乳化剤は体に悪い? 卵黄のレシチンから始まった歴史・種類と使われ方・腸内細菌の研究(マウスと人)・日本と EU の表示の違い

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パン、ケーキ、アイスクリーム、チョコレート、マーガリン、カレールウ。裏面を見ると、原材料の後ろのほうに「乳化剤」と書いてあることがよくあります。
一方で、「乳化剤は腸に穴を開ける」「乳化剤は洗剤と同じ」「乳化剤でがんや心臓病になる」「海外では規制されている」という話もよく聞きます。「天然のレシチンなら安心」「乳化剤の『乳』は牛乳のこと?」という疑問もあります。
この記事では、
- 乳化剤は、いつ、どこで生まれたのか
- 日本の「乳化剤」という表示の中には、何が入っているのか。どの食品に、何のために使うのか
- 日本・EU・米国で、表示の書き方はどう違うのか
- 「乳化剤が腸に悪い」という研究は、マウスの話なのか、人の話なのか。量はどのくらいだったのか
- 研究で問題になった乳化剤は、日本の「乳化剤」と同じものなのか
- 国ごとの安全の評価(許容一日摂取量)はどう違うのか
- ウラヨミに載せている71品の原材料では、乳化剤はどのくらい使われているのか
を、法令、公的機関の資料、論文で確かめます。界面活性剤そのもののしくみは 界面活性剤の記事、表示されない添加物のルールは キャリーオーバーの記事 にまとめています。
結論
- 乳化剤の歴史は、卵黄から始まりました。卵黄の成分を調べたフランスのゴブレーが、1850年にギリシャ語の「卵黄」から「レシチン」と名づけました。大豆からとるレシチンは1920年代のドイツで工業化され、合成の乳化剤は1930〜40年代の米国で、マーガリンの跳ね防止などのために特許が出ています
- 日本の「乳化剤」は、24品目(プロセスチーズではさらに23品目)をまとめた「一括名」です。何種類使っても「乳化剤」とだけ書けます。EU は「乳化剤」のあとに物質名か E 番号が必要で、米国は物質名を1つずつ書きます。3つの地域で、日本の表示がいちばん中身が見えません
- 「乳化剤が腸に悪い」という話の出発点は、2015年のマウスの実験です。飲み水に1%混ぜた量は、体重70kgの人に換算すると1日約175gと推定されています。フランスの約9.5万人の食事では、研究の主役の CMC の平均は1日3.8mgでした
- 人での試験は、結果が分かれています。CMC を1日15g、11日間とった試験(16人)では腸内細菌が変わりました。一方、健康な60人に5種類の乳化剤を4週間与えた試験では、炎症の指標は変わりませんでした。クローン病の人の試験も、差がなかった試験と、症状が良くなったという学会発表があります
- 研究で問題になったのは、主に CMC・ポリソルベート80・カラギーナンです。このうち CMC とカラギーナンは、日本の表示では「乳化剤」に入りません(増粘剤などの扱い)。日本でよく使われるのはグリセリン脂肪酸エステルやレシチンで、試験管の実験では影響がはっきりしなかったものもあります
- フランスの大規模研究の「乳化剤」は、日本の乳化剤よりずっと広い範囲です。加工デンプン(33.5%)や重曹(26.9%)まで含めて数えています。病気との「関連」は報告されましたが、観察研究なので原因とは言えず、リスクの上がり方も小さいものでした
- 「日本は添加物に甘い」とは限りません。ポリソルベート類の許容一日摂取量は、日本(体重1kgあたり10mg)のほうが EU(25mg)より厳しく、日本はパンへの使用を認めていません
- マヨネーズは、法律の定義で乳化剤(添加物)を使えません。卵黄が乳化剤の役目をしています。ウラヨミの71品では、原材料に乳化剤・レシチンがあったのは7品で、そのうち6品は一括名だけで物質名が分かりませんでした
この記事で紹介しているもの
| 紹介しているもの | どんなときに | 記事の中の場所 |
|---|---|---|
| SOIL CHOCOLATE(公式通販) | 乳化剤を使わないチョコレートを選びたいとき | チョコレートとレシチン |
| SOIL CHOCOLATE 定番3種セット(楽天市場) | 同上。楽天市場で買いたいとき | チョコレートとレシチン |
| キユーピー マヨネーズ | 卵黄で乳化したマヨネーズの原材料を確かめたいとき | マヨネーズは乳化剤を使えない |
| よつ葉 パンにおいしい発酵バター | マーガリンの代わりに、生乳と食塩だけのバターを選びたいとき | マーガリンとバター |
乳化剤はどうやって生まれた?
卵黄から見つかったレシチン(フランス)
最初の乳化剤は、卵黄でした。
フランスの化学者ゴブレー(Gobley)は、1840年代に卵黄の化学的な研究を進め、卵黄の中の物質を取り出しました。そして1850年に、ギリシャ語の lekithos(卵黄)にちなんで「レシチン」と名づけました(Zeisel 2012、Ann Nutr Metab)。
- 発見の年は、資料によって1845年・1846年・1850年と分かれます。いちばん確かなのは「1850年に命名」です
- レシチンの化学的な正体は、しばらく分かりませんでした。フランス農業アカデミーの解説は「1874年まで分からず、その後、いくつかの物質の混ざったものだと分かった」と書いています
卵黄のレシチンは、いまも「卵黄レシチン」という名前で、日本の既存添加物(昔から使われてきた天然系の添加物)の名簿に載っています。
大豆レシチンの工業化(1920年代、ドイツ)
いま食品の乳化剤で多い「大豆レシチン」は、大豆油を作るときに出る成分です。
- ドイツ・ハンブルクのボルマン(Bollmann)が、大豆油からレシチンを回収する方法で米国特許を取りました(1923年・1928年)
- 1920年代の末には、ルヴァルト(Rewald)が、チョコレートにレシチンを加えると、高価なカカオバターを減らせることを示しました(米国油化学会の歴史記事、2019年)
チョコレートとレシチンの組み合わせは、この時代から続いています。
合成の乳化剤:マーガリンの跳ね防止から(1930〜40年代、米国)
合成の乳化剤は、1930〜40年代の米国で特許が並びます。
| 年 | できごと | 出典 |
|---|---|---|
| 1931年出願・1933年登録 | マーガリンを焼いたときの「跳ね」を防ぐ乳化剤の特許(B. R. ハリス) | 米国特許 1,917,256 |
| 1935年出願・1939年登録 | ケーキ用ショートニングの特許(同じハリス、権利者はプロクター・アンド・ギャンブル) | 米国特許 2,158,775 |
| 1939年出願・1943年登録 | ソルビタン脂肪酸エステル(のちの「Span」系)の特許(アトラス・パウダー社) | 米国特許 2,322,820 |
