English
ラベルの読み方説の検証確認日 2026.10.03

本みりんとみりん風調味料・発酵調味料のちがい 歴史・酒税・アルコールは加熱で飛ぶ?・原材料と糖の量・選び方

PR この記事には、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・A8.net のアフィリエイト広告のリンク(「楽天市場で見る」など)を含みます。書いている内容は、広告の有無と関係なく、公的機関の資料と論文をもとにしています。

スーパーの調味料の棚には、「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプ」「発酵調味料」と、よく似た名前のびんが並んでいます。値段も、アルコールの有無も、置いてある棚も違います。

一方で、こんな話や思いこみをよく見かけます。

  • 「本みりんは、もち米と米こうじと焼酎だけで作る」
  • 「みりん風調味料は安物で、体によくない」
  • 「アルコールは加熱すれば全部飛ぶから、子どもの料理に使っても大丈夫」
  • 「みりんタイプの発酵調味料は、塩を入れて酒税を逃れている」
  • 「本物の本みりんのほうが、ラベルの表示もきちんとしている」

この記事では、

  • みりんは、いつ、どこで生まれたのか。飲むお酒だったみりんが、なぜ調味料になったのか
  • 本みりん・みりん風調味料・発酵調味料は、作り方・法律・税・売り場がどう違うのか
  • 「本みりん」のラベルには何が書かれていて、何が書かれていなくてよいのか
  • 加熱すると、アルコールはどれだけ残るのか。子どもや妊娠中の人、お酒を飲まない人はどう考えればよいのか
  • 糖や塩は、大さじ1でどのくらい違うのか
  • どう選んで、どう使えばよいのか

を、法令、国税庁の資料、文部科学省の食品成分表、論文で確かめます。醤油については 醤油の種類の記事、お酒としての日本酒・焼酎は 日本酒の造り方の記事 と 焼酎の種類の記事 にまとめています。

結論

  • みりんは、もともと「飲む甘いお酒」でした。文献に初めて出てくるのは1593年の『駒井日記』の「蜜淋酎」、「味醂」の字は1614年が最初です。江戸時代の後期に、うなぎのかば焼きやそばつゆに使われるようになり、調味料になっていきました
  • 本みりんは酒税法の「みりん」で、お酒です。アルコールは約14%。みりん風調味料はアルコール1%未満の調味料、発酵調味料(みりんタイプ)は食塩を加えて飲めなくした調味料で、どちらもお酒ではありません
  • 「本みりん=米だけ」とは限りません。法令では、ぶどう糖や水あめを米の重さの2.5倍まで使えます。「糖類」と書かれた本みりんもあるので、原材料名を見る意味があります
  • 「本物」の本みりんのほうが、ラベルの義務は少ないのが今の決まりです。お酒なので、原材料名・アレルゲン・原産国名の表示はいらず、賞味期限・保存方法・栄養成分も省略できます。みりん風調味料と発酵調味料は、これらがすべて義務です。消費税も、本みりんは10%、みりん風調味料は8%です
  • 本みりんの酒税は、1Lあたり20円です。1962年の改正前は1Lあたり140円でした。2006年から変わっておらず、清酒の5分の1です。国内で酒税がかかった本みりんは、1999年度の15.8万kLが最大で、2024年度は9.4万kLでした
  • 加熱しても、アルコールはゼロにはなりません。米国農務省の表では、煮立った鍋に入れてすぐ火を止めると85%、15分煮込んで40%、2時間半で5%が残ります。本みりん大さじ1の純アルコールは約1.7gで、ビール500mLの約12分の1です
  • 大さじ1のエネルギーは、本みりんとみりん風調味料でほぼ同じ(42〜43kcal)です。炭水化物(糖)はみりん風調味料が約1.4倍、塩は発酵調味料だけが大さじ1で0.3g前後あります
  • 本みりんの「照り・煮崩れ防止・臭み消し」の研究は、ほとんどがみりんメーカー(宝酒造・キッコーマン)の研究者によるものです。「三河みりん」は地理的表示(GI)ではなく、「純米本みりん」「本格みりん」にも法令上の定義はありません

この記事で紹介しているもの

紹介しているもの どんなときに 記事の中の場所
三州三河みりん 700ml(角谷文治郎商店) 米・米こうじ・焼酎だけの本みりんを選びたいとき 米・米こうじ・焼酎だけの本みりんを選ぶなら
白扇酒造 福来純 伝統製法 熟成本みりん 500ml 同上。熟成させた本みりんを試したいとき 米・米こうじ・焼酎だけの本みりんを選ぶなら
九重味淋 本みりん 九重櫻 同上。多めの量がほしいとき 米・米こうじ・焼酎だけの本みりんを選ぶなら

みりんはどうやって生まれた?

みりんの歴史は約430年。最初は「甘い珍しいお酒」で、調味料になったのは江戸時代の後期からです。

最古の記録は1593年の「蜜淋酎」

国税庁が酒類の歴史をまとめた調査報告によると、みりんが文献に出てくるのは、戦国時代の終わりから安土桃山時代です。

年 文献 書かれていること
1586〜1592年 『宗湛日記』(博多の豪商、神谷宗湛の茶会の記録) 黒田如水から宗湛への手紙に「密林酒」
1593年 『駒井日記』(豊臣家に関する日記) 「蜜淋酎」を献上する、という記述
1614年 『鹿苑日録』(京都・相国寺の鹿苑院の日記) 今と同じ「味醂」の字が初めて出てくる

このあとも「美醂酒」「蜜醂酒」「蜜琳酒」など、いろいろな字があてられました。当時のみりんは、公家・武家・寺院などの上の階層で、贈りものにされる甘い珍しいお酒として飲まれていました(国税庁の調査報告)。

中国から来た? 日本で生まれた?

みりんの起こりには、2つの説があります(山下勝 1991、日本醸造協会誌)。

説 中身
中国伝来説 中国に「蜜淋(ミイリン)」と呼ばれる甘いお酒があり、戦国時代のころに琉球や九州へ伝わった。「淋」は「したたる」の意味で、蜜がしたたるような甘い酒と解釈されている
日本発生説 日本には昔から練酒・白酒などの甘いお酒があった(1466年の『蔭凉軒日録』に博多の「練貫酒」)。腐りやすいので焼酎を加えるようになり、それがみりんになった

国税庁の報告は、山下の考察を引いて、中国の明の時代の「もろみの途中で焼酎を加えて糖分を多く残す」造り方が伝わり、日本で「最初から焼酎を加える」方法に変わったと考えるのが妥当、としています。江戸時代のほとんどの期間、練酒・白酒には焼酎ではなく酒が使われていたので、練酒からみりんが生まれたとは考えにくい、という理由です。この変化で、中国の甘いお酒の糖濃度が20〜30%だったのに対し、みりんは40%以上にできるようになった、と書かれています。

  • 1649年の『貞徳文集』には、ぶどう酒や焼酎と並んで、みりんが「異国から来た」ものとして書かれています
  • みりんに欠かせない焼酎の蒸留法が琉球に伝わったのは15世紀、九州に残る最も古い「焼酎」の文字は1559年です

なお、中国の甘いお酒の名前と、それが書かれた本の名前は、国税庁の報告とキッコーマンの解説で違っています。この記事では「中国の甘いお酒が伝わったという説」とだけ書いておきます。

江戸時代は「甘いお酒」だった

江戸時代の本には、みりんの造り方が書かれています。

本 造り方 甘さの推定
『本朝食鑑』(1697年) もち米3合・こうじ2合・焼酎1斗で、37日でできる 糖分は約1%。かすかに甘い焼酎のようなもの
『和漢三才図会』(1713年) もち米3升・こうじ2升・焼酎1斗で、37日 ―
『日本山海名産図会』(1799年) もろみの期間は25日 糖分は約30%

