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ラベルの読み方日本と海外の違い説の検証確認日 2026.10.19

ポリソルベート60・80とは?用途・安全性・腸内細菌の研究と日本・EU・米国の規制比較

PR この記事には、A8.net のアフィリエイト広告のリンク(生協の宅配の資料請求)を含みます。書いている内容は、広告の有無と関係なく、公的機関の資料と論文をもとにしています。

輸入食品のチョコレートやドレッシング、アイスクリーム、海外製のサプリメント(ソフトカプセル)、あるいは化粧品の全成分表示を見ると、「ポリソルベート60(Polysorbate 60 / E435)」や「ポリソルベート80(Polysorbate 80 / E433)」という名前がよく出てきます。

一方で、「ポリソルベートは合成界面活性剤で危険」「腸の粘膜を溶かして腸内細菌を壊す」「発がん性物質の不純物が入っている」「海外で広く使われているのに日本ではどう規制されているのか分からない」といった疑問や不安も多く検索されています。

この記事では、内閣府食品安全委員会の評価書、厚生労働省の使用基準・成分規格、EFSA(欧州食品安全機関)・米国 FDA の規則、および腸内細菌に関する一次論文をもとに、ポリソルベート20・60・65・80の正体、何のために使われるのか、日本と欧米の規制・ADI(一日摂取許容量)の違い、そして動物実験と人間の実際の摂取量の差を確かめます。乳化剤全体の歴史や一括名のルールは 乳化剤の記事、界面活性剤の基本は 界面活性剤の記事 にまとめています。

結論

  • **ポリソルベート(別名 Tween)は、ソルビタン脂肪酸エステルにエチレンオキシドを結合させて水になじみやすくした非イオン界面活性剤(乳化剤)**です。日本では2008年に ポリソルベート20・ポリソルベート60・ポリソルベート65・ポリソルベート80 の4品目が指定添加物として認められました。
  • **ポリソルベート60(モノステアリン酸エステル、E435)**は固体状のステアリン酸をもつため、ドレッシングの油水分離防止、ホイップクリームやケーキミックスの気泡安定、チョコレートのブルーム(白化)防止に使われます。**ポリソルベート80(モノオレイン酸エステル、E433)**は液状のオレイン酸をもつため、アイスクリームの保形性(溶けにくさ)向上、飲料の油性香料の可溶化、サプリメントのカプセル被膜や医薬品の可溶化剤に使われます。
  • 「日本は欧米より規制が甘い」とは言えず、ポリソルベート類の ADI(一日摂取許容量)は日本の方が厳しく設定されています。グループ ADI は EU(EFSA、2015年)と JECFA が体重1kgあたり1日 25mg なのに対し、日本の食品安全委員会(2007年)は 10mg です(EU も2015年までは旧 SCF の 10mg でした)。さらに日本では食品ごとに上限量(カプセル・錠剤の 2.5% から、その他の食品の 0.002% まで)が決められており、パン類は使用対象食品に入っていないため「その他の食品」の上限 0.020g/kg(0.002%)しか使えません。
  • 日本の食品ラベルでは、乳化目的で使われた場合は一括名の「乳化剤」とだけ書けるため、物質名が見えにくいという課題があります(EU は E435 / Polysorbate 60、米国は Polysorbate 60 と個別表示が義務)。
  • 「発がん性不純物(エチレンオキシド・1,4-ジオキサン)が含まれる」という懸念に対しては、日本の成分規格(酸化エチレン 1.0µg/g 以下、ジオキサン 10µg/g 以下)と EU 規則(エチレンオキシド 0.2mg/kg 以下、1,4-ジオキサン 5mg/kg 以下)で上限が定められています。
  • 「ポリソルベート80が腸の粘膜を薄くし炎症を起こす」という話は、2015年のマウス実験(飲み水に1%添加、0.1%でも軽い炎症)が出発点です。1%の濃度をマウスの飲水量から体重70kgの人に単純換算すると1日約100g(日本の ADI の100倍以上)になります。ヒトでは CMC(別の乳化剤)の短期試験で腸内細菌の変化が報告された一方、ポリソルベート80を食事レベルで与えたヒト試験の結果はまだ見当たらず、人への影響は分かっていません。

