にも少しずつ含まれます。このページは、公的機関の調査・基準・評価と論文に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。妊娠中の方の魚の食べ方など、国の注意事項があるものはそれに従ってください。

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