甘さの推定は、小林(『本みりんの科学』1986年)によるものです。今の本みりんの糖分は43〜47%なので、江戸時代の前半のみりんは、今よりずっと甘くないお酒でした。焼酎に近いみりんから、甘いお酒のみりんへ、そして今の本みりんへと変わってきた、と考えられています(国税庁の調査報告)。

『和漢三才図会』は、みりんを「とても甘く、お酒の飲めない人や女性が好んで飲む」と書いています。

江戸後期に調味料へ:うなぎとそばつゆ

江戸時代の後期(1837〜1867年)に書かれた『守貞漫稿』には、関東で、うなぎのかば焼きやそばつゆにみりんが使われたとあります。国税庁の報告は、この使い道の変化が、みりんの造り方や品質に影響したと考えられる、としています。

流山の白みりんと、三河のみりん

今のみりんの主な産地の始まりについて、次のことが伝えられています。

  • 千葉県の流山:二代目の堀切紋次郎(相模屋)が、1814年に「白みりん」の造り方を確立した「とされる」とキッコーマンは書いています。銘柄の「万上」は、のちにキッコーマンの流れに入りました。1873年のウィーン万国博覧会に流山のみりんを出品し、1877年に「万上」が宮内省の御用達になった、とキッコーマンは紹介しています
  • 愛知県の三河:江戸時代、隣の知多半島は日本酒の名産地でした。そこで出た酒かすを三河に運んで「かす取り焼酎」を造り、その焼酎でみりんを造った、という歴史があります(国税庁の報告が紹介する地元の文庫の説明)
  • 三河のみりん蔵では、九重味淋(愛知県碧南市)が1772年にみりん造りを始めた、と全国本みりん協議会の「会員歴史」に書かれています。甘強酒造(愛知県蟹江町)は1862年、角谷文治郎商店(碧南市)は1910年です(いずれも各社の説明をまとめたもの)

飲むみりん「本直し」「柳蔭」

みりんに焼酎やアルコールを足した、飲むためのお酒もありました。「本直し」と呼ばれ、アルコールは22〜23%、糖分は10〜12%です。国税庁の報告によると、第二次世界大戦の後に多く造られ、飲まれました。しかし昭和30年代になると、日本酒・ビール・ウイスキーが手ごろな値段で出回るようになり、本直しは急に飲まれなくなりました。

1986年の総説(森田、宝酒造)には「本直し、柳蔭などと呼ぶみりんが、今でも飲まれている」とあります。正月に、みりんに屠蘇散(とそさん)という生薬を浸して飲む習わしもあります。

戦争と酒税:高いお酒だったみりん

  • 1943年、本みりんはぜいたく品として、政府が生産を制限しました(キッコーマン)
  • 明治以降も本みりんは高く、家庭料理にはほとんど使われていなかった、と国税庁の報告は書いています
  • 1962年、みりんの酒税は1kLあたり14万円から6万7,700円へと大きく下がりました(国税庁の報告)。キッコーマンは、1959年と1962年の減税で安く売れるようになり、1967年には生産量が戦前の最も多かった時期を上回った、と書いています
  • 昭和40年(1965年)以降、本みりんは調味料として伸び、家庭でも使われるようになりました(国税庁の報告)

みりん風調味料の誕生

本みりんはお酒なので、酒類の販売免許を持つ酒屋でしか売れず、スーパーなどでは扱えないのがふつうでした(キッコーマン、1986年の総説)。そこで、お酒ではない「みりんに似た調味料」が作られます。

年 できごと 出典
1947年 福泉産業(静岡県富士市)が「日本で初めてみりん風調味料を開発した」と名乗っている 富士市のブランド認定サイトに載った同社の説明(企業の自己申告)
1955年ごろ 「発酵性調味液」が注目され始め、ほぼ同じころに「みりん風調味料」が開発された 森田 1986(宝酒造)
1960年 キング醸造が「日の出 新味料」を発売(アルコール0.4度以下) キング醸造
1981年 粉末のお酒が酒類として認められ、粉末のみりんタイプが製品になった 森田 1986

発酵性調味液(今の発酵調味料の仲間)は、最初は、かまぼこの原料の魚がスケトウダラに変わったときに、そのにおいを隠すために使われた、と1986年の総説は書いています。キッコーマンは、生産量が戦前を上回った1967年ごろの話として、当時多く出回っていたみりん風調味料と区別するために「本みりん」と呼び名を変えた、と説明しています。

1996年、食料品店でも本みりんが売れるように

業界紙の日本食糧新聞(1996年11月20日)は、国税庁が1996年11月18日に、国税庁長官の通達で、みりんを売る免許(みりん小売業免許)の条件をゆるめたと報じています。人口や距離の基準を当てはめないことにして、「エキス分40度以上で、1.8リットル入りの容器入り」のみりんを、一般の食料品店でも売れるようにした、という内容です。キッコーマンも「1996年に酒類販売免許の規制が緩和され、スーパーマーケットでも本みりんが手に入るようになった」と書いています。

通達そのものは確かめられなかったので、この記事では報道とメーカーの説明として紹介します。その後、1998〜2003年にかけて、一般の酒類の小売免許でも、距離の基準(2001年1月)と人口の基準(2003年9月)がなくなりました(国税庁の審議会資料)。

年表

年 できごと
1593年 『駒井日記』に「蜜淋酎」
1614年 「味醂」の字が初めて出てくる(『鹿苑日録』)
1697年 『本朝食鑑』にみりんの造り方
1772年 九重味淋が大濱村(今の愛知県碧南市)でみりん造りを始める(同社の説明)
1814年 流山で白みりんの造り方が確立したとされる
1837〜1867年 『守貞漫稿』に、うなぎ・そばつゆにみりん
1943年 ぜいたく品として生産制限
1947年 みりん風調味料の開発(福泉産業の説明)
1962年 酒税を1kLあたり14万円→6万7,700円に
1996年 食料品店でも本みりんを売りやすくする通達(報道)
2006年 酒税法の改正で「エキス分40度以上」が要件に。酒税は1kLあたり2万円に
2026年10月 酒税の改正。みりんは据え置き

みりんの作り方:3種類のちがい

本みりんは「お酒の中で米を甘くする」、みりん風調味料は「甘いものを混ぜる」、発酵調味料は「発酵させて塩を入れる」と考えると分かりやすくなります。

本みりん・みりん風調味料・発酵調味料(みりんタイプ)の作り方を3列で比べた図。本みりんは、もち米・米こうじ・焼酎(または醸造アルコール)を原料に、仕込む、こうじの酵素で糖化する、30〜40日ほど熟成させる、搾ってこす、の順に造る。みりん風調味料は、水あめ・ぶどう糖などの糖類に米・米こうじ、うま味のもと、酸味料などを混ぜて作る。発酵調味料は、米・米こうじなどでアルコール発酵と糖化・熟成をさせ、食塩を加えて飲めなくする(不可飲処置)。アルコールは本みりん約14%、みりん風調味料1%未満、発酵調味料約10%。法律上は本みりんだけがお酒で、酒税は1Lあたり20円。本みりんでもぶどう糖・水あめを米の重さの2.5倍まで使えること、発酵調味料の塩の割合は法令ではなく業界の数字であることも示す。
図:本みりん・みりん風調味料・発酵調味料の作り方(押すと拡大)