ポリソルベート20・60・65・80とは?化学構造とHLB値の違い

ソルビタン脂肪酸エステル(Span)にエチレンオキシドをつないだ構造

水と油を混ぜ合わせる乳化剤のうち、とうもろこし等のデンプンから作られる糖アルコール「ソルビトール」を脱水した「ソルビタン」に、植物油などの脂肪酸を結合させたものが「ソルビタン脂肪酸エステル(商品名 Span 系)」です。

ソルビタン脂肪酸エステルは油になじみやすい(親油性が高い)性質をもっています。そこに**エチレンオキシド(酸化エチレン)を合計約20分子つなげて(ポリオキシエチレン化)、水へのなじみやすさ(親水性)を大きく高めたものが「ポリソルベート(Polysorbate、商品名 Tween 系)」**です。1940年代に米国の Atlas Powder 社が製品化し、同社のグリフィンが1949年に HLB 法を発表しました。

4種類の違い:結合する脂肪酸とHLB値(水へのなじみやすさ)

日本の食品添加物として指定されている4種類(および EU の E432〜E436)は、結合している「脂肪酸の種類」と「本数」によって区別されます。乳化剤の親水性の度合いを表す HLB値(0〜20の尺度で、数値が大きいほど水によく溶ける) を並べると、役割の違いがはっきり分かります。

品名(日本の指定添加物名) 別名・E番号 主な構成脂肪酸 HLB値(目安) 常温での性状と特徴
ポリソルベート20 Tween 20 / E432 ラウリン酸(C12・短鎖飽和)モノエステル 16.7 液体。4種の中で最も親水性が高く、水系での精油・香料の可溶化に優れる
ポリソルベート60 Tween 60 / E435 ステアリン酸(C18・飽和)モノエステル 14.9 ペースト〜半固体。飽和脂肪酸鎖をもつため気泡の安定化・結晶調整に強い
ポリソルベート65 Tween 65 / E436 ステアリン酸(C18・飽和)トリエステル 10.5 固体(ろう状)。脂肪酸が3本ついているため油になじみやすく、油脂食品向き
ポリソルベート80 Tween 80 / E433 オレイン酸(C18:1・不飽和)モノエステル 15.0 液体。オレイン酸鎖が低温でも流動性を保ち、アイスの保形や乳化分散に強い

※ EU にはこのほか「ポリソルベート40(パルミチン酸モノエステル、E434)」がありますが、日本では指定されていません。

ポリソルベート60と80は何に使われる?食品・サプリ・化粧品の用途

特に検索されることが多い「ポリソルベート60」と「ポリソルベート80」について、なぜ食品メーカーや製薬・化粧品メーカーが使うのかを具体的に見ていきます。

ポリソルベート60(E435):ドレッシング・ホイップクリーム・ケーキミックスの乳化と保形

ポリソルベート60(モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン)は、主に次のような目的で使われます。

  1. 乳化ドレッシング・マヨネーズ風調味料の油水分離防止:油滴のまわりを強い親水基の膜で覆い、長期間棚に置いても油と酢(水相)が分離するのを防ぎます(※日本の使用基準ではドレッシング・マヨネーズとも上限 3.0g/kg ですが、JAS 規格で定める「マヨネーズ」の原材料には乳化剤が含まれていません)。
  2. ホイップクリーム・ケーキミックス・ショートニングの気泡安定:グリセリン脂肪酸エステルなどの親油性乳化剤と組み合わせることで、泡立てたときの空気の抱き込み(オーバーラン)を良くし、きめ細かいスポンジやダレにくいホイップを作ります。
  3. チョコレート・準チョコレートのファットブルーム防止:温度変化でカカオ脂が表面に浮き出て白くなる現象(ブルーム)を抑え、ツヤを保ちます。

