農薬データベース殺虫剤確認日 2026.10.01
フェニトロチオン(MEP)
Fenitrothion / 別名:MEP・スミチオン
神経の信号を止める酵素(アセチルコリンエステラーゼ)のはたらきを妨げる。古くから使われている。
日本では
- 登録
- 農薬として登録されている(初めての登録 1961年12月26日)。この成分を含む製剤は 50 種類。
- 主な適用作物
- 稲、なし、豆類、樹木類、もも、だいず など(適用表に出てくる作物名 110 種類)
- 毒性の区分
- 成分そのもの:普通物製剤(薄めて売られる商品)50種類の区分:普通物 45・劇物 5毒物及び劇物取締法による区分。
- ADI(一日摂取許容量)
- 体重1kgあたり1日 0.0049 mg
- ARfD(急性参照用量)
- 体重1kgあたり 0.036 mg
- 評価
- 食品安全委員会 2023年11月16日
ADI:一生、毎日食べ続けても健康への影響がないとされる量。ARfD:一度に(24時間以内に)食べても健康への影響がないとされる量。どちらも食品安全委員会が動物試験などから決める。
国の残留農薬検査で(令和6年度)
| 農産物 | 検出/検査 | 検出割合 | 基準値超過 |
|---|---|---|---|
| 国産 | 10 / 4,787 | 0.2% | 1件 |
| 輸入 | 0 / 3,503 | 0.0% | 0件 |
国産で見つかった食品:えだまめ、かぶ類の根、しゅんぎく、その他のかんきつ類果実、ねぎ(リーキを含む)、りんご、レモン、日本なし(最大 0.5ppm)
検査数は「農薬×検体」の延べ数。少しでも見つかれば「検出」に数える(基準値を超えたという意味ではない)。上位20に入らない農薬は、全体版の食品別の表を合算した値。
海外の評価では
- WHO の急性毒性の区分
- II(中程度に危険)・LD50 503 mg/kg薄める前の成分を、主にラットに一度に飲ませたときの毒性(LD50=半数が死ぬ量。小さいほど急性毒性が強い)による区分。食品に残る量の安全性の評価ではない。
- EU
- EUで非承認EU の ADI:0.005 mg/kg bw/day、ARfD:0.013 mg/kg bw
- IARC(発がん性)
- IARC の分類リストに該当する項目なし(グループ3を含め、評価されていないか対象外)
知っておきたいこと
- 日本で古くから使われている有機リン系の殺虫剤(商品名「スミチオン」など)。
- 農林水産省の蜜蜂被害事例調査(2013〜15年度)で、稲のカメムシ防除の時期に死んだミツバチから見つかった殺虫剤のうち、1件がこの成分だった(計38件、重複あり)。
関連する解説
出典
- FAMIC(農林水産消費安全技術センター)農薬登録情報(2026年9月30日現在)
- 食品安全委員会 フェニトロチオンの評価書(2023年11月16日)
- 厚生労働省『令和6年度 食品中の残留農薬等検査結果』
- WHO Recommended Classification of Pesticides by Hazard 2019
- EU Pesticides Database(Fenitrothion)
最終確認日 2026.10.01。登録や評価は変わることがあります。
日本で登録されている農薬は、国が使える作物・量・回数・収穫前の日数を決めて認めたものです。このページは、法令と公的機関の評価に書かれている事実を並べたもので、良し悪しを判定するものではありません。