| 1941年出願・1945年登録 | 油になじむ乳化剤と水になじむ乳化剤(「Tween」系)を組み合わせる特許(同社のグリフィン) | 米国特許 2,380,166 |
| 1949年 | グリフィンが、乳化剤の「水へのなじみやすさ」を数字で表す物差し「HLB」を発表 | J Soc Cosmet Chem 1949 |
「Tween」は、いまの「ポリソルベート」です。厚生労働省の資料も、ポリソルベート20・60・65・80の別名に Tween 20・60・65・80 を挙げています。
ショ糖脂肪酸エステル:日本が最初に食品添加物に(1959年)
砂糖(ショ糖)と脂肪酸からつくる「ショ糖脂肪酸エステル」は、「日本で開発された乳化剤」と書かれることがあります。調べると、少し違いました。
- 1952年、米国の砂糖研究財団が、ショ糖から洗剤をつくる研究をスネル(Snell)博士に促しました。この方法の特許は1959年です
- 1958年に、日本の大日本製糖がこの方法のライセンスを取りました
- 1959年に、日本で食品添加物として認められました(第一工業製薬の資料)。ミネソタ大学の報告は、Hass(1968)を引いて「食品添加物としての承認の歴史は、1959年の日本から始まった」と書いています。色材協会誌も、日本の会社が世界で初めて食品用に工業化したと書いています
- 欧州は1978年、米国は1983年に認めました(第一工業製薬の社報。欧州は「1974年に使用を推奨」とする資料もあります)
つまり、「日本で開発」ではなく「米国で生まれた技術を、日本が世界で最初に食品添加物として認め、工業化した」というのが、確かめられた範囲での正確な言い方です。ただし、1959年の告示の原本までは確かめられませんでした。
ポリソルベートは2008年に日本で指定
| 地域 | ポリソルベートを食品に認めた時期 |
|---|---|
| 米国 | 1960年代初め |
| EU | 1995年の指令 |
| 日本 | 2008年(20・60・65・80の4種類) |
日本では、厚生労働大臣の要請(2003年)を受けて食品安全委員会が評価し、2007年に許容一日摂取量(ADI)を決めました。くわしくは 各国の評価 で紹介します。
乳化剤のしくみ(かんたんに)
乳化剤は、1つの分子の中に「水になじむ部分」と「油になじむ部分」を持つ物質です。水と油の境目に並んで、ふつうは分かれてしまう水と油を、細かい粒のまま混ざった状態(乳化)に保ちます。洗剤やシャンプーに使う界面活性剤と同じ仲間で、くわしいしくみは 界面活性剤の記事 にまとめています。
ただ、食品の「乳化剤」の仕事は、水と油を混ぜることだけではありません。日本の表示のルールでは、乳化剤を次の目的で使う添加物と定めています(消費者庁「食品表示基準について」別添)。
- 乳化(水と油を混ぜる)
- 分散(粉などを均一に散らす)
- 浸透・洗浄
- 起泡(泡を立てる)・消泡(泡を消す)
- 離型(型から離れやすくする)
泡を「立てる」ことにも「消す」ことにも使う、というのが乳化剤のおもしろいところです。
一方、研究でよく話題になる CMC(カルボキシメチルセルロース)とカラギーナンは、界面活性剤ではありません。水にとろみをつける「増粘剤」の仲間です。2015年の論文が乳化剤を「洗剤のような分子」と表現したことで「乳化剤=洗剤」という言い方が広まりましたが、研究の主役の CMC は洗剤の仲間ではありません。
日本の「乳化剤」には何が入っている?

24品目(プロセスチーズではさらに23品目)
日本で「乳化剤」と書ける添加物は、2026年4月時点で次のとおりです(消費者庁「食品表示基準について」別添 添加物1-4)。
| 区分 | 数 | 主な品目 |
|---|---|---|
| 指定添加物(国が安全性を評価して指定したもの) | 13 | グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム・ナトリウム、ポリソルベート20・60・65・80、ヒマワリレシチン など |
| 既存添加物(昔から使われてきた天然系) | 11 | 植物レシチン、卵黄レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン、酵素分解レシチン、キラヤ抽出物、ユッカフォーム抽出物、ダイズサポニン、植物性ステロール、動物性ステロール、スフィンゴ脂質 |
| プロセスチーズ類だけ | 23 | クエン酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩など |
2001年の業界の解説では「指定5品目・既存18品目」でした。指定(合成系)は増え、既存(天然系)は名簿から消されて減ったことになります。
プロセスチーズでは、チーズをなめらかに溶かすリン酸塩やクエン酸塩も「乳化剤」と書けます。EU では、これは「乳化塩(emulsifying salts)」という別の分類です。
「グリセリン脂肪酸エステル」は、EU の4系統をまとめた名前
日本の「グリセリン脂肪酸エステル」という1つの名前の中には、
- モノグリセリド(脂肪酸のモノ・ジグリセリド)
- 有機酸モノグリセリド(酢酸・乳酸・クエン酸・コハク酸・ジアセチル酒石酸など)
- ポリグリセリン脂肪酸エステル
- ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(PGPR)
が含まれます(業界の解説。ポリグリセリン脂肪酸エステルが含まれることは食品安全委員会も明記)。EU なら E471・E472a〜f・E475・E476 と、別々の番号がつくものです。
つまり、日本の裏面の「乳化剤」は、「24品目のどれか」を1語にまとめ、さらにその1品目が EU の4系統をまとめている、という二重のまとめになっています。
CMC とカラギーナンは「乳化剤」ではない
研究でよく出てくる CMC とカラギーナンは、日本では「乳化剤」の一括名に入りません。表示は「増粘剤」「安定剤」「ゲル化剤」(まとめて「増粘多糖類」とも書けます)です。
| 物質 | 日本の表示 | EU の番号 |
|---|---|---|
| グリセリン脂肪酸エステル | 乳化剤 | E471 など |
| レシチン | 乳化剤(または「レシチン」) | E322 |
| ポリソルベート80 | 乳化剤 | E433 |
| CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム) | 増粘剤・安定剤など | E466 |
| カラギーナン | 増粘剤・安定剤・ゲル化剤など | E407 |
この違いは、あとで「乳化剤が腸に悪い」という研究を読むときに大切になります。
乳化剤はどこに使われている?
