マイクロプラスチック データベース解説確認日 2026.10.01

水道水・ペットボトルの水・浄水器とマイクロプラスチック

浄水場でどれくらい除かれるか、ペットボトルの水の研究と批判、浄水器の認証

結論

浄水場の凝集・沈殿・ろ過で、マイクロプラスチックの大部分は除かれます(実験で約99.9%、ジュネーブの浄水場で97%)。WHO は飲み水について「明白な健康上の懸念を示すデータはない」としています。

日本の水道の水質基準には、マイクロプラスチックの項目はありません。日本の水道水を国が測った調査も見つかりませんでした。

水道水

  • 浄水場で除かれる割合:北海道大学の実験で、凝集・沈殿・急速ろ過により2.9 log(約99.9%)除去。粘土の粒と同じ程度でした(Nakazawa ら 2021年)。ジュネーブの浄水場では、原水1m³あたり25.7〜55.6個が浄水で0〜4個(97%、0.063mm 以上)。
  • 小さい粒ほど除きにくい:凝集・沈殿だけでは2%未満〜13.6%、ろ過で86.9〜99.9%。砂ろ過で0.02mm 超は完全に止まったが、0.01mm は約16%が通り抜けた(2020・2021年の研究)。WHO は、濁りを下げるよう最適化した通常の処理で1μm 未満も除けるとしています。
  • 浄水場を出たあと:東京理科大の研究(5か国42検体、平均1Lあたり39個)は、0.05mm を超える PVC の破片が水道管などから入った可能性を挙げています(→ 水道水)。
  • 日本の基準:水質基準52項目・水質管理目標設定項目26項目に、マイクロプラスチックはありません(環境省の一覧)。
  • 海外:カリフォルニア州は飲み水のマイクロプラスチックを定義し(2020年)、浄水の検査を2026年秋から始める計画です。EU は測定方法を決めました(2024年)。米国 EPA は2026年に「検証された分析法がない」として全国の監視対象に入れませんでした(→ 規制と制度)。

ペットボトルの水

  • 「1Lに約24万個、約9割がナノプラスチック」(Qian ら 2024年、PNAS)には、空試験のとり方への批判と、著者の反論があります。
  • 容器による順位は研究で入れ替わり、ガラス瓶のほうが多かった研究もあります(→ ペットボトルの水・ガラス瓶の飲み物)。

家庭用の浄水器

  • 注ぐタイプの比較(Cherian ら 2023年):膜(MF)を含む機種で PVC 78〜86%・PET 94〜100% が除かれ、0.2μm の膜の機種が最もよく除きました。活性炭とイオン交換だけの機種では、出てきた水の粒子が入れた水より多いことがありました。
  • 米国の認証 NSF/ANSI 401:2021年に「マイクロプラスチックの低減」の項目ができました。0.5〜1μm の粒子を85%以上減らすことが条件です。ただし試験に使う粒子は鉱物の試験用ダストで、プラスチックそのものではありません(NSF の担当者の解説)。認証を受けた製品は NSF のリストで確かめられます。
  • 日本の規格:家庭用浄水器の JIS(S 3201)と、家庭用品品質表示法で表示できる除去対象物質に、マイクロプラスチックはありません。国内メーカーがマイクロプラスチックの除去率を公表している例は見つかりませんでした。

水道水を沸かすと?

中国の研究(Yu ら 2024年)では、硬水(炭酸カルシウムで1Lあたり120mg 超)を沸かすと、できる炭酸カルシウムの結晶に0.0001〜0.15mm のポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンが取り込まれ、80%以上が除かれました。日本の水道の水質管理目標は硬度10〜100mg/L で、カルシウムの少ない軟水で同じだけ減るかは、この研究では示されていません。

出典

最終確認日 2026.10.01(Gemini Notebook に一次資料を集めて照合)。研究や制度は変わることがあります。

このページは、公的機関の資料・法令・査読論文に書かれている事実を並べたものです。マイクロプラスチックの測り方は研究ごとに違い、数字をそのまま比べられないことがあります。WHO・FAO・EFSA などの公的機関は、今のところ特定の食品を控えるような個人向けの食事制限は勧めていません。

ほかの解説

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