本みりん:もち米・米こうじ・焼酎で「糖化・熟成」

本みりんは、蒸したもち米と米こうじを、焼酎(または醸造アルコール)に入れて造ります。

  1. 蒸したもち米と米こうじを、焼酎やアルコールの中に仕込みます
  2. こうじの酵素が、もち米のでんぷんを分解して糖にし、たんぱく質を分解してアミノ酸にします(糖化)
  3. 宝酒造によると30〜40日間ほど置いて熟成させ、そのあいだに糖とアミノ酸がいろいろな香りや味を作ります
  4. もろみを搾って、こします

最初から焼酎が入っているので、酵母によるアルコール発酵は起こりません(国税庁の報告)。アルコールは、加えた焼酎やアルコールに由来します。日本酒のように「米を発酵させてアルコールを作る」お酒とは、ここが違います。日本酒の造り方は 日本酒の造り方の記事、焼酎の種類は 焼酎の種類の記事 にまとめています。

本みりんの糖の80〜90%はぶどう糖(グルコース)で、ほかに、ニゲロース・マルトース・イソマルトトリオースなどの糖や、もっと多くのぶどう糖がつながったオリゴ糖も含まれます(津田 2009)。

本みりんのメーカーの業界団体は2つあります。

団体 どんなメーカーか
全国味淋協会 連続式蒸留焼酎(醸造アルコールなど)を使うメーカー。宝酒造・キッコーマン食品・ミツカンなど
全国本みりん協議会 原則として、単式蒸留焼酎(本格焼酎のように1回ずつ蒸留する焼酎)を使うメーカー。愛知県酒造組合の中にあり、角谷文治郎商店・甘強酒造・白扇酒造など

みりん風調味料:水あめなどを混ぜて作る

みりん風調味料は、水あめやぶどう糖などの糖類に、米・米こうじ、うま味のもと、酸味料などを混ぜて作る調味料です。アルコールは1%未満で、お酒ではありません(全国味淋協会、国税庁の報告)。

キッコーマンは、みりん風調味料を「糖化・熟成を経ず、主に糖類などの原料のブレンドによって製造」するもの、と説明しています。

発酵調味料(みりんタイプ):塩を入れて「飲めなくする」

みりんタイプの発酵調味料は、米や米こうじを使って、アルコール発酵と糖化・熟成の両方をさせ、食塩を加えて飲めないようにしたものです(国税庁の報告)。これを「不可飲処置(ふかいんしょち)」といいます。

酒税法の「酒類」は「アルコール分1度以上の飲料」なので(第2条)、飲めないようにしたものは、アルコールが10%前後あってもお酒になりません。だから酒税がかからず、酒屋でなくても売れるのです。

ただし、「食塩を何%以上入れれば飲めないことになる」という数字は、法令や国税庁の通達では見つかりませんでした。

  • 国税庁の報告は「本みりんに1.5%以上の塩を加えたような成分のものが多い」
  • 全国味淋協会は「塩分約1.5%」
  • 全国本みりん協議会の表は「2%」、みりんメーカーの研究会の資料は「1.5%以上」

と、いずれも業界の数字です。法令や通達の中で、食塩の割合の数字を見つけることはできませんでした。「法律で2%以上と決まっている」とも書かないでおきます。

3種類を比べる

本みりん みりん風調味料 発酵調味料(みりんタイプ)
作り方 もち米・米こうじ・焼酎(アルコール)で糖化・熟成 糖類・米・米こうじ・調味料・酸味料などを混ぜる 米・米こうじなどを発酵させ、食塩などを加える
アルコール 約14% 1%未満 約10%
塩分 0% 0〜0.2%未満 約1.5〜2%
法律上 お酒(酒税法の「みりん」) 食品 食品
酒税 1Lあたり20円 かからない かからない
売れる場所 酒類の販売免許のある店 どこでも どこでも

出典:全国味淋協会、全国本みりん協議会、国税庁の報告、酒税法。数字は業界団体の目安で、商品ごとに違います。

原材料の決まりも違います。本みりんの原料は酒税法で決まっていますが、みりん風調味料と発酵調味料は「業界の自主基準」です(みりんメーカーの研究会の資料)。

原材料名の「発酵調味料」は、みりんタイプとは限らない

加工食品の原材料名に「発酵調味料」と書かれていても、それがみりんタイプとは限りません。ウラヨミに載せている商品を見ると、

原材料名の書き方 商品の例
本みりん 焼肉のたれ(味研)、なめ茸(小林)
みりん ぽん酢(センザン・黒滝)、ふりかけ(カネイ)
有機米醗酵調味料・米発酵調味料 やきそばソース(光食品)、白だし(ヤマキ)
酵母エキス発酵調味料 ほんだし(味の素)
小麦発酵調味料 ジャワカレー(ハウス)

のように、米・酵母エキス・小麦などいろいろな発酵調味料があります。消費者庁の Q&A には、「発酵調味料(米、米こうじ、酒、砂糖、食塩)」と、かっこの中に原材料を書く例があります。くわしくは 原材料じてん「みりん・米の発酵調味料」 と 酵母エキスの記事 を見てください。

みりんの「親戚」:灰持酒(赤酒)

酒税法には、「みりんに似たお酒」として、みりんと同じ税率になるものがあります。灰持酒(あくもちざけ)です。米と米こうじで発酵させたお酒に木の灰を加えたもので、木灰を1kLあたり1kg以上使うことや、pH5.5以上であることなどが条件です(酒税法施行令 第8条の2)。1986年の総説は、熊本県の「赤酒」をこの仲間に挙げています。

法律では何が決まっている?

本みりんの中身は酒税法で決まっていますが、「本」「純米」「三河」といった言葉には法律の定義がありません。

酒税法の「みりん」

酒税法では、みりんは「混成酒類」の一つで、次のように決まっています(第3条第11号、施行令 第5条)。

決まっていること 中身
アルコール分 15度未満
エキス分(糖などの量) 40度以上(2006年の改正で入った要件)
原料 米・米こうじに焼酎またはアルコールを加えてこしたもの など
使ってよい副原料 とうもろこし、ぶどう糖、水あめ、たんぱく質物分解物、有機酸、アミノ酸塩、清酒かす、みりんかす など
ぶどう糖・水あめの量 米(こうじ米を含む)の重さの2.5倍以下

「たんぱく質物分解物」は、国税庁の通達で「当分の間、小麦グルテンを原料としたものに限る」とされています。みりんに水などを混ぜてエキス分を40度未満にすると、法律上は「リキュール」など別のお酒を造ったことになります(施行令)。

「本みりん」でも糖類は使える

いちばん見落とされやすいのが、ここです。法令は、本みりんに、ぶどう糖や水あめを米の重さの2.5倍まで使うことを認めています。国税庁の報告は、みりんの業界の本(鶴田、2003年)を引いて、戦後まもなく醸造用の糖類の使用が認められ、本みりんの総生産量の「8割近く」の製品に使われていると推定されている、と紹介しています。2003年の本の推定なので、今の割合は分かりません。

同じメーカー(キング醸造「日の出」)の商品で比べると、違いが原材料名に出ます。

商品 種類 原材料名(公式サイトの表示) 大さじ1
本みりん(醇良) 本みりん もち米(タイ産、国産)、米こうじ(タイ産米、国産米)、醸造アルコール、糖類(国内製造) 41kcal・炭水化物7.4g
昔ながらの純米本みりん 本みりん もち米(タイ産、国産)、米こうじ(タイ産米、国産米)、醸造アルコール 42kcal・炭水化物7.4g
新味料(醇良) みりん風調味料 水あめ(国内製造)、米・米こうじの醸造調味料(国内製造)、米黒酢(国内製造)/酸味料 43kcal・炭水化物10.7g
和風天国 みりんタイプ みりんタイプ調味料(加塩) 水あめ(国内製造)、米・米こうじの醸造調味料、食塩/酒精、調味料(アミノ酸等)、酸味料 29kcal・炭水化物5.1g・食塩0.3g