パンからアイス、豆腐まで
乳化剤は、混ぜる以外にもいろいろな目的で使われています(オレオサイエンス 2001 の業界の解説などから)。
| 食品 | 何のために | 主な乳化剤 |
|---|---|---|
| パン | 生地を扱いやすくする。デンプンとくっついて、パンがかたくなるのを遅らせる | モノグリセリド、ステアロイル乳酸塩 |
| ケーキ | 泡立ちを助ける | モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル |
| アイスクリーム | わざと乳化を少し壊して脂肪の粒を集め、空気の泡を支える | モノグリセリド、ポリソルベート80 |
| チョコレート | 生地のとろみを下げる。表面が白くなる「ブルーム」を防ぐ | レシチン、PGPR |
| マーガリン | 水と油を保つ。焼いたときの跳ねを防ぐ | モノグリセリド、レシチン |
| チューインガム | やわらかさを保つ。歯にくっつきにくくする | モノグリセリド |
| 麺・ごはん | ほぐれをよくする、つやを出す | モノグリセリド、レシチン |
| 豆腐 | 豆乳を煮るときの泡を消す | モノグリセリド |
| 缶・ペットボトル飲料(温めて売るもの) | 加熱しても死なない菌の芽胞が増えるのを抑える | ショ糖脂肪酸エステル |
日本でどれくらい使われている?
| 年 | 合計(推計) | 内訳 |
|---|---|---|
| 1998年 | 約22,900トン | グリセリン脂肪酸エステル系 11,600、レシチン 5,000、ショ糖脂肪酸エステル 3,800、ソルビタン 1,500、プロピレングリコールエステル 1,000 |
| 2005年 | 約24,000トン | グリセリン脂肪酸エステル系 11,700、レシチン 5,600、ショ糖脂肪酸エステル 4,200、ソルビタン 1,500、プロピレングリコールエステル 1,000 |
出典:1998年はオレオサイエンス 2001(業界紙の集計が基)、2005年は乳化剤メーカーの太陽化学の推定(食品安全委員会の資料も、グリセリン脂肪酸エステル11,700トンという同じ数字を引用)。集計した人が違うので、厳密な推移ではありません。2006年以降の公表統計は見つかりませんでした。
日本でいちばん多いのはグリセリン脂肪酸エステルで、全体の約半分、次がレシチンです。1998年の用途別では、洋菓子 3,500トン、マーガリン・ショートニング 3,450トン、パン 3,100トン、豆腐 1,450トンの順でした。
チョコレートとレシチン
チョコレートには、大豆レシチンを使うことが多くあります。カカオバターを減らしても生地のとろみが下がり、型に流しやすくなるためです。コーティング用のチョコでは、レシチンと PGPR を組み合わせることもあります。
ただ、レシチンを使わなくてもチョコレートは作れます。乳化剤を使わないチョコもあります。
札幌の SOIL CHOCOLATE は、カカオ豆から板チョコまでを自分たちで作る「Bean to Bar」の専門店です。公式通販の原材料を見ると、ダークの板チョコは「カカオマス(カカオ豆)、砂糖」のように、カカオ豆からつくったものと砂糖だけ、ミルクは「カカオバター、カカオマス、全粉乳、砂糖」で、どの商品の原材料にも乳化剤やレシチンがありませんでした(2026年10月3日確認)。
楽天市場では、定番の3種類をまとめたセットが出ています。
マーガリンとバター
マーガリンは、油の中に水を細かく散らした食品で、その状態を保ち、焼いたときの跳ねを防ぐために乳化剤を使うことが多い食品です。1930年代の米国の特許も、この目的でした。1998年の日本でも、乳化剤の用途の2番目がマーガリン・ショートニングでした。
バターは、牛乳の脂肪を集めて練り固めた食品で、乳化剤を加えなくても形になります。たとえば よつ葉 パンにおいしい発酵バター の原材料は、生乳(北海道産)と食塩の2つだけで、添加物はありません。
なお、マーガリンを少しだけ使ったシュークリームのように、原材料の中の乳化剤が最終的な食品で働かない量なら、表示が免除されることがあります(キャリーオーバー)。くわしくは キャリーオーバーの記事 で紹介しています。
豆腐の泡消しと「加工助剤」
豆腐を作るとき、大豆をすりつぶして煮ると、たくさんの泡が出ます。この泡を消すために、乳化剤(モノグリセリド)を使うことがあります。1998年の推計では、豆腐に使われた乳化剤は1,450トンで、全体の約6%でした。
ところが、豆腐の裏面に「乳化剤」や「消泡剤」と書いていないことがあります。国のルールでは、ごくわずかしか残らず、食品に効果を残さない添加物は「加工助剤」として表示が免除されるからです。札幌市保健所の資料は、加工助剤の例として「豆腐の大豆汁の消泡に使うシリコーン樹脂」を挙げています。
- ただし、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)を消泡に使ったときに、国のルールで加工助剤になるかどうかを明記した資料は、見つけられませんでした
- 一方、京都府は独自のルール(府の告示)で、豆腐に使った消泡の添加物を「消泡剤」と書き、物質名も書くよう求めています(京都府「加工食品の品質表示基準」、1983年告示・2019年改正)
同じ豆腐でも、京都府内で売るものには「消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル)」のような表示があり、ほかの地域のものには何も書いていない、ということが起こりえます。
缶コーヒーの「乳化剤」は菌を抑えるためでもある
温めて売る缶やペットボトルの飲料には、加熱殺菌でも死なない菌の芽胞が増えるのを抑えるために、ショ糖脂肪酸エステルを使うことがあります。菌を殺すのではなく、増えるのを抑える使い方です(第一工業製薬の社報 2009、ミネソタ大学の報告)。ミネソタ大学の報告は、これを日本での最大の用途と書いています。
ただし、一括名の「乳化剤」は「乳化剤としての目的で使う場合」に書けるルールで、菌を抑える目的で使ったときに「乳化剤」と書いてよいかを、消費者庁の資料で確かめることはできませんでした。
表示のルール:日本・EU・米国でこう違う

日本:「乳化剤」とだけ書けばよい
- 何種類使っても「乳化剤」の1語でよい(一括名)。物質名を添えるかどうかは任意です
- 「乳化剤(レシチン)」と書けるのは、レシチンだけを使ったときです。ほかの乳化剤も使っているのに、レシチンだけを書くことはできません(消費者庁 食品表示基準Q&A 加工-79)
- 原材料の中の乳化剤が最終的な食品で働かないとき(キャリーオーバー)や、加工助剤にあたるときは、表示が免除されます
「乳化剤(大豆由来)」と、表示がいらない例外
大豆や卵から作った乳化剤は、アレルギー表示が必要です。一括名の場合は「乳化剤(大豆由来)」「乳化剤(卵由来)」のように書きます。
ただし、消費者庁の一覧では、次のものは大豆から作っても「大豆由来」の表示がいりません。精製の過程で、アレルギーの原因になるたんぱく質が残らないと考えられているためです。
| 乳化剤 | 「大豆由来」の表示 |
|---|---|
| 植物レシチン、植物性ステロール | 必要 |
| グリセリン脂肪酸エステル(蒸留していないもの) | 必要 |
| グリセリン脂肪酸エステル(蒸留したもの) | いらない |
| プロピレングリコール脂肪酸エステル | いらない |
| ステアロイル乳酸カルシウム | いらない |
| ソルビタン脂肪酸エステル | いらない |
