食品の重金属データベース米・穀物・豆確認日 2026.10.03
小麦のカドミウム・ヒ素・鉛
国産小麦のカドミウムは、農水省の調査(平成24〜26年産、1,800点)で平均0.05・最大0.50 mg/kg でした。農産物から摂るカドミウムの約17%が小麦と推計されています(米は約46%)。総ヒ素と鉛は、ほとんどが定量限界未満でした。
日本の公的調査などで測った値
| 金属 | 形態・状態 | 平均 | 範囲・最大 | 検体数 | 調査 |
|---|---|---|---|---|---|
| カドミウム | 総カドミウム・小麦粒(国産) | 0.05(中央値0.03) | 最大0.50 | 1,800点 | 農水省 平成24〜26年産 |
| ヒ素 | 総ヒ素・小麦(国産) | 0.009 | 最大0.04 | 363点(86%が定量限界未満) | 農水省 2003〜05年度 |
| 鉛 | 総鉛・玄麦(収穫後の麦粒) | 0.00〜0.02 | 最大0.05 | 300点(238点が定量限界未満) | 農水省 2003〜05年度 |
| 鉛 | 総鉛・小麦粉 | 0.00〜0.01 | 最大0.01 | 220点(219点が定量限界未満) | 農水省 2018〜19年度 |
単位は mg/kg(=ppm)。「0.00〜0.02」のような範囲は、定量限界未満の試料を0とした平均〜定量限界の値とした平均です。ヒ素は総ヒ素で、無機ヒ素の日本の公的な調査値は見つかりませんでした。
基準値(日本・国際・EU)
| 定めた機関 | 基準値 | 補足 |
|---|---|---|
| 日本(食品衛生法) | カドミウム・ヒ素・鉛とも基準なし | カドミウムの基準は米とミネラルウォーター類だけ。消費者庁は「米以外は基準をつくっても低減効果が小さい」として、生産段階の対策と実態調査で対応するとしています |
| Codex(国際基準) | カドミウム 小麦 0.2/鉛 穀類 0.2 | カドミウムの穀類(米・小麦以外)は 0.1 |
| EU(規則 2023/915) | カドミウム 穀類 0.10(大麦・ライ麦 0.050、デュラム小麦 0.18、小麦胚芽 0.20)/鉛 穀類 0.20 | — |
知っておきたいこと
- 国産小麦のカドミウムは、平均0.05・中央値0.03・95%値0.12・最大0.50 mg/kg です。Codex の基準0.2を超えたのは1.3%と農水省は書いています。日本に基準はないので、他国の物差しに当てた参考です。
- 農水省の推計(2016年)では、農産物から摂るカドミウムの約46%が米、17%が小麦、11%が大豆で、この3品とばれいしょ・ほうれんそう・たまねぎ・にんじんの7品目で約9割です。
- 小麦の総ヒ素は平均0.009 mg/kg で、86%が定量限界(0.01)未満でした。米や海藻より桁が低い値です。
- 鉛も、玄麦は300点中238点、小麦粉は220点中219点が定量限界未満でした。
- 調べたのは国産の小麦です。輸入小麦の重金属の公的な調査値、製粉・加工での変化を示した日本の公的な試験値は、見つかりませんでした。
- 小麦と健康の話(がんとの関係など)は、小麦粉の記事で論文と国のデータをまとめています。ここでの数字は重金属だけの話です。
関連する解説
金属ごとのページ
出典
- 農水省「国産農産物のカドミウム実態調査(平成21〜26年度)」
- 農水省 カドミウム実態調査データ(別添・農産物 表3.3)
- 農水省「食品に含まれるヒ素の実態調査」
- 農水省「農産物に含まれる鉛の実態調査」
- 消費者庁「食品中のカドミウムに関する Q&A」
- 農水省「食品中のカドミウムの国際基準」(Codex)
- EU 規則 2023/915(食品中の汚染物質の最大基準値)
最終確認日 2026.10.03(公的機関の資料・論文の原典で確認し、Gemini Notebook に集めて照合)。
重金属は自然の土や海にもともとある物質で、どの食品にも少しずつ含まれます。このページは、公的機関の調査・基準・評価と論文に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。妊娠中の方の魚の食べ方など、国の注意事項があるものはそれに従ってください。