出典:キング醸造の商品ページ(2026年10月3日確認)。和風天国の「みりんタイプ調味料(加塩)」はメーカーの表記で、アルコール分は10.0%です。この記事では、食塩の入った「発酵調味料(みりんタイプ)」の売り場に並ぶ商品の例として扱います。

「本みりん」と書いてあっても、米・米こうじ・焼酎だけで造ったものもあれば、醸造アルコールや糖類を使ったものもあります。どちらも法律上は同じ「みりん」です。米だけのものを選びたいなら、原材料名で「糖類」「水あめ」「醸造アルコール」があるかを見るしかありません。醸造アルコールについては 添加物データベースの「醸造用アルコール・酒精」 にまとめています。

なお、本みりんの資料館の中には「副原料は白米の2倍まで」と書いているところがありますが、今の施行令は「2.5倍以下」です。

「本」「純米」「本格」「三河」の言葉

言葉 法律上の扱い
本みりん 酒税法の品目は「みりん」。キッコーマンは「類似調味料と区別するために『本』をつけて呼ぶことが許されている」と書くが、呼び名を定めた法令・告示は見つからなかった
純米本みりん・純米みりん 法令上の定義はない。宝酒造の研究者も「原料や製造方法による呼称の規定が明確でない」と書いている(高倉 2022)。一般には、糖類などの副原料を使わないものを指す
本格みりん 法令上の定義は見つからなかった。焼酎の「本格焼酎」のような決まりはない
三河みりん 国税庁の地理的表示(GI)には指定されていない(2026年10月時点の一覧に「みりん」はない)。「三州三河みりん」は角谷文治郎商店の銘柄名

焼酎の「本格焼酎」や、日本酒の「純米酒」には、国の基準があります(焼酎の種類の記事、日本酒の造り方の記事)。みりんの「純米」「本格」には、それに当たる基準がありません。言葉ではなく、原材料名で中身を確かめるのが確実です。

「本物」のほうがラベルの義務が少ない? 表示・税・売り場の逆転

本みりんはお酒なので、食品表示のルールでは、みりん風調味料よりも書かなくてよいことが多いのです。

本みりん(お酒)と、みりん風調味料・発酵調味料(食品)の、表示・税・売り場の違いを表にした図。食品表示基準では、本みりんは原材料名・アレルゲン・原産国名を書かなくてよく、賞味期限・保存方法と栄養成分も省略できる。みりん風調味料・発酵調味料はどれも義務。添加物の表示はどちらも義務。消費税は本みりん10%、みりん風調味料は軽減税率の8%。酒税は本みりんが1Lあたり20円。本みりんは酒類の販売免許のある店でしか売れない。本みりんには小麦グルテンからできた副原料が法令上認められているため、小麦アレルギーの人は原材料名のない本みりんならメーカーに問い合わせるのが確実。
図:本みりんとみりん風調味料・発酵調味料の表示・税・売り場(押すと拡大)

ラベルの表示を比べる

食品表示基準では、お酒(酒類)は「原材料名」「アレルゲン」「原産国名」の表示がいらず、「保存方法」「賞味期限」「栄養成分」も省略できる、と決まっています(第3条第3項・第5条。国税庁「食品表示法における酒類の表示のQ&A」問8・問25)。みりん風調味料と発酵調味料は、ふつうの加工食品と同じルールです。

表示 本みりん(お酒) みりん風調味料・発酵調味料(食品)
原材料名 書かなくてよい 義務
アレルゲン 書かなくてよい 義務
原産国名(輸入品) 書かなくてよい 義務
賞味期限・保存方法 省略できる 義務
栄養成分(エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩) 省略できる(書くなら基準どおりに) 義務
添加物 義務 義務
品目(「みりん」)・アルコール分・内容量 義務(酒類業組合法 第86条の5、同施行令 第8条の3) ―
「20歳未満の飲酒は法律で禁止」 調味料として使うことが明らかな容器なら省略できる ―
消費税 10% 8%(軽減税率)
酒税 1Lあたり20円 かからない
売れる店 酒類の販売免許のある店 どこでも

出典:食品表示基準、国税庁「食品表示法における酒類の表示のQ&A」問8・問9・問25、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律 第86条の5・同施行令 第8条の3、国税庁「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」問13、国税庁告示「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」。

つまり、「本物」の本みりんのほうが、法律上はラベルに書かなくてよいことが多いのです。実際には、多くのメーカーが原材料名や栄養成分を任意で書いています。キング醸造の本みりんも、商品ページに原材料名と、「アレルギー特定原材料等は含まれておりません」という任意の表示を載せていました。ただ、書いていない本みりんがあっても、法律違反ではありません。

アレルゲンについては、本みりんの副原料として「小麦グルテンからできたたんぱく質物分解物」を使うことが、法令上は認められています。実際にどの商品が使っているかは確かめられませんでしたが、お酒にはアレルゲンの表示義務がないので、小麦のアレルギーがある人は、原材料名が書かれていない本みりんならメーカーに問い合わせるのが確実です。

原料の米の産地については、別のルールがあります。みりんは「米トレーサビリティ法」の対象品目(米加工食品)で、取引の記録を残すことと、原料の米の産地情報を取引先や消費者に伝えることが義務づけられています(農林水産省)。消費者への伝え方は、容器に書くほか、ウェブサイトなどで知らせる方法も認められています。日の出の本みりんは、原材料名の中で「もち米(タイ産、国産)」と産地を示していました。

消費税は10%と8%

国税庁の軽減税率の Q&A は、酒税法の酒類に当たるみりんや料理酒は軽減税率の対象にならず、酒類に当たらないみりん風調味料(アルコール分1度未満のもの)は「飲食料品」なので軽減税率の対象になる、と説明しています。発酵調味料も、お酒でなければ食品ですが、Q&A には直接の記述はありませんでした。

税だけでどのくらい値段が変わるかを、計算してみます(計算例)。

本みりん みりん風調味料
税を除いた値段(1L) 500円 500円
酒税 20円 0円
消費税 52円(520円の10%) 40円(500円の8%)
合計 572円 540円

同じ値段で作った場合、税だけの差は1Lあたり約32円です。実際の値段の差は、原料(もち米か水あめか)や熟成の期間などで生まれる部分が大きいと考えられます。

年齢確認と「20歳未満の飲酒は法律で禁止」の表示

本みりんを買うと、レジで年齢確認の画面が出ることがあります。

  • 「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」は、お店が20歳未満の人が飲むと知りながらお酒を売ることを禁じ(第1条第3項)、お店に年齢の確認などの措置を求めています(第1条第4項)
  • 容器の「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」という表示は、調味料として使うことが明らかな容器なら省略してよいことになっています(国税庁告示 3(3))
  • 売り場では、お酒の棚に「酒類の売場である」などの表示が要ります。ただし、みりんをほかのお酒と別の棚に置いて「みりん」「これはお酒です」「酒類調味料」と表示すれば、この大きな表示はいらない、と国税庁は説明しています(陳列の Q&A Q5)

料理に使うために本みりんを買う場合の年齢確認について、国税庁が特に説明した資料は見つかりませんでした。レジでの確認は、法律が求める「措置」として、お店ごとに運用されているものです。