| ダイズサポニン | いらない(名前に「ダイズ」があるため) |
出典:消費者庁「食品表示基準について」別添 アレルゲンを含む食品に関する表示(2026年10月版)。卵黄レシチンなどは「レシチン(卵由来)」「乳化剤(卵由来)」と書きます。
「乳化剤」の「乳」は牛乳ではない
「乳化剤」と書いてあると、牛乳アレルギーの人は「乳が入っている」と思うかもしれません。乳化剤の「乳」は、牛乳のことではありません。
消費者庁は、アレルギー表示の「乳」の書き方を「乳成分」だけにしています。その理由の一つとして、「『乳化剤』等の紛らわしい言葉と区別させるため」と書いています(アレルゲンを含む食品に関する表示の Q&A)。
牛乳のアレルギーがある人は、「乳化剤」の文字ではなく、「(一部に乳成分を含む)」などのアレルギー表示を見てください。
EU:「Emulsifier」のあとに物質名か E 番号
EU では、「乳化剤」とだけ書くことはできません。用途名(Emulsifier)のあとに、物質名か E 番号を書きます(EU 規則 1169/2011 附属書 VII Part C)。
- 例:「Emulsifier (soya lecithin)」「Emulsifier: E322」
- 大豆などアレルギーの原因になるものは、太字にするなど、ほかの原材料と区別して目立たせます(同規則 第21条)
米国:物質名を1つずつ
米国は、原材料を「まとめた名前(collective name)」で書くことを原則として認めていません(連邦規則 21 CFR 101.4(b))。まとめて書ける例外は、香辛料・香料・着色料・保存料などで、乳化剤はそこに入っていません。
- 例:「soy lecithin」「mono- and diglycerides」「polysorbate 80」
- パン生地の改良剤のように「dough conditioners(〜、〜)」とまとめる書き方もありますが、かっこの中に物質名を1つずつ書く決まりです
同じ中身でも、国で裏面はこう変わる
同じ乳化剤を使った食品でも、国によって裏面の書き方が変わります。大豆レシチンとモノグリセリドの2つを使ったチョコレート菓子を例に、書き方の違いを並べました(説明のための架空の例で、実在の食品の表示ではありません)。
| 国・地域 | 乳化剤の部分の書き方の例 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 日本 | 乳化剤(大豆由来) | 乳化剤を使ったこと、大豆由来のものがあること。種類も数も分からない |
| EU | emulsifiers (soya lecithin, mono- and diglycerides of fatty acids) または emulsifiers (E322 (soya), E471) | 2種類の物質名か番号が分かる |
| 米国 | soy lecithin, mono- and diglycerides | 2種類の物質名が分かる |
日本の裏面から「どの乳化剤か」を知る方法はありません。物質名を任意で書いているメーカーもあるので、気になるときは裏面のかっこの中を見るか、メーカーに問い合わせます。
| 日本 | EU | 米国 | |
|---|---|---|---|
| 書き方 | 一括名「乳化剤」だけで可 | 用途名+物質名か E 番号 | 物質名を1つずつ |
| プロセスチーズのリン酸塩など | 「乳化剤」と書ける | 「乳化塩」という別の分類 | 物質名 |
| キャリーオーバー・加工助剤 | 表示免除 | 表示免除 | 表示免除 |
「乳化剤が腸に悪い」は本当? 研究を1つずつ確かめる
出発点:2015年のマウスの実験
「乳化剤が腸に悪い」という話の出発点は、2015年に科学誌 Nature に載った、米国ジョージア州立大学のシャセン(Chassaing)らの研究です。
- マウスの飲み水に、CMC かポリソルベート80(P80)を 1% 混ぜて、12週間与えました
- 腸に軽い炎症が起き、太りやすく、血糖値が乱れました。腸炎になりやすい性質のマウスでは、はっきりした腸炎が出ました
- 腸内細菌のいない無菌マウスでは起きず、乳化剤を与えたマウスの腸内細菌を移すと同じ変化が起きたので、「腸内細菌を通じて起きる」と考えられました
研究の資金は米国国立衛生研究所(NIH)などの公的資金です。2016年に訂正が出ていますが、撤回はされていません。
その後、同じグループなどから、マウスで大腸がんのモデルの腫瘍が増えた(2017年)、母親のマウスに与えると子の腸内細菌が変わった(2025年)、という報告も続いています。日本の京都府立医科大学の研究者も加わった研究では、P80 でマウスの卵白アレルギーの症状が悪化しました(Harusato 2022)。どれも動物の実験です。
実験の量と食卓の量
問題は、量です。
| 場面 | 1日あたりの量(体重70kg) | 出典 |
|---|---|---|
| マウス実験(飲み水1%)を人に換算 | 約175g(推定) | Fitzpatrick 2024、Nutrients(オーストラリア・モナシュ大学の研究者の推定) |
| 人の試験 FRESH(CMC) | 15g | Chassaing 2022 |
| オーストラリアの「乳化剤の多い献立」(41種類の合計) | 2.8g(量が分かった分) | Fitzpatrick 2024、Nutrients |
| ポリソルベート類の ADI(EFSA・日本) | 1.75g・700mg | EFSA 2015、食品安全委員会 2007 |
| 日本:モノグリセリド2種の摂取量(2005年度の実測) | 約73mg | 厚生労働省の調査 |
| フランスの平均:CMC | 3.8mg(食べていた人は10.8%) | Sellem 2023 |
| フランスの平均:P80 | 0.3mg(食べていた人は1.1%) | Sellem 2023 |
- マウスの量は、オーストラリアの研究者が「体重1kgあたり1日約2,500mg、70kgの人なら1日175g、大さじ9杯弱」と推定しています。食べものの量ではなく、薬の量に近いと書いています
- 人の試験の15gも、フランスの CMC の平均摂取量(3.8mg)の約4,000倍です。論文自身も「多くの人の CMC の摂取量を超えるだろう」と書いています。ただし同じ文で、「加工食品の多い食事をしている人がとる乳化剤の合計量には近いかもしれない」とも書いています
- マウスの量は、P80 の日本の ADI の約250倍、EFSA の ADI の約100倍にあたります
ただし、この比べ方にも限界があります。マウスの量はマウスの体重と飲む水の量を仮定した推定で、実験をした研究者自身の換算ではありません。
人での試験①:CMC を1日15g(FRESH、2022年)
人で CMC の影響を調べた試験が、シャセンらの「FRESH」試験です(Gastroenterology 2022)。
- 健康な成人を入院させて、食事を完全に管理しました。CMC をとる人とらない人を、本人も研究者も分からないように分けた試験(二重盲検ランダム化比較試験)です
- CMC を1日15gとった7人と、とらなかった9人の、合わせて16人。入院は11日間です。CMC は、ブラウニーとシャーベットに1回2.5gずつ入れて、1日6回食べました
- CMC をとった人では、食後のおなかの不快感が少し増え、腸内細菌の多様性が下がり、便の中の短鎖脂肪酸(腸内細菌が食物繊維から作る、腸の健康に関わる成分)が減りました
- 2人では、腸内細菌が、腸の内側をおおう粘液の層の中まで入り込んでいました
