マイクロプラスチック データベース解説確認日 2026.10.01
マイクロプラスチックは家庭で減らせる? 研究で示された方法だけを整理
米を洗う・ティーバッグをすすぐ・温めはプラスチック以外で・哺乳瓶の使い方
結論
研究で「減った」と示された方法はいくつかあります。ただし、減らしたことで健康にどう影響するかは調べられていません。公的機関は、特定の食品を控えるような食事制限は勧めていません。
一方で、「ガラス瓶なら少ない」「木のまな板なら出ない」とは限らない研究もあります。
研究で減った方法
| やり方 | 結果 | 研究 |
|---|---|---|
| 米を洗う | 生米で約20%、インスタント米で約40%減った | Dessì ら 2021年(オーストラリア) |
| ティーバッグを使う前に、室温の水で3回すすぐ | 出てくる粒子がミクロンサイズで76〜94%減った | Yue ら 2024年 |
| 葉物野菜を洗う | 表面の粒子が54〜91%減った(内部のものは残る) | Rahman ら 2026年(バングラデシュ) |
| プラスチック容器で電子レンジ加熱しない | 電子レンジ加熱が、冷蔵・室温保存より多く粒子を出した | Hussain ら 2023年、Guo ら 2024年 |
| ポリプロピレン製の哺乳瓶は、消毒後にすすぐ・調乳は別の容器で | 温度が高いほど、消毒するほど多く出た。研究チームが使い方を提案 | Li ら 2020年(Nature Food) |
| 使い捨ての紙コップより、厚い繰り返し使えるカップ | 厚いカップでは放出が大幅に少なかった。紙コップは80℃超で増えた | Son ら 2024年(韓国) |
| 膜(MF)のついた浄水器を使う | 注ぐタイプで PVC 78〜86%・PET 94〜100% 除去。活性炭だけの機種は逆に増えたことも | Cherian ら 2023年 |
| 硬水を沸かす | カルシウムの多い水(1Lあたり120mg 超)で80%以上除かれた。軟水では未検証 | Yu ら 2024年(中国) |
どれも条件をそろえた実験の結果で、家庭で同じだけ減るとは限りません。
お茶:ティーバッグをすすぐか、茶葉でいれる
ナイロン・PET・ポリプロピレンのティーバッグからは粒子が出ます(数は研究で「億」から「千」まで違います)。使う前に室温の水で3回すすぐと大きく減りました(Yue ら 2024年)。ティーバッグを使わずに、茶葉を急須や茶こしでいれる方法もあります(茶葉とティーバッグを比べた研究は見つかりませんでした)。
温めるとき:プラスチック容器の電子レンジ加熱
ポリプロピレンの容器やポリエチレンの袋を電子レンジで3分温めると、冷蔵や室温で置いておくより多くの粒子が出ました(Hussain ら 2023年)。ガラスや陶器と直接比べた研究は見つかりませんでしたが、温めるときに器を移す方法があります。
赤ちゃん:哺乳瓶と調乳
ポリプロピレン製の哺乳瓶では、温度が高いほど、消毒するほど多くの粒子が出ました。研究チーム(Li ら 2020年)は、消毒後に室温の滅菌した水で3回以上すすぐ、湯はプラスチック以外のケトルや鍋で沸かす、調乳はプラスチック以外の容器で行って冷ましてから哺乳瓶に移す、プラスチック容器で温め直さない・激しく振らない、と提案しています。開け閉めをくり返した別の試験では、ガラス瓶から出る粒子は少なめでした(Song ら 2021年)。
「こうすれば少ない」とは限らない例
- ガラス瓶:フランスの調査では、コーラ・レモネード・ビールなどでガラス瓶入りがペットボトルや缶より多く、金属キャップの外側の塗料が出どころでした(ANSES 2025年)。ペットボトルの水の研究でも、ガラス瓶のほうが多い結果がありました(→ ガラス瓶の飲み物)。
- 木のまな板:プラスチックのまな板より多くの微粒子(木の粒)を出したと発表されています(Yadav ら 2023年の対照)。ポリプロピレンはポリエチレンより多く出ました(→ まな板)。
- 活性炭だけの浄水器:出てきた水の粒子が、入れた水より多かったことがあります(Cherian ら 2023年)。
- 室内のほこり:食事中に皿に落ちる繊維は、ムール貝から入る量より桁違いに多いと推計されています(Catarino ら 2018年)。掃除などで減るかを調べた研究は見つかりませんでした。
出典
- Dessì C ほか. J Hazard Mater 2021;416:125778
- Yue ほか. Food Chem 2024;445:138740
- Rahman ほか. J Hazard Mater 2026;501:140785
- Hussain KA ほか. Environ Sci Technol 2023;57:9782
- Guo ほか. J Hazard Mater 2024;462:132798
- Li D ほか. Nature Food 2020;1:746-754
- Song K ほか. 2021(開け閉めと水筒・哺乳瓶)
- Son ほか. J Hazard Mater 2024;464:133014
- Cherian AG ほか. Polymers 2023;15:1331
- Yu Z ほか. Environ Sci Technol Lett 2024
- Chaïb I ほか. J Food Compos Anal 2025;144:107719(ANSES)
- Yadav H ほか. Environ Sci Technol 2023;57:8225
- Catarino AI ほか. Environ Pollut 2018;237:675
最終確認日 2026.10.01(Gemini Notebook に一次資料を集めて照合)。研究や制度は変わることがあります。
このページは、公的機関の資料・法令・査読論文に書かれている事実を並べたものです。マイクロプラスチックの測り方は研究ごとに違い、数字をそのまま比べられないことがあります。WHO・FAO・EFSA などの公的機関は、今のところ特定の食品を控えるような個人向けの食事制限は勧めていません。