酒税と、本みりんが売れた量

本みりんの酒税は、60年あまりで1Lあたり140円から20円まで下がりました。

酒税:1Lあたり140円から20円へ

みりんの酒税はどれだけ下がった?1kLあたりの酒税額(円)。1kL=1,000L なので、1,000で割ると1Lあたりの額0万円5万円10万円15万円1962年の改正前1962年の改正前:140,000円/kL(国税庁の調査報告)140,000円(1L 140円)1962年の改正後1962年の改正後:67,700円/kL(国税庁の調査報告)67,700円(1L 67.7円)1986年ごろ(1Lあたり74円程度)1986年ごろ(1Lあたり74円程度):74,000円/kL(宝酒造の研究者の総説)約74,000円(1L 74円)2005年(13.5〜14.5度)2005年(13.5〜14.5度):21,600円/kL(酒のしおり 2005)21,600円(1L 21.6円)2006年5月〜2026年10月2006年5月〜2026年10月:20,000円/kL(酒税法・酒のしおり 2026)20,000円(1L 20円)参考:清酒(2026年10月)参考:清酒(2026年10月):100,000円/kL(酒のしおり 2026)100,000円(1L 100円)1986年ごろの値は論文の「1Lあたり74円程度」からの換算(黄色)。1962〜2005年の改定の時期と額は確かめられなかった。2005年はアルコール分で税額が変わり、13.5〜14.5度のものが21,600円。2023年・2026年10月の改正でも、みりんは据え置き。出典:国税庁「伝統的酒造り」調査報告(本みりんの歴史)、森田 1986(調理科学)、国税庁「酒のしおり」2005年・2026年。
出典:国税庁「伝統的酒造り」調査報告(本みりんの歴史)、森田日出男「みりんとその類似調味料」調理科学 1986、国税庁「酒のしおり」2005年版・2026年版
時期 1kLあたりの酒税 1Lあたり 出典
1962年の改正前 140,000円 140円 国税庁の報告
1962年の改正後 67,700円 67.7円 国税庁の報告
1986年ごろ ― 74円程度 森田 1986(宝酒造)
2005年(アルコール13.5〜14.5度) 21,600円 21.6円 国税庁「酒のしおり」2005年版
2006年5月〜今 20,000円 20円 酒税法 第23条、「酒のしおり」2026年版
  • 2006年5月1日から変わっていません。2023年10月と2026年10月の酒税の改正でも、みりんは据え置きでした(「酒のしおり」の税率一覧で確認)
  • 清酒・果実酒は1kLあたり10万円、ビール系は2026年10月から15万5,000円です。みりんは清酒の5分の1です
  • 1Lのびんなら20円、1.8Lなら36円、500mLなら10円が酒税です
  • 1986年ごろの「1Lあたり74円程度」は、1962年の67.7円より高い数字です。1962年のあとに一度上がり、2005年までに大きく下がったことになりますが、いつ・いくら変わったかは確かめられませんでした(74円は宝酒造の研究者の総説に書かれた「程度」の数字です)

本みりんの課税数量の推移

本みりんの課税数量の推移酒税がかかった本みりん(酒税法の「みりん」)の量。単位は千kL(1千kL=100万L)、年度050100150千kL1970198019902000201020201996年11月 食料品店でも売りやすくする通達(報道)2006年5月〜 酒税1kLあたり2万円1970年度:31千kL1975年度:41千kL1980年度:69千kL1985年度:80千kL1989年度:91千kL1993年度:93千kL1994年度:92千kL1995年度:95千kL1996年度:97千kL1997年度:106千kL1998年度:110千kL1999年度:158千kL2000年度:135千kL2001年度:107千kL2002年度:107千kL2003年度:109千kL2004年度:108千kL2005年度:112千kL2006年度:113千kL2007年度:115千kL2008年度:111千kL2009年度:108千kL2010年度:107千kL2011年度:104千kL2012年度:104千kL2013年度:106千kL2014年度:104千kL2015年度:108千kL2016年度:106千kL2017年度:103千kL2018年度:101千kL2019年度:100千kL2020年度:93千kL2021年度:95千kL2022年度:96千kL2023年度:94千kL2024年度:94千kL1999年度 15.8万kL(最大)1970年度 3.1万kL2024年度 9.4万kL1970〜1989年度は5年おきの値(点線)。1993年度からは毎年。2005年度以前は2006年改正前の区分の数量。1999〜2000年度が飛び抜けて多い理由は、確かめられなかった。みりん風調味料・発酵調味料は酒類ではないので、この数字に入っていない(全国の統計は見つからなかった)。出典:国税庁「酒のしおり」2026年版 酒類課税数量の推移(国税庁統計年報)。
出典:国税庁「酒のしおり」2026年版 酒類課税数量の推移(国税庁統計年報)。1970〜1989年度は5年おきの値

国税庁の統計で、国内で酒税がかかった本みりんの量(課税数量)を見ると、

  • 1970年度は3.1万kLでした
  • 1985年度に8.0万kL、1996年度に9.7万kLと増え、1999年度に15.8万kLで最も多くなりました
  • その後は10万〜11万kLほどで続き、2024年度は9.4万kLです。最大だった1999年度の約6割です
  • 2024年度の本みりんは、お酒全体(811.6万kL)の約1.2%にあたります

1999〜2000年度だけが飛び抜けて多い理由は、確かめられませんでした。また、2005年度以前の数字は、2006年の改正前の区分で数えたものです。

1984年、家庭ではみりん風調味料が本みりんを上回っていた

みりん風調味料と発酵調味料は、お酒ではないので、国の酒類の統計に入りません。全国の出荷量の統計は、調べた範囲では見つかりませんでした。

古い数字ですが、1986年の総説に、宝酒造が推計した1984年のみりんと類似の調味料の量が載っています。全部で約15.2万kL、販売金額は600億円ほどでした。

1984年 本みりん みりん風調味料 発酵調味料
家庭用 42% 43% 15%
業務用(食品工場・飲食店など) 51% 13% 36%

出典:森田 1986(図1。元は宝酒造マーケティング部の推計)。

家庭用では、みりん風調味料(43%)が本みりん(42%)をわずかに上回っていました。本みりんが酒屋でしか買えなかった時代に、スーパーで買えるみりん風調味料が家庭に広がっていたことがうかがえます。業務用では、塩の入った発酵調味料が3分の1以上を占めていました。

体への影響は?

気をつけたい点は、本みりんでは「アルコール」、みりん風調味料では「糖の量と添加物」、発酵調味料では「塩とアルコール」です。

加熱すると、アルコールはどれだけ残る?

「みりんのアルコールは、加熱すれば飛ぶ」とよく言われます。メーカーの説明も、2つに分かれています。

説明
キッコーマン(よくある質問) 加熱するとアルコールは飛ぶので「問題はないと思われます」としつつ、「アルコール分がゼロになるわけではありません」と書いている
宝酒造(よくある質問) 子どもの料理について「十分加熱する料理ですとアルコールは飛んで残りません」。加熱しない和え物などは、先に煮切ることを勧めている
加熱するとアルコールはどれだけ残る?料理に入れたアルコールのうち残る割合(%)と、本みりん大さじ1(純アルコール約1.7g)に当てはめた量大さじ1なら0%25%50%75%100%沸騰した液に入れてすぐ火を止める沸騰した液に入れてすぐ火を止める:85%85%約1.4g炎を上げる(フランベ)炎を上げる(フランベ):75%75%約1.3g加熱しないで一晩置く加熱しないで一晩置く:70%70%約1.2g混ぜて煮込む・焼く 15分混ぜて煮込む・焼く 15分:40%40%約0.7g 〃 30分 〃 30分:35%35%約0.6g 〃 1時間 〃 1時間:25%25%約0.4g 〃 1時間半 〃 1時間半:20%20%約0.3g 〃 2時間 〃 2時間:10%10%約0.2g 〃 2時間半 〃 2時間半:5%5%約0.1g大さじ1(15mL)・アルコール14度の本みりんの純アルコール=15×0.14×0.8=約1.7g(厚生労働省の計算式)。比べると:ビール500mL(5%)は20g。果汁100%ジュースにも最大0.77g/L(ドイツの市販品の分析)。値はワイン・リキュールなどを使った料理で測ったもの(Augustin ら 1992)。みりんでの実測ではない。鍋の大きさ・ふたの有無・火の強さで変わる。出典:USDA Table of Nutrient Retention Factors, Release 6(2007年)。量はウラヨミで計算。
出典:USDA Table of Nutrient Retention Factors, Release 6(2007年)。元の実験は Augustin ら 1992。本みりん大さじ1への当てはめはウラヨミで計算