資金は NIH などの公的資金ですが、責任著者の1人は製薬会社や食品会社の健康部門と関係があると申告しています。
人での試験②:個人差が大きい
FRESH で CMC をとった人の中でも、強く影響を受けたのは一部の人だけでした。その後、参加者の便の細菌を装置の中で育てて CMC を加えると、「CMC に弱い細菌を持つ人」と「影響を受けにくい人」の違いが再現でき、前もって見分けられる可能性が示されました(Rytter 2025、Gut)。CMC に弱い人の細菌を、腸炎になりやすい無菌マウスに移して CMC を与えると、腸炎が起きました。
つまり、同じ量でも、人によって影響が大きく違う可能性があります。ただし、この見分け方はまだ研究の段階です。
人での試験③:健康な60人・4週間(ベルギー、2026年)
ベルギーのルーヴェン・カトリック大学の試験(Wellens 2026、Clin Gastroenterol Hepatol)は、より現実に近い形で調べました。
- 健康な60人。まず2週間、乳化剤を使わない食事にしました
- そのあと4週間、乳化剤なしの食事を続けながら、ブラウニーで「CMC」「P80」「カラギーナン」「大豆レシチン」「米デンプン(加工していないもの)」の5種類か、「何も入れない(プラセボ)」のどれかを、二重盲検で食べてもらいました
- 乳化剤を足しても、炎症の指標(便のカルプロテクチン、血液の CRP など)や代謝の指標は、プラセボの群と変わりませんでした
- 一方で、便の短鎖脂肪酸はプラセボの群より低く(CMC で統計的に意味のある差)、カラギーナンの群では、腸の透過性(腸から物質がしみ出しやすいかどうか)の指標の1つが、試験の開始時より上がりました
乳化剤なしの食事を2週間続けたことで、コレステロールが下がったことも報告されています。ブラウニー1個あたりの乳化剤の量は、論文の全文を確認できず、確かめられませんでした。
オーストラリアの健康な22人の試験(Fitzpatrick 2024、Aliment Pharmacol Ther)では、市販品で作った「乳化剤の多い食事」と「少ない食事」を比べ、ふだんの状態では、乳化剤の多い食事のほうが腸の透過性がむしろ低い結果でした。ストレスホルモンを注射したときだけ、乳化剤の多い食事で透過性が上がりました。
試験管で20種類を比べると、乳化剤ごとに違った
「乳化剤」とひとくくりにできないことを示したのが、人の便の細菌を試験管の装置で育てて、乳化剤を加えた実験です。
| 研究 | 条件 | 結果 |
|---|---|---|
| Naimi 2021(Microbiome) | 1人の便の細菌、20種類、どれも濃度0.1% | CMC・P80 は影響が長く続いた。カラギーナンやガム類も強い影響。大豆レシチンとモノ・ジグリセリド(E471 の1製品)は、はっきりした影響が見られなかった。ただし同じ E471 でも「グリセリルステアレート」は影響が続いた |
| Miclotte 2020(Front Microbiol、ベルギー・ゲント大学) | 10人の便の細菌、濃度0.005〜0.5%、48時間 | 大豆レシチン0.5%で、生きた細菌が87%減った。CMC・P80 より、レシチンや微生物由来の乳化剤(ラムノリピッドなど)のほうが強い影響。著者は「より天然の代わりのもの」と考えることに注意をうながしている |
2つの研究を並べると、大豆レシチンは0.1%では影響がはっきりせず、0.5%では細菌が大きく減りました。影響は、乳化剤の種類と濃度で変わります。
- 「天然のレシチンなら安心」とも、「合成だから危険」とも言えません
- どちらも試験管の実験で、人の体の中で同じことが起きるかは分かりません
クローン病:結果は分かれている
クローン病(腸に炎症が続く病気)の人では、食事の乳化剤を減らす試験が行われています。
| 試験 | 対象・期間 | 結果 |
|---|---|---|
| オーストラリア(Fitzpatrick 2025、Aliment Pharmacol Ther) | 活動期のクローン病 24人、4週間、二重盲検 | 乳化剤の多い献立と少ない献立で、差はなかった。著者は「活動期のクローン病で、乳化剤を避けるよう勧める根拠はない」と結論。著者の1人に食品会社からの講演料の申告あり |
| 英国 ADDapt(ロンドン大学キングス・カレッジ) | 軽い症状が出ている(活動期の)クローン病 154人、8週間、二重盲検 | 乳化剤を減らした食事に、乳化剤なしのおやつを加えた群のほうが、症状が良くなった人が多かった(49% 対 31%)。2025年の学会発表と大学の発表だけで、2026年10月3日時点で査読を受けた論文は確認できませんでした |
| 米国(Bhattacharyya 2017) | 寛解中の潰瘍性大腸炎 12人 | カラギーナンのカプセルの群で再燃が多かった(5人中3人 対 7人中0人)。差が出た時点で打ち切った小さな試験で、責任著者は長年カラギーナン有害説を唱えてきた研究者 |
英国の試験は、研究で問題になった3種類(カラギーナン・CMC・P80)をおやつに足すかどうかで比べています。足した量はまだ論文で確かめられないため、日本の食卓の乳化剤にそのまま当てはめることはできません。
国際的な炎症性腸疾患の研究組織(IOIBD)は2020年に、専門家の意見として、CMC・P80・カラギーナンなどを「減らすのが賢明」としました。その後のオーストラリアの試験は「避ける根拠はない」と結論しており、2026年時点で専門家の見方は割れています。クローン病や潰瘍性大腸炎の人は、食事を変える前に主治医に相談してください。
フランスの大規模研究:「関連」であって「原因」ではない
フランスの「NutriNet-Santé(ニュートリネット・サンテ)」は、ボランティアが参加するインターネットの大規模な追跡調査です。何を食べたかを銘柄ごとに記録し、添加物の量を推計して、その後の病気を追いかけました。資金は欧州研究会議などの公的資金で、企業の資金はないと論文に書かれています。
| 論文 | 対象・期間 | 主な結果 |
|---|---|---|
| Sellem 2023(BMJ) | 9万5,442人、追跡の中央値7.4年 | 心血管の病気:CMC は摂取が1標準偏差増えるごとにリスクが1.03倍、モノ・ジグリセリド類の合計で1.07倍。レシチン・カラギーナンなどは関連なし |
| Sellem 2024(PLoS Med) | 9万2,000人、平均6.7年 | がん:モノ・ジグリセリド(E471)を多くとる群は少ない群に比べて、がん全体1.15倍、乳がん1.24倍、前立腺がん1.46倍。カラギーナンで乳がん1.32倍。大腸がんとは、どの乳化剤も関連なし |
| Salame 2024(Lancet Diabetes Endocrinol) | 10万4,139人、平均6.8年 | 2型糖尿病:カラギーナン(100mg/日増えるごとに1.03倍)、キサンタンガム、グアーガムなどで関連 |
読むときの注意は、次のとおりです。
- 観察研究なので、乳化剤が病気の原因だとは言えません。論文自身も「観察研究なので、乳化剤が心血管の病気の原因だと確かめることはできなかった」と書いています。乳化剤を多く食べる人は、年齢や体重、食事全体が違う可能性があります
- リスクの上がり方は小さいです。たとえば CMC の1.03倍は、「摂取量が1標準偏差多いと、心血管の病気のリスクが3%高い」という意味です。絶対的なリスクの差は論文に示されていません