ポリソルベート80(E433):アイスクリームの保形・香料の可溶化・ソフトカプセル

ポリソルベート80(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)は、冷たい温度でも固まらないオレイン酸の性質を活かして使われます。

  1. アイスクリーム・冷菓の保形性(ドライネス)向上:アイスクリームをフリーザーで撹拌・凍結するとき、ポリソルベート80が脂肪球の表面から乳たんぱく質を適度に追い出し、脂肪球同士が網目構造を作るのを助けます。これにより、盛り付けたときにツヤがあり、室温でも溶け崩れにくいアイスになります。
  2. 清涼飲料・漬物への油性香料・精油の可溶化(透明分散):レモン油やミント油、スパイス抽出物などの油性香料を、水をベースにした飲料や調味液に白濁させず透明に溶かし込みます。
  3. サプリメント(ソフトカプセル)・医薬品・化粧品の可溶化剤:脂溶性のビタミン(ビタミンD・E・コエンザイムQ10など)のソフトカプセルの内容液の乳化・可溶化剤、点眼薬・注射剤の可溶化剤、クレンジング・化粧水の乳化剤(「ポリソルベート80」「ポリソルベート60」として全成分表示に記載)として広く使われています。

日本・EU・米国の規制とADI(一日摂取許容量)の比較

日本のADI(10mg/kg/日)はEU・JECFA(25mg/kg/日)より厳しい

ポリソルベート類の安全性評価は、日本・EU・国際機関(JECFA)で以下の通り分かれています。

評価機関 評価年 グループ ADI(体重1kgあたり1日) 体重50kgの人の1日許容上限 根拠となった試験(NOAEL)
日本(内閣府食品安全委員会) 2007年 10 mg/kg 体重/日 500 mg(0.5 g) ラットのポリソルベート60 13週間混餌投与試験の無毒性量 2%(1,000 mg/kg/日相当、指標は下痢)÷ 安全係数100
EU(EFSA:欧州食品安全機関) 2015年再評価 25 mg/kg 体重/日 1,250 mg(1.25 g) ラット長期(慢性毒性・発がん性)試験の無毒性量 2,500 mg/kg/日 ÷ 安全係数100(それまでの SCF の ADI は 10 mg/kg/日)
JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議) 1973年 0〜25 mg/kg 体重/日 1,250 mg(1.25 g) ポリソルベート20・40・60・65・80 のグループとして設定

日本の食品安全委員会は2007年の評価で、遺伝毒性は生体にとって特段問題にならないとしたうえで、反復投与試験でみられた下痢を毒性の指標にしました。難吸収性の物質を大量に与えたときの下痢は通常は毒性と扱いませんが、ポリソルベート類は消化管粘膜への局所刺激も疑われるため、安全側に立って毒性影響と判断し、EU・JECFA の4割にあたる 10 mg/kg 体重/日 を ADI としています(厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 添加物部会報告書(2007年))。なお EFSA は2015年の再評価で、幼児の高摂取群の推計摂取量が ADI にかなり近い(24.5 mg/kg/日)とも述べています。

日本の使用基準:対象食品と上限量が細かく決められている

米国や EU で1960〜90年代から使われていたポリソルベート類が日本で指定されたのは2008年で、対象食品ごとの最大使用量が食品衛生法の使用基準で決められています(ポリソルベート80として換算し、複数種を使う場合は合計量で規制)。