数字で確かめられるのは、米国農務省(USDA)が栄養計算のために出している「料理でアルコールが残る割合」の表です。米国アイダホ大学などの実験(Augustin ら 1992)が元になっています。

料理のしかた 残る割合 本みりん大さじ1なら
煮立った液に入れて、すぐ火を止める 85% 約1.4g
炎を上げる(フランベ) 75% 約1.3g
加熱しないで一晩置く 70% 約1.2g
混ぜながら煮込む・焼く 15分 40% 約0.7g
 〃 30分 35% 約0.6g
 〃 1時間 25% 約0.4g
 〃 2時間 10% 約0.2g
 〃 2時間半 5% 約0.1g
  • 2時間半煮込んでも、5%は残ります。「十分に加熱すれば残らない」という説明は、この表とは合いません
  • ただし、この表はワインやリキュールを使った料理で測った値で、みりんで測ったものではありません。鍋の大きさ、ふたの有無、火の強さでも変わります
  • 煮切りみりん(みりんを先に煮立ててアルコールを飛ばしたもの)に、どれだけアルコールが残るかを測った日本の論文は、見つかりませんでした

大さじ1の純アルコールはどのくらい?

厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年)の式(量 × アルコール度数 × 0.8)で計算すると、

  • 本みりん大さじ1(15mL・14度)の純アルコールは、約1.7gです
  • ビール500mL(5%)は20gなので、本みりん大さじ1はビール中びん1本の約12分の1です
  • 発酵調味料(アルコール10%)の大さじ1は、約1.2gです

計算例として、4人分の煮物に本みりん大さじ2を使い、15分煮込んだとすると、残るアルコールは「1.7g × 2 × 40%」で約1.3g、1人分は約0.3gになります。

身の回りの食品にも、アルコールはごく少し含まれています。ドイツの市販品を分析した研究(Gorgus ら 2016)では、オレンジ・りんご・ぶどうのジュースに最大で1Lあたり0.77gのエタノールが含まれていました。コップ1杯(200mL)なら最大約0.15gです。

ガイドラインは、生活習慣病のリスクを高める量を、1日あたり純アルコールで男性40g以上、女性20g以上としています。料理に使うみりんのアルコールは、この量とは桁が違います。ただし、これは「量の比較」で、少しでも避けたい人にとって「ゼロ」という意味ではありません。

子ども・妊娠中・運転・お酒を飲まない人は?

料理に使ったみりんについて、国や公的機関が「子どもや妊娠中の人は控えて」などと見解を出した資料は、見つかりませんでした。分かっている事実を並べます。

気になる人 分かっていること
子ども 20歳未満の飲酒は法律で禁止されている。料理の本みりんは「飲む」ものではないが、加熱してもアルコールはゼロにならない(USDA の表)。宝酒造は、加熱しない料理では先に煮切ることを勧めている
妊娠中・授乳中の人 厚生労働省のガイドラインは、妊娠中の飲酒が胎児性アルコール症候群などをもたらす可能性がある、としている。キッコーマンも、サイトに「妊娠中や授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれ」と書いている
アルコールに弱い体質の人 ガイドラインは、アルコールを分解する酵素がとても弱い人は、ごく少量でも強い反応が出ることがある、としている
運転する人 本みりん大さじ1の純アルコールは約1.7gで、加熱すれば減る。料理のみりんと運転の関係を調べた資料は見つからなかった
宗教上の理由などでアルコールをとらない人 本みりん(約14%)・発酵調味料(約10%)にはアルコールが入っている。みりん風調味料も「1%未満」で、成分表では0.5容量%、日の出の新味料は0.4度以下と、ゼロではない

気になるときは、加熱しない料理には煮切ってから使う、長めに煮込む料理に使う、アルコールを避けたいならアルコール分の表示を見て選ぶ、という方法があります。

なお、マウスにみりん・清酒・赤ワイン・5%のエタノールを45日間飲ませたところ、肝臓でアルコールを分解する酵素のはたらきが変わった、という動物実験があります(Kishimoto ら 1997)。これは、みりんを飲み物としてたくさん与えた実験で、料理に使う量とは関係がありません。お酒の飲みすぎと体の関係は、日本酒と健康の記事、焼酎と健康の記事、ビールと健康の記事 にまとめています。

糖:大さじ1で比べると

「みりん風調味料は糖が多い」とよく言われます。食品成分表で確かめます。

大さじ1で比べる:本みりん・みりん風調味料・発酵調味料大さじ1(15mL)あたり。重さは本みりん17.6g・みりん風19.0g・料理酒15.2g(比重で換算)本みりんみりん風調味料発酵調味料(日の出 和風天国)料理酒(参考)エネルギー(kcal)本みりん本みりん:4242みりん風調味料みりん風調味料:4343発酵調味料発酵調味料(日の出 和風天国):2929料理酒料理酒(参考):1313炭水化物(g)本みりん本みりん:7.67.6みりん風調味料みりん風調味料:10.610.6発酵調味料発酵調味料(日の出 和風天国):5.15.1料理酒料理酒(参考):0.70.7アルコール(g)本みりん本みりん:1.671.67みりん風調味料みりん風調味料:0.060.06発酵調味料発酵調味料(日の出 和風天国):1.201.20料理酒料理酒(参考):1.621.62食塩相当量(g)本みりん本みりん:0.000.00みりん風調味料みりん風調味料:0.040.04発酵調味料発酵調味料(日の出 和風天国):0.300.30料理酒料理酒(参考):0.340.34本みりん・みりん風調味料・料理酒:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の100gあたりの値を、 大さじ1の重さ(100mLあたりの重さ 117.0g・126.9g・101.6g から計算)に掛けた値(ウラヨミで計算)。発酵調味料:キング醸造「日の出 和風天国 みりんタイプ」の大さじ1の公表値。アルコールは表示の10.0%から計算。みりん風調味料の炭水化物は本みりんの約1.4倍。エネルギーはほぼ同じ(42〜43kcal)。商品ごとに値は違う。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」から大さじ1の重さで換算(ウラヨミで計算)、発酵調味料はキング醸造「日の出 和風天国 みりんタイプ」の公表値

成分表の値は「100gあたり」です。ところが、みりん風調味料は本みりんより重く(100mLあたり 本みりん117.0g、みりん風調味料126.9g)、同じ大さじ1でも重さが違います。そこで、大さじ1(15mL)あたりに計算し直しました(独自の計算)。

大さじ1あたり 本みりん みりん風調味料 発酵調味料(日の出 和風天国) 料理酒(参考)
エネルギー 42kcal 43kcal 29kcal 13kcal
炭水化物 7.6g 10.6g 5.1g 0.7g
アルコール 1.7g 0.06g 約1.2g(計算) 1.6g
食塩相当量 0g 0.04g 0.3g 0.34g