- 3日分の食事記録(半年ごとにくり返す)から、ごく少量の添加物の量を逆算しています。糖尿病の論文について、英国の専門家は「論文が示すほどの精度は出せない」とコメントしています
- 糖尿病の論文は60種類以上を調べ、関連が出たのは一部です。たくさん調べると、偶然の関連も出やすくなります
- 参加者の約8割が女性で、ボランティアです
NutriNet の「乳化剤」は、日本の乳化剤よりずっと広い
もう1つ大切なのは、この研究の「乳化剤」が、日本の「乳化剤」とは範囲がまったく違うことです。
この研究は、国際的な食品添加物の基準(コーデックス)などで「乳化剤」「乳化塩」の機能を持つものを、61種類すべて足して「乳化剤」としています。1日の総摂取量は平均約4.3gで、論文の本文と図によると、総摂取量に占める割合は、
- 加工デンプン 33.5%
- 炭酸水素ナトリウム(重曹)26.9%
- ペクチン 6.4%
- 二リン酸 5.1%
- モノ・ジグリセリド(E471)5.0%
でした。なお、同じ論文の表2の平均摂取量どうしで割ると、重曹 約35%・加工デンプン 約31%と順位が入れ替わります(本文の値は計算のしかたが違うと見られます)。どちらで見ても、この2つで全体の約3分の2です。
日本なら「乳化剤」と書くのは、このうちモノ・ジグリセリドやレシチンなど一部だけです。加工デンプンは「加工デンプン」や増粘剤など、重曹は膨張剤などとして別に表示されます(加工デンプンのうち、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムだけは、乳化の目的で使えば「乳化剤」と書けます)。
なお、この研究でモノ・ジグリセリド類の主な摂取源の1つは「油脂とソース(たとえば市販のマヨネーズ)」でした。後で紹介するように、日本のマヨネーズは乳化剤を使えないので、食べものの中身も国によって違います。
「乳化剤は腸に穴を開ける」は仮説の段階
「乳化剤が腸のバリアを壊して、腸に穴が開く(リーキーガット)」という話もよく見かけます。
- よく引かれるのは、2015年の総説(Lerner & Matthias、Autoimmun Rev)で、「工業的な食品添加物が腸の細胞のすき間を開き、自己免疫の病気が増えたことを説明できる」という仮説です。共著者の1人は診断薬の会社の所属でした
- 試験管やマウスでは、透過性が変わった研究があります
- 人では、ふだんの状態で透過性がむしろ低かった試験(オーストラリアの22人)や、炎症の指標が変わらず、カラギーナンの群で透過性の指標の1つだけが上がった試験(ベルギーの60人)があります
- 「リーキーガット症候群」は、はっきり定義された診断名ではないとする総説もあります(Dey 2025、Nutrients)
「乳化剤で腸に穴が開く」と人で示した研究は、確かめた範囲では見つかりませんでした。
カラギーナンの「発がん性」は、別物のポリギーナンの話
「カラギーナンは発がん物質」という話は、名前の似た別の物質との混同です。
- 国際がん研究機関(IARC)は1987年に、酸で分解して小さくした「分解カラギーナン(ポリギーナン)」を「発がん性があるかもしれない(グループ2B)」、ふつうのカラギーナンを「分類できない(グループ3)」としました
- 欧州食品安全機関(EFSA)は2018年、「ポリギーナンは食品添加物として認められておらず、使われていない」としています
- ただし EFSA は、ふつうのカラギーナンの ADI(体重1kgあたり75mg)を、データが足りないとして「暫定」にし、5年以内のデータの改善を求めました。赤ちゃんを含む再評価は続いています
大豆レシチンとアレルギー
大豆レシチンには、大豆のたんぱく質がごくわずかに残ります。
- 日本の研究(Awazuhara 1998)では、大豆レシチン100gに含まれるたんぱく質は2.8mgでした。大豆に感作された患者30人の血液で調べると、レシチンの中の1つのたんぱく質には4割の人の抗体が反応しましたが、食べる試験で症状が出た7人のうち、レシチンのたんぱく質に反応する抗体を持っていたのは1人だけでした
- 英国で、大豆アレルギー(すぐには症状が出ないタイプ)の子どもに、大豆レシチンを1日1.5g、1週間与えた二重盲検の試験(最後まで参加したのは20人)では、レシチンで反応したのは1人でした。何も入れないものを食べた週にも5人が反応していました(Gholmie 2020)
研究では「反応する人は少ない」という結果ですが、ゼロではありません。日本では「乳化剤(大豆由来)」の表示が義務になっているので、大豆アレルギーの人は表示を確かめ、主治医の指示に従ってください。
各国の評価:日本のほうが厳しいものもある
ADI(許容一日摂取量)は、毎日一生食べ続けても健康への悪影響がないと考えられる量です。体重1kgあたりのmgで表します。
ポリソルベートは、日本のほうが厳しい
| ADI(体重1kgあたり1日) | 根拠 | |
|---|---|---|
| 日本(食品安全委員会、2007年) | 10mg | ポリソルベート60のラットの13週間の試験で、下痢が出なかった量 |
| EFSA(欧州、2015年) | 25mg | ラットの発がん性試験で、悪影響が出なかった量 |
| JECFA(FAO/WHO、1973年) | 25mg | ― |
「日本は添加物の規制が甘い」と言われることがありますが、ポリソルベートは日本のほうが2.5倍厳しい例です。日本は2008年の指定のとき、パンからの推定摂取量が多くなるとして、パンへの使用を認めませんでした。
EFSA が「足りない」としたこと
EFSA は2013〜2025年に、EU で使える乳化剤を順に見直しました。
| 物質 | EFSA の結論 |
|---|---|
| レシチン(E322) | 数値の ADI は不要。乳児用ミルクでも上限まで懸念なし(2017年・2020年) |
| モノ・ジグリセリド(E471) | 数値の ADI は不要。ただし重金属の上限を下げ、グリシジルエステル・3-MCPD(油の精製でできる物質)の上限を加えるべき(2017年・2021年) |
| ポリソルベート類(E432〜436) | ADI 25mg。幼児で多く食べる人の推計が24.5mgと、ADI に近い(2015年) |
| ショ糖脂肪酸エステル(E473) | ADI 40mg。推計の摂取量が、多くの年齢層で ADI を超える(2018年・2023年。推計が多めの可能性あり) |
| ステアロイル乳酸塩(E481・482) | ADI 22mg。大人以外の年齢層では平均でも ADI を超える推計(2013年) |
| CMC(E466) | 数値の ADI は不要(2018年) |
| カラギーナン(E407) | ADI 75mg を「暫定」に。データの改善を要求(2018年) |
EFSA が「足りない」としたのは、主に不純物(重金属など)、規格、赤ちゃんでの使用、使う量と食べる量のデータです。腸内細菌への影響は、ADI の根拠には入っていません。
日本の摂取量のデータは古い
日本で、乳化剤を実際に何mg食べているかを測った国の調査(マーケットバスケット方式)は、確かめた範囲では2005年度のモノグリセリド2種だけでした(ステアリン酸モノグリセリド 1日46.58mg、パルミチン酸モノグリセリド 1日26.15mg)。
食品安全委員会は2007年のポリソルベートの評価で、「指定後に摂取量を把握すべき」と書いていますが、その後の実測は見つかりませんでした。食品安全委員会や消費者庁が、乳化剤と腸内細菌の研究について見解を出した資料も見つかりませんでした。
「海外では禁止」は本当?
