マイクロプラスチック データベース水・飲み物確認日 2026.10.01

水道水のマイクロプラスチック

水道水の調査は、数えた粒の大きさと同定の方法でばらつきが大きく、43研究をまとめた2025年の分析は「研究どうしの比較は信頼できない」としています。浄水場の凝集・沈殿・ろ過では、実験で99.9%前後が除かれました。

研究で見つかった量

研究調べたもの数えた範囲・測り方結果
Kosuth ら(2018年)14か国159検体(日本なし)0.0025mm のフィルター、染色して目視(分光での同定なし)81%から人工の粒子。平均1Lあたり5.45個、98.3%が繊維
Mukotaka ら(2021年、東京理科大)5か国42検体FTIR(0.019mm 以上)1Lあたり1.9〜225個、平均39個。0.05mm 超の PVC の破片は、浄水場を出た後(水道管など)の混入の可能性
Malekzadeh ら(2025年)43研究のメタ分析研究ごとに異なる平均1Lあたり56.98個。統一した手順がなく、比較は「信頼できない」
Nakazawa ら(2021年、北海道大)浄水処理の実験—(要旨で確認)凝集・沈殿・急速ろ過で 2.9 log(約99.9%)除去。粘土の粒と同じ程度
Negrete Velasco ら(2023年)ジュネーブの浄水場0.063mm 以上原水 1m³あたり25.7〜55.6個 → 浄水 0〜4個(97%除去)

数えた粒の大きさの下限や、個数か重さかで結果は桁が変わります。研究どうしの数字はそのまま比べられません(→ 測り方で数字が変わる)。

知っておきたいこと

  • WHO(2019年)は「従来の浄水処理は1μm 未満の粒子も除去できる」「限られた情報からは、現在の濃度で飲み水のマイクロプラスチックが健康リスクとなるようには見えない」としています。
  • 砂ろ過では0.02mm 超の粒は完全に止まりましたが、0.01mm の粒は約16%が通り抜けました(Na ら 2021年)。小さな粒ほど除きにくくなります。
  • Kosuth 2018 は報道団体 Orb Media の企画で、分光での同定をしていません(論文に明記)。

家庭でできること(研究で示されたこと)

  • 注ぐタイプの家庭用浄水器を比べた研究では、膜(MF)を含む機種で PVC 78〜86%・PET 94〜100% が除かれ、0.2μm の膜の機種が最もよく除きました。活性炭とイオン交換だけの機種では、出てきた水の粒子が入れた水より多いことがありました(Cherian ら 2023年)。
  • 硬水(炭酸カルシウムで1Lあたり120mg 超)を沸かすと、できる炭酸カルシウムの結晶が0.0001〜0.15mm のポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンを取り込み、80%以上が除かれたという研究があります(Yu ら 2024年)。日本の水道の水質管理目標は硬度10〜100mg/L で、この研究は軟水での効果を示していません。

日本のデータ

東京理科大・北海道大の研究があります。日本の水道水を国や自治体が測った公的な調査は見つかりませんでした(水道水質基準にマイクロプラスチックの項目はありません)。

見つかったプラスチックの種類

関連する解説

出典

最終確認日 2026.10.01(Gemini Notebook に論文・公的資料を集めて照合)。「要旨で確認」は論文の要旨に書かれていることだけを載せています。

WHO・FAO・EFSA などの公的機関は、今のところ特定の食品を控えるような個人向けの食事制限は勧めていません。このページは研究と公的機関の資料に書かれている事実を並べたもので、食品の良し悪しを判定するものではありません。

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