出典:本みりん・みりん風調味料・料理酒は成分表(八訂 増補2023年)から計算、発酵調味料はメーカーの公表値。

  • エネルギーは、本みりんとみりん風調味料でほぼ同じです。本みりんはアルコールにもエネルギーがあるので、糖が少ないぶんが埋め合わされます
  • 炭水化物(ほとんどが糖)は、みりん風調味料が本みりんの約1.4倍です。体の中でエネルギーになる糖の量(利用可能炭水化物)で比べると、本みりん約4.7g、みりん風調味料約7.6gで、差はさらに大きくなります
  • 糖の種類は、本みりんはぶどう糖が中心で、ほかに成分表で個別に測っていないオリゴ糖などが含まれます。みりん風調味料は、ぶどう糖と麦芽糖(水あめの糖)が多いのが特徴です(成分表:100gあたり ぶどう糖24.4g・麦芽糖12.4g)
  • 「糖質ゼロ」をうたうみりんタイプ調味料もあります。日の出の「みりんタイプ糖質ゼロ」は、難消化性デキストリンや甘味料(ステビア)で甘みをつけていて、大さじ1で13kcalです

大さじ1の糖の差は約3gです。煮物1回分なら大きな差ではありませんが、毎日の料理でたくさん使う家庭なら、積み重なります。糖の種類については 砂糖の種類の記事 と 異性化液糖の記事、甘味料は 甘味料の記事 にまとめています。

塩:発酵調味料は「塩を引いて」使う

発酵調味料は、飲めなくするために食塩が入っています。日の出の和風天国(みりんタイプ)は大さじ1で食塩0.3g、「みりんタイプ糖質ゼロ」は0.35gです。

みりんメーカーの研究会の資料も「使うときに塩味の調整が必要」と書いています。レシピの「みりん」を発酵調味料に置きかえるときは、そのぶん塩や醤油を少し減らすと、塩分のとりすぎを防げます。食塩のとり方は 食塩摂取量の記事 にまとめています。

添加物:みりん風調味料・発酵調味料に多い

みりん風調味料と発酵調味料には、商品によって添加物が使われています。日の出の例では、

  • 新味料(みりん風調味料):酸味料
  • 和風天国(みりんタイプ):酒精(アルコール)、調味料(アミノ酸等)、酸味料
  • みりんタイプ糖質ゼロ:酒精、調味料(アミノ酸)、甘味料(ステビア)

でした。キング醸造は、新味料の「臭み消し」の効果について「酸味料の効果」と注記しています。これらの添加物のしくみと安全性の評価は、酸味料・pH調整剤の記事、うま味調味料の記事、甘味料の記事、添加物データベース にまとめています。

本みりんでも添加物を使えば表示の義務がありますが、法令で使える副原料は決まっていて、日の出の本みりんには添加物の表示はありませんでした。

みりん風調味料は「体に悪い」?

みりん風調味料と本みりんで、食べた人の体への影響を比べた研究は、確かめられませんでした。分かっている違いは、次のとおりです。

本みりん みりん風調味料
糖 大さじ1で7.6g 大さじ1で10.6g(約1.4倍)
アミノ酸 多い(1986年の分析で100gあたり227〜234mg) 少ない(同45〜61mg)
アルコール 約14% 1%未満
添加物 原則なし 酸味料などを使う商品がある

1986年の総説の分析では、みりん風調味料の全糖は61.5〜68.3%で、本みりん(46.9〜47.2%)より多めでした。2021年の研究(Yamamoto ら、共著者にキッコーマンの研究者)は、本みりんはみりん風調味料よりアミノ酸が多く糖が少ないこと、味見の試験で甘さやコクに差があったことを報告しています。

「体に悪い」かどうかは、この違いを自分の食事にあてはめて考えることになります。糖を減らしたいなら本みりん、アルコールを避けたいならみりん風調味料、というように、目的で選ぶのが現実的です。

料理の効果の研究は、ほとんどがメーカーの研究者

本みりんには「照りが出る」「煮崩れしにくい」「臭みが消える」といった効果があるとされ、論文もあります。

効果 分かったこと 研究
照り さわらの照り焼きの光沢を測ると、本みりんを100としたとき、清酒+砂糖は約53 高倉 2022(宝酒造)
煮崩れ防止 じゃがいもを本みりんで煮ると、加熱後も組織が保たれていた。糖とアルコールの両方がはたらき、片方だけでは効果が低い 高倉ら 2000(宝酒造)、津田 2009 のまとめ
肉のうま味が流れ出るのを防ぐ 本みりん5%の液に浸けた豚肉は、加熱後も筋肉の繊維が保たれていた 高倉ら 2000(宝酒造)
臭み消し アルコールが蒸発するときに臭いの成分を連れ出すことと、本みりんの成分が臭いの成分と反応することで、魚の臭いの成分(メチルアミン)が、清酒と砂糖を混ぜた液より多く減った 河辺・森田 1998(宝酒造)

ここに挙げた研究は、宝酒造の研究者によるものです(津田 2009 は短期大学の研究者によるまとめですが、まとめの元になった実験の多くに宝酒造の研究者が加わっています)。みりんの調理効果の論文は、ほかもほとんどが宝酒造・キッコーマンの研究者によるものでした。メーカーと関係のない研究者が同じ結果を確かめた研究(追試)は、調べた範囲では見当たりませんでした。研究の中身が間違っているという意味ではありませんが、利益相反の可能性があることは知っておいてよいでしょう。

学会誌の巻頭言には「みりん風調味料には本みりんの調理効果はない」という書き方もありますが、キング醸造はみりん風調味料の新味料について、甘み・照りは「◎」、臭み消しは「○」としています。研究の説明どおりなら、煮崩れ防止のように「糖とアルコールの両方」が必要な効果は、アルコールがほとんど入っていないみりん風調味料でははたらきにくいと考えられますが、みりん風調味料で同じ実験をした研究は確かめられませんでした。

本みりんには抗酸化(ものが酸化するのを防ぐ)作用がある、という研究もあります。ただし、これは調理中に油などが酸化するのを抑えるという話で、人の健康に効くことを示した研究ではありません。

よく聞く話の判定

よく聞く話 判定
本みりんは、もち米・米こうじ・焼酎だけで作る そうとは限らない。法令では糖類(ぶどう糖・水あめ)を米の2.5倍まで、醸造アルコールも使える。原材料名で確かめる
加熱すればアルコールは全部飛ぶ ゼロにはならない(USDA の表で2時間半でも5%)。ただし、みりんで測った値ではない
みりん風調味料は体に悪い 比べた研究は確かめられなかった。違うのは糖(約1.4倍)・アミノ酸・添加物
発酵調味料は法律で塩2%以上と決まっている 法令・通達に数字はない。1.5%・2%は業界の数字
本物の本みりんのほうが、ラベルがしっかりしている 逆。お酒なので、原材料名・アレルゲンは書かなくてよく、賞味期限や栄養成分も省略できる
三河みりんは産地ブランド(GI) 地理的表示には指定されていない。「三州三河みりん」は銘柄名
純米本みりんには国の基準がある ない
本みりんは照りや煮崩れ防止に効く 論文はあるが、ほとんどがメーカーの研究者による

選び方・使い方

まず「アルコールを避けたいか」「糖を減らしたいか」「原料にこだわりたいか」を決めると、選ぶものが決まります。

目的から選ぶ

こんなとき 選ぶもの 理由
照り・コク・煮崩れ防止を重視したい 本みりん アルコールと糖の両方が入っている
原料を米・米こうじ・焼酎だけにしたい 本みりん(原材料名に糖類・醸造アルコールがないもの) 「本みりん」だけでは分からない
アルコールを避けたい みりん風調味料 アルコール1%未満(ゼロではない)
糖を減らしたい 本みりん(または糖質ゼロをうたう調味料) みりん風調味料は糖が約1.4倍
塩分を控えたい 本みりん・みりん風調味料 発酵調味料は大さじ1で0.3g前後の塩
酒類を売っていない店で買いたい みりん風調味料・発酵調味料 お酒ではないので免許がいらない