- 米国で、P80・CMC・カラギーナンを禁止した動きは確認できませんでした。2024年に米国食品医薬品局(FDA)が禁止したのは、飲料の安定剤の「臭素化植物油(BVO)」で、理由は甲状腺などへの影響です。テキサス州などの州法のリストにも、P80・CMC・カラギーナン・モノグリセリドは入っていませんでした
- EU では、乳化剤を禁止したのではなく、規格や使える量を見直しています(2026年1月にも、カラギーナンなどの使用条件を改正)
国による違いは「禁止」よりも、どの物質を認めているかにあります。
| 物質 | 日本 | EU |
|---|---|---|
| ポリソルベート40 | 認められていない | E434 |
| アンモニウムホスファチド(チョコレート用) | 認められていない | E442 |
| ユッカフォーム抽出物、ダイズサポニン、スフィンゴ脂質 | 既存添加物(乳化剤) | 添加物としてはない |
| ポリソルベートのパンへの使用 | 認められていない | ― |
「どの乳化剤の話か」を分けて読む
ここまでをまとめると、研究で問題になった乳化剤と、日本の裏面の「乳化剤」は、かなりずれています。
| 物質 | 日本の表示 | 研究で分かったこと | 英国の加工食品での割合 | フランスで食べていた人 |
|---|---|---|---|---|
| CMC(E466) | 増粘剤・安定剤など(乳化剤ではない) | マウス、人(1日15g)で腸内細菌が変わった | 1.4% | 10.8%(平均3.8mg/日) |
| P80(E433) | 乳化剤 | マウス・試験管で影響。人に P80 だけを与えた試験は見つからなかった | 0.06%(8品) | 1.1%(0.3mg/日) |
| カラギーナン(E407) | 増粘剤・ゲル化剤など(乳化剤ではない) | 試験管で強い影響。ベルギーの試験で透過性の指標が上昇。観察研究で乳がん・糖尿病と関連 | 4.4% | 77.9%(57.3mg/日) |
| モノ・ジグリセリド(E471) | 乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル) | 試験管では製品で結果が違う。観察研究でがんと関連 | 14.5% | 81.6%(161.2mg/日) |
| レシチン(E322) | 乳化剤、または「レシチン」 | 試験管で0.1%は影響がはっきりせず、0.5%で細菌が減少。観察研究で関連なし | 23.4% | 88.4%(60.3mg/日) |
出典:Sandall 2023(英国の加工食品12,844品)、Sellem 2023 Table 2(フランス9万5,442人)
- 英国の加工食品で多かったのは、レシチン(23.4%)とモノ・ジグリセリド(14.5%)でした。研究の主役の CMC は1.4%、P80 はわずか0.06%(8品)でした
- オーストラリアの炎症性腸疾患の人と健康な人367人の食事記録では、P80 を食べた記録はゼロでした(Katsoudas 2024)。著者は「炎症を起こすとされる乳化剤は、よく言われるほど食品に入っていない」と書いています
- 日本の裏面の「乳化剤」に、CMC とカラギーナンは入っていません。日本で多く使われているのは、グリセリン脂肪酸エステルとレシチンです
だからといって「日本の乳化剤は安全」とも言い切れません。モノ・ジグリセリドはフランスの観察研究でがんとの関連が報告されていますし、日本では一括名のせいで、裏面からどの乳化剤かが分からないからです。「乳化剤」という言葉だけで、良い・悪いを判断できない、というのがこの記事の結論です。
ウラヨミの71品で数えてみた
ウラヨミに載せている71品(2026年10月3日時点)の原材料を、「乳化剤」「レシチン」で数え直しました。
| 区分 | 品数 | 乳化剤・レシチンあり | 表示 |
|---|---|---|---|
| カレー・シチューのルウ | 11 | 4 | すべて「乳化剤」(一括名) |
| スープの素 | 7 | 2 | すべて「乳化剤」(一括名) |
| 粉ミルク | 1 | 1 | 「レシチン」 |
| マヨネーズ・ドレッシング | 4 | 0 | 卵黄・鶏卵で乳化 |
| そのほか | 48 | 0 | ― |
| 合計 | 71 | 7(約10%) |
乳化剤・レシチンが入っていたのは、次の7品です。
- ルウ:ハウス バーモントカレー 中辛、ハウス ジャワカレー 中辛、ハウス こくまろカレー 中辛、ハウス シチューミクス クリーム
- スープの素:味の素 丸鶏がらスープ、創味シャンタン やわらかタイプ
- 粉ミルク:アイクレオ バランスミルク(「レシチン」。使う目的はメーカーが公表していません)
一括名の「乳化剤」と書かれた6品は、どれも物質名が分かりません。レシチンなのか、グリセリン脂肪酸エステルなのか、ポリソルベートなのかは、裏面からは判断できませんでした。一方、ルウでもコスモ食品などの7品は乳化剤を使っていません。ルウの選び方は カレールウの記事 で紹介しています。
マヨネーズは乳化剤を使えない
ウラヨミのマヨネーズ・ドレッシング4品は、どれも乳化剤(添加物)を使っていませんでした。卵黄(キユーピーの2品)か鶏卵(2品)が、乳化の役目をしています。
これは偶然ではありません。食品表示基準で「マヨネーズ」と名乗れるものは、使える原材料と添加物が決まっていて、乳化剤は入っていません。
- マヨネーズの定義:卵黄または全卵を使い、食用植物油脂が65%以上。使える添加物は、調味料(アミノ酸等)・酸味料・香辛料抽出物だけ
- 油の少ない「サラダクリーミードレッシング」(油10〜50%未満)は、乳化剤・糊料・着色料も使えます
たとえば キユーピー マヨネーズ の原材料は、食用植物油脂・卵黄・醸造酢・食塩・香辛料・調味料(アミノ酸)・香辛料抽出物の7つで、添加物は「/」より後ろの2つだけです。450gに卵黄3.6個分を使っていると、メーカーは説明しています。
マヨネーズは、卵黄のレシチンが油と酢をまとめる食品です。乳化剤の歴史が卵黄から始まったことを思い出すと、マヨネーズは「乳化剤のいちばん古い使い方」をいまも続けている食品とも言えます。
なお、日本でマヨネーズが発売されたのは1925年(キユーピー)です。
選び方と、裏面の読み方
裏面チェックのポイント
- 「乳化剤」の1語では、中身は分からない。物質名がかっこで書いてあれば、それが手がかりになります(「乳化剤(レシチン)」はレシチンだけ)
- 「増粘剤(カラギーナン)」「増粘多糖類」「CMC」は、乳化剤とは別の欄に書かれます。研究で話題になった CMC・カラギーナンが気になるなら、こちらを見ます
- 「乳化剤」の「乳」は牛乳ではない。牛乳アレルギーは「乳成分」の表示で確かめます
- 大豆アレルギーの人は「乳化剤(大豆由来)」に注意。ただし表示がいらない乳化剤もあります
- 「乳化剤不使用」の表示は、乳化の働きを持つ原材料に置き換えている場合があります。消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(2022年)は、「乳化作用を持つ原材料を高度に加工して使用した食品に、乳化剤を使用していない旨を表示」することを、表示禁止事項に当たるおそれが高い例(類型5の例2)に挙げています。問題にしているのは、特定の成分だけを取り出すなどして、ふつうの食品とは言えなくなったもので置き換えた場合です。くわしくは 「無添加」表示のルールの記事 で紹介しています
- マヨネーズ・バター・板チョコ(カカオと砂糖だけのもの)は、乳化剤を使わずに作れる食品です
気にする人が、何から減らすか