  • 25 g/kg まで:カプセル・錠剤など通常の食品の形でない食品
  • 5.0 g/kg(0.5%)まで:ココア・チョコレート製品、ショートニング、即席麺の添付調味料、ソース類、チューインガム、乳脂肪代替食品
  • 3.0 g/kg(0.3%)まで:アイスクリーム類、菓子の装飾品(糖が主成分のもの)、加糖ヨーグルト、ドレッシング、マヨネーズ、ミックスパウダー(焼菓子・洋生菓子用)、焼菓子(洋菓子)、洋生菓子
  • 1.0 g/kg まで:あめ類、スープ、フラワーペースト(チョコレート系)、氷菓
  • 0.50 g/kg まで:海藻・野菜の漬物、チョコレートドリンク
  • 0.080 g/kg まで:非熟成チーズ/0.030 g/kg まで:海藻・野菜の缶詰・瓶詰
  • 0.020 g/kg(0.002%)まで:上記以外の「その他の食品」
  • パン類:米国では Polysorbate 60 が生地改良などに認められていますが、日本では指定の際に「パン由来の推定摂取量が大きい」として使用対象食品に入れず、「その他の食品」の上限(0.020 g/kg)だけがかかります

(出典:厚生労働省 添加物部会報告書(2007年8月)。低カロリー食品として特別用途表示の許可・承認を受けたものは例外)

指定のときの厚生労働省の推計では、対象食品すべてに上限まで使われたと仮定した過大な見積もりで、成人 289 mg/人/日(ADI の約58%)、小児 157 mg/人/日(ADI の約99%)でした。厚生労働省が公表しているマーケットバスケット方式の一日摂取量調査の一覧(厚生労働省)には、ポリソルベート類を対象にした年度は見当たらず、日本人の実際の摂取量の実測値は確認できませんでした。

ラベル表示の違い:日本は一括名「乳化剤」、EU・米国は個別名またはE番号

規制の数値は日本の方が厳しい一方で、買い物客がパッケージ裏面を見たときの分かりやすさは欧米の方が上です。

  • 日本(食品表示基準):乳化・分散・起泡・消泡などの目的で使われた場合、ポリソルベート60であってもグリセリン脂肪酸エステルであっても、一括名の「乳化剤」とだけ表示できます(乳化剤の一括名で書かず、「ポリソルベート80」などの物質名で書く製品もあります)。
  • EU(規則 1169/2011):用途名 Emulsifier のあとに、必ず個別名(Polysorbate 60)または E番号(E435)を表示しなければなりません。
  • 米国(FDA 21 CFR 101.4):原材料欄に Polysorbate 60 または Polysorbate 80 と個別物質名を表示する義務があります。

製造時の不純物(1,4-ジオキサン・エチレンオキシド)の成分規格

「ポリソルベートには発がん性のあるエチレンオキシドや1,4-ジオキサンが含まれている」という情報が SNS 等で拡散されることがあります。

たしかにポリソルベートは合成の過程でエチレンオキシドを反応させるため、精製が不十分だと未反応のエチレンオキシドや、副生成物の1,4-ジオキサンが微量に残る可能性があります。そのため、日本・EU・JECFA はいずれも食品添加物の「成分規格(純度基準)」でこれら不純物の残留上限を厳格に定めています。

  • エチレンオキシド(酸化エチレン):日本の成分規格は 1.0 µg/g(1 ppm)以下、EU 規則(No 231/2012)は 0.2 mg/kg(0.2 ppm)以下
  • 1,4-ジオキサン:日本の成分規格は 10 µg/g(10 ppm)以下、EU 規則は 5 mg/kg(5 ppm)以下

仮にポリソルベートを毎日 100mg 摂取し、その中に日本の上限いっぱいの 10 µg/g の 1,4-ジオキサンが含まれていたとしても、1日あたりの量は 1 µg です。食品安全委員会は不純物から生涯の発がんリスクを推計し、一般に無視できるとされる「100万分の1」を下回るとしたうえで、技術的に可能な範囲でさらに減らすよう求めています(厚生労働省 添加物部会資料(2007年))。

「ポリソルベート80は腸内細菌や腸粘膜に悪い」という研究の読み方

2015年のマウス実験(Nature)の投与量と人間の実際の摂取量の差

「乳化剤(ポリソルベート80やカルボキシメチルセルロース CMC)が腸の粘膜バリアを薄くし、腸内細菌叢を乱して大腸炎やメタボリックシンドロームを引き起こす」という説の根拠として最もよく引用されるのが、2015年にジョージア州立大学の Chassaing らが『Nature』誌に発表したマウス実験です。