ラベルで見るところ

  1. 種類:「みりん」(お酒)か、「みりん風調味料」「発酵調味料」「みりんタイプ調味料」か
  2. アルコール分:本みりんは13.5〜14.5度くらい。みりん風調味料は1%未満、発酵調味料は10%前後
  3. 原材料名:「糖類」「水あめ」「醸造アルコール」「焼酎」のどれが入っているか。本みりんは書いていない商品もある
  4. 食塩相当量:発酵調味料は塩が入っている
  5. 添加物:「/」のあとに書かれた酸味料・調味料(アミノ酸等)・甘味料など

使い方:煮切り・入れるタイミング・保存

  • 煮切り:和え物やたれなど、加熱しない料理に使うときは、本みりんを小鍋で煮立ててアルコールを飛ばしてから使う方法があります(宝酒造)。ただし、どこまでアルコールが減るかを測ったデータは見つかりませんでした
  • 入れるタイミング:宝酒造は、煮崩れ防止や臭み消しのために最初に入れ、照りをつけたいときは最後にもう一度入れる、と勧めています
  • 保存:本みりんは、アルコールと糖(約45%)が多いので、開けたあとも常温の冷暗所で保存できます。冷蔵庫に入れると、糖が白く結晶することがありますが、品質に問題はない、とメーカーは説明しています。みりん風調味料はアルコールがほとんど入っていないので、開けたら冷蔵庫へ(キッコーマン)
  • 本みりんの色が濃くなるのは、糖とアミノ酸が少しずつ結びつく反応(メイラード反応)によるもので、温度が高いほど早く進みます(宝酒造)
  • 代わりに使うなら:本みりんの代わりに清酒と砂糖を使う方法がよく紹介されます。ただし、照りは本みりんの半分ほどだった、という宝酒造の測定があります

米・米こうじ・焼酎だけの本みりんを選ぶなら

「本みりん」と書かれていても、糖類や醸造アルコールを使ったものがあることは、上で見たとおりです。米・米こうじ・焼酎だけで造った本みりんを選びたいなら、原材料名を見て「糖類」「水あめ」「醸造アルコール」が入っていないものを選びます。

全国本みりん協議会は、原則として単式蒸留焼酎(1回ずつ蒸留する焼酎)を使うみりんメーカーの団体です。角谷文治郎商店(愛知県碧南市、1910年創業)の「三州三河みりん」は、この協議会の会員の銘柄です。原材料名と内容量は、買う前に商品ページの表示で確かめてください。

白扇酒造(岐阜県川辺町)も同じ協議会の会員で、協議会の紹介によると、江戸時代の後期に、近くの酒蔵の酒かすから「かす取り焼酎」を造り、それでみりんを造っていた蔵です。麹を機械を使わずに手で造っている、と紹介されています。

九重味淋(愛知県碧南市)は、全国本みりん協議会の「会員歴史」によると1772年にみりん造りを始めた蔵です(同社の説明)。九重味淋は、全国味淋協会の会員一覧(「本みりんの日」のページ)にも名前があります。協議会の紹介では、銘柄の「九重櫻」は、もち米・米こうじ・本格焼酎を使って造っています。たくさん使う家庭向けの、量の多いものを選べます。

この記事で紹介したもの(まとめ)

記事の中で紹介したものを、もう一度まとめました。理由や原材料は、それぞれの節に書いています。

紹介したもの 購入先
角谷文治郎商店 三州三河みりん 700ml 楽天市場で見る(ライフスタイル&生活雑貨のCheeky) PR
Amazonで見る PR
Yahoo!ショッピングで見る PR
白扇酒造 福来純 伝統製法 熟成本みりん 500ml 楽天市場で見る(楽天24) PR
Amazonで見る PR
Yahoo!ショッピングで見る PR
九重味淋 本みりん 九重櫻 1.8L 楽天市場で見る(にっぽん津々浦々) PR
Amazonで見る PR
Yahoo!ショッピングで見る PR

まとめ

気になること 分かったこと
みりんはいつ生まれた? 文献では1593年の「蜜淋酎」が最初。「味醂」の字は1614年。中国伝来説と日本発生説があり、国税庁の報告は「中国の造り方が伝わり、日本で変わった」とする考えを紹介
調味料になったのは? 江戸時代の後期。うなぎのかば焼き・そばつゆ。それまでは飲む甘いお酒
3種類のちがいは? 本みりん=お酒(アルコール約14%)、みりん風調味料=アルコール1%未満の調味料、発酵調味料=塩を入れて飲めなくした調味料(アルコール約10%)
本みりんは米だけ? 法令では糖類を米の2.5倍まで使える。原材料名を見る
ラベルは? 本みりんはお酒なので、原材料名・アレルゲンの表示はいらず、賞味期限・栄養成分も省略できる。みりん風調味料・発酵調味料は義務。消費税は10%と8%
酒税は? 1Lあたり20円(2006年から据え置き)。1962年の改正前は140円
アルコールは加熱で飛ぶ? ゼロにはならない(USDA の表で15分40%・2時間半5%)。本みりん大さじ1の純アルコールは約1.7g
糖・塩は? 大さじ1のエネルギーはほぼ同じ(42〜43kcal)。糖はみりん風調味料が約1.4倍。塩は発酵調味料だけ0.3g前後
料理の効果は? 照り・煮崩れ防止などの論文はあるが、ほとんどがメーカーの研究者による

参考にした資料

法令・国税庁

成分・健康

  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」本表・炭水化物成分表(本みりん 16025、みりん風調味料 17054、料理酒 17138) https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
  • 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年2月)
  • USDA「Table of Nutrient Retention Factors, Release 6」(2007年) https://www.ars.usda.gov/ARSUserFiles/80400525/Data/retn/retn06.pdf
  • Augustin J, et al. Alcohol retention in food preparation. J Am Diet Assoc 1992;92(4):486-488(PMID 1556354)
  • Gorgus E, et al. J Anal Toxicol 2016(PMID 27405361)
  • Kishimoto R, et al. J Nutr Sci Vitaminol 1997(PMID 9530614)
  • Yamamoto K, et al. J Biosci Bioeng 2021;132(6):599-605(PMID 34607774)

歴史・料理の効果(みりんメーカーの研究者による論文を含む)

  • 山下勝「みりんの発生」日本醸造協会誌 1991;86(10):768-772
  • 森田日出男「みりんとその類似調味料」調理科学 1986;19(3):161-169
  • 津田「みりんの調理効果」日本調理科学会誌 2009;42(1):44-48
  • 高倉「本みりんの調理効果」生物工学会誌 2022;100(2):81-84
  • 大江ほか 日本調理科学会誌 2001;34:25(江戸時代の料理本の調査)

業界団体・企業

  • 全国味淋協会「本みりんの知識」 https://www.honmirin.org/knowledge/
  • 全国本みりん協議会「本みりんを知ろう」「会員歴史」 http://zenkokuhonmirin.com/study.html
  • キッコーマン「みりんの歴史」「本みりんとは」「よくある質問」 https://www.kikkoman.co.jp/enjoys/mirin/history.html
  • 宝酒造「本みりん よくあるご質問」
  • キング醸造「日の出」本みりん醇良・昔ながらの純米本みりん・新味料・和風天国・みりんタイプ糖質ゼロの商品ページ(2026年10月3日確認)
  • 富士ブランド「新みりん 福泉」(福泉産業)

関連する読みもの・データベース

この記事は、公的機関の資料と研究をもとに表示のルールや評価を整理したもので、特定の食品や添加物の安全性・危険性を判定するものではありません。制度や海外の規制は変わることがあります(確認日 2026.10.03)。