確かめた範囲では、ふつうの食事の乳化剤で人が病気になると示した研究はありません。そのうえで、減らしたい人のための目安を、研究の中身から整理しました。
| 気になること | 研究から言えること |
|---|---|
| 腸内細菌への影響 | 人で影響が出たのは CMC 1日15gの試験。食卓の量とはけたが違う。影響には個人差がある |
| どの乳化剤か | 研究で問題になったのは CMC・P80・カラギーナン。日本の「乳化剤」に CMC とカラギーナンは入らない |
| 天然か合成か | 試験管では、大豆レシチンも濃度が高いと細菌を減らした。天然か合成かでは決まらない |
| がん・心臓病・糖尿病 | フランスの観察研究で関連が報告されたが、原因とは言えず、リスクの上がり方は小さい |
| クローン病 | 試験の結果が分かれている。食事を変える前に主治医に相談 |
乳化剤を多く使う食品は、菓子パン、ケーキ、アイスクリーム、乳飲料、ルウなどの加工食品です。乳化剤だけを避けるより、加工食品の量そのものを見直すほうが、食事全体への影響は大きいと考えられます。実際、ベルギーの試験で乳化剤なしの食事にした人は、超加工食品の量も37.1%(中央値)減っていました(Wellens 2026、Clin Nutr ESPEN)。
酵母エキスなど、ほかの「表示から中身が見えにくい原材料」については 酵母エキスの記事 で、添加物の一覧は 添加物データベース で紹介しています。
この記事で紹介したもの(まとめ)
記事の中で紹介したものを、もう一度まとめました。理由や原材料は、それぞれの節に書いています。
| 紹介したもの | 購入先 |
|---|---|
| SOIL CHOCOLATE(札幌の Bean to Bar チョコレート専門店の公式通販) | SOIL CHOCOLATE |
| SOIL CHOCOLATE 定番3種 set(板チョコレート) | 楽天市場で見る(GELATERIA GELABO) PR Amazonで見る PR |
まとめ
| 気になること | 分かったこと |
|---|---|
| 乳化剤の始まりは? | 卵黄。1850年にゴブレーが「レシチン」と命名。大豆レシチンは1920年代のドイツで工業化、合成の乳化剤は1930〜40年代の米国の特許から |
| ショ糖脂肪酸エステルは日本発? | 開発は米国。日本が1959年に世界で最初に食品添加物として認め、工業化した |
| 日本の「乳化剤」の中身は? | 指定13・既存11の24品目(プロセスチーズはさらに23品目)の一括名。何種類使っても「乳化剤」だけでよい |
| 海外の表示は? | EU は「Emulsifier」+物質名か E 番号、米国は物質名を1つずつ。日本がいちばん中身が見えない |
| 乳化剤は腸に悪い? | マウスは人に換算して1日約175g、人の試験は CMC 15g。食卓の量(フランスの CMC 平均3.8mg)とはけたが違う。健康な60人の4週間の試験では炎症の指標は変わらなかった |
| どの乳化剤の話? | 研究で問題になったのは CMC・P80・カラギーナン。日本の「乳化剤」に CMC とカラギーナンは入らない。英国の加工食品で P80 は0.06% |
| がんや病気との関係は? | フランスの観察研究で関連の報告。原因とは言えず、リスクの上がり方は小さい。研究の「乳化剤」は加工デンプンや重曹まで含む広い範囲 |
| 国の評価は? | ポリソルベートの ADI は日本10・EU 25で日本が厳しい。米国で P80・CMC・カラギーナンを禁止した動きは確認できない |
| 「乳」は牛乳? | 違う。消費者庁はアレルギー表示を「乳成分」にした理由の一つに「乳化剤」との区別を挙げている |
| マヨネーズは? | 法律の定義で乳化剤を使えない。卵黄が乳化の役目。ウラヨミの71品で乳化剤・レシチン入りは7品、うち6品は一括名で中身不明 |
参考にした資料
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- 米国特許 US 1,917,256(1933年)、US 2,158,775(1939年)、US 2,322,820(1943年)、US 2,380,166(1945年)
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- Breene & Harrigan「Sucrose esters: their impact on soybean oil utilization」(ミネソタ大学)、第一工業製薬「DKエステル」カタログ・社報 No.550(2009年)、色材協会誌 89(12):420(2016年)
- キユーピー「キユーピーの歴史」
種類・使われ方・表示
- 消費者庁「食品表示基準について」別添 添加物1-4・2-1(2026年4月)、別添 アレルゲンを含む食品に関する表示(2026年10月)、食品表示基準Q&A(加工-78・79)
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- 札幌市保健所「食品添加物の表示」、京都府「加工食品の品質表示基準」(昭和58年京都府告示第705号、令和元年改正)
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- 米国連邦規則 21 CFR 101.4・101.100、21 CFR Part 172・184
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- Science Media Centre(英国)のコメント(2016年・2023年・2024年)
- Sandall et al. Public Health Nutr 2023(PMID 37732384)/Katsoudas et al. Inflamm Bowel Dis 2024(PMID 38244236)
- Lerner & Matthias. Autoimmun Rev 2015/Dey et al. Nutrients 2025(PMID 41097199)
- IARC Monographs Vol.31(1983)・Supplement 7(1987)カラギーナン
- Awazuhara et al. Clin Exp Allergy 1998(PMID 10024228)/Gholmie et al. J Hum Nutr Diet 2020(PMID 31603281)
各国の評価
- 食品安全委員会「ポリソルベート類」評価書(2007年)、厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 部会報告書(2007年)、食品安全委員会「ひまわりレシチン」評価書(案)(2013年)
- EFSA の再評価:E322(2017・2020)、E471(2017・2021)、E473(2018・2023)、E481/482(2013)、E432–436(2015)、E466(2018)、E407(2018)、E491–495(2017・2025)、E476(2017・2022)
- JECFA(FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議)データベース
- 日本食品化学研究振興財団「平成17年度 マーケットバスケット方式による食品添加物の一日摂取量調査」
- 米国 FDA「臭素化植物油(BVO)の使用承認の取り消し」(2024年)
- EU 規則 2026/196(2026年1月)