この論文を読むうえで最も重要なのは**「投与された量」と「私たちが食事からとる量」の桁違いの差**です。

  1. マウス実験の濃度:マウスの飲み水に 1.0% のポリソルベート80または CMC を混ぜて12週間与えました。濃度を下げた追加試験では、ポリソルベート80は 0.1% でも軽い炎症と脂肪の増加がみられています(Chassaing 2015、PMC4910713)。
  2. 人間に換算した量:マウスの飲水量(体重30gで1日5mL前後)から計算すると、飲み水1%は体重1kgあたり1日約1,500mgにあたり、**体重70kgの成人に単純換算すると1日約100g(日本の ADI 0.7g の100倍以上)**です。0.1% でも約10g と、ADI の10倍を超えます。ただし、マウスとヒトでは腸のつくりや腸内細菌が違うため、この換算だけで人へのリスクの大小は決められません。
  3. 実際の食事からの摂取量:日本では、ポリソルベート類の実際の摂取量を測った公的調査は見当たりません(前の節のとおり、指定時の推計は上限いっぱいの過大な見積もり)。指定時の資料には、業者情報にもとづく1人1日あたりの消費量として EU 12〜21mg、米国 60〜111mg という数字が載っています。

ヒト試験と大規模疫学調査(NutriNet-Santé)の結果

その後、ヒトの腸内細菌を使った培養実験や、人を対象にした試験・観察研究も行われています。

  • ヒトの腸内細菌の培養モデル(Naimi et al., 2021, Microbiome、PMID 33752754):人の便の細菌叢を培養装置(MiniBioReactor Array)で保ち、20種類の乳化剤を加えた実験です。ポリソルベート80と CMC は細菌叢の組成と働きに長く続く変化を起こし、ほかの多くの乳化剤も同程度の影響を示しました。カラギーナンやガム類の影響は特に強く、レシチンなど一部は有意な影響がありませんでした。
  • ヒトの摂食試験(FRESH 研究、Chassaing et al., 2022, Gastroenterology、PMID 34774538):健康な成人16人に、乳化剤を含まない食事か、同じ食事に CMC を1日15g加えたものを11日間食べてもらった二重盲検試験では、CMC 群で腹部の不快感がやや増え、腸内細菌の多様性の低下や便中の短鎖脂肪酸の減少がみられました。この試験はポリソルベート80ではなく CMC で、人数も少ない短期の試験です。
  • フランスの大規模観察研究(NutriNet-Santé、約9.5万〜10.4万人):セルロース類やモノ・ジグリセリド(E471・E472)の摂取量が多い人ほど心血管疾患が多い(Sellem 2023、BMJ、PMID 37673430)、カラギーナンやガム類などで2型糖尿病が多い(Salame 2024、Lancet Diabetes Endocrinol、PMID 38663950)といった関連が報告されています。観察研究のため、乳化剤が原因かどうかは分かりません。

つまり、「高濃度のポリソルベート80で腸粘膜や腸内細菌に影響が出る」ことは動物や培養の実験で示されていますが、食事からとる量で人に同じことが起きるかは、まだ確かめられていません。気になる場合は、アイスクリームなら種類別「アイスクリーム」で原材料が「乳製品、卵黄、砂糖」だけのもの、ドレッシングなら「食用植物油脂、醸造酢、食塩、香辛料」の分離液状タイプを選ぶことで簡単に避けることができます。

裏面の表示だけでは分からないところを、売り手が自分の基準で絞って選んでいる宅配もあります。

よくある質問(FAQ)

ポリソルベート60とポリソルベート80の違いは何ですか?

どちらもソルビタンにエチレンオキシド約20分子をつないだ乳化剤ですが、結合している脂肪酸が異なります。ポリソルベート60(E435)は固体の飽和脂肪酸であるステアリン酸をもち、ドレッシングの乳化やホイップ・ケーキの気泡安定に使われます。ポリソルベート80(E433)は液体の不飽和脂肪酸であるオレイン酸をもち、アイスクリームの溶け防止(保形)や油性香料・サプリメントの可溶化に使われます。

ポリソルベートは日本の食品ラベルではどう表示されますか?

食品の中で「乳化剤」の目的(水と油を混ぜる、気泡を安定させるなど)で使われた場合は、物質名を書かずに一括名の「乳化剤」とだけ表示することが認められています。物質名で書く製品もあり、化粧品・医薬部外品の成分表示では「ポリソルベート60」「ポリソルベート80」などの名前で書かれます。

ポリソルベートは日本で禁止されていますか?海外との違いは?

禁止されていません。日本では2008年にポリソルベート20・60・65・80の4品目が指定添加物として承認されました。一日摂取許容量(ADI)は日本が 10mg/kg体重/日(EU・JECFA は 25mg/kg体重/日)と厳しく、食品ごとに上限量(カプセル・錠剤の 25g/kg から、その他の食品の 0.020g/kg まで)が決められています。パン類は使用対象食品に入っておらず、「その他の食品」の上限 0.020g/kg だけがかかります。

参考にした資料

  • 内閣府食品安全委員会 添加物評価書『ポリソルベート類(ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65及びポリソルベート80)』(2007年)
  • 厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 添加物部会 資料・報告書(2007年7月・8月):https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/07/dl/s0704-7h.pdf / https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/08/dl/s0809-5c.pdf
  • 厚生労働省『食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)』・日本食品化学研究振興財団『各添加物の使用基準及び保存基準』
  • EFSA ANS Panel (2015). Scientific Opinion on the re-evaluation of polyoxyethylene sorbitan monolaurate (E 432), monooleate (E 433), monopalmitate (E 434), monostearate (E 435) and tristearate (E 436) as food additives. EFSA Journal, 13(7), 4152.
  • Chassaing, B. et al. (2015). Dietary emulsifiers impact the mouse gut microbiota promoting colitis and metabolic syndrome. Nature, 519(7541), 92–96.(PMID 25731162)
  • Naimi, S. et al. (2021). Direct impact of commonly used dietary emulsifiers on human gut microbiota. Microbiome, 9, 66.(PMID 33752754)
  • Chassaing, B. et al. (2022). Randomized Controlled-Feeding Study of Dietary Emulsifier Carboxymethylcellulose Reveals Detrimental Impacts on the Gut Microbiota and Metabolome. Gastroenterology, 162(3), 743–756.(PMID 34774538)
  • Sellem, L. et al. (2023). Food additive emulsifiers and risk of cardiovascular disease in the NutriNet-Santé cohort. BMJ, 382, e076058.(PMID 37673430)/Salame, C. et al. (2024). Lancet Diabetes Endocrinol, 12(5), 339–349.(PMID 38663950)

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よくある質問

ポリソルベート60・80とは?用途・安全性・腸内細菌の研究と日本・EU・米国の規制比較の結論・要点は?
ポリソルベート60・80は合成の乳化剤で、日本のADIは体重1kgあたり10mgとEU・JECFAの25mgより厳しい値です。腸に悪いという説は2015年のマウス実験が出発点で、食事レベルのヒト試験はまだありません。
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特に検索されることが多い「ポリソルベート60」と「ポリソルベート80」について、なぜ食品メーカーや製薬・化粧品メーカーが使うのかを具体的に見ていきます。
日本・EU・米国の規制とADI(一日摂取許容量)の比較についてはどうなっていますか?
ポリソルベート類の安全性評価は、日本・EU・国際機関(JECFA)で以下の通り分かれています。

関連する読みもの・データベース

この記事は、公的機関の資料と研究をもとに表示のルールや評価を整理したもので、特定の食品や添加物の安全性・危険性を判定するものではありません。制度や海外の規制は変わることがあります(確認日 